「坐骨神経痛にテーピングは効果があるの?」
「坐骨神経痛のテーピングの貼り方が知りたい」
「テーピングの種類が多くて、どれを使えば良いのかわからない!」
こんなお悩みをお持ちではないでしょうか。電気が走るようなピリピリとした痛みが現れる坐骨神経痛は、少しでも症状を緩和したいもの。飲み薬だと副作用などが気になり、控えていた人も多いのではないでしょうか。そんな人にはテーピングがおすすめです。実は、坐骨神経痛の症状に、テーピングは効果があります。この記事では、テーピングの貼り方や種類、効果について詳しく解説します。ぜひ最後までお読みください。
目次
テーピングの種類
テーピングには大きく「非伸縮テープ」と「伸縮テープ」に分けられ、伸縮テープにはライト・ソフト・ハードの3種類があります。また、非伸縮テープや伸縮テープとはまた違った特徴の「キネシオテープ」など、テーピングにはさまざまな種類があり、用途に合わせて使い分けることができます。また、ネットでも購入できるので、初心者の方でも試しやすくなっているでしょう。
非伸縮テープ
非伸縮テープは伸びないので、関節の固定や圧迫をしっかりとしてくれます。怪我直後の応急処置や、再発防止などに使用。固定力や保持力が高いため、バスケットボールやラグビー、サッカーなどの接触が激しいスポーツなどに使用できます。長時間貼るとかぶれたり、水ぶくれができてしまう可能性があるため、使用の際は注意してください。
伸縮テープ
伸縮テープはテープ自体は伸びる仕様になっていますが、ライト・ソフト・ハードがあり使用したい部位や固定力に合わせて選択できます。関節や筋肉をサポートしてくれますが、肩やひざなどの、動きの大きい関節の使用や、応急処置にも使える可動制限がしっかりされるものなどがあります。
キネシオテープ
キネシオテープは、筋肉の保護やサポートをするテープです。筋肉に近い伸縮をするのが特徴で「人口筋肉テープ」と呼ばれています。貼ったままで身体を自然に動かすことができるため、スポーツ以外にも、日常生活のサポートとしても使用可能です。坐骨神経痛でテーピングを使用する場合は、こちらのキネシオテープがおすすめです。
テーピングの貼り方
テーピングの貼り方の基本はネットにさまざまな情報がありますが、少し引っ張りながら貼る場合と、引っ張らずに貼る場合など、貼り方によって違うので、確認しながら使用するのがポイントです。また、テーピングを貼った後、しっかりとテープを押し付けて皮膚にフィットさせ、患部がサポート力を感じて、体が違和感なく動かせられているかどうか確認が必要です。どうしてもテーピングの使用方法が難しい場合は、整形外科や整骨院などで指導してもらうと良いでしょう。
腰部
坐骨神経痛の原因が、腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症などの人には、腰部のテーピングに効果があります。また、ぎっくり腰などの人も痛みが軽減できるでしょう。腰部のテーピングの貼り方を3パターンご紹介するので試してみてください。
腰部のテーピングの貼り方①(自分で貼る)
- 1.テープを腰幅の長さに1本切って準備する
- 2.真ん中で折り、はくり紙だけを真ん中で切って両側へ少しめくる(テープの真ん中10㎝ほどが、粘着が出ている状態)
- 3.腰部の痛みのある部位に真ん中を貼る
- 4.右側のはくり紙をはがし、少し引っ張りながら貼り付ける
- 5.左側のはくり紙をはがし、少し引っ張りながら貼り付ける
- 貼った部分が浮いてこないように、しっかりと押さえつける
腰部のテーピングの貼り方②(人に貼ってもらう)
- 1.肩甲骨の下からお尻(仙骨当たり)までの長さのテープを2本、腰幅程度の長さのテープを1本準備する
- 2.肩甲骨からお尻までの長さのテープ2本を、背骨の両側(脊柱起立筋)に沿って貼る
- 3.腰幅の長さのテープを真ん中で折り、はくり紙だけを真ん中で切って両側にへ少しめくる(テープの真ん中10㎝ほどが、粘着が出ている状態)
- 4.右側のはくり紙をはがして引っ張りながら貼り、左側のはくり紙をはがして引っ張りながら貼る
- 5.貼った部分が浮いてこないように、しっかりと押さえつける
腰部のテーピングの貼り方③(人に貼ってもらう)
- 1.腰が曲がらない程度に状態を少し前かがみにする
- 2.背骨の両側(脊柱起立筋)を、腰から肩甲骨の下に向かって少し引っ張りながら貼る
- 3.姿勢を真っすぐにする
- 4.腰幅より少し短めのテープを4本用意する
- 5.1本目は左腰から少し斜め上に、テープを強く引っ張りながら貼る(テープの端は腹筋までくるように貼る)
- 6.2本目は右腰から少し斜め上に、テープを強く引っ張りながら貼る(背骨で1本目のテープとクロスさせる)
- 7.3本目は1本目のテープを1/2を重ねるように強く引っ張りながら貼る
- 8.4本目は2のテープを1/2を重ねるように強く引っ張りながら貼る
- 9.強度が足りない人はクロスするテープを増やす
臀部(お尻)
お尻に痛みやしびれなどがある人、坐骨神経痛の原因が梨状筋症候群の人は、臀部のテーピングに効果があります。臀部のテーピングの貼り方を2パターンご紹介します。
臀部(お尻)のテーピングの貼り方①
- 1.テープを4本準備する
- 2.痛みのある方を上にして足を曲げて横になる
- 3.1本目は座骨から腰に向かって直接引っ張らずに貼る
