「ばね指の原因はどんなことがあるの?」
「これからばね指にならないために原因を知っておきたい」
ばね指と診断されても、その原因が思いつかない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ばね指の原因は加齢にともなう変化だけでなく、生活習慣や仕事での指の使いすぎが深く関係しています。
そこで本記事はばね指が起こる原因をくわしく解説します。
ばね指の原因を知ることは、予防策をとる上でも非常に大切です。
この記事を読んで、自分にばね指が起こった原因を探り、再発予防につとめましょう!
目次
ばね指とは「指の曲げ伸ばしがスムーズでない状態」
ばね指は、指の腱(けん)と腱鞘(けんしょう)の動きが悪くなり、指が曲がったり伸びきらなくなる状態をいいます。
主な症状は以下のとおりです。
- ・指を伸ばそうとすると関節の付け根あたりで引っかかる
- ・指が曲がったままの状態で伸ばせない
- ・指の曲げ伸ばしがスムーズにできない
- ・指を曲げるときに、関節から指の中間あたりで腱が浮き出る
- ・指の自由に動かせる範囲が制限され、力を入れにくい
- ・痛みや腫れをともなっている
ばね指のはじまりは、関節の付け根が軽く引っかかる感覚です。
少しの違和感であるため、ばね指と気づく方は少ないでしょう。
しかし、そのまま放っておくと、症状が悪化して指が完全に曲がったままの状態になってしまい、日常生活に支障をきたします。
この状態では自然治癒が難しくなるため、保存療法で効果がなければ手術療法が選択されることもあります。
そのため、ばね指は初期の段階から適切な対処が重要です。
ばね指の主な原因は指の使いすぎ
ばね指の原因の多くは、指の使いすぎです。
指を使いすぎることで以下の現象が起きます。
1. 腱と腱鞘の間の過剰な摩擦により、滑液が減少する
指の動きをスムーズにするためには、腱(けん)と腱鞘(けんしょう)の間に滑液(かつえき:すべりをよくするための液)が十分に存在することが重要です。
しかし、指を使いすぎると摩擦が増え、滑液が減少します。
これにより、腱と腱鞘の間のすべりが悪くなり、ばね指の症状が現れやすくなります。
2. 腱や腱鞘が厚くなったり腫れたりして腱の動きが悪くなる
指の使いすぎは、腱や腱鞘に負担をかけます。
その結果、腱や腱鞘が厚くなったり、炎症を起こして腫れたりするのです。
これにより、腱の動きが制限され、指の曲げ伸ばしがスムーズにできなくなります。
3. 腱が腱鞘からそれて、うまく動かなくなる
摩擦が過度になったり炎症が進行したりすると、腱が腱鞘からそれてしまうことがあります。
これにより、腱が本来の位置でなめらかに動かなくなり、ばね指の症状がさらに悪化するのです。
指の曲げ伸ばしが困難になり、強い引っかかりや痛みを感じるようになります。
ばね指の7つの原因を徹底解説!
ばね指は、腱や腱鞘への過剰な負担や障害が原因です。
本項では、それらを引き起こす7つの理由について解説します。
ばね指の原因①くり返し動作による一部の指(特に親指)への負担
同じ指でくり返し動作をつづけると、その指の腱と腱鞘に過度な負担がかかるため、ばね指の発症リスクが高まるでしょう。
たとえば、パソコンの入力作業や製造業の組み立て作業などで同じ指を使いつづける場合、ばね指になりやすい傾向です。
指に過剰な負荷がかかると、腱と腱鞘が必要以上に擦れて腱鞘が厚くなったり、炎症を起こしたりします。
その結果、腱鞘が腫れあがり、指の動きに違和感や痛みを感じるようになるのです。
ばね指はなぜ親指に起きやすいのか
ばね指が親指に多いのは、親指の付け根にある手根管(しゅこんかん)という狭い管を通っている「屈筋腱」が障害を受けやすいためです。
この屈筋腱が腫れて動きにくくなり、ばね指を引き起こします。
ばね指の原因②加齢にともなう腱鞘や関節の変化
年齢を重ねるとともに手の腱や腱鞘、関節の老化は進行します。
腱の弾力性が低下したり、腱鞘の中の滑液が減少したりするため、腱と腱鞘の動きが悪くなり、ばね指の発症につながります。
また、加齢にともなう関節の変形や可動域の低下もばね指の発症に影響するでしょう。
50代以降ではこうした加齢にともなう変化が顕著になり、ばね指になりやすくなります。
ばね指の原因③外傷やけがによる腱鞘の損傷
外傷やけがによって、ばね指の発症を引き起こすことがあります。
