「腰が痛くて歩くのがつらい」
「デスクワークで腰が痛くなる」
「朝起きると腰が重い」
このように腰の痛みに悩んでいませんか。
つらい腰痛を放っておくと、症状が悪化したり、膝や背中などにまで痛みが出たりするかもしれません。
今回は、腰痛に効く足ツボマッサージについて以下の項目ごとに詳しく解説します。
・腰痛に効く足のツボ9選
・足ツボマッサージのために準備すること
・実際に足ツボマッサージでセルフケアをする際のコツ
・足ツボマッサージをする際の注意点
足ツボマッサージを活かしたセルフケアによって腰痛を予防・緩和する効果が期待できます。ぜひ最後まで読み、参考にしてください。
目次
知識編!腰痛を足裏のツボで軽減! 不思議な関係性とは
腰痛に悩んでいる方には、足裏や足にあるツボを刺激するマッサージがおすすめです。足裏のツボは、腰をはじめとする全身の器官や臓器と繋がっています。ツボへの刺激が腰に作用したり、血行を促進したりすることで痛みの軽減に繋がる場合が多いのです。
腰痛に効く足裏のツボを知れば、腰痛を軽減するセルフケアが簡単にできます。まずはツボや足ツボマッサージ、リフレクソロジーとの違いについて詳しく解説します。
そもそも「ツボ」って何? 基本の知識
「ツボ」は人の全身に存在し、関連するポイントの刺激によって体の各部の不調を改善できる箇所のことです。東洋医学に基づくツボ療法はWHO(世界保健機関)にもその効果を認められています。
ツボの歴史は古く、なんと約5000年前のエジプトの壁画にもツボを押す人の絵が描かれています。日本には約1800年前の飛鳥時代に伝来してきて以来、ツボを刺激したり、温めた手を不調のある部位に当てたりといった健康法が現代まで続いてきました。
現在では、WHOがツボの位置と名称を系統立てて定めており、その数は全身361箇所にのぼります。そのうち足裏にただ一つ定められている「湧泉(ゆうせん)」というツボこそが、腰痛に効果のあるツボだと言われます。
ツボ療法が持つ力
WHOが統一して定める箇所以外にも、ツボは体中に存在します。それらのツボを適度な力で刺激するツボ療法の活用によって体の不調を改善できるのです。
ツボは「経穴(けいけつ)」とも呼ばれ、内側で全身の神経と繋がっている「経絡(けいらく)」というエネルギーの通り道に沿って並んでいます。ツボへの刺激が体のいたるところに伝わることによって、痛みなどの不調を取り除いていきます。足裏のツボを刺激して、離れた位置にある腰の痛みが軽減するのはこのためです。
ツボ療法には主に以下のような効果があります。
・痛み緩和
・不調改善
・血行促進
・睡眠の質向上
・冷え性の改善
・自律神経の調子を整える
中国を始め、多くの国でツボ療法、足ツボマッサージは取り入れられています。
リフレクソロジーとの共通点・違い
ツボというポイント(反射点)に刺激を与える足ツボマッサージに対し、エリア(反射区)を刺激して体や心の調子を整えるリフレクソロジーという健康法もあります。足ツボマッサージとリフレクソロジーの主な特徴は以下の通りです。
足ツボマッサージ | リフレクソロジー | |
場所 | ツボ(ポイント) | エリア |
強さ | 痛気持ちいい強さ | なでるように押す |
効果 | 体の不調改善
痛み軽減 血行促進 |
体の不調改善
リラックス効果 ストレス解消 |
体の不調を改善するという効果は、足ツボマッサージとリフレクソロジーに共通しています。一方で、刺激の強さや、付随する効果には違いがあります。つらい腰痛に悩んでいて体のケアに力を入れたい方には、血行促進効果のある足ツボマッサージがおすすめです。
腰痛に効く足のツボ9選
ここからは、つらい腰痛を軽減する効果があるおすすめの足のツボを9つ紹介します。
①湧泉(ゆうせん)
②失眠(しつみん)
③金門(きんもん)
④京骨(けいこつ)
⑤太衝(たいしょう)
⑥足臨泣(あしりんきゅう)
⑦崑崙(こんろん)
⑧中封(ちゅうほう)
⑨照海(しょうかい)
名前は難しくて覚えにくいかもしれませんが、場所と効果を詳しく解説しますのでぜひ参考にしてみてください。
