今回は「外反母趾で足の裏が痛い」とお悩みの方向けに、原因から具体的な改善方法までを詳しく解説します。外反母趾は女性に多いと思われがちですが、最近では男性や子どもにも増加傾向がみられます。親指の付け根が外側に大きく変形し、靴を履いたときの圧迫感や痛み、タコや魚の目などのトラブルを引き起こしやすくなるのが特徴です。とくに、歩行時に足底(足の裏側)へ負担がかかりやすいため、足の裏が痛い状態に悩まされる方が多くいらっしゃいます。
この記事では、外反母趾による足裏の痛みを軽減するための原因や改善策、そして当院の院長ノブ先生のセルフケア動画をご紹介します。ぜひ最後までご覧いただき、日常生活の中でできるケアを取り入れてみてください。
目次
外反母趾が原因で足裏が痛むメカニズム
外反母趾とは
外反母趾は、足の母趾(親指)が小指方向へ大きく傾く状態で、付け根の関節が内側・外側に突き出すように変形する疾患です。足先(とくに親指付近)のアーチ構造が崩れることで体重のかかり方が偏り、足の裏や指の付け根に強い痛みが出たり、靴との摩擦で皮膚が硬くなったりします。
足裏への負担が増える理由
通常、足には「縦アーチ」「横アーチ」があり、歩行時の衝撃や負担をうまく分散しています。しかし、外反母趾になると横アーチが低下しやすくなり、付け根部分(中足骨と呼ばれる骨のあたり)に重心が集中しがちです。その結果、歩くたびに足裏へ過度の負荷がかかり、痛い・だるいなどの症状を感じやすくなるのです。
足裏が痛みやすくなる主な症状とサイン
- 付け根のタコ・魚の目
親指の付け根やその下にタコや魚の目ができている場合、そこに強い圧力がかかっているサインです。外反母趾の方は、足裏の特定部分に負担がかかりやすいため、多くの方がこの症状を経験します。 - 足底のズキズキ・シクシクした痛み
足の底面全体、もしくは一部分にズキズキした痛みや、歩くと突き刺されるような痛みを覚えるケースが多くみられます。とくに長時間立っていたり、靴を履いて歩いているときに痛みが増すのが特徴です。 - 足首やかかとへの波及
足裏のトラブルをかばうように歩くうちに、足首やかかと、さらに膝や腰まで二次的な痛みに悩まされることもあります。外反母趾が原因で足裏が痛いときは、全体の状態を見直すことが重要です。
足裏痛を招きやすい理由:外反母趾の深層原因
合わない靴の使用
足に合っていない靴(先の細いパンプスやハイヒール、きついサイズなど)を履くことで、親指が外側へ押し出され、外反母趾が進行しやすくなります。内側や甲の高さが合わない靴は、足指を圧迫して痛みを増大させる原因となりやすく注意が必要です。
足指の筋力低下
日常生活で足指をしっかり使わずにいると、足の筋力が低下します。特に歩行時に「つま先」で地面を蹴り出す動作が弱いとアーチが保てず、中足骨周辺や親指付け根に負担が集中し、足裏のトラブルを引き起こします。
姿勢や体重バランスの崩れ
猫背や骨盤の歪みなどによって重心が前後・左右に偏ると、足底の一部に過剰な力がかかります。これにより外反母趾の変形が進行し、足裏の痛みを悪化させることがあります。
遺伝・体質的要素
外反母趾は遺伝的素因が関係する場合もあります。生まれつき関節や靭帯が柔らかい方や、扁平足・開帳足になりやすくアーチが崩れやすい方は、少しの負担でも外反母趾を発症しやすいとされています。
セルフチェック:足裏トラブルの症状と原因
足裏が痛むのは外反母趾部分だけに限りません。ここでは足裏の痛む部位別に説明します。ご自身の足にあてはまるものを見つけて参考になさってください。
足底部の痛み
足底筋膜炎という名で、足底部や、踵に近い場所が、ピリピリと痛みます。ずっと座っていて立ち上がる時や、歩き始め等の動き出しに特に強い症状が出ます。靴が固すぎたり、急に走ったりした後にも痛みます。足裏で踵近くを指圧すると痛みがあります。