手に強い衝撃が加わったり、切り傷やねんざを負ったりすると、腱自体が切れたり腱鞘が裂けたりする外傷が生じます。
外傷により腱と腱鞘の動きが制限され、その指がスムーズに動かなくなってばね指となるリスクが高まるのです。
ばね指の原因④糖尿病や甲状腺機能低下症などの病気にともなう腱の損傷や腱鞘の変化
糖尿病や甲状腺機能低下症などで、ばね指が発症することも少なくありません。
というのも、糖尿病や甲状腺機能低下症などの代謝性疾患では、腱のコラーゲン代謝や滑液の供給が十分におこなわれなくなります。
その結果、腱の弾力性が失われたり、腱鞘内が乾燥して腱と腱鞘の動きが悪化したりして、ばね指になりやすくなります。
ばね指の原因⑤女性ホルモンの変動による腱の弾力性低下
女性ホルモンの変化は、ばね指の発症と関連性があると考えられています。
女性ホルモンの一種であるエストロゲンの低下により、腱の代謝が低下して腱の弾力性が失われやすくなるといわれているためです。
エストロゲンには、腱や靭帯のコラーゲン代謝を調節する働きがあります。
とくに更年期以降の女性では、卵巣からのエストロゲン分泌が低下するため、腱の健康が損なわれやすい状況です。
そのため、腱が傷つきやすくなり、ばね指のリスクが高まると考えられています。
実際に、ばね指の発症率は更年期前後の40代後半から60代の女性で高くなる傾向です。
適度な運動や栄養摂取によりホルモンバランスを保つことがホルモンバランスの変化によるばね指を治すためには重要です。
ただし、発症予防や治療に関しては、専門医に相談してからおこないましょう。
ばね指の原因⑥力仕事やスポーツによる大きな負荷
力仕事で手の指に過度な力がかかったり、スポーツで手に急に大きな力が加わると、腱や腱鞘を痛めてしまう可能性があります。
腱が損傷したり、腱鞘が裂けて腱がそれたりすると、指の動きが悪くなりばね指につながります。
ばね指の原因⑦ビタミン不足がばね指の発症を招くことも
ビタミン不足がばね指の発症リスクを高める可能性があります。
ビタミンB群やビタミンCなどが不足すると、以下のような影響が及び、ばね指の発症につながることがあります。
- コラーゲンの合成低下により、腱や腱鞘の弾力性が低下する
- 抗酸化作用の低下で、腱や腱鞘の炎症が起こりやすくなる
- 代謝やエネルギー産生への影響で、筋力低下や疲労が生じる
特にビタミンC不足は、コラーゲンの合成に不可欠な栄養素であるため、腱の老化やダメージリスクが高まるでしょう。
ただし、ばね指の直接の原因は加齢や継続的な過度な負担、外傷などが主です。
ビタミン不足が直接的な原因でなくても、それらのリスクが高まる可能性があると考えられています。
ばね指予防のためには、バランスのよい食事により必要なビタミンを摂取することが推奨されます。
ばね指の再発予防方法
ばね指は一度発症すると再発することも多いため、予防が大切です。
以下の方法を実践し、ばね指の再発リスクを減らしましょう。
冷やすまたは温める
- 【冷やす場合】
- ・鈍い痛みがある
- ・熱感や腫れなどの炎症症状がある
- 【温める場合】
- ・手の指にこわばりがある(手の指が動かしにくい)
- ・慢性的な(長くつづく)痛みがある
手指を使いすぎて鈍い痛みが出たり、炎症が起きて熱感がある場合は、アイシングが効果的です。患部を冷やすことで炎症を抑えることができます。
反対に、血流の悪さから手指がこわばるときや痛みが長く続くときは、手を温めることが有効です。
洗面器などにお湯をためて手指を温めると、血流が改善し痛みをやわらげることが期待できます。
運動やセルフストレッチをする
適度な運動で指の柔軟性を保ちましょう。
痛みがあると、指を動かさなくなりがちですが、長時間安静にしていると血流が悪くなり関節が固くなります。
そのため、腱の可動域を保ち、柔軟性を維持するために、毎日手や指の運動やストレッチをおこなうことが再発予防に重要です。
指の曲げ伸ばしや手首の回転など、簡単な運動でも効果があるでしょう。
以下の動画を参考にして、日々のストレッチを取り入れてみてください。
適度な休憩をとる
繰り返し動作が原因でばね指になることが多いため、作業の合間にこまめに休憩を取ることが大切です。
1時間に5〜10分の小休止を入れるなど、無理のない作業を心がけましょう。
これにより、指や手の負担を軽減できます。
作業環境を改善する
作業環境がばね指の発症原因となることも少なくありません。
