ツムラの漢方薬には、医師の診断を基に処方される医療用医薬品と、一般的に薬局で購入可能な一般用医薬品の2種類があります。
特に坐骨神経痛に効果がある漢方薬は製剤番号で識別されます。
例えば、関節痛や神経痛、腰痛、筋肉痛にも効果がある漢方薬が一般用医薬品として提供されています。
ただし、医療用の疎経活血湯エキス顆粒など一部の製品には副作用がある可能性がありますので、使用時には注意が必要です。
自分で漢方薬を選ぶ際は、商品の注意事項を確認してから症状にあうものを探すようにしましょう。
ここでは、ツムラの漢方薬で坐骨神経痛に効く一般用医薬品について詳しく説明します。
目次
ツムラの漢方の番号と色の見分け方
ツムラの漢方薬には製剤番号があり、1桁台の番号ごとに色が異なります。
製剤番号1桁台 | 色 |
0番 | 濃紺色 |
1番 | 水色 |
2番 | 緑色 |
3番 | 黄緑色 |
4番 | 黄色 |
5番 | オレンジ色 |
6番 | ベージュ色 |
7番 | 茶色 |
8番 | 赤色 |
9番 | ピンク色 |
1番の漢方薬は黄色、2番は青色というように色分けされていますが、色だけで判断せず、必ず番号も確認することが大切です。
なぜなら、同じ色の漢方薬を間違えて渡すという調剤ミスが多発しているからです。
そのため、色だけでなく、番号や線も注意して確認しましょう。
ただし、メーカーによって番号が異なることがあるので、他のメーカーの漢方薬を使う場合は特に注意が必要です。
こうした点を意識して、漢方薬を安全に利用しましょう。
坐骨神経痛に効くツムラの漢方は何番?
漢方医学では、冷えなどによって血の巡りが悪くなり、これが停滞することで坐骨神経痛が引き起こされると考えられています。
ツムラ漢方薬の中でも、「疎経活血湯エキス顆粒(医療用)53番」は血流を良くし、血や老廃物を体内で循環させることで、痛みや痺れを改善する効果があります。
特に、腰から下半身にかけての痛みの改善になります。
主に長時間のデスクワークで腰が冷えて痛みが出る場合に、この漢方薬が役立ちます。
坐骨神経痛を緩和するツムラの漢方薬おすすめ7選
また漢方薬を選ぶときは、効能や品質、使用対象を考慮することが重要です。
下記に、坐骨神経痛を和らげることができる漢方薬を一覧にして紹介していきます。
ツムラ疎経活血湯エキス顆粒(医療用)53番の基本情報
(出典:https://medical.tsumura.co.jp/products/kampo/053.html)
成分 | 当帰(トウキ),川きゅう(センキュウ),芍薬(シャクヤク),地黄(ジオウ),蒼朮(ソウジュツ)または白朮(ビャクジュツ),茯苓(ブクリョウ),桃仁(トウニン),牛膝(ゴシツ),陳皮(チンピ),防己(ボウイ),防風(ボウフウ),竜胆(リュウタン),白し(ビャクシ),生姜(ショウキョウ),威霊仙(イレイセン),羌活(キョウカツ),甘草(カンゾウ) |
分類 | 第2類医薬品 |
作用と効果 | 関節痛、神経痛、腰痛、筋肉痛 |
用法・用量 | 成人1日7.5gを2~3回に分割し、食前又は食間に経口投与する |
副作用 | 食欲不振、胃部不快感、悪心、嘔吐、下痢等 |
保管方法 | 直射日光、湿気、高温をさけて保管する |
使用上の注意 | ・高齢者
・むくみがある人 ・高血圧の疾患がある人 ・心臓病の疾患がある人 ・腎臓病の疾患がある人 ・医師の治療を受けている人 ・妊婦または妊娠の可能性がある人 ・顔が赤くのぼせやすく、体力がある人 ・薬で発疹やかゆみが出たことがある人 |
ツムラ漢方疎経活血湯は、関節痛、神経痛、腰痛、筋肉痛などの特に腰から下が痛む場合に使われます。
例えば、夜になると腰や四肢が痛くて眠れないという人がいますがこのような場合、疎経活血湯が痛みを和らげてくれます。
特に、夜間に痛みがひどくなる人や、お酒をよく飲む人の激しい痛みに効果的です。
ツムラ漢方 桂枝加朮附湯 エキス顆粒 20包 18番の基本情報
(出典:https://www.tsumura.co.jp/brand/products/kampo/018.html)
成分 | 桂皮(ケイヒ),芍薬(シャクヤク),蒼朮(ソウジュツ),附子(ブシ),生姜(ショウキョウ),大棗(タイソウ),甘草(カンゾウ)