①湧泉(ゆうせん)
場所:足裏の中央より少し指側
効果:腰痛緩和、全身の疲労回復、冷え性改善、ストレス緩和
湧泉は足の指をグーにしたときにできるくぼみのところにあります。足裏の中央より少し指側のあたりです。湧泉を刺激することで、腰痛だけでなく全身の疲労回復にも効果があります。
「万能のツボ」とも呼ばれる湧泉は、WHOが統一した361箇所のツボのうち、足裏にある唯一のツボです。湧泉を刺激することで多くの効果が期待されます。
・腰痛緩和
・疲労回復
・冷え性改善
・ストレス緩和
・更年期障害、生理痛の緩和
「湧泉」は、その名の通り体中のエネルギーが「湧き出る泉」のようなツボなのです。
②失眠(しつみん)
場所:かかとの足裏側中央にあるくぼみ
効果:睡眠の質の向上
腰痛の原因の一つである睡眠不足や不眠に効果があるツボが失眠です。かかとの足裏側、中心部に位置しています。失眠への刺激は、神経の緊張を和らげて、睡眠の質を高める効果があります。かかとを湯たんぽにのせて軽く温めるのもおすすめです。
③金門(きんもん)
場所:足の外側、出っ張った骨の後ろ側のくぼみ
効果:急激な痛みを和らげる
金門は急激な痛みの治療に用いられる「げき穴(けつ)」と呼ばれるツボのひとつです。主に下肢の症状に効果があり、腰痛や坐骨神経痛による痛みやしびれを和らげてくれるでしょう。また、足をつった時の改善にも効果を発揮します。
④京骨(けいこつ)
場所:足の外側、出っ張った骨の前側のくぼみ
効果:腰痛、膝の痛み、肩こり、頭痛、目まいなどの改善
京骨は「原穴(げんけつ)」と呼ばれる、高い効果を発揮するツボのひとつです。足や腰から頭にも繋がる経絡にあるため、腰痛以外にも、頭痛や目まいといった症状にも効果を発揮します。
この京骨と③の金門は近い位置にあります。足の外側で、小指とかかとの中間付近にある出っ張った骨の前側にあるのが京骨、後ろ側が金門です。
⑤太衝(たいしょう)
場所:足の甲、親指と人差し指の骨が交わる場所のくぼみ
効果:血流改善、体の冷えを改善、ストレス緩和
太衝は足の甲にあるツボです。足の親指と人差し指の間から、足首方向に指3本分ほどのぼり、骨がV字に交差している部分のくぼみにあります。太衝は血流を改善するツボで、腰痛の原因となる体の冷えに対して効果を発揮します。ストレス緩和にもおすすめのツボです。
⑥足臨泣(あしりんきゅう)
場所:足の甲、小指と薬指の骨が交わる場所のくぼみ
効果:腰痛・肩こり・頭痛の緩和、目まい改善
「泣」という名前のとおり、押すととても痛いと感じるツボです。足臨泣は下肢から脇腹、肩、頭まで繋がる経絡上にあり、腰痛や肩こり、頭痛を緩和させる働きをします。押したときの強い痛みを、眠気覚ましに活用するという人もいるそうです。
⑦崑崙(こんろん)
場所:外くるぶしとアキレス腱の間のくぼみ
効果:腰痛・坐骨神経痛を緩和、頭痛・目まい改善
崑崙はギックリ腰の急性期など腰痛の初期症状に効果があるツボとされています。外くるぶしとアキレス腱の間のくぼみにありますが、腰痛がひどい場合には崑崙自体が腫れることもあります。
また、足首に痛みを抱えている人が、不自然な姿勢をとった結果腰痛を引き起こす場合があります。「崑崙」は、そんな足首の痛みにも有効です。
⑧中封(ちゅうほう)
場所:内くるぶしと足首前面の太い腱の中間にあるくぼみ
効果:背中の痛みや腰痛を緩和
前屈したとき背中の真ん中あたりが痛む場合や、ギックリ腰になってしまった場合におすすめのツボが中封です。下腹部の痛みや血流改善にも有効なツボです。つま先を上に向けると、内くるぶしの前側に太い腱が見えます。この腱と内くるぶしの間のくぼみが、中封の位置です。
⑨照海(しょうかい)
場所:内くるぶしから指1本分下のくぼみ
効果:慢性化した腰痛の改善、月経不順の改善
照海は内くるぶしの真下にあるツボです。場所がわかりやすいためセルフケアにおすすめです。照海の刺激によって、慢性化した腰痛を改善する効果が期待できます。また、泌尿器・生殖器の不調にも有効であり、月経不順やむくみに悩む女性にもおすすめのツボです。
