『何となくいつも首や肩がだるい…』その症状、もしかしたらストレートネックが原因かもしれません。ストレートネックは治らないもの、と思っている方も多いようですが、実際にはさまざまな方法でストレートネックを緩和する方法があります。
では、ストレートネックはどこで治せるのでしょうか?ストレッチではなかなか治らないほどガチガチに凝り固まると、自分ではどうにもならないこともあります。整体などで治せるのか、みていきましょう。
目次
ストレートネックとは?
ストレートネックとは、頚椎(首の骨)が文字通り真っ直ぐである状態を指します。「真っ直ぐなのは良いことなんじゃないの?」と思われるかもしれませんが、頚椎は少し湾曲しているのが本来の状態です。
近年では『スマホ首』とも呼ばれ、首が前に出る姿勢を長時間続けるとストレートネックになりやすい、といわれています。
健康な首との違い
健康な首とストレートネックはどのような違いがあるのでしょうか?詳しくみていきましょう。
健康な首を横から見ると、真っ直ぐ伸びているようにみえますが、実際には頚椎(首の骨)は「く」の字のかたちになるようにゆるやかにカーブしています。頚椎がカーブしていることで、頭を支えている筋肉に頭の重みをうまく分散し、首周りの筋肉が疲れにくいようにできています。
それに対して、ストレートネックは首の骨がまっすぐ(ストレート)になってしまった状態です。首の骨がまっすぐになっていると、頭は前に突き出した状態になります。背の高い方や猫背の方にストレートネックは多いです。ストレートネックになっていると、首周りや肩の筋肉に負荷がかかり、首コリや肩コリの原因となります。
ストレートネックで首にかかる負荷は何kg?
ストレートネックだと、支えている首周りにどのくらいの負荷がかかると思いますか?人間の頭の重さは、ボーリングの球と同じくらいといわれています。健康な首の場合、さまざまな筋肉がバランスよく支えあうことで、首には5kg程度の負荷がかかります。頭が前に突き出せば突き出すほどその負荷が首に集中し、45度傾くと20kg以上の負荷がかかるといわれています。
ストレートネックは整体で治る?
ストレートネックは整体で治すことが出来るのでしょうか。結論からいうと、整体で治すことが可能な場合が多いです。どのように治すのか、治療の流れをみていきましょう。
からだの歪みを整える
整体では、背骨や骨盤のズレを矯正することで、筋肉の疲労や凝りをほぐすことを目的として施術をおこないます。整体では、痛みのある部分を整えるのではなく、原因となる部分を整えていきます。
からだの歪みが整うことで、さまざまな不調か緩和される効果が期待できます。
整えた状態をキープする
歪みを整えたあとは、維持する必要があります。具体的には、継続して通院し歪みを矯正することや、生活習慣の見直しをすること、ただしいストレッチをおこなうこと、などです。
歪んでいた期間が長ければ長いほど、その状態に戻ろうとします。1度整えただけですぐに良くなるものではないので、継続して整えていきましょう。
ストレートネックのセルフチェック方法
ストレートネックを簡単にチェックする方法があれば、自分がストレートネックの危険性があるかどうか知ることができます。どのくらいあてはまるものがあるか、ぜひ試してみてください。
かんたんにできるセルフチェック
- 一日に6時間以上、座って過ごす
- 一日に2時間以上、スマホを操作する
- 一日30分以上のウォーキングをしていない
- ノートパソコンを使用することが多い
- 天井の方を向くと痛みや違和感がある
- 左右に首を向けると痛みや違和感がある
- 上向きで寝ることが苦手である
- 疲れたときに頭痛がする
- 猫背の自覚がある
- 巻き肩になっている
以上のチェック項目に、5つ以上チェックがついた方はストレートネックになっている可能性があるので気をつけましょう。
また、壁を使ったチェック方法もあります。力を抜いた状態で、壁に肩・お尻・かかとの3点をつけて立ち、後頭部が壁につけば、ストレートネックの可能性は低いです。しかし、後頭部の壁のあいだに隙間がある場合は、ストレートネックの可能性があるので注意しましょう。
気をつけたほうがいい症状
ストレートネックが重症化すると、手足のしびれや脱力感を感じることがあります。また、頭痛や自律神経の異常をおこしやすくなるので、注意が必要です。
これらの症状は、ストレートネックのみが引き起こす症状ではないため判断は難しいですが、セルフチェックでストレートネックの可能性があり、なおかつこれらの症状がある場合には、きちんと対処するようにしましょう。
日常生活でのストレートネックの原因と対策
日常生活を送るなかで、ストレートネックの原因になりやすいものがいくつかあります。それぞれどうしてストレートネックの原因になってしまうのか、またかんたんにできる対処法についてみていきましょう。
原因1.スマホ
ストレートネックは『スマホ首』と呼ばれることもあり、スマートフォンの普及とともにストレートネックの方は増加傾向にあります。これは、スマートフォンを操作する姿勢に問題があるとされています。
スマートフォンを操作するとき、スマートフォンの位置はどのあたりにあるか意識したことはありますか?みぞおち〜胸のあたりで操作している方が多いのではないかと思います。この位置のスマートフォンを見ようと思うと、どうしても前傾姿勢になってしまいがちです。
首が前にでる前傾姿勢でいると、ストレートネックになりやすくなります。ですから、長時間のスマホ操作は、ストレートネックの原因とされているのです。