- 4.2本目は太ももの付け根の骨(大転子)から仙骨に向かって引っ張らずに貼る
- 5.足を真っすぐ伸ばす
- 6.3本目は、2本目のテープと同じスタート位置で、太ももの付け根の骨(大転子)から真上の骨盤の骨に向かって引っ張らずに貼る
- 7.足を曲げて2の姿勢になる
- 8.4本目は、2本目3本目と同じように、太ももの付け根の骨(大転子)から2本目3本目の間を通って1本目の先端に向かって貼る
臀部(お尻)のテーピングの貼り方②
- 1.テープを3本用意する
- 2.痛みのある方を上にして足を曲げて横になる
- 3.1本目は太ももの付け根の骨(大転子)から、腰の真ん中へ向かって貼る
- 4.1本目に少し被るような形で、太ももの付け根の骨(大転子)から、腰の真ん中へ向かって2本目を貼る
- 5.1本目2本目と同じスタート位置である、太ももの付け根の骨(大転子)から真上の骨盤の骨に向かって3枚目を貼る
足首
腰痛持ちの人で足首の安定感がない人、骨盤が動きにくい人などにおすすめです。足首のテーピングの貼り方を2パターンご紹介します。
足首のテーピングの貼り方①
- 1.15㎝のテープを2本準備します
- 2.真ん中で折り、はくり紙だけを切って両側へ少しめくる(テープの真ん中5㎝ほどが、粘着が出ている状態)
- 3.1本目は足の角度を90℃にし、足の裏のかかとを3~4㎝程を出した部分に貼って、テープの端は伸ばさずに貼る。
- 4.2本目はテープの端をはがし、外くるぶしの少し下部分から内側のくるぶしに向かって軽く引っ張りながら貼る。(貼るときの足の角度は90℃よりも浅くする)
足首のテーピングの貼り方②
- 30㎝のテープを2本準備します
- テープの端をめくり、外くるぶしの上部分から、ふくらはぎに向かってらせん状にテープを貼っていく(テープを貼るときは足の角度を90℃にする)
- 反対側の足も同じように貼る
テーピングの効果(キネシオテープ)
坐骨神経痛で使用する場合は、キネシオテープをおすすめします。キネシオテープは筋肉の保護やサポートをしてくれる他に、さまざまな効果があります。この章では、キネシオテープの効果についてご紹介します。
筋肉の機能が改善される
キネシオテープは筋肉や筋膜の働きをサポートして、過剰に伸びたり縮んだりして緊張してしまった筋肉を、正常に戻す効果があります。この効果により、筋肉が硬くなったことで起こる腰痛などを防ぐ効果があります。
※ 筋膜とは、筋肉を包んでいる白くて薄い膜のこと。
血液やリンパ液の循環が良くなる
筋肉が緊張して硬くなってしまうと血行不良になります。血行が悪くなると酸素や栄養、リンパ液の循環が悪くなり、痛みやしびれなどの坐骨神経痛の症状が現れます。リンパ液は、本来であれば不要な老廃物を回収してくれますが、血液やリンパ液の循環が悪くなっているため、老廃物が蓄積して神経を圧迫し、痛みの原因となります。
痛みやしびれなどが発症している部位の筋肉に沿ってキネシオテープを貼ると、テープの力で皮膚や筋肉が引っ張られます。すると、その下にある組織にわずかな隙間ができて、血液やリンパ液の循環を良くし、痛みやしびれなどの改善に効果があります。
痛みを抑制できる
強い痛みを感じると、手で患部をさする動作を自然に行いますが、これは皮膚や筋肉をさすることによって痛みを緩和させる効果があると言われています。同じように痛みが発生している患部にキネシオテープを貼ることで、痛みを緩和させる効果があると考えられます。
関節の矯正ができる
関節は骨と骨と間にありますが、周辺の筋肉が関節をサポートする役割があります。スポーツなどで、関節がずれてしまうケースがありますが、キネシオテープを貼ることで筋肉の機能が改善され、関節を正常な位置に矯正してくれる効果があります。また、物理的にテープを利用して関節を矯正することもあります。
治療後の効果を長く持続させる
テーピングを患部に貼っているときは、これまでご紹介した「筋肉の機能改善」・「血液やリンパ液の循環」・「痛みの抑制」・「関節の矯正」の効果が持続します。治療を受けた場合、治療の効果を損なわないためや、再発防止のためにキネシオテープを利用し、効果を維持するために使用することがあります。他にも、電気理療や温熱治療、リハビリテーションなどの理学療法の効果を持続させる目的としても効果があります。
引用:https://www.jstage.jst.go.jp/article/rika/27/2/27_239/_pdf
まとめ
テーピングには伸縮性のあるタイプや伸縮性の無いタイプ、筋肉に近い伸縮をしてくれるタイプなど、さまざまな種類があります。坐骨神経痛の症状の緩和の場合、筋肉に近い伸縮をしてくれる「キネシオテープ」を使用することで、痛みの緩和に効果があるでしょう。理由は、テープを貼った部位の皮膚や筋肉がテープによって引っ張られ、下にある組織に隙間ができて血流やリンパ液の循環が良くなり、痛みの緩和が期待できるからです。また、キネシオテープは再発を防ぐために使用されることもあります。
ヘルニアの人や脊柱管狭窄症の人など、テーピングの方法は何通りもあり、腰やお尻、足に貼ることで腰痛の緩和ができます。ご自身の痛みのある部位に貼るようにしてください。貼り方が難しい場合は、整形外科や整骨院などの医師に相談すると良いでしょう。不快で痛い思いをする坐骨神経痛の症状は、テーピングなどをうまく利用して痛みを緩和し、日常の姿勢の改善に意識を向けて運動やストレッチを行うとより効果があるでしょう。