「ばね指の診断方法にレントゲンはどう活用されるの?」
「ばね指の場合、レントゲンはそもそも必要?」
ばね指は日常生活に大きな支障をきたすため、早くに診断と治療をしたいと思いますよね。
そこでレントゲン撮影がどのようにばね指の診断にかかわるのか、くわしく知る方は少ないでしょう。
そこで本記事では「ばね指の診断にレントゲンは必要か」という疑問に答え、診断のポイントやばね指におけるレントゲンの役割についてくわしく解説します。
最後までお読みいただき、ばね指に対する不安を軽減し、適切な治療を受けるための知識を身につけましょう。
目次
ばね指とは?|原因や症状を解説
そもそもばね指とは、指が曲がったり伸びたりする際に痛みや引っかかり感が生じる指の腱鞘炎(けんしょうえん)です。
ばね指がなぜ起こるのか、どのような症状があるのかをくわしく解説します。
ばね指の原因
ばね指の原因は以下のとおりです。
- 指の使いすぎ
- 糖尿病
- 外傷やけが
- ホルモンの変化(妊娠期や出産後、更年期の女性に多い)
- 指をおもに使用する職業や趣味(くりかし動作をともなう作業)
とくに多いのは指の使いすぎです。
たとえば、パソコン作業やスマートフォンの操作、手芸や楽器演奏などのくりかえし動作は、ばね指のリスクを高めます。
また、関節リウマチや糖尿病などの慢性疾患を抱えている人も指先の循環が悪くなりがちなため、ばね指を発症しやすいです。
さらに、ばね指はホルモンバランスが大きくかかわっているため、妊娠期や出産後、更年期にあたる女性は、とくにばね指を発症するリスクが増加します。
ばね指の原因については、以下の記事でくわしく解説しています。
ばね指の症状
ばね指の症状はおもに以下があげられます。
- 指がカチッと音を立てる
- 指を曲げたまま伸ばせない
- 指の付け根に痛みや腫れがある
- 朝に指が固まって動かしにくい
- 指の動作が引っかかる感じがする
- 指の曲げ伸ばしがスムーズにできない
- 指が完全に曲がらなくなることがある
ばね指は、初期段階では軽い違和感や指の引っかかり感から始まります。
しかし痛みがないからと放置すると症状が悪化し、指が完全に動かなくなることが少なくありません。
とくに朝起きたときに指が固まって動かしにくいと感じる場合は、ばね指の初期症状の可能性が高いです。
また、症状の起きている指に痛みや腫れがともなうことが多く、指の付け根にしこりができることもあります。
ばね指の症状の悪化を防ぐため、これらの症状があらわれた場合は、早めに専門医の診断を受けましょう。
適切な治療を早めに受けることで症状の進行を防ぎ、日常生活への影響を最小限におさえられます。
ばね指の診断にレントゲン検査は必要?
ばね指を確定するのにレントゲン検査は必要ありません。
これは、ばね指の原因である腱(けん)や腱鞘(けんしょう)の異常がレントゲンにうつらないためです。
ただし、ほかの問題を除外するために必要なときがあります。
ばね指におけるレントゲンの役割について、くわしく解説します。
レントゲン検査の役割と限界
そもそもレントゲン検査は、骨の異常を判断したり、ほかの疾患の可能性を排除するために利用されます。
たとえば、骨折や関節炎、腫瘍などの異常を特定する場合に有用です。
しかし、ばね指によって起こる炎症の部位は指の腱(けん)や腱鞘(けんしょう)です。
腱や腱鞘の異常はレントゲンで見つけることはできません。
そのため、ばね指の診断基準にレントゲン撮影はふくまれていないのです。
ほかの問題を除外するためにばね指でもレントゲン検査は必要
ばね指の診断にレントゲン検査は必要ではありませんが、ほかの疾患や問題を除外するためにおこなわれることがあります。
先述したとおりばね指は指の腱や腱鞘の異常が原因であり、これらはレントゲンにうつりません。
しかし、骨折や関節炎、腫瘍などばね指と似た症状があらわれるほかの問題を確認するためにはレントゲンが有効です。
つまり、レントゲンで異常のないことが、ばね指の診断につながるということです。
ばね指でレントゲン検査をおこなった人の声
ばね指でレントゲン検査をおこなった人の実際の声をご紹介します。
ばね指で病院受診してきました🏥
案の定、レントゲン🩻は異常なし🔍あは〜😱注射💉
今日1日は注射したところを濡らさないように。
また、症状悪化したら来てね👨⚕️ pic.twitter.com/rf3Stn9wt3
— komori@ブログ初心者💻 楽天ROOM🏠アマゾンアソシエイト🪵 Vba🟢Python🐍 (@Kodamanoaoitori) March 3, 2023
ばね指が悪くなるばかりなので整形外科でレントゲン
注射は血糖値高めの人は、、、ということで今回は塗り薬
ステロイド打たなかった
レントゲンは異常なし
だよなぁ pic.twitter.com/NF9EQCsSev— まつたろう (@mmatsutaro) November 15, 2021