立っているとき、歩行時に指が床に着かない状態で浮指になっている方に多い疾患です。指がそった状態から足底筋が常に引っ張られていていますので、筋肉が付着している踵あたりに炎症が起こってしまいます。ハイアーチ、偏平足、どちらにもよく見られます。ハイヒールですと、常に足指が反らされるため、足裏の緊張が高まり普段の何倍もの力で引っ張られてしまうのです。
第2指付け根の痛み
足裏や甲側の第2指の付け根辺りが痛みます。はじめはチクチクとした軽い痛みですが、歩いているうちにズキズキ激しく痛みます。また、患部が熱を持ったり腫れが起きることがあります。患部を指圧すると痛みます。知らず知らずのうちに疲労骨折を起こし、骨部分が仮骨形成によって太くなったり、皮膚が分厚くなっていたり、タコが出来ていたりします。
外反母趾があり、普段から浮指になっている方が多いです。因みに、足指が床から紙1枚分でも浮いていたら浮指です。ご自身の足指はいかがでしょうか。立仕事や外回りの歩きまわる仕事の人に多いです。固い靴を履いて長時間歩き続けたりして、患部に度々強い衝撃がかかることで症状が増します。歩行時に足指が浮いた状態ですと、踵よりも第2指の付け根を先に地面へ着地させるため、第2指の中足骨が変形し骨が周りの神経を刺激して痛みを引き起こします。
第3、4指の付け根の痛み
足裏の第3・4指付け根部分に、熱感やほてり、針で刺したようなチクチクした痛みがあります。その部分にタコができたり、皮膚がぶ厚くなることも多いです。疲労骨折を起こしていることもあります。
外反母趾のある方に多く、バランスの取りづらさから指の先に力が入り浮き指で歩くため、指の付け根部分を繰り返し強く打ち続けてしまうことが原因です。歩行時に1日何千回・何万回と衝撃を受けるため、骨が破壊されたり、変形して棘のようになり様々な症状を起こしています。
第1、2指間の痛み
運動の始め、動き始めに第1・2中足関節(指付け根部分)の足の甲側にピリピリとした痛みがあり、次第に楽になっていきます。足底部に痛みやしびれが起きる場合もあります。親指と人差し指付け根の間を、足の甲側と裏側でつまむように指圧すると痛みを感じます。
外反母趾などで親指の筋力が弱い方が、ハイヒールやパンプス等つま先の細い靴を履き、つま先に余分な力が入り第1・2指付け根部分に負担がかかると、横中足靭帯が左右に引っ張られることで痛みが生じます。若い方ではつま先を使うスポーツで、中年以降では買い物やハイキングで長時間歩き続けた後、または普段は履かない靴や固い靴、新しい靴を履いた後に発生することが多いです。骨に損傷がないため、レントゲン検査では見つからないため、患部を指圧時に痛みが起きるかで確認します。
小指の付け根の痛み
小指付け根の周りが歩くときに痛む、周辺にタコができたり、皮膚がぶ厚くなります。腫れて痛みや熱感があります。これは内反小趾といい、小指が親指側に曲がり変形が生じている状態です。
横中足靭帯が緩むと第5中足骨は外側に開き、小指は内側に曲がります。歩くたびに小指付け根に負担がかかり痛みが起こります。
※内反小趾について詳しくはこちらをご覧ください。↓
自宅でできる外反母趾・足裏痛のケア方法
足指エクササイズ
- タオルギャザー
床にタオルを敷き、足指だけでタオルをつかんで手前に寄せる運動を行います。足の筋力UPに役立ち、アーチの形成をサポートします。 - 足指じゃんけん
指を「グー」「チョキ」「パー」と大きく動かし、親指や小指を意識して広げます。これにより母趾の可動域が広がり、変形を抑制しやすくなります。
足裏マッサージ・ストレッチ
- ゴルフボールやテニスボールを足底に転がし、硬くなった筋肉をほぐします。
- アキレス腱やふくらはぎを伸ばすストレッチで、足首の動きを良くする。姿勢や歩き方の改善に繋がります。
テーピングやサポーター