準備編!腰痛に効く足ツボマッサージの効果を上げる5つのポイント
ここからは腰痛に効く足ツボマッサージの効果を、さらに高めるポイントを5つご紹介します。
①体を温める
②マッサージ前に手を温める
③クリームやオイルで肌を守る
④手の爪を手入れする
⑤お好みでツボ押しグッズを揃える
すべてを実施する必要はありませんが、これらの準備をして足ツボマッサージをおこなえば、つらい腰痛をより効果的に改善することができるでしょう。
それぞれ詳しく解説します。
①身体を温める
足ツボマッサージを始める前に、身体を温めましょう。身体を温めると血行が良くなり、筋肉のコリも柔らかくなるからです。
マッサージ前にはゆっくり目の入浴がおすすめです。身体を温めるだけでなく、入浴自体のリラックス効果も期待できます。時間がない場合は、お湯を入れたペットボトルや足湯でツボ付近を温めるだけでも効果を得られます。
身体を温めると血行が促進され、足ツボの刺激が腰に伝わりやすくなります。心身ともにリラックスして、足ツボマッサージの効果を高めましょう。
②マッサージ前に手を温める
ツボを刺激する直前に、マッサージに使う手を温めるとより効果的です。温めた手がツボ付近の血行を促進するため、ツボから腰へとマッサージの効果をさらに高く伝えられます。
理想は少し熱めの42~43℃くらいのお湯で両手を温めることです。マッサージ直前に手を10分ほどつけておけば、十分に温まるでしょう。腰の痛みを感じたときには、休憩を兼ねて手を温めてからツボを押してみてください。気軽にマッサージの効果を高められるためおすすめです。
③クリームやオイルで肌を守る
ツボ押しマッサージをする前に、ボディクリームやオイルを塗って肌を守りましょう。すべりが良くなり、手指とツボ付近の肌の両方を保護できます。クリームやオイルには保湿成分が含まれていることも多く、肌を守るだけでなくその後の乾燥を防ぐのにも役立ちます。香りの好みがある方は、お気に入りの香りのものを用意すればリラックス効果も得られてなおよいでしょう。
この方法は肌のお手入れにもなるため、乾燥肌や肌荒れが気になる人に特におすすめです。
④手の爪を手入れする
足ツボマッサージの前には、手の爪を手入れすることが重要です。爪が長いままツボを刺激しようとすると、爪が当たって肌を傷つけたり、爪が割れたりする原因になります。
腰痛を改善しようとして、別の部分を傷つけてしまうのは避けたいところです。ピカピカに爪を磨く必要はありませんが、足ツボマッサージの前には必ず爪の長さを確認し、伸びていたらカットしましょう。
⑤お好みでツボ押しグッズを使う
お好みでツボ押しグッズを使ってみるのもおすすめです。ツボ押しを続けているうちに指や腕が疲れてしまう場合があります。そのようなときにはツボ押しグッズを使ってみましょう。
特に足裏のツボを刺激する際には、無理な姿勢になりがちです。普段腰痛に悩んでいる人にとって、グッズの活用はかなり有効だと言えます。
足ツボマッサージ専用グッズを揃えてもよいですし、身近な道具で代用してみてもかまいません。ツボ押しグッズを使うと、少ない力で楽にツボを刺激できます。あなた好みのツボ押しグッズを検索してみてください。
足ツボマッサージ専用グッズ一覧
代表的な足ツボマッサージ専用グッズを3つ紹介します。
・足ツボマット
板に足裏のツボの位置に合わせた突起物がついていて、その上に体重をかけて足裏のツボを刺激します。
中にはツボや反射区の位置が書いてある商品もあります。
左右の足裏全体を一度に刺激できるため、手軽に足ツボマッサージをしたい方におすすめです。
・足ツボローラー
突起がついた円筒形のローラーに足を乗せて、前後にコロコロ転がしながら足裏のツボを刺激します。
ピンポイントで狙ったツボを刺激するのは難しいですが、テレビを見たり、デスクワークをしたりしながら流れ作業で手軽にセルフケアができるのが特徴です。
・足裏マッサージ棒
ピンポイントでツボを刺激できるグッズで、細長い棒状のものや、T字型で持ちやすくなっているものなどさまざまな形状の商品があります。
