メチコバールは、ビタミンB12の一種で、体の神経を修復するのを助ける薬です。
肩こりや腰痛、そして神経が原因で起こる痛みやしびれに効果があります。
しかし、メチコバールは病院でしかもらえない薬なので、医師の診察が必要ですが、ドラッグストアでもメチコバールと似た成分が入った市販薬があります。
その成分は「メコバラミン」といい、神経をサポートする働きがあります。
例えば、筋肉の疲れを取るビタミンB1や、血の巡りを良くしてくれるビタミンE、神経の働きを助ける葉酸が含まれた薬も市販されています。
具体的に言うと、肩こりや腰痛で病院に行く時間がない人は、ドラッグストアでこれらの成分が入った市販薬を試すことができます。
例えば、「ビタミンB1」が入っている薬を飲むと、筋肉の疲れを取りやすくなります。
また、「ビタミンE」を使えば、血流が良くなり、冷え性などにも効果が期待できます。
さらに、「葉酸」は神経をサポートするので、しびれやピリピリする痛みに良いかもしれません。
この記事では、メチコバールの効果や、メコバラミンが入った市販薬の紹介、そして薬以外の治療方法もお伝えします。
目次
メチコバールとは?ビタミンB12の働きと効果
「メチコバール」(成分名:メコバラミン)は、末梢神経障害やしびれ、痛みの治療によく使われるビタミンB12の一種です。
ビタミンB12は神経の機能維持や修復に重要であり、特にメコバラミンは神経組織への移行性が優れているため、神経障害の治療に適しています。
メチコバール錠やメコバラミン錠は、ビタミンB12の一種である「メコバラミン」を含んだお薬です。
これらは「末梢神経障害」(まっしょうしんけいしょうがい)という、神経が原因で起こるしびれや痛み、麻痺(まひ)等を治療するために使われます。
メチコバールの効果
神経は「核酸」や「リン脂質」という物質でできています。
メコバラミンはこれらを増やして、神経の修復を助ける役割があります。
特に、神経の「軸索(じくさく)」という、信号を伝える部分の修復を促進するので、痛みやしびれ、麻痺を改善します。
これにより、糖尿病や顔面神経麻痺(顔の筋肉が動かない病気)、坐骨神経痛(腰や足が痛くなる病気)などに効果があります。
メチコバールが使われる状況
この薬は、糖尿病性神経障害や、顔面神経麻痺(がんめんしんけいまひ)、坐骨神経痛(ざこつしんけいつう)などの神経の問題が原因で起こるしびれや痛みに使われます。
また、ビタミンB12の不足による「巨赤芽球性貧血(きょせきがきゅうせいひんけつ)」という特殊な貧血や、耳鳴りやめまいにも使われることがあります。
メチコバールの購入方法は?
メチコバール錠を購入するには、処方箋が必要です。
この薬は「医療用医薬品」に分類されているので、クリニックで医師に診察してもらい、処方箋をもらわないと薬局で買うことができません。
メチコバールと同じ成分の市販薬
メチコバールと同じ成分を含む市販薬は以下のような製品があります。
- ・アリナミンEXゴールド
- ・ユンケルB12アクティブα
- ・ナボリンS
- ・アクテージSN錠
- ・ヘルビタS
これらの薬は、手足のしびれや神経痛、肩こり、腰痛などの症状に対して効果があるとされており、価格や成分も似ています。
どれを選ぶかは、前もって薬の効果や価格のバランスを見て決めると良いでしょう。
市販薬を選ぶ際に、それぞれの薬の特徴や使い方を知っておくと安心です。
以下に、市販薬の詳細情報や使用方法を一覧にしましたので、参考にしてみてください。
アリナミンメディカルゴールド(旧製品名:アリナミンEXゴールド)
出典:アリナミン公式サイト
分類 | 第3類医薬品 |
メコバラミン含有量 | 1500μg |
効果 | 肩こり、腰痛、目の疲れ、首すじのこり |
成分 | ビタミンB12(メコバラミン)、ビタミンB1、ビタミンB6、ビタミンE、ガンマーオリザノール |
添加物 | ケイ酸Ca、トウモロコシデンプン、無水ケイ酸、ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸Mg、セルロース、ヒプロメロース、エリスリトール、ビタミンB2、酸化チタン、アラビアゴム、炭酸Ca、タルク、白糖 |
内容量 | 21錠
45錠 105錠 |
用法 | 15歳以上 |
用量 | 1回1錠
1日3回服用 |
アリナミンメディカルゴールドは、「つらい目の疲れ」や「首すじのこり」に効果があります。
