坐骨神経痛を予防したり、軽減するためには、日常的に体を適度に動かすことが非常に大切です。
特におすすめなのが「散歩」です。
坐骨神経痛(ざこつしんけいつう)は、腰からお尻、太もも、そして足先にかけて、しびれや痛みを感じることがある症状です。
日常生活の中で突然痛みが出ることもあり、歩いたり座ったりするのがつらくなることもあります。
この痛みは、体を支える大きな神経である「坐骨神経」が圧迫されたり、何らかの刺激を受けたりすることで引き起こされます。
例えば、長時間座り続けたり、重い荷物を無理に持ち上げたりすると、坐骨神経に負担がかかりやすくなります。
さらに、姿勢が悪かったり、筋肉が硬くなっていたりすると、神経が圧迫されやすくなり、痛みやしびれが生じることがあります。
今回の記事では、坐骨神経痛の原因や治療法、そして散歩の効果や注意点について詳しく解説しました。
坐骨神経痛は、普段の生活習慣や姿勢、運動によって予防や改善が可能です。
少しずつ体を動かし、痛みを軽減する工夫を取り入れてみてください。
ぜひ、最後まで一覧していただき、日常生活に役立てていただければ幸いです。
目次
坐骨神経痛の痛みやしびれ、どんな症状が現れる?
坐骨神経痛の症状は、痛みを感じている本人にしかわかりませんが、しびれや痛みを感じる部分によって症状が異なります。
坐骨神経痛の主な症状は、以下の通りです。
- ・おしりから足にかけて痛みがある:特に座っているときや長時間立っていると辛く感じる
- ・腰を反らすと痛みが出る:腰を後ろに反らすと、痛みやしびれが強くなる
- ・おしりの痛みが強い:座り続けるのが辛いと感じることが多くある
- ・歩くと痛みが出る:歩き始めに痛みが出て、少し休むと再び歩けるようになる
これらの症状が1つでも当てはまる場合、坐骨神経痛の可能性があります。
また、次のような症状がある場合は、早めに病院で検査を受けることをおすすめします。
- ・尿失禁や頻尿:トイレが近くなったり、尿を漏らしてしまうことがある
- ・会陰部のしびれやほてり:おしりの周りがしびれたり、熱を感じる場合
上記2つの症状は、病気が隠れているケースもあり、症状の改善に手術を受ける可能性があるでしょう。
坐骨神経痛を引き起こす原因
坐骨神経痛の原因はさまざまですが、多くの場合、腰に問題があります。
特に多いのは、「腰部脊柱管狭窄症」(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)と「腰椎椎間板ヘルニア」(ついかんばんヘルニア)です。
それぞれの腰痛の症状や坐骨神経痛が起こってしまう原因について解説します。
腰部脊柱管が狭くなることで引き起こる坐骨神経痛
腰部脊柱管狭窄症は、50歳以上の中高年に多いですが、もともと脊柱管が狭い人は30~40代で症状が出ることもあります。
坐骨神経痛の原因は、加齢によって脊柱管(背骨の中の神経が通る道)が狭くなり、神経を圧迫することで坐骨神経痛が引き起こされます。
痛みの特徴は、体を後ろに反らせると脊柱管がさらに狭くなり、神経を圧迫するため痛みが強くなります。
逆に、前かがみになると脊柱管が広がり、痛みが和らぐことがあります。
具体的には、高いところのものを取る動作や腰をひねる動作、背筋を伸ばす動作で痛みが強くなることが多い傾向です。
一方、自転車をこぐや靴下を履くといった前かがみの動作は比較的楽に行えます。
椎間板が押しつぶされてで引き起こる坐骨神経痛
腰椎椎間板ヘルニアは、20代に多く見られ、次いで30~40代、さらに10代の若い人にも多く見られます。
坐骨神経痛の原因は、椎間板がつぶれて飛び出し、腰の神経を圧迫することで坐骨神経痛が起こります。
痛みの特徴は、前かがみになると痛みが出やすくなります。
例えば、あぐらや横座り、中腰での作業や猫背の姿勢などが腰に負担をかけ、痛みが出る原因となります。
筋力不足が原因で起こる坐骨神経痛
私たちの筋肉は20代をピークに徐々に衰えていきます。