添加物:ステアリン酸マグネシウム、乳糖水和物 |
分類 | 第2類医薬品 |
作用と効果 | 関節痛、神経痛 |
用法・用量 | 1日7.5gを2~3回に分割し、食前又は食間に経口投与する |
副作用 | 過敏症、発疹、発赤、そう痒、心悸亢進、のぼせ、舌のしびれ、悪心 |
保管方法 | 直射日光、湿気、高温をさけて保管する |
使用上の注意 | ・高齢者
・むくみがある人 ・高血圧の疾患がある人 ・心臓病の疾患がある人 ・腎臓病の疾患がある人 ・医師の治療を受けている人 ・妊婦または妊娠の可能性がある人 ・顔が赤くのぼせやすく、体力がある人 ・薬で発疹やかゆみが出たことがある人 |
桂枝茯苓丸は、体内の血流を良くする効果があり、冷えやむくみを改善します。
坐骨神経痛の痛みを和らげるために使われますが、現在たんこぶや打ち傷などの外傷がある場合にも使用されることがあります。
例えば、冷え性で足がむくみやすいという体質の方に、この漢方薬が適しています。
ただし、比較的体力のある人向けの漢方薬ですので、妊娠中の女性は使用を控えた方が良いでしょう。
ツムラ漢方六味丸(ロクミガン)87番の基本情報
(出典:https://www.tsumura.co.jp/products/item/087.pdf)
成分 | 地黄(ジオウ),山茱萸(サンシュユ),山薬(サンヤク),茯苓(ブクリョウ),沢瀉(タクシャ),牡丹皮(ボタンピ) |
分類 | 第2類医薬品 |
作用と効果 | 排尿困難、頻尿、むくみ、かゆみ |
用法・用量 | 1日7.5gを2~3回に分割し、食前又は食間に経口投与する |
副作用 | 食欲不振、胃部不快感、悪心、嘔吐、下痢等 |
保管方法 | 直射日光、湿気、高温をさけて保管する |
使用上の注意 | ・高者の人
・むくみがある人 ・高血圧の疾患がある人 ・心臓病の疾患がある人 ・腎臓病の疾患がある人 ・医師の治療を受けている人 ・妊婦または妊娠の可能性がある人 ・顔が赤くのぼせやすく、体力がある人 ・薬で発疹やかゆみが出たことがある人 |
六味地黄丸(ろくみじおうがん)は、夜尿症(おねしょ)に効果がある漢方薬です。
この薬は、小児だけでなく、大人にも効果があります。
例えば、疲れやすく、腰が痛いときや、足がだるいときにも役立ちます。
また、排尿が難しいときや、頻尿、むくみ、かゆみ、糖尿病による手足の痺れにも薬効があります。
ツムラ漢方牛車腎気丸(ゴシャジンキガン)107番の基本情報
(出典:https://www.tsumura.co.jp/products/item/107.pdf)
成分 | 地黄(ジオウ),山薬(サンヤク),山茱萸(サンシュユ),茯苓(ブクリョウ),沢瀉(タクシャ),牡丹皮(ボタンピ),桂皮(ケイヒ),附子(ブシ),牛膝(ゴシツ),車前子(シャゼンシ) |
分類 | 第2類医薬品 |
作用と効果 | 下肢痛、腰痛、しびれ、老人のかすみ目、かゆみ、排尿困難、頻尿、むくみ |
用法・用量 | 1日7.5gを2~3回に分割し、食前又は食間に経口投与する |
副作用 | 発疹、発赤、かゆみ、食欲不振、胃部不快感、悪心、嘔吐、腹部膨満感、腹痛、下痢、便秘、どうき、のぼせ、舌のしびれ等 |
保管方法 | 直射日光、湿気、高温をさけて保管する |
使用上の注意 | ・高齢者
・むくみがある人 ・高血圧の疾患がある人 ・心臓病の疾患がある人 ・腎臓病の疾患がある人 ・医師の治療を受けている人 ・妊婦または妊娠の可能性がある人 ・顔が赤くのぼせやすく、体力がある人 ・薬で発疹やかゆみが出たことがある人 |
牛車腎気丸は、坐骨神経痛のような神経性の痛みや痺れに対して効果的な漢方薬です。
痛みの原因となる成分に直接作用し、それを取り除く効果があります。
特に、足の痺れが続き歩行が困難になるような場合に、この漢方薬が役立ちます。
ツムラ漢方清心蓮子飲(セイシンレンシイン)111番の基本情報
(出典:https://www.tsumura.co.jp/brand/products/kampo/111.html)
成分 | 黄ごん(オウゴン),麦門冬(バクモンドウ),茯苓(ブクリョウ),車前子(シャゼンシ),人參(ニンジン),黄耆(オウギ),甘草(カンゾウ),蓮肉(レンニク),地骨皮(ジコッピ) |