【対策方法】
スマホを見る時間を減らす、というのがもっとも効果的ではありますが、これは根本的な解決とは言えません。スマートフォンに限らず、読書をするにしても、前傾姿勢で長時間おこなうことはストレートネックの原因となります。
スマートフォンを見るときに、スマートフォンを目線と同じ高さまで持ち上げるようにしてみましょう。椅子に座り、背筋をのばした状態でおこなうのがベストです。この姿勢を維持するのがしんどい場合は、『前傾姿勢にならない』ことが重要なので、椅子やソファにもたれて、少し上を向くのも、ストレートネック予防には効果的です。
原因2.パソコン
パソコンを使用するときも、姿勢が悪くなりがちです。とくにノートパソコンは、画面の位置が低くなりがちなので、姿勢も崩れやすいとされています。また、お仕事などで使用される場合は、長時間同じ姿勢になりやすいため注意が必要です。
【対策方法】
パソコンの画面は、目の高さもしくは少し下ぐらいにするのがおすすめです。ノートパソコンの場合、画面だけを高くすることは困難なので、スタンドを付けてキーボードを外付けしたり、工夫が必要になります。
また、椅子や机の高さも、自分にあったものにしましょう。正しい姿勢で座ることが、ストレートネックを予防する近道となります。
原因3.枕
人間は1日の3分の1を寝て過ごします。寝ている時間は疲労回復したり、からだを休める大切な時間です。寝る時に枕の高さが合っていなかったり、硬さが合ってなかったりすると、疲労を回復するどころか余計な疲れが溜まったり、ストレートネックが悪化する恐れがあります。
【対策方法】
自分に合った枕をみつけましょう。理想的な枕とは、理想的な首のカーブを維持できるような枕です。ですから、一人ひとりピッタリの枕は違います。
枕の専門家にみてもらうのがおすすめですが、難しい場合は高さを自分で調整できるような枕を選んだり、柔らかすぎない枕を選ぶことがポイントになります。
原因4.育児・家事
炊事・洗濯・掃除といった家事や、小さいお子さんの抱っこや授乳といった育児の場面でもストレートネックの原因が多く潜んでいます。前かがみで作業することが多くなると、それだけ首に負担がかかりますので気をつけましょう。
【対策方法】
必要以上に前かがみにならなくて良い環境を整えましょう。洗濯物を干す時は、椅子の上など、かごから洗濯物を取り出しやすくなるような高さに置いたり、身長に合った作業台で料理をするなども効果的です。
子育てにおいては、対策しきれない部分も多いと思いますので、ストレッチを取り入れたり、無理をしすぎないように意識しましょう。
ストレートネックが悪化するとどうなる?
ストレートネックが悪化すると、どのような症状があらわれるのでしょうか。ストレートネックは首周りの痛みだけでなく、全身に影響を及ぼすこともあります。
- 肩コリ・首コリの悪化、眼精疲労
- 手足のしびれ・痛み
- 頚椎椎間板ヘルニア
- イライラや不眠といった症状
ストレートネックに効く簡単ストレッチ
ストレートネックの影響で肩や背中が凝って辛くても、すぐに整体に行けないこともありますよね。ストレートネックに効果が期待できる、おうちでもできるストレッチをご紹介します。
首の筋肉をほぐすストレッチ
頭を左右へ傾ける「側屈ストレッチ」は、簡単に首の前後の筋肉をストレッチすることができます。やり方は簡単で、目線は正面に向け、あごを引いた状態で頭を右へ左へと傾けます。なるべくゆっくりと、頭の重さを利用しておこなうようにしましょう。呼吸は止めず、リラックスしておこなうと効果的です。
横を向く「回旋ストレッチ」も首の筋肉のストレッチにおすすめです。目線は水平にキープしたまま、首から上だけゆっくりと横を向きます。鼻先を身体の真横へ向けるイメージでおこないましょう。横を向いたら3秒ほど維持して、またゆっくりと正面を向きます。身体の真ん中に軸があるつもりで、軸がブレないように気をつけましょう。
タオルを使ったストレッチ
頭蓋骨と首の境界にフェイスタオルをひっかけ、斜め上に持ち上げるようなきもちで引き上げると、首がぐーっと伸ばされストレッチすることができます。気持ちいいと感じるところまで引き上げたら、タオルに頭の重さを委ねて、ゆらゆらと左右に揺らすとより効果的です。呼吸はゆっくりとおこなうようにしましょう。
nobu先生のセルフケア教室「ストレートネックの解消法」
セルフケア整体のnobu先生によるYouTubeチャンネルでも、ストレートネック解消ストレッチをご紹介しています。コメント欄にも「これをやったらほんとによくなった!」「一回やっただけで嘘のように効果が出た」などといった喜びの声も届いております。
ストレートネックかも?と思ったら
ストレートネックかも、と思ったら、まずはセルフチェックをしてみましょう。当てはまる項目が多ければ、日常生活で原因となるような行動をとっていないか、確認してみてください。原因ごとの対策をとっても改善しないほど深刻な場合は、整体や接骨院などで、診てもらいましょう。
ストレートネックは、進行すると全身へと影響を及ぼします。早めに対策をとることで、症状を最小限に抑えることが可能です。
ストレートネックのご相談は、セルフケア整体でも受け付けております。セルフケア整体では、家庭で簡単に整体と同じような効果を得られるストレッチを多くご紹介しております。
家にいても整体を受けたようにスッキリできるような動画もYoutubeで公開しておりますので、参考にしてみてください。
セルフケア教室 nobu先生 /格闘家整体師 – YouTube