特に、足やおしりの筋肉は、上半身や体幹の筋肉よりも早く衰えが進みやすいのが特徴です。
実際に、軽度の坐骨神経痛はおしりの筋肉の衰えが原因であることがわかっています。
おしりの筋肉は以下のような役割を持っています。
- ・坐骨神経を守る:筋肉が坐骨神経を覆い、保護する
- ・血流を守る:坐骨神経に栄養を供給する血管を守る
- ・冷えから守る:坐骨神経を冷えから守り、血の巡りを良くする
そのため、軽度の坐骨神経痛は、筋肉を鍛えることで改善することが期待できます。
また、足腰の筋力低下は坐骨神経痛だけでなく、将来的にロコモティブシンドローム(運動器症候群)や肥満の原因にもなりかねません。
ロコモティブシンドロームを放置すると、足腰が衰え、介護が必要になる危険性もあります。
坐骨神経痛を改善する「保存療法」について解説
坐骨神経痛の治療には、「保存療法」と「手術療法」があります。
「保存療法」は手術をせずに痛みを和らげる方法で、いくつかの種類があります。
これらはあなたの生活スタイルに合わせて行われる治療法です。
機器を使った物理療法
物理療法には、温熱療法や電気療法、マッサージ、そして骨盤牽引療法などがあります。
これらの治療法は、血行を促進し、痛みを緩和することを目的としています。
温熱療法
温熱療法は、ホットパックや温熱シートを使用して腰や足に温かさを与える方法があります。
温熱療法により筋肉がリラックスし、痛みが和らぐと同時に、血流が良くなります。
骨盤牽引療法
骨盤牽引療法は、専用の牽引装置を使って骨盤を引っ張ることで、椎間板への圧力を軽減し、神経の圧迫を緩和します。
これにより、神経痛が軽減され、歩行がしやすくなることがあります。
適度な運動で改善する運動療法
運動療法は、筋肉の緊張をほぐし、血行を改善するための体操やストレッチを行います。
これにより痛みを軽減し、日常生活が快適になることを目指します。
ストレッチ
座ったまま膝を伸ばし、ゆっくり前屈することでハムストリングス(太ももの裏の筋肉)を伸ばすストレッチがあります。
これにより、腰や足の緊張を解消し、神経への圧迫を和らげることができます。
筋力トレーニング
徐々に負荷をかける筋力トレーニングでは、背筋や腹筋を強化することで腰にかかる負担を減らします。
例えば、寝た状態で膝を曲げて持ち上げる「ヒップリフト」運動は、腰の安定性を高め、痛みの予防に役立ちます。
サポーターやコルセットを使った装具療法
装具療法では、腰の負担を軽減するためにコルセットやサポーターを使用します。
コルセットを装着すると、腰が安定し、正しい姿勢を保ちやすくなります。
例えば、重い荷物を持つ際や長時間の座り仕事の時にコルセットを使用することで、腰の痛みを軽減します。
ただし、長期間の使用は筋力低下を招く恐れがあるため、1ヶ月程度の使用が推奨されます。
痛み止めなどを使った薬物療法
薬物療法では、鎮痛剤や抗炎症薬を使用して痛みを緩和します。
鎮痛剤を服用すると、痛みが和らぎ、日常生活が送りやすくなります。
例えば、市販のイブプロフェンや処方されたロキソニンを使用することで、痛みが軽減され、活動的になれます。
これにより、筋力低下を防ぎ、リハビリが進みやすくなります。
神経ブロックを用いた治療法
ブロック療法は、痛みの原因となる神経周囲に局所麻酔や抗炎症剤を直接注射し、痛みを遮断する方法です。
例えば、坐骨神経に対するブロック注射では、腰や臀部の神経に直接麻酔を打ち、痛みの伝達を一時的に遮断します。
これにより、激しい痛みが瞬時に緩和され、リハビリが行いやすくなる利点があります。
坐骨神経痛の再発を防ぐ予防法
坐骨神経痛を予防するためには、日常生活や腰痛の種類に合わせて対策を取ることが有効です。
ここからは、腰痛の種類や毎日の習慣に取り入れたい予防方法を紹介します。
腰痛悪化を防ぐためのライフスタイル
脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニアは、腰や背中に痛みを引き起こす病気です。
