この記事は「日本身体運動科学研究所 代表理事・笹川 大瑛」の監修のもと作成されています。
腰椎椎間板ヘルニアによる激痛は、日常生活に大きな支障をきたす深刻な症状です。特に急性期の症状は、歩行が困難になるほどの強い痛みを伴い、足へのしびれや放散痛として現れることが多いのが特徴です。ヘルニアの痛みが生じる主な原因は、飛び出した椎間板の内容物が神経を圧迫するためです。適切な治療法を選ぶことで、多くの場合は手術せずに症状の改善が期待できます。この記事では、ヘルニアの激痛に対する原因から治療法、そして再発予防までを専門医の視点から徹底解説します。
「ヘルニアって腰が痛くなるだけだと思われがちなんですけども、結構足首が上がらなくなったり、感覚がなくなったりとか、結構ビックリするような症状が出てきます。」
目次
ヘルニアによる激痛とは?その正体と種類
腰椎椎間板ヘルニアは、背骨と背骨の間にあるクッションの役割を果たす「椎間板」が変形して飛び出し、神経を圧迫することで起こる疾患です。特に激痛を伴うヘルニアは、日常生活に大きな支障をきたします。
椎間板ヘルニアとは何か?
椎間板は背骨と背骨の間にあるクッションのような組織で、外側の線維輪と内側の髄核からなります。この髄核が何らかの原因で外側に飛び出し、周囲の神経根や脊髄を圧迫することで、激しい痛みやしびれを引き起こすのが椎間板ヘルニアの特徴です。
椎間板ヘルニアの主な種類
椎間板ヘルニアはその発生位置によって以下のように分類されます:
ヘルニアの種類 | 特徴 | 主な症状 |
---|---|---|
腰椎椎間板ヘルニア | 腰部の椎間板が飛び出す | 腰痛、坐骨神経痛、足のしびれや痛み |
頚椎椎間板ヘルニア | 首の椎間板が飛び出す | 首・肩・腕の痛み、手のしびれ |
胸椎椎間板ヘルニア | 胸部の椎間板が飛び出す(比較的まれ) | 背中の痛み、胸部の締め付け感 |
この記事では主に「腰椎椎間板ヘルニア」に焦点を当てて解説します。腰椎椎間板ヘルニアは特に激痛を伴うケースが多く、坐骨神経痛などの強い放散痛を引き起こすことがあります。
なぜ起こる?ヘルニアで激痛が生じるメカニズムと主な原因
ヘルニアによる激痛はなぜ生じるのでしょうか。その仕組みと主な原因について詳しく見ていきましょう。
神経圧迫のメカニズム
椎間板ヘルニアでは、内部の髄核が外側に飛び出し、脊柱管内の神経根を圧迫します。神経は非常に敏感な組織であり、わずかな圧迫や炎症でも強い痛みを発生させる可能性があります。特に椎間板から漏れ出した物質が炎症を引き起こし、これが神経に刺激を与えることで激しい痛みが生じることが多いです。
ヘルニアが引き起こす主な原因
椎間板ヘルニアの主な原因としては、以下のようなものが考えられます:
- 加齢による椎間板の変性:年齢とともに椎間板の水分量が減少し、弾力性が失われることで、外部からの負担に耐えられなくなる傾向があります。
- 不適切な姿勢や重い物の持ち上げ:腰に過度の負担をかける姿勢や動作が椎間板に圧力をかけ、ヘルニアのリスクを高める可能性があります。
- 外傷や事故:強い衝撃が椎間板に加わることで、突発的にヘルニアが発生することがあります。
- 遺伝的要因:椎間板の強度には個人差があり、遺伝的に椎間板が弱い傾向にある方もいらっしゃいます。
- 喫煙:喫煙は椎間板への血流を減少させ、変性を早める一因となる可能性があります。
- 肥満:体重過多は腰椎への負担を増大させ、ヘルニアのリスクを高めることが指摘されています。
「腰椎椎間板ヘルニアこれがじゃあ何でここにこう言ったこう出るようになったかも腰の筋肉がですねこう安定してないとぐっ潰れる力に対して無防備なわけですね」
こんな症状は要注意!ヘルニアの激痛度チェックと危険なサイン
椎間板ヘルニアの症状は人によって異なりますが、特に注意すべき症状や、すぐに医療機関を受診すべき危険なサインがあります。
ヘルニアの一般的な症状
椎間板ヘルニアでよく見られる症状には以下のようなものがあります:
- 腰痛:鈍い痛みから鋭い痛みまで、程度は様々です。特に急性期には激痛となることがあります。
- 坐骨神経痛:お尻から足にかけて走る鋭い痛みや電気が走るような感覚がしばしば報告されています。
- 下肢への放散痛:腰から足にかけて広がる痛みが特徴的です。片側または両側に現れることがあります。
- しびれや感覚異常:足や足指のしびれや感覚が鈍くなる症状がみられることがあります。
- 脱力感:足の筋力が低下し、歩行が不安定になることもあります。
すぐに受診すべき危険なサイン
以下の症状が見られる場合は、椎間板ヘルニアが重症化している可能性があるため、すぐに医療機関を受診することをお勧めします:
- 足首が上がらない(下垂足):神経の重度の圧迫により、足首を上げる動作ができなくなる症状が現れることがあります。
- 排尿や排便の障害:膀胱直腸障害と呼ばれ、おしっこがしにくい、出た感じがしない、残尿感があるなどの症状が生じる場合があります。
- 両足の強いしびれや脱力:両側性の症状は脊髄の圧迫を示唆することがあり、注意が必要です。
- 安静にしても改善しない激痛:姿勢を変えても全く痛みが和らがない場合は要注意です。
- 発熱を伴う腰痛:感染症の可能性があり、専門医による評価が必要です。
「足首上がらなくなったりとか、またあの指に力が入らなくなったりする。おしっこしてもですねでた感じがしないなとか残尿感って言ったりするんですよね。こういう症状になってるとこれですね結構危険な状態なんですよ。」
激痛を伴うヘルニアの診断方法:病院では何をする?
ヘルニアが疑われる場合、どのような検査や診断が行われるのでしょうか。適切な治療を受けるためには、正確な診断が不可欠です。
問診と身体診察
診断の最初のステップは、医師による詳しい問診と身体診察です。
- 問診:痛みの場所、性質、持続時間、悪化・改善する状況などを詳しく聞かれることが一般的です。
- 神経学的検査:足の筋力、反射、感覚などを確認し、どの神経が圧迫されている可能性があるかを調べます。
- ラセーグテスト:仰向けに寝た状態で足を持ち上げ、坐骨神経の状態を確認する検査がよく行われます。
画像診断
ヘルニアの確定診断には、以下のような画像検査が用いられることが多いです:
検査方法 | 特徴 | 何がわかるか |
---|---|---|
MRI検査 | 磁気を利用して体内の断層画像を撮影 | 椎間板の状態や神経の圧迫状況を詳細に確認できる最も重要な検査 |
CT検査 | X線を用いた断層撮影 | 骨の状態や脊柱管の狭窄状況を確認できる |
X線検査(レントゲン) | 骨の状態を撮影する最も基本的な検査 | 椎間板の狭小化や脊椎の変形など、間接的な情報が得られる |
これらの検査により、ヘルニアの位置、大きさ、神経への圧迫の程度などが明らかになり、最適な治療法を選択するための重要な情報となります。
つらい激痛を和らげる!ヘルニアの保存的治療法(安静・薬・注射・リハビリ)
ヘルニアの治療は、まず保存的治療法から始まることが一般的です。保存的治療には以下のようなものがあります。
安静と姿勢の改善
急性期の激痛がある場合は、まず安静にすることが重要とされています。
- 安静:24〜48時間程度の安静が一般的に推奨されますが、長期の臥床は避けることが望ましいでしょう。
- 正しい姿勢:腰への負担を減らす姿勢を心がけることで、症状の改善につながる可能性があります。
- コルセット:腰部を安定させるコルセットの着用が効果的な場合もあるようです。
薬物療法
痛みや炎症を和らげるために、以下のような薬物療法が検討されることがあります:
- 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs):炎症を抑え、痛みを和らげる効果が期待できます。
- 筋弛緩薬:筋肉の緊張をほぐし、痛みの軽減に役立つ可能性があります。
- 神経障害性疼痛治療薬:神経の痛みを抑える効果が報告されています。
- 鎮痛薬:強い痛みを抑えるために使用されることがあるようです。
ブロック注射
薬物療法で十分な効果が得られない場合、以下のようなブロック注射が選択肢となることがあります:
- 硬膜外ブロック:脊髄周囲の硬膜外腔に麻酔薬やステロイド剤を注入し、炎症と痛みを抑える治療法です。
- 神経根ブロック:圧迫されている特定の神経根に向けて注射を行う方法があります。
- トリガーポイント注射:痛みの原因となる筋肉の緊張部位(トリガーポイント)に注射する手法も用いられます。
リハビリテーション
急性期の痛みが落ち着いてきたら、リハビリテーションが重要な役割を果たします:
- 理学療法:専門家の指導の下、腰部の筋力強化やストレッチを行うことで改善が期待できます。
- 運動療法:腰椎を安定させるコアマッスルの強化が特に重要とされています。
- 温熱療法・電気治療:血行を促進し、筋肉の緊張を緩和する効果があるとされています。
- 牽引療法:椎間板への圧力を軽減する効果が期待される治療法です。
多くの椎間板ヘルニアは、適切な保存的治療により3〜6ヶ月程度で症状が改善する可能性があります。研究によれば、保存的治療を行った患者の約70%が6ヶ月以内に症状の改善を報告しています。保存的治療で効果が得られない場合や、重篤な症状がある場合に手術治療が検討されることがあります。
ヘルニアの激痛に対する手術治療:適応と種類、術後の流れ
保存的治療で十分な改善が見られない場合や、重篤な神経症状がある場合には、手術治療が選択肢となることがあります。
手術が必要となる可能性があるケース
以下のような状況では、手術が検討されることがあります:
- 保存的治療で3ヶ月以上改善が見られない場合
- 足の筋力低下や麻痺症状(特に足首が上がらない「下垂足」)がある場合
- 膀胱直腸障害(排尿・排便障害)がある場合
- 日常生活に著しい支障をきたす強い痛みやしびれが続く場合
- 大きなヘルニアで神経への圧迫が顕著な場合
「おしっこがですねべにくくなったり残尿感が出たこういう症状になってるとこれですね結構危険な状態なんですよこういう症状があったらあのすぐ手術しないといけないんです」
ヘルニアに対する主な手術法
椎間板ヘルニアに対する主な手術法には以下のようなものがあります:
手術法 | 特徴 | 回復期間 |
---|---|---|
内視鏡下椎間板ヘルニア摘出術 | 内視鏡を使用した低侵襲手術 | 比較的短期(数週間) |
顕微鏡下椎間板ヘルニア摘出術 | 顕微鏡を用いた精密な手術 | 1〜2ヶ月程度 |
椎間融合術 | 不安定な椎間を固定する手術 | 3〜6ヶ月程度 |
ヘルニアの手術法の選択には、症状の重症度や患者さんの状態、医師の専門性などが考慮されます。
術後の経過と注意点
手術後の経過は手術法や患者の状態によって異なりますが、一般的には以下のような流れになると考えられています:
- 術後早期(数日〜1週間):安静にして創部の回復を促すことが推奨されます。
- リハビリ期(数週間〜数ヶ月):徐々に活動量を増やし、背筋や腹筋などのコアマッスルを鍛えるリハビリを行うことが重要とされています。
- 日常生活復帰期(数ヶ月):通常の生活に戻りますが、再発予防のために適切な生活習慣の維持が大切です。
手術後の注意点としては、医師の指示に従った適切な活動制限、再発予防のための姿勢や生活習慣の改善、定期的なフォローアップが重要であると考えられています。
【緊急】ヘルニアの激痛に襲われた時の応急処置とやってはいけないこと
ヘルニアの激痛に突然襲われた場合、すぐに病院に行けないこともあります。そのような緊急時の対処法と、避けるべき行動について説明します。
ヘルニアの激痛時の応急処置
激痛が起きた場合の初期対応として、以下の方法が有効である可能性があります:
- 安静にする:動きを最小限にして、痛みを悪化させる動作を避けることが推奨されています。
- 適切な姿勢をとる:仰向けに寝て、膝の下に枕やクッションを置く姿勢(セミファウラー位)が痛みを和らげる効