肩こり、腰痛、目の疲れに効く活性型ビタミンを配合しておr、1日3回飲むことで体に効く薬です。
ユンケルB12アクティブα
出典:佐藤製薬公式サイト
分類 | 第3類医薬品 |
メコバラミン含有量 | 1500μg |
効果 | 神経痛や腰痛、手足のしびれ |
成分 | ビタミンB12(メコバラミン)、天然型ビタミンE、コンドロイチン、L-アスパラギン酸マグネシウム・カリウム |
添加物 | 二酸化ケイ素、ヒドロキシプロピルセルロース、D-マンニトール、ステアリン酸Mg、グルコサミン塩酸塩、ヒプロメロース、タルク、酸化チタン、三二酸化鉄 |
内容量 | 60錠
120錠 |
用法 | 15歳以上 |
用量 | 1回1錠
1日3回服用 |
ユンケルB12アクティブαは、神経痛や腰痛、手足のしびれに効く薬です。
ビタミンB12が神経の修復を助け、肩こりや血行促進にも効果があります。
ナボリンS
分類 | 第3類医薬品 |
メコバラミン含有量 | 1500μg |
効果 | 肩こり、腰痛、眼精疲労 |
成分 | ビタミンB12(メコバラミン)、ビタミンB1、ビタミンB6、ビタミンE、葉酸 |
添加物 | タルク、炭酸Ca、トウモロコシデンプン、乳糖、ヒドロキシプロピルセルロース、カルナウバロウ、ケイ酸Ca、酸化チタン、ステアリン酸、ステアリン酸Mg、セラック、セルロース、二酸化ケイ素、白糖、ヒプロメロース、プルラン、ポビドン、マクロゴール、リン酸水素Ca |
内容量 | 21錠
40錠 90錠 180錠 |
用法 | 15歳以上 |
用量 | 1回1錠
1日3回服用 |
ナボリンSは、特に「もんでも治らない肩こり」に効果が期待できます。
肩こり、腰痛、眼精疲労に効く薬で、神経の修復をサポートする葉酸も含まれています。
アクテージSN錠
分類 | 第3類医薬品 |
メコバラミン含有量 | 1500μg |
効果 | 肩や首すじのこり、手足のしびれ |
成分 | ビタミンB12、ビタミンB6、ビタミンE、葉酸など |
内容量 | ケイ酸Ca、トウモロコシデンプン、無水ケイ酸、ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸Mg、セルロース、アラビアゴム、酸化チタン、白糖、炭酸Ca、ビタミンB2、タルク |
用法 | 15歳以上 |
用量 | 1回1錠
1日3回服用 |
アクテージSN錠は、肩や首すじのこり、手足のしびれに効く薬です。
糖衣錠で飲みやすく、6つの成分が体のコリやしびれを改善します。
ヘルビタS
分類 | 第3類医薬品 |
メコバラミン含有量 | 1500μg |
効果 | 肩こり、腰痛、手足のしびれ |
成分 | ビタミンB12、ビタミンB1、ビタミンB6、ビタミンE、葉酸など |
添加物 | カゼインNa、ヒドロキシプロピルセルロース、乳糖水和物、ゼラチン、マクロゴール、タルク、炭酸Ca、ラウリル硫酸Na、カルメロースNa、カルメロースCa、無水ケイ酸、ケイ酸Ca、メタケイ酸アルミン酸Mg、ステアリン酸Mg、ヒプロメロース、アラビアゴム、白糖、酸化チタン、カルナウバロウ |
内容量 | 60錠 |
用法 | 15歳以上 |
用量 | 1回1錠
1日3回服用 |
ヘルビタSは、肩こり、腰痛、手足のしびれに効く薬です。
神経の修復を助けるビタミンB12が入っており、筋肉の疲労も軽減します。
メチコバールを服用する際の注意事項と副作用
副作用は少ないですが、まれに食欲不振や下痢、発疹などが見られることがあります。
また、即効性はなく、継続的に服用することが大切です。
飲み合わせについては特に問題はありませんが、他の薬と併用する場合は薬剤師に相談してください。
飲み薬(メチコバール)以外の治療法
薬に頼らず坐骨神経痛の症状を改善する方法があります。
そこでここからは、飲み薬以外で坐骨神経痛を治療する方法について解説します。
物理療法
物理療法とは、電気治療とも呼ばれる治療法です。
体の痛みを和らげたり、血流を良くしたり、むくみを減らして体を動かしやすくすることを目的としています。
物理療法には、以下の治療方法があります。
- 温熱療法:体を温めて血の流れをよくし、痛みをやわらげる
- マッサージ療法:筋肉をもみほぐして、緊張をほぐし、痛みを和らげる
- 低周波電気療法:弱い電気を使って筋肉を刺激し、血流をよくして痛みを減らす