足裏だけでなく膝裏やふくらはぎのツボを押すのにも役立ちます。コンパクトなので持ち運びも可能です。
身近な道具を代用してもOK
専用のグッズを揃えなくても、身近な道具での代用もできます。
・ペン
ペン先でツボを押してみましょう。指で押すよりも少ない力で楽にツボを刺激できます。仕事や家事のすき間時間でサッと足ツボマッサージを行いたい方におすすめです。
・ゴルフボール
ゴルフボールの上に足を乗せて、心地良いポイントを探しながら転がしてつぼを刺激する方法もあります。ストッキングに入れるなど、ボールが遠くに転がっていかないように工夫するとよいでしょう。
・お湯を入れたペットボトル
ペットボトルも利用できます。ツボ周辺に当てて温めるだけでも効果があります。ただし、ヤケドには気をつけましょう。
実践編! 足ツボマッサージで腰痛のセルフケアをする5ステップ
いよいよ足ツボマッサージの実践に挑戦してみましょう。腰痛のセルフケアをするための5つのステップをご紹介します。
①入浴後や寝る前のリラックスタイムにおこなう
②ツボの位置を探す
③親指の腹を使って垂直に押す
④「痛気持ちいい」程度の力で押す
⑤マッサージ後には水分補給をする
難しそうに思うかもしれませんが、意外と簡単に自分でもできるのが、足ツボマッサージのいいところです。ぜひ以下の手順でセルフケアに挑戦してみてください。
①入浴後などのリラックスタイムにおこなう
足ツボマッサージによるセルフケアにおすすめのタイミングは、入浴後や帰宅後のリラックスタイムです。リラックスした状態だと、筋肉が緩み、血行が良くなるため、ツボへの刺激の効果が最大限に引き出されます。
ゆっくりお風呂に入り、一日の疲れを取った後におこなうと良いでしょう。身体を温められることによる相乗効果もあります。
足ツボマッサージは睡眠の質を高める効果も期待できますが、一方で身体から老廃物を排出しようとする働きもあります。そのため、夜中にトイレに行きたくなり起きてしまう人もいるようです。足ツボマッサージは寝る直前ではなく、就寝2時間前までにするのがおすすめです。
リラックスして足ツボマッサージをする際には、心地良い音楽やアロマテラピーを取り入れるとより効果がアップします。
②ツボの位置を探す
マッサージで刺激するツボの位置を指や手のひらで探してみましょう。ツボは骨や筋肉、腱の周りにあるくぼみにあります。見た目ではわからなくても、押してみるとへこんだり、圧迫感や痛みがあったりする箇所がツボの位置です。
この記事でも腰痛に効くおすすめ足ツボの情報を9つ紹介していますが、実際の場所には個人差があります。同じ人であってもその日の体調によってツボの位置は変わることがあります。
足ツボマッサージをする際にはよく見て、触って、痛みを感じるツボの位置を確かめてみてください。
なお、ツボの位置がピンポイントでわからなくても安心してください。押してみて心地良いポイントを目安にして周辺を刺激するだけでも効果は期待できます。
③親指の腹を使って垂直に押す
ツボの位置を見つけたら、親指の腹を使って垂直に押しましょう。垂直に押すのは、ツボを奥深くまで刺激できることや、指の圧力が均等にかかるため痛みを感じにくくなることなどの利点があるからです。
5秒ほどかけて息をゆっくり吐きながら、ツボを押しましょう。息を吐くと余分な力が抜け、適度な力で刺激しやすくなります。ツボの周りを円を描くように刺激するのもおすすめです。
親指の腹で押しづらい場合は下記のやり方も試してみましょう。
・人差し指や中指で押す
・もう片方の手で裏側から支える
自分の押しやすいやり方で、気持ちいいと感じる部分を押すように意識してみてください。
④「痛気持ちいい」程度の力で押す
足ツボマッサージでは「痛気持ちいい」程度の強さで押すのが理想です。いちがいに強ければいいというものではありません。
弱すぎると効果を感じられず、強すぎるとただ痛いだけですぐにやめたくなってしまうでしょう。いずれにせよ十分な効果を得られなくなってしまうのです。