そのため、作業環境の改善を検討しましょう。
たとえばパソコン作業などでは、キーボードの高さや角度を調整したり、手の位置を変えるリストレストを使用したりして、手指や手首への負担を軽減することが効果的です。
適切な作業環境を整えることで、手指へのストレスを減らし、ばね指の再発を予防しましょう。
外傷予防を徹底する
手に無理な力が加わらないよう注意し、スポーツや力仕事をする場合にはサポーターを使用して手を保護しましょう。
これにより手の腱や腱鞘を守り、ばね指の再発リスクを減らすことができます。
バランスのよい食事をとる
ビタミンB群やビタミンC、葉酸などの栄養素を意識的に摂取することで、腱の健康を保ちましょう。
また、こまめな水分補給も大切です。
以下の食材を積極的に取り入れて、栄養バランスの良い食事を心がけましょう。
- 【ビタミンB郡】豚肉、さかな、大豆、バナナなど
- 【ビタミンC】柑橘類、キウイフルーツ、ピーマン、ブロッコリーなど
- 【葉酸】ほうれん草、レバー、アスパラガスなど
生活習慣の改善を検討する
肥満や糖尿病などの生活習慣病がある場合、それらをコントロールすることで、ばね指の発症リスクを下げられます。
適切な食事や運動、睡眠を心がけ、生活習慣の見直しを検討しましょう。
健康な生活習慣を維持することは、ばね指の再発予防に大いに役立ちます。
ばね指の原因を知り、再発予防を徹底しましょう!
ばね指は、指の腱と腱鞘の間で動きが悪くなり、指の曲げ伸ばしがスムーズにできなくなる状態です。
その原因は、指の使いすぎや加齢、外傷、病気、女性ホルモンの変動、力仕事やスポーツ、ビタミン不足など多岐にわたります。
この記事では、ばね指の原因とその予防方法について詳しく解説しました。
ばね指の原因を知り、それに対応した予防策を講じることが大切です。
適切なケアと生活習慣の改善により、ばね指の再発を防ぎ、健康な手指を保ちましょう。
セルフケア整体では、ばね指の根本原因を見つけ出し、症状改善だけでなく独自のセルフケア指導で再発予防も徹底しています。
ばね指になってどうしたらいいかわからない方、ばね指をくり返してお困りの方は、セルフケア整体に一度ご相談ください!
【セルフケア整体の基本情報はこちら】
- 住所:〒169-0073 東京都新宿区百人町1-5-4 東都ビル502
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ばね指のよくある質問
ばね指に関するよくある質問にお答えします。
ばね指はどうやって治しますか?
ばね指は、医療機関で以下の方法で治療します。
- 保存療法(安静、薬物療法など)
- 手術療法
ばね指で、手術療法が第一選択になることはありません。
安静の保持や薬物療法による痛みの軽減などでも日常生活に支障のある場合に、手術療法が検討されます。
くわしく知りたい方は以下の記事をご参照ください。
バネ指になったらやってはいけないことは?
ばね指と診断されたら、以下は避けるようにしてください。
- ・放っておく
- ・指を無理にのばす
- ・痛いところをマッサージする
いずれの行為も、炎症の起きている腱や腱鞘を悪化させる可能性があります。
ばね指と診断されたら、できる限り安静を保ち、炎症が落ち着いたらリハビリテーションやストレッチをおこない、再発予防につとめましょう。
ばね指になるのはどんな人?
ばね指になりやすい方は、以下のとおりです。
- 【ばね指になりやすい方】
- 50代以降の高齢者
- パソコン入力や製造業など、繰り返し同じ指の動作をする職業の人
- 力仕事や激しいスポーツで手に負荷がかかる人
- 肥満や糖尿病などの生活習慣病がある人
- 関節リウマチなどの自己免疫疾患患者
- 手に外傷や捻挫の既往がある人
- 甲状腺機能低下症など、代謝性疾患の患者
- ビタミンB群やビタミンC、葉酸などの栄養不足がある人
- 女性ホルモン分泌が低下する更年期以降の女性
- 手の腱鞘が狭い体質の人
- 手作業が多い家事や趣味をしている人
- 手の使い過ぎや無理な動作を避けない人
- 定期的な手のストレッチや休憩を怠る人
上記にあげた方は、ばね指になりやすいだけでなく、一度治っても再発しやすいです。
とくに仕事や家事で指先を使う場面が多い方は、再発させないために業務量を減らしたり業務内容を変更したりと環境の調整が必要でしょう。