- 赤外線やマイクロ波による治療:特殊な光や電波で体を温め、血行をよくして痛みをやわらげる
- 骨盤牽引:腰の部分を引っ張ることで、骨と骨の間の圧力を弱め、痛みを改善する
物理療法は、腰痛の症状に合わせて決める必要があります。
まずは医師に自分の症状を相談し、治療法を一緒に考ることが大切です。
運動療法
体操やストレッチをして、筋肉をほぐし、血の流れをよくして痛みを改善する治療法です。
少しずつ運動の強さを増やしていくことで、足の筋力をつけ、腰への負担を減らします。
また、手術後のリハビリにも使われます。
装具療法
コルセットを使って腰を支えることで、安定させて痛みをやわらげる治療法です。
コルセットでお腹の圧力を上げて、腰をしっかり固定し、姿勢をよく保つのに役立ちます。
ブロック注射
ブロック注射は、痛みのある部分の神経の近くに痛み止めの薬を直接注射して痛みを取る治療法です。
すべての背骨の病気に効くわけではありませんが、特定の病気にはとても効果があります。
ただし、効果が永久に続くわけではなく、一度治っても再発する一方、うまくいけば、痛みがずっと消えることもあるでしょう。
ブロック注射にもいろいろな種類があります。
- ・神経根ブロック:坐骨神経痛に対する即効性のある治療法
- ・坐骨神経ブロック(梨状筋ブロック):痛みの原因を直接狙う注射
- ・局所ブロック注射:痛む部分に直接作用する治療法
- ・仙腸関節ブロック:骨盤周りの痛みを緩和する注射治療
腰痛は、痛む場所や痛みの強さによって使う注射が変わります。
腰の痛みがある時は、医師に詳しく相談し、適切な治療を受けることが大切です。
手術療法
坐骨神経痛の手術は、腰痛のタイプによって異なる方法が使われます。
ここでは、坐骨神経痛の原因となることが多い腰痛に対する手術方法をわかりやすく紹介します。
腰椎椎間板ヘルニアの手術
腰椎椎間板ヘルニアの手術は、2種類の方法があります。
それぞれの手術方法について紹介します。
内視鏡下腰椎椎間板摘出術
内視鏡下腰椎椎間板摘出術は、体に負担が少ない手術で、腰椎椎間板ヘルニアを取り除く方法です。
内視鏡という細いカメラを使って、飛び出した椎間板を取り除きます。
通常の手術に比べて皮膚を少ししか切らず、筋肉を大きく動かす必要がないので、体へのダメージが少なく済みます。
この手術は全身麻酔を使って行われ、手術時間は約1時間くらいで終わります。
経皮的内視鏡下腰椎椎間板摘出術
経皮的内視鏡下腰椎椎間板摘出術(PED)は、骨や筋肉を傷つけずに行うことができる手術です。
患者さんは手術中、うつぶせの状態で受けます。
この方法は体へのダメージが少なく、安全に進められるのが特徴です。
経皮的内視鏡下腰椎椎間板摘出術は、若い人(40歳以下)に向けた手術で、約1時間で終わります。
昔の手術では、背中を大きく切り開いて行うため、傷が大きく、3週間程度の入院が必要でした。
しかし、今では技術が進んで、1週間以内で退院できることもあります。
腰部脊柱管狭窄症の手術
内視鏡下腰椎椎弓切除術
内視鏡下腰椎椎弓切除術(MEL)は、脊柱管狭窄症などの治療に使われる体に負担の少ない手術です。
この手術では、全身麻酔をかけ、内視鏡を使って小さな切り口から行い、神経を圧迫している部分を広げることで症状を改善します。
体への負担が少なく、回復も早いのが特徴です。
特に80歳や90歳の高齢者でも安心して受けられます。
内視鏡下腰椎椎体間固定術
内視鏡下腰椎椎体間固定術は、人工物を入れる手術です。
腰椎(腰の骨)がずれている場合に行われ、変性した椎間板を取り除きます。
このような手術は、ほとんどが健康保険でカバーされるのが特徴です。
整骨院や整体院での根本治療
坐骨神経痛で悩んでいる人が整体院と整骨院のどちらに行くべきか迷うことがよくあります。
両方とも似たような施術を行うことがありますが、資格や得意分野に違いがあります。
ここでは、その違いと選び方をわかりやすく説明します。
整体院と整骨院の違い
整体院は、主に姿勢や体の歪みを矯正することで、体の不調を改善する場所です。
特に、慢性的な坐骨神経痛(長期間続く痛みやしびれ)で、原因がはっきりしない場合におすすめです。
整体院では、体のバランスを整えて血流をよくし、筋肉の緊張を取り除くことで、坐骨神経痛の原因を根本的に解決することを目指します。
たとえば、腰や骨盤が長い間歪んでいたために、神経が圧迫されて痛みが続いている場合、整体院での施術が効果的です。
すでに整骨院や病院に行っても効果が感じられなかった場合、整体院で違うアプローチを試すことが良いかもしれません。
一方、整骨院は、捻挫や打撲、関節や靭帯(じんたい:骨と骨をつなぐ部分)の損傷など、ケガが原因で痛みがある場合に利用するのが一般的です。
整骨院の先生(柔道整復師)は国家資格を持っており、ケガや急な痛みに対する施術が得意です。
たとえば、スポーツ中に足をひねってしまったり、何かにぶつかって体を痛めたときに整骨院に行くと、専門的なケアを受けることができます。
整骨院でもマッサージや体の調整を行うことはありますが、やはり怪我に対するケアが得意です。
ですから、痛みの原因が関節や靭帯にある場合は、整骨院のほうが適しているでしょう。
整形外科について
もし坐骨神経痛の原因が腰の骨(腰椎)にある可能性が高い場合は、整形外科も選択肢に入ります。
整形外科は医師が診察し、レントゲンやMRIなどの検査を行うことで、詳しい原因を調べてもらうことができます。
特に、強い痛みがある場合、ブロック注射や痛み止めの薬で痛みを和らげる治療を行います。
ただし、整形外科では、痛みを和らげることが主な目的で、骨盤の歪みや姿勢の改善といった根本的な原因に対しての治療は行わないことが多いです。
ですから、すぐに痛みを取りたいときには効果的ですが、長期的には体のバランスを整える必要があるかもしれません。
メチコバールでよくある質問
メチコバールで多い質問内容を解説付きで紹介します。
選ぶ際の参考にしてみてください。
どうしてビタミンB12が神経に効くの?
メコバラミンは、神経を作っている物質を増やして、神経を修復します。
特に、信号を伝える部分を修復するので、痛みやしびれが改善します。
なぜ錠剤のパッケージが赤色なの?
メコバラミンは光に弱く、光に当たると分解されやすいため、光を遮るために赤いパッケージに包まれています。
薬の色は?
メーカーによって違います。
例えば、メチコバール錠は白色ですが、他の製品は淡黄色や赤色のものもあります。
長く使ってもいいの?
メチコバールは、効果が出るまで時間がかかることが多く、通常1ヶ月ほど飲み続ける必要があります。
1ヶ月以上飲んでも効果が見られない場合は、医師や薬剤師に相談することが大切です。
ただし、症状が改善しているなら、続けて飲んでも問題ありません。
なぜこの薬はジェネリックなの?
この薬は新しい薬として登録されるのに時間がかかったため、最初からジェネリック薬として販売されました。
先発薬(もともと開発された薬)はなく、どちらも後発薬(ジェネリック医薬品)です。
坐骨神経痛の根本的な治療は整体院がおすすめ
メチコバールの効果や、市販薬、さらに薬以外の治療方法について説明しました。
まず、メチコバールはビタミンB12の一種で、体の神経を修復するのを手助けする薬です。
例えば、肩こりや腰痛、神経が原因で起こる痛みやしびれを改善する効果があります。
ただし、この薬は病院でしかもらえないので、病院で医師の診察を受けて処方してもらうことが大切です。
ただし、ドラッグストアでもメチコバールに似た「メコバラミン」という成分が入った市販薬を購入することができます。
この市販薬は、神経の働きをサポートし、痛みやしびれの軽減を助けます。
たとえば、筋肉疲労を和らげるビタミンB1や、血行を良くして体を温めるビタミンE、神経の健康を保つ葉酸が含まれた薬があります。
肩こりや腰痛で病院に行く時間がない人には、これらの市販薬が役立つかもしれません。
また、坐骨神経痛の原因が腰の骨(腰椎)にあると考えられる場合には、整形外科を受診することが有効です。
整形外科では、レントゲンやMRIなどの詳しい検査を受けることができ、強い痛みがある場合には、ブロック注射や痛み止めの薬を使って痛みを緩和する治療が行われます。
例えば、痛みがひどくて日常生活に支障が出ている場合には、こうした治療で速やかに痛みを取ることができます。
ただし、痛みの原因が長期間の姿勢の悪さや骨盤の歪みから来ている場合には、整体院での施術がより効果的かもしれません。
すでに整骨院や病院での治療を試しても効果が感じられなかった場合は、整体院で体のバランスを整えるアプローチを試してみるのも一つの手です。
坐骨神経痛や腰痛がある場合、症状や原因に合わせて整形外科、整体院、整骨院を使い分けてみてください。