分類 | 第2類医薬品 |
作用と効果 | 残尿感、頻尿、排尿痛 |
用法・用量 | 1日7.5gを2~3回に分割し、食前又は食間に経口投与する |
副作用 | 発疹、蕁麻疹等 |
保管方法 | 直射日光、湿気、高温をさけて保管する |
使用上の注意 | ・高齢者
・むくみがある人 ・高血圧の疾患がある人 ・心臓病の疾患がある人 ・腎臓病の疾患がある人 ・医師の治療を受けている人 ・妊婦または妊娠の可能性がある人 ・顔が赤くのぼせやすく、体力がある人 ・薬で発疹やかゆみが出たことがある人 |
清心蓮子飲は、尿トラブルを抱えている方にとって、生活の質を向上させるために役立つ漢方薬です。
例えば、夜中に何度もトイレに起きてしまうことが続くと、十分な睡眠が取れず、日中の活動に支障をきたすこともあります。
しかし、清心蓮子飲を飲むことで、体内の水分の流れを良くし、エネルギーを補うことで、頻尿などの尿トラブルを改善します。
ツムラ漢方猪苓湯合四物湯(チョレイトウゴウシモツトウ)40番の基本情報
(出典:https://www.tsumura.co.jp/brand/products/kampo/040-a.html)
成分 | 猪苓(チョレイ),沢瀉(タクシャ),茯苓(ブクリョウ),阿膠(アキョウ),滑石(カッセキ),当帰(トウキ),川きゅう(センキュウ),芍薬(シャクヤク),地黄(ジオウ) |
分類 | 第2類医薬品 |
作用と効果 | 排尿困難、排尿痛、残尿感、頻尿 |
用法・用量 | 1日7.5gを2~3回に分割し、食前又は食間に経口投与する |
副作用 | 食欲不振、胃部不快感、悪心、嘔吐、下痢 |
保管方法 | 直射日光、湿気、高温をさけて保管する |
使用上の注意 | ・高齢者
・むくみがある人 ・高血圧の疾患がある人 ・心臓病の疾患がある人 ・腎臓病の疾患がある人 ・医師の治療を受けている人 ・妊婦または妊娠の可能性がある人 ・顔が赤くのぼせやすく、体力がある人 ・薬で発疹やかゆみが出たことがある人 |
ツムラ漢方猪苓湯合四物湯は、排尿に関する問題を抱えている人に効果がある漢方薬です。
例えば、排尿が難しい、排尿時に痛みを感じる、排尿後に残尿感がある、頻繁にトイレに行く、血尿が出るといった症状です。
特に、血色が悪く、皮膚が乾燥している人、治りにくい尿道炎や膀胱炎の治療に役立ちます。
ツムラ漢方芍薬甘草湯エキス顆粒(しゃくやくかんぞうとう)68番
(出典:https://www.tsumura.co.jp/brand/products/kampo/068.html)
成分 | 芍薬(シャクヤク),甘草(カンゾウ) |
分類 | 第2類医薬品 |
作用と効果 | こむらがえり、筋肉のけいれん、腹痛、腰痛 |
用法・用量 | 1日7.5gを2~3回に分割し、食前又は食間に経口投与する |
副作用 | 食欲不振、胃部不快感、悪心、嘔吐、下痢 |
保管方法 | 直射日光、湿気、高温をさけて保管する |
使用上の注意 | ・高齢者
・むくみがある人 ・高血圧の疾患がある人 ・心臓病の疾患がある人 ・腎臓病の疾患がある人 ・医師の治療を受けている人 ・妊娠中または妊娠の可能性がある人 ・顔が赤くのぼせやすく、体力がある人 ・薬で発疹やかゆみが出たことがある人 |
芍薬甘草湯は、急に筋肉が張って痛みが出た場合に、即効で痛みを和らげることができる漢方薬です。
筋肉の緊張や張りを緩和する作用があり、筋肉の凝りからくる坐骨神経痛に効果があります。
即効性があるため、こむらがえりや筋肉のけいれんなどの急な痛みにも役立ちます。
知らないと危険!漢方薬の併用時に注意すべきポイント
漢方薬を飲むときに気をつけたいポイントについて詳しく紹介します。
複数の薬を同時に飲む場合
漢方薬の飲み方は、煎剤、散剤、丸剤が一般的ですが、ツムラの漢方薬は水で飲める顆粒タイプが中心です。
また、複数の薬剤を同時に飲む必要がある場合は、必ずかかりつけの医師や薬剤師、登録販売者に相談しましょう。
漢方薬も西洋薬と同じように、一緒に飲むと問題が起こることがあり、成分同士がお互いに影響を与えることがあるからです。
例えば、風邪を治すために市販の漢方薬と病院でもらった抗生物質を一緒に飲む場合があります。