これらの症状を和らげるためには、日常生活で気をつけるべき習慣があります。
以下に、注意したい生活習慣を紹介します。
腰部脊柱管狭窄症の人の生活習慣
腰部脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)の方は、腰を反らすと痛みが強くなりますが、少し前かがみになると楽になります。
そのため、腰を守るためには、しっかりと休む時間を取ることが大切です。
例えば、毎日1〜2回、30分ほど休憩する時間を作りましょう。
この時、仰向けに寝て膝を軽く曲げる姿勢をとると、腰の神経への負担が軽くなります。
また、普段から腰をまっすぐに伸ばしたり、後ろに反らしたりしないように気をつけることも重要です。
歩くときには、少し前かがみになるよう意識すると、腰への負担が減ります。
腰椎椎間板ヘルニアの人の生活習慣
腰椎椎間板ヘルニア(ようついついかんばんへるにあ)の人は、前かがみになると椎間板への圧力が増し、痛みが強くなります。
腰椎椎間板ヘルニアが起こる原因には、長い時間にわたる不適切な姿勢が大きく関わっています。
例えば、パソコンでの作業や運転などで腰や背中が丸くなってしまうと、椎間板(ついかんばん)という背骨の間にあるクッションに大きなストレスがかかり、これが続くと、椎間板が押しつぶされてヘルニアが発生することがあります。
例えば、学校で授業を受けているときに椅子に座っている姿勢や、家でゲームをしているときに背中が丸くなっている姿勢が続くと、腰や背中に負担がかかります。
こうした姿勢を続けることで、腰椎椎間板ヘルニアのリスクが高まるのです。
このリスクを減らすためには、以下のような方法があります。
- ・パソコンやスマホを使うときには、背中をまっすぐにして、腰に負担がかけない
- ・1時間ごとに立ち上がって軽くストレッチをしたり、歩いたりする
同じ姿勢や運動不足によって発症しやすくなるので、授業の合間に教室内を歩いたり、休み時間に軽く体を伸ばすと良いでしょう。
これらの習慣を取り入れることで、腰椎椎間板ヘルニアのリスクを減らすことができます。
この記事では、長時間のデスクワークが多い人に向けた対策方法を詳しく紹介していますので、参考にしてみてださい。
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毎日の生活で坐骨神経痛の進行を防ぐための工夫
坐骨神経痛を防ぐためには、日常生活で気をつけることが大切です。
以下に、毎日の生活で取り入れやすい防止方法を紹介します。
禁煙の効果
禁煙は、坐骨神経痛を良くするのにとても大切です。
タバコに含まれるニコチンは血管を細くしてしまい、腰の椎間板が変形する原因になってしまいます。
しかし、禁煙をすると血液の流れが良くなり、筋肉がリラックスして痛みも和らぎます。
そのため、もしタバコを吸っているなら、やめることを考えてみてください。
自分に合った靴選び
自分に合った靴を選ぶことで、腰への負担を減らし、坐骨神経痛を悪化させないようにできます。
以下では、靴選びのポイントを紹介します。
- ・高いヒールの靴は腰に負担がかかるため、低いヒールの靴を選ぶ
- ・足をしっかり支えるために、紐で調整できる靴を選ぶ
- ・足の付け根のあたりで曲がる靴底のスニーカーを選ぶ
- ・しっかりかかとを支える靴を選ぶ
- ・つま先に少しスペースがあり、地面から2.5~3.5cm高い靴を選ぶ
もし、どの靴が自分に合うか分からないときは、靴の専門家に相談して選ぶと良いでしょう。
バランス良く荷物を持つ
重いかばんを片方だけに持つと、姿勢が崩れて坐骨神経痛が悪化することがあります。
荷物を持つときは、重いものを左右のかばんに分けて持つことで、腰への負担を軽くします。
また、重い荷物を運ぶときは、カートを使うと体に負担をかけずに楽に運べます。
ウォーキングで坐骨神経痛の痛みが和らぐ理由とは?
