坐骨神経痛において、実はマッサージが逆効果になることがあります。
なぜなら、坐骨神経痛は腰やお尻の神経が圧迫されることで起こる症状であり、その圧迫を解消するためには適切なアプローチが必要だからです。
例えば、足のしびれや腰の痛みがある場合、多くの人が足をマッサージしようとします。
坐骨神経痛は足そのものの問題ではなく、腰やお尻の周辺にある神経が圧迫されているためです。
無理なマッサージで筋肉を刺激することで、神経に余計な負担がかかり、痛みや痺れが悪化することがあります。
そのため、坐骨神経痛の場合は、専門家による適切な診断と施術が重要です。
そこで今回は、坐骨神経痛におけるマッサージの逆効果や、痛みや症状に合わせた適切な施術の重要性について解説します。
目次
坐骨神経痛とは何?
坐骨神経は、腰から足にかけて伸びている体内で最も太く長い神経です。
この神経が圧迫や刺激を受けると、足や腰に痛みやしびれが生じこれを「坐骨神経痛」といいます。
坐骨神経痛は、ヘルニアや腰の背骨周辺で神経を圧迫することで引き起ります。
以下は、坐骨神経痛の発症までの流れです。
- ①腰の背骨に負担がかかり続ける
- ②負担が蓄積し、腰痛が発症する
- ③ 腰痛がひどくなり、神経の機能が低下して坐骨神経痛を引き起こす
対症療法で一時的に楽になることもありますが、根本的な原因を解決しなければ再発することが多いのが坐骨神経痛です。
坐骨神経痛を最短で改善するには、「なぜ坐骨神経痛が引き起こされるまで腰が悪くなったのか」を追求する必要があります。
坐骨神経痛の主要な症状とその特徴
坐骨神経痛の症状には次のようなものがあります。
- ・腰全体に鈍い痛みや鋭い痛みが走る
- ・お尻の片側が痛む、またはしびれる
- ・太ももの後ろ側にしびれや痛みを感じる
- ・股関節付近に痛みが広がる
- ・足全体、特にふくらはぎや足の裏、足先にかけてしびれや痛みが生じる
坐骨神経痛に長年悩む人は少なくありません。
特に注意すべき点として、坐骨神経痛は「腰椎椎間板ヘルニア」の症状の一部として現れることもよくあります。
坐骨神経痛を引き起こす主な原因
坐骨神経痛は椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などの症状一部として現れるケースがあります。
坐骨神経痛と伴うそれぞれの症状について詳しく紹介します。
腰椎椎間板ヘルニア
椎間板がズレて飛び出し、神経を圧迫してしまうことを「腰椎椎間板ヘルニア」といいます。
背骨は、椎体と呼ばれる複数の骨で構成されており、この椎体と椎体の間には、クッションのような役割を果たす椎間板が挟まっています。
腰椎椎間板ヘルニアは、長時間のデスクワークや重い物を持ち上げる作業など、腰に負担がかかりやすい人に発症しやすいです。
腰部脊柱管狭窄症
脊柱管が狭くなって神経を圧迫し、坐骨神経痛を引き起こす状態を「脊柱管狭窄症」といいます。
脊柱管は背骨にある椎体の中央にある空洞で、その中に脊髄が通っています。
脊柱管狭窄症は、先天的な脊柱管の形の変形や、加齢による骨の変形によって生じることがあります。
梨状筋症候群
梨状筋は、お尻の奥にある筋肉で、太ももの骨(大腿骨)を外に回す動きを担っています。
この筋肉の下に坐骨神経が通っており、梨状筋が固くなったり緊張すると、坐骨神経を圧迫して坐骨神経痛を引き起こします。
特に長時間同じ姿勢で座っている人や、スポーツで繰り返し負荷がかかる人に発症しやすいです。
坐骨神経痛の痛みを和らげるための4つの効果的な方法
坐骨神経痛を改善するための日常ケアが大切です。
坐骨神経痛を軽減するために、以下の方法で体のバランスを整え、症状を和らげることができます。
自分の体を大切にし、適切なケアを行いましょう。
内臓の疲れを解消する
背中やお腹、脚に軽くマッサージをすることで内臓の疲れを和らげます。
また、酵素ドリンクを使った短期間の断食(ファスティング)も効果的です。
例えば、自宅で背中やお腹を優しくマッサージすると、内臓の血流促進に期待ができます。
また、夕食後に10分程度、お腹を時計回りに軽くマッサージしたりすることで、内臓の疲れが取れ、消化機能が改善されます。
さらに、酵素ドリンクを使って1日だけ食事を控えることで、内臓を休めることが可能です。
これにより、全身の回復力が高まり、坐骨神経痛の症状も緩和されます。
自律神経を整える
骨盤や背骨、頭の骨を正しい位置に戻すことで、自律神経のバランスが整えることが可能です。