このように、ばね指はレントゲンでの異常は発見されません。
しかし、これが反対にばね指の診断へ近づくことになるのです。
ばね指の診断方法
ばね指はレントゲンではなく、以下の方法で診断されます。
- 問診や触診
- 超音波検査
それぞれくわしく解説します。
問診や触診
ばね指の診断は、おもに患者の症状や臨床的な所見にもとづいておこなわれます。
具体的には、指の痛みや腫れ、ばね現象(※1)の有無などを調べます。
- ※1 ばね現象
- 指が引っかかったり、ばねのように跳ね返る現象のことです。この症状は、指の腱が炎症を起こして腱鞘内で引っかかることが原因です。
ばね現象は、こちらの動画を確認してください。
超音波検査
ばね指の診断では、腱鞘(けんしょう)や腱(けん)の状態をくわしく見るために、超音波検査が使われます。
この検査によって、ばね指の原因となる腱鞘の狭くなっている部分や、腱が厚くなっている部分を確認できます。
超音波検査は痛みもなく、短時間で結果がわかるので、安心して受けることができるでしょう。
この検査を通じて、ばね指の具体的な原因をしっかりと確認し、適切な治療を進められます。
ばね指の治療法
医療機関でおこなわれるばね指の治療法は以下のとおりです。
ばね指と診断されたら、早期に治療することが悪化を防ぐポイントです。
保存療法(休息、ストレッチ、装具など)
ばね指の治療は、まず安静やストレッチなどの保存療法からおこないます。
痛みがひどい場合は、薬物療法で痛みをおさえることが優先されることがあります。
ばね指に対する保存療法は、以下のとおりです。
- ・安静
- ・アイシング
- ・ストレッチとエクササイズ
- ・固定具の使用
- ・薬物療法
- ・ステロイド注射
- ・理学療法(リハビリテーション)
上記の治療法から選択もしくは組み合わせて治療がすすみます。
よほど重症でない限り、手術が第一選択になることはありません。
手術療法
ばね指が保存療法で改善しない場合や、症状が重い場合には手術療法が検討されます。
ばね指の手術療法にはおもに以下の方法があります。
- 切開手術(オープンリリース手術)
- 内視鏡手術(エンドスコピックリリース手術)
いずれの手術も、異常の起きている腱鞘の一部を切りとるものです。
医師と相談し、最適な治療法を選択しましょう。
ばね指の治療については、以下の記事も参考にしてください。
ばね指の手術前後におけるレントゲンの役割
ばね指の手術前後にレントゲンがどのようにかかわるのか、くわしく解説します。
おおまかにまとめると、以下のとおりです。
- ・手術前:ばね指以外の病気の可能性を排除するため
- ・手術中:正確な手術がおこなわれているかを確認するため
- ・手術後:合併症を早期に発見するため
それぞれくわしく見ていきましょう。
手術前のレントゲン検査
手術前のレントゲン検査は、起きている症状が骨や関節の問題ではないことを確認するためにおこないます。
また、骨や関節の状態を確認することで、手術計画を立てるときの参考資料として使用されます。たとえば、手術部位の正確な位置決めに役立ちます。
このように、手術前のレントゲン検査は今の症状が確実にばね指であることの確認と、手術計画を立てることが目的です。
手術中のレントゲン検査
手術中にリアルタイムでレントゲンを使用して、正確な手術がおこなわれているかを確認することがあります。
これは、とくにばね指の症状が複雑だったり、指の骨や関節に通常とは違う構造がある場合に役立ちます。
手術後のレントゲン検査
術後の定期的なレントゲン検査の目的は、骨や関節の状態が正常に戻っているか、または手術の結果が適切であるかを確認することです。
また、合併症の早期発見のためにおこなわれることもあります。
レントゲンでは、感染や骨のずれ、異常な骨の成長などが発見可能です。
これにより、回復を妨げる要因をすぐに取り除けるでしょう。
ばね指の診断は臨床症状が中心だがレントゲン検査も必要
ばね指の診断は、おもに患者さんの症状や身体的な所見にもとづいておこなわれます。
ばね指の症状は、指の動きに引っかかりや異音があったり、朝の指の動きが制限されたりすることが特徴です。
これらの症状をもとに、医師はばね指の可能性を考え、診断をすすめます。
ばね指を疑って、レントゲン検査をすることもあるでしょう。
しかし、レントゲン検査は、ばね指の直接的な診断にはあまり役立ちません。
なぜなら、ばね指の原因となる腱や腱鞘の異常は、レントゲンではうつらないためです。
この場合のレントゲン撮影は、ばね指以外の問題を除外するためにおこないます。
このように、ばね指の診断は臨床症状を中心におこなわれますが、ほかの疾患を除外するために時にはレントゲン検査が必要となります。
臨床的な判断と画像診断が組み合わさることで、正確な診断と適切な治療がおこなわれることを覚えておきましょう。