坐骨神経痛のときにウォーキングをすると、痛みが楽になる理由は2つあります。
なぜなら、ウォーキングは適度な運動になり、下半身や骨盤の血行を良くすることができます。
ここからは、ウォーキングが坐骨神経痛に効果的な理由について詳しく解説していきます。
身体の負担が少なく全身運動ができる
ウォーキングをすることで、身体を適度に動かすことができます。
例えば、仕事場や家の近くを10分間歩くことから始めると良いでしょう。
坐骨神経痛は、ずっと安静にしているよりも、適度に体を動かした方が血行が良くなり、痛みやしびれが改善されやすくなります。
しかし、激しい運動(ジョギングやサッカーなど)は逆に炎症を悪化させて痛みが強くなることがあるので、無理はしないようにしましょう。
ウォーキングが下半身や骨盤の血行を促進する
ウォーキングでは股関節を使うので、下半身や骨盤の血行が上がります。
例えば、ウォーキングをすることで、お尻の筋肉が動き、血流が増加するため、お尻の筋肉の緊張やこりがほぐれ、坐骨神経痛の軽減が期待できます。
ウォーキングで悪化したときの坐骨神経痛の対処法
ウォーキングをしていると、痛みが悪化することもあります。
そんなときは、以下の方法を試してみましょう。
無理せず歩行をやめる
ウォーキング中に急に痛みがひどくなったり、しびれを感じたりした場合は、すぐに歩くのをやめて安静にしましょう。
神経の炎症が強いときや痛みがひどいときは、無理に歩かずに安静にすることが大切です。
急性期が過ぎたら、最初は5分から短い距離からウォーキングを徐々に再開すると良いでしょう。
痛みが続くなら病院で診てもらう
ウォーキングで痛みが悪化する場合は、病院で診てもらうことが大切です。
例えば、腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症が原因で坐骨神経痛になっている可能性があります。
医師に相談し、検査を受けて原因を確認して、ウォーキングを続けても良いか聞いてみましょう。
水中歩行で坐骨神経痛の痛みを和らげる
プールでのウォーキングは、水に浮くため、腰や足への負担が少なくなります。
例えば、プールの中を歩くと、膝や腰への圧力が軽減され、体が楽に感じられます。
水の抵抗を利用して歩くことで、血行も良くなり、坐骨神経痛の改善にも効果が期待できます。
歩けないほど痛い場合は、プールで体を動かすようにしましょう。
ウォーキング以外の運動を取り入れる
坐骨神経痛をセルフケアで改善する方法には、ストレッチやテニスボールを使ったマッサージ、軽い筋トレなどがあります。
例えば、床に座って足を前に伸ばし、手を前に伸ばしてつま先を触ろうとするストレッチは、お尻や背中の筋肉を柔らかくするのに役立ちます。
年齢による腰痛や梨状筋症候群でお悩みの方は、ぜひストレッチを取り入れてみてください。
整体や鍼灸院を利用して坐骨神経痛を和らげる
整体院や鍼灸院では、固くなった筋肉をほぐして血行を良くする手助けをしてもらえます。
例えば、整体では背中やお尻をマッサージしてもらうことで、筋肉の緊張が和らぎ、坐骨神経痛が軽減することが期待できます。
病院で診てもらった後に、整体院や鍼灸院を利用すると良いでしょう。
散歩は坐骨神経痛の解消におすすめの運動!
坐骨神経痛は、じっとしているよりも、少し体を動かした方が良くなることが多い傾向です。
ただし、あまりに激しい運動をすると逆に悪化することがあるので、散歩はおすすめの運動です。
ウォーキングをすると、足の血行が良くなり、筋肉がほぐれて痛みが和らぐことがあります。
1日20~30分、ゆっくりとしたペースで歩くのが良いでしょう。
もしウォーキングをしても痛みが強くなるようであれば、無理をしないことが大切です。
例えば、座った状態で膝を曲げて足を上げるストレッチや、腰に負担をかけないでできる軽いストレッチを試してみるのも良いでしょう。
軽い運動は坐骨神経痛の改善に役立ちますが、無理をしないことが大切です。
ウォーキングなどの適度な運動を生活に取り入れて、少しずつ改善を目指してみましょう。
また、腰痛に必要な栄養素を食事でしっかり摂ることや、禁煙することも、腰痛の予防につながります。
運動しても痛みがつらい場合は、専門の医師や治療院に相談するのが安心です。
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