自律神経が正常に働くと、体全体の機能が向上するからです。
例えば、整骨院で骨盤や背骨の矯正を受けると、自律神経のバランスが整ったり、盤の歪みを矯正することで、背骨の周りの筋肉がリラックスしたりと坐骨神経への圧迫が減少します。
また、毎日5分間、背筋を伸ばして深呼吸をすることで、自律神経の働きが改善され、体全体の調子が良くなります。
体のバランスを整える
脚の左右差を調整し、体全体の動きをスムーズにすることが重要です。
正しい姿勢や動き方を身につけ、日常生活で体のバランスを意識することが必要です。
例えば、長時間座る仕事をしている場合、1時間に1回は立ち上がって軽くストレッチをすることで、腰や脚のバランスを整えます。
また、片足で立つ練習をすることで、脚の左右差を改善し、全身のバランスが良くなります。
ウォーキングやヨガなどの軽い運動を朝方に習慣にすることで、体全体の連動性が高まり、坐骨神経痛の症状が軽減されます。
お風呂に入って体を温める
坐骨神経痛の緩和には、血液循環を促進することが効果的です。
毎晩お風呂に入って体をしっかり温めることで、血液循環が良くなり、筋肉の緊張が緩和されます。
たとえば、お風呂に入って体を温めたり、1日に2リットルの水を飲んだりすることで、体の回復力が向上し、症状が緩和されます。
また、1日2リットルの水を飲むことで体内の老廃物が排出されやすくなり、回復力が向上するので身体が動きやすくなります。
坐骨神経痛の痛みの悪化を招くやっては行けない行動とは?
坐骨神経痛は、普段の生活でのちょっとした動作が原因で症状が出ることが多いです。
日常生活では気づきにくいポイントを紹介します。
長い時間同じ姿勢で座り続ける
長時間同じ姿勢で座り続けると、お尻の筋肉や関節が圧迫されて固くなり、痛みやしびれが悪化することがあります。
これは坐骨神経痛で最も注意すべきポイントです。
例えばオフィスでデスクワークをしていると、長時間椅子に座りっぱなしになることが多くなります。
この状態が続くと、お尻の筋肉が圧迫され、坐骨神経が刺激されて痛みやしびれが強くなります。
休憩の間に背筋を伸ばしたり姿勢を変える工夫や、お尻やお腹、背中を意識して深く座る工夫が必要です。
重い物を持つ機会が多い
重い物を持ち上げると、腰に大きな負担がかかります。
特に正しい持ち方をしないと、腰椎椎間板ヘルニアになる可能性があります。
例えば、引っ越し作業で重い箱を持ち上げるとき、正しい姿勢を取らずに持ち上げると、腰に大きな負担がかかりやすくなります。
その際は膝を曲げて腰をまっすぐに保ちながら持ち上げることで、腰への負担を減らすことができます。
身体全体を使う運動
激しい運動やトレーニングは、坐骨神経を傷つけ炎症を引き起こすことがあります。
ジョギングやハイインテンシティトレーニングを行うと、坐骨神経に過度な負荷がかかり、痛みやしびれが悪化することがあります。
症状が悪化することがあるため、激しい運動は避けることが大切です。
運動を行う際は軽いストレッチやウォーキングなど、負荷の少ない運動に切り替えるのをおすすめします。
長時間の入浴
安静にしていても痛みがある場合、長時間の入浴は症状を悪化させることがあります。
坐骨神経痛の炎症が強い状態で患部を長時間温めると、炎症が悪化し、症状がひどくなるのが理由です。
例えば長時間の入浴で体が温まり、一時的に筋肉が緩むことがありますが、その後、夜中に痛みが強くなることがあります。
これは体が冷えて血流が悪くなり、痛みやしびれが増強されるからです。
そのため、38度前後のぬるま湯で20分ほどの入浴にし、適度な温度に保つことが大切です。
過度なストレッチ
股関節やお尻の過度なストレッチは、筋肉を硬くし、坐骨神経痛を悪化させることがあります。
筋肉には「伸張反射」という反応があり、急に伸ばされると反射的に縮まろうとします。
例えば、激しいストレッチをすると、筋肉が反射的に収縮し、さらに硬くなります。
坐骨神経が圧迫されている状態でこれを行うと、神経への負担が増し、痛みやしびれが悪化します。
行う際は軽いストレッチに留め、無理な動きを避けるようにしましょう。
足のマッサージは逆効果になる
足のしびれがある場合、足をマッサージする人が多いですが、これが逆効果になることがあります。
坐骨神経痛は足に問題があるわけではなく、腰やお尻の神経が圧迫されているため、足のマッサージでは改善しません。
坐骨神経痛の疑いがある場合は、整形外科で適切な治療を受けることが重要です。