腰痛に効くツボ付近がかたいと感じる場合は、1回3〜5秒で何度か押してみて、コリをほぐしてみましょう。
ポイントは適切な力でマッサージを行うことです。強く押せば効果があるわけではありません。力が強すぎるともみ返しが起こり、かえって痛む部分を増やしてしまいます。押す力を少しずつ強めていき、痛みを感じるけれど気持ちいい程度の「痛気持ちいい」強さで足ツボを押しましょう。
押しているときに感じる痛みは、足ツボマッサージが終わると、腰痛とともに軽くなります。何度かマッサージをおこない、最も効果的な力の強さを把握していきましょう。
⑤マッサージ後には水分補給をする
足ツボマッサージが終わったら、必ず水分補給をしましょう。マッサージ後は代謝が促進されて、老廃物が汗や尿として排出されやすくなるからです。
摂取する水分としては、人肌ほどの温度の白湯やハーブティーがおすすめです。温かい飲み物は血行を促進させ、マッサージの効果をより高めてくれます。
用意がなければ常温の水を飲んでもかまいません。冷たい飲み物は体を冷やし、消化機能を低下させてしまうので避けてください。
マッサージ後にはゆっくりと時間をかけて水分補給し、溜まっていた老廃物を排出しましょう。温かい飲み物を摂取することで、足ツボマッサージ後のリラックス効果もより長く持続できるでしょう。
腰痛に効く足ツボマッサージをおこなう際の注意点
腰痛に効く足ツボマッサージをおこなう際は下記のポイントに注意しましょう。
・心疾患・脳血管疾患・腎臓疾患がある人はNG
・満腹時・極度の空腹時・飲酒後は避ける
・体調不良時にはおこなわない
・妊娠中の足ツボマッサージは危険
・力を入れ過ぎない
・一度に長時間やり過ぎない
・足を怪我している時にはおこなわない
・激しい痛みや長期的な痛みは我慢せずプロに頼る
それぞれ詳細に解説します。
・心疾患・脳血管疾患・腎臓疾患がある人はNG
心疾患や脳血管疾患、腎臓疾患がある人は、足ツボマッサージをおこなわないでください。足ツボマッサージは血行を促進させるため、症状を悪化させてしまうリスクがあるからです。
そのため過去に診断を受けた方や、病気の恐れがある方は、足ツボマッサージは避けましょう。どうしても足ツボマッサージに興味がある場合は、自己判断ではおこなわず、必ずかかりつけの先生のアドバイスを受けるようにしてください。
・満腹時・極度の空腹時・飲酒後は避ける
満腹時や極度の空腹時、飲酒後には足ツボマッサージは避けましょう。ツボへの刺激は全身の血行を促進するため、満腹時や空腹時におこなうと、消化不良や低血糖といった健康トラブルを引き起こす危険性があります。
また、飲酒後に刺激すると酔いがまわってしまい、予期せぬ影響がでてしまうこともあるでしょう。
食後は消化器官の働きを妨げないように、30分以上は時間を空けるのがおすすめです。足ツボマッサージは気軽に実施できる腰痛対策ではありますが、適切なタイミングにしっかりおこなうことが大切です。
・体調不良時にはおこなわない
風邪や発熱といった体調不良の時には足ツボマッサージをおこなわないようにしましょう。体調不良から回復しようと、体力が消耗しているからです。
体調不良時には免疫力が低下していることが多く、足ツボマッサージの刺激によって身体に余計な負担をかけると回復が遅くなる場合があります。また、発熱時に血行が促進されると、体温がさらに上昇してしまうため症状の悪化や不快感の増加を招く恐れもあります。
体調不良の時は足ツボマッサージを控え、身体が十分に回復するまで休息を取ることを最優先にしましょう。
・妊娠中の足ツボマッサージは危険
妊娠中の足ツボマッサージはたいへん危険ですので避けてください。足裏には生殖器に繋がるツボもあり、刺激が伝わって体調が悪化する場合があるためです。強い刺激が子宮収縮を引き起こす恐れもあり、流産や早産のリスクが高まる危険性も考えられます。
妊娠中はホルモンバランスの変化や体重の増加、免疫力の低下など母体に多くの負担がかかっているので、足ツボマッサージが逆に悪影響を与えるかもしれません。