このとき、漢方薬の成分が抗生物質の効果を弱めたり、副作用を引き起こしたりすることがあるため、医師や薬剤師に確認することが重要です。
市販の漢方薬は、商品の名前が漢方の処方名と一致していない場合があります。
また、特定の漢方処方ではなく、いくつかの生薬成分を組み合わせて作られている場合もあるため、どの成分が入っているかを確認することが難しいことがあります。
特に西洋薬と漢方薬を一緒に使うときは注意が必要です。
例えば、高血圧の薬を飲んでいる人が、漢方薬を同時に飲むと、血圧が急に下がりすぎてしまうことがあります。
このように、複数の薬を服用する際には、必ずかかりつけの医師や薬剤師、登録販売者に相談し、正しい情報を得ることが大切です。
疾病に対する抵抗力が弱くなっている時
漢方の利用を中止すべき場合として、病後や加齢によって筋力や活力が低下したり、疾病に対する抵抗力が虚弱になったりしてしまうことがあります。
例えば、高齢者が漢方薬を服用すると、胃腸に支障をきたし消化が悪くなったり下痢をしたりなどの副作用が出やすくなることがあるでしょう。
こうした状況では、体が十分に回復していないため、漢方薬の効果や副作用が強く現れる可能性があります。
したがって、漢方薬の使用を検討する際には、現在の体調や病歴、年齢などを十分に考慮し、専門家に相談することが重要です。
また、無理に漢方薬に頼らず、バランスの取れた食事や適度な運動、十分な休息など、自然な方法で体力や免疫力を回復させることも大切です。
小児用量の体重換算の目安
ツムラの漢方薬は成人の1日の通常量は7.5gですが、子供の場合、標準的には体重1kgあたり0.15gが1日の適宜量とされます。
9g処方の場合は、体重1kgあたり0.18gになります。
偽性アルドステロン症という病気になる可能性も
甘草(カンゾウ)は、漢方薬によく使われる生薬の一つで、ほとんどの漢方薬に含まれている可能性があります。
しかし、甘草をたくさん摂りすぎると、体内のナトリウムとカリウムのバランスが崩れて「偽性アルドステロン症」という病気になることがあります。
この病気になると、次のような症状があらわれることがあります。
- 手足や顔が腫れる
- 血圧が高くなる
- 筋肉がけいれんしたり、力が入らなくなる(カリウム不足による)
甘草を含む漢方薬を長期間、大量に服用せず、適切な量を守り、専門家の指導のもとで服用することが大切です。
まとめ:安心して使うためにも!ツムラの漢方薬は専門医に処方してもらおう
今回紹介したツムラの漢方薬は、一般向けに販売されていますが、自分で症状に合った漢方薬を選ぶのは難しいことがあります。
間違った選択をすると、症状が悪化する恐れがあるため、専門の医師に相談して処方してもらうのが安全です。
例えば、腰痛の症状でも、漢方薬には多くの種類がありますが、適切でないものを選ぶと痛みが悪化することがあります。
特に持病がある人や複数の薬を服用している人は、自己判断で漢方薬を選ぶのは避けた方が賢明です。
しかし、忙しくて病院に行く時間が取れない場合は、薬局の薬剤師に相談することがおすすめです。
薬剤師は薬の専門家であり、症状に合わせた漢方薬を適切にアドバイスをしてくれます。
例えば、排尿障害を伴う坐骨神経痛で悩んでいる場合、薬剤師に相談することで、適切な漢方薬を選んでもらえます。
このように、漢方薬を選ぶ際は、専門家の意見を受け入れることが大切です。
漢方薬は植物などの生薬を混ぜて作られているため、体への負担や副作用が少ないイメージを持っている人も多いと思います。
しかし、副作用によって、食欲不振や吐き気、血圧の上昇、肝機能の異常(皮膚や白目が黄色くなったり、疲れや脱力感があるなど)、低カリウム血症(手足の脱力感やこわばりなど)を引き起こす可能性があります。
また、授乳中の方が、便秘に効果のあるダイオウを含む漢方薬を飲む場合、赤ちゃんが下痢をするリスクもあるため注意が必要です。
くすりを飲む際には、患者さんの体調や過去の病歴、年齢など、身体の状態を考えて慎重に判断することが大切です。
心配な方は使用を中止し、医療機関で診療を受ける際には、医師や薬剤師に相談してください。
上記で紹介したツムラの漢方を坐骨神経痛の改善に役立つことをお祈りしています。