坐骨神経を圧迫する梨状筋は、お尻の奥深くにあり、治療院で強い力を使ったマッサージを受けることが多いです。
また、自分でお尻を叩いたり、テニスボールで患部を押すセルフケアをする人も少なくありません。
自宅でお尻をテニスボールでグリグリとマッサージすると、梨状筋が損傷し、筋肉の繊維が癒着してしまいます。
これにより筋肉の緊張が増し、坐骨神経痛が悪化させてしまうため、強いマッサージは避け、専門家に相談することが重要です。
坐骨神経痛に効果的な治療方法
坐骨神経痛の治療で行われる治療方法を紹介します。
自宅や整骨院でマッサージしても良くならない場合は以下の治療方法を検討してみましょう。
薬を使った治療法
痛みを抑える鎮痛剤を飲むことで、坐骨神経痛の痛みを和らげることができます。
例えば、朝起きたときや仕事中に痛みが強くなる場合、鎮痛剤を飲むことで数時間は痛みが軽減されます。
しかし、効果は一時的で、数時間後には再び痛みが出てくることがあります。
また、長期間飲み続けると薬の効果が薄れてしまうこともあり、副作用で胃腸の調子が悪くなる人もいるので自分の体質に合わせて病院で処方してもらうことが大切です。
温熱療法
痛みが出ている部分を温めて、血流を良くすることで痛みを暖和することができます。
自宅でお風呂に入るとき、痛みがある部分に温かいタオルを当てて温めます。
これにより一時的に痛みが和らぎますが、長時間温めすぎると逆効果になることもあります。
症状がひどい場合は短時間の温熱療法を中止し、理学療法士に相談することが大切です。
ブロック注射
坐骨神経痛の痛みがひどい場合、ブロック注射が効果的です。
病院でブロック注射を受けることで、痛みの伝達を一時的に遮断し、血流を改善させます。
局所麻酔薬を使ったブロック注射は、即効性と持続性に優れており、椎間板ヘルニアの痛みをすぐに和らげ、長時間効果が続きます。
治療を継続すると、徐々に持続時間が長くなり、痛みの予防にも効果的です。
マッサージ治療法
マッサージは筋肉のこわばりをほぐし、痛みを軽減する効果があります。
整骨院や整体院で、腰やお尻の筋肉を軽くほぐしてもらうと、一時的に痛みが和らぎます。
ただし、マッサージの力加減や施術の頻度によっては逆効果になることもあるので、患者に合った方法で行うことが大切です。
信頼できる専門家による適切なアプローチを受けることで、自分の身体に合った施術を見つけることが重要です。
リハビリテーション治療法
坐骨神経痛のリハビリでは、神経そのものではなく、坐骨神経周囲の筋肉にアプローチします。
非特異的腰痛での坐骨神経痛の主な原因は、近くの筋肉が硬くなり、それによって神経が圧迫されることが多いです。
具体的には、この硬くなった筋肉が坐骨神経に圧迫をかけ、それが坐骨神経痛の原因となります。
ですから、リハビリでは筋肉の柔軟性を高めることで神経への圧迫を緩和し、痛みを和らげることが目指されます。
例えば、マッサージやストレッチなどの方法で筋肉をほぐし、柔らかくすることが効果的です。
ただし、これらの施術は適切に行わないと逆に症状を悪化させることがありますので、信頼できる専門家による施術を受ける必要があります。
坐骨神経痛の痛みが強いときは専門家に相談しよう
今回の記事では、坐骨神経痛の原因や症状、そしてマッサージが逆効果になる可能性について紹介しました。
坐骨神経痛は年齢に関係なく発生する可能性があるので、「今は足のしびれはないから大丈夫」と思っている方も、注意が必要です。
坐骨神経は体内で最も太く長い神経で、腰から足にかけて伸びており、この神経が圧迫されると、足や腰に痛みやしびれが生じやすくなります。
また、坐骨神経痛は腰椎椎間板ヘルニアの一症状としても現れることがあります。
足のしびれがある場合、一般的には足をマッサージすることがありますが、実は逆効果になることも考えられます。
坐骨神経痛は足自体の問題ではなく、腰やお尻の神経が圧迫されているからです。
そのため、日常生活で姿勢に気をつけることや、体を冷やさないようにすること、体重管理を行うことが重要です。
さらに、「腰痛がひどいけど足のしびれはない」という方も、坐骨神経痛につながる前段階の症状が現れている可能性があります。
当院のセルフケア整体では、坐骨神経痛などでお悩みの方に対して、個別に合わせた施術を提供しています。
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