妊娠中はアロマテラピーなどを活用し、リラックスして安静に過ごしましょう。足ツボマッサージは避けるべきですが、どうしてもマッサージを受けたい場合は、医師に相談し監修を受けてください。
・力を入れ過ぎない
足つぼマッサージをおこなう際には、力の入れ過ぎに注意が必要です。強すぎる刺激によって皮膚や筋肉などの組織を傷つけたり、もみ返しを起こしたりと逆効果になることもあるからです。
ツボへのマッサージに限らず「痛いほうが効いている」と考えるのは誤りです。あまりに強すぎる刺激は、ひどい場合だと神経にダメージを与えてしまい、かえって腰痛を悪化させる恐れもあります。
足ツボマッサージをするときには、様子を見ながら過度に力を入れ過ぎないように気を付けてください。理想は「痛気持ちいい」と感じる程度の強さです。自分なりの「痛気持ちいい」強さを見つけてツボを刺激できれば、リラックス効果も高まるでしょう。
・一度に長時間やり過ぎない
足ツボマッサージが心地良いからといって、一度に長時間やり過ぎないように注意しましょう。長時間力をかけ続けると、筋肉や神経に過度な負担がかかり、痛みを増してしまう原因になります。1箇所を集中して刺激し続けるとあざになったり、炎症を起こしたりする場合もあります。
足ツボマッサージは1日5分ほどの短時間でも効果が得られるセルフケアです。休憩中や入浴後などすき間時間にツボを押すとよいでしょう。継続しておこなえばより腰の痛みが軽減しやすくなります。
1つのツボを刺激する時間は3~5分程度が目安です。いくつかの腰痛に効くツボを少しずつ刺激するなど、セルフケアをおこなう際には長時間やり過ぎないように注意してください。
・足を怪我している時にはおこなわない
足を怪我しているときの足ツボマッサージは避けましょう。怪我の部分や周辺を刺激すると、血行が促進されて痛みが増したり、怪我による炎症を悪化させたりする恐れがあるからです。
見た目では怪我をしていないように見えても注意が必要です。軽く押すだけでも強い痛みを感じる場合や、押す前から痛みを感じる場合は、炎症を起こしている恐れがあるため、足ツボマッサージは控えた方が無難です。
足を怪我している場合には、まず回復させるために適切な治療と安静が必要です。まずは怪我を治してから、心置きなく足ツボマッサージをしましょう。
・激しい痛みや長期的な痛みは我慢せずプロに頼る
激しい痛みや長期的な痛みがある場合、ぎっくり腰や骨盤のトラブルなど疾患の可能性があります。セルフケアで軽減しようとしたり我慢したりせずに、病院や整体院、鍼灸院などの予約をしましょう。
このような痛みはすぐに治療をしたほうがよい危険な状態のサインです。足ツボマッサージでは症状が改善しないばかりか、症状を大きく悪化させてしまうかもしれません。
医師や整体師、鍼灸師といった専門家に委ねれば、腰痛になる原因や理由を特定して、最適な治療法を見つけられます。また、正しいストレッチ法や運動などのセルフケアも学べて、長期的な健康維持にも役立つでしょう。
セルフケア整体院では腰痛を改善する施術を行うだけでなく、施術後も腰痛で悩まずに過ごせるセルフケアの方法をお客さま一人ひとりにお伝えしています。ぜひサイトからご連絡ください。
足ツボマッサージを行っても症状が改善しない場合や、痛みが長く続く場合は専門機関に相談して適切な診断と処置を受けてください。
まとめ:足ツボマッサージを活用して腰痛に悩まされない生活を
腰痛を改善する手軽なセルフケアとして、足ツボマッサージは効果的です。この記事では、腰痛に効く足のツボ9選と、足ツボマッサージによるセルフケアの準備とやり方、注意点について解説しました。
足ツボマッサージでツボを刺激することで下記のようなさまざまな効果を得られます。
・腰痛緩和
・血行促進
・睡眠の質向上
・ストレスの緩和
ただし、症状が改善しなかったり、強い痛みがあったりする場合には専門的な診断を受けたほうがよいので、我慢せずに医療機関や整体院などに相談してください。
腰の痛みが気になる方はこの記事の内容を参考に、セルフケアに足ツボマッサージを活用して、腰痛の悩みから解放されましょう。