足裏や親指付け根をサポートする市販の外反母趾用サポーターやテーピングを活用する方法もあります。正しく巻くことで、関節への負担を軽減し、足裏にかかる過剰な力を分散しやすくなります。
適切な休息
立ち仕事や歩く時間が長い人は、こまめに休憩を入れてください。イスに座った状態で足を投げ出し、足指を軽く動かすだけでも血流が改善され、痛みの軽減に役立ちます。
整体院や整形外科で行うアプローチ
1. 整形外科での検査・治療
足裏の症状が長期間続いたり、痛みが強いときは、整形外科を受診してレントゲンやMRIなどで骨・関節の状態を確認するのも大切です。症状や変形の度合いによっては、インソールの作成や矯正器具の装着、最終的には手術が検討される場合もあります。
2. 整体院での骨盤・足関節調整
整体院では、外反母趾そのものだけでなく、骨盤や背骨のバランス、足首の動き、歩き方のクセなどを総合的に見ることで、足裏に集中する負担を軽減します。筋力トレーニングや姿勢指導、日常生活での注意点をアドバイスし、より根本的な改善を目指します。
3. 相談先を選ぶポイント
- 靴やインソールの専門的な知識を持っている
- 腰痛や姿勢改善にも対応できる
- カウンセリングやフォローが充実している
受けたい適切な専門家へ相談することで、悪化しがちな外反母趾による足裏痛も効率的に改善が期待できます。
病院を受診するタイミングは?詳しくはこちら↓
足首の筋肉を鍛えるセルフケア紹介!足裏負担を軽減するコツ
1. 筋肉が衰えてしまう理由
私たち人間は、生まれてから立ち上がり歩き出すことで、次第に足指にしっかりと力が入るようになります。足指と足の付け根部分、そして踵の三点でバランスをとりながら安定した歩行ができるように成長していきます。それに伴い、腰や上半身も安定していき、労働や運動に耐えられる身体になっていきます。年を取ると、足指に力が入らなくなっていき、不安定さから小股での歩行になっていきます。
しかし、現代では若い人でも足指が弱いことが多く、足指を使わない歩行になってしまっているため、老人のような歩行・姿勢の悪化や、腰痛・首肩こりを引き起こしています。親からの遺伝や、合わない靴、環境などいくつかの原因が重なって、歩行時の筋肉の使い方が偏っていき、使われていない筋肉は徐々に弱くなっていきます。
2. 筋肉を鍛えることで改善を目指す
足の横と縦のアーチを補正し、足裏への荷重を分散させるために、インソールやテーピングも有効です。しかし、それだけでは根本的には解決しきれません。弱っている筋肉を鍛えていく必要があります。筋肉が強化されていくと、緩んで伸びてしまっていた足裏のアーチがよみがえり、足の機能が改善していくため、歩行時、立位時の疲れにくさや症状の改善につながっていきます。
3. 1日1回コツコツ継続することで歩きが変わる
当院の院長であるノブ先生セルフケア動画を紹介します。足首の関節を安定させるための筋肉を鍛えるセルフケアと、首肩の緊張が取れるセルフケアです!これだけの運動で効くの?と不安に思うかもしれませんが、大丈夫です。1日1回忘れずに行えば、筋力強化します。まずは続けてみて下さい。
まとめ:早めの相談で足の健康を守ろう
外反母趾は、足の裏に強い痛みを引き起こし、歩くのがつらくなるだけでなく、膝や腰への負担へと波及しやすい厄介な症状です。日頃から足指をしっかり使ったり、正しいサイズの靴を選んだり、インソールでアーチをサポートしたりすることで、悪化を防ぎやすくなります。とくに付け根のあたりが痛む、親指が明らかに変形しているなどの症状がある方は、早めに整形外科や整体院へ相談するのがおすすめです。
足裏のトラブルを解消し、再発を防ぐには、「日常生活の見直し」「正しい靴とインソールの使用」「専門家による矯正や施術」がポイント。外反母趾が気になる方は、ぜひ本記事でご紹介したセルフケアや対策を取り入れてみてください。あなたの足に負担なく、快適な毎日を過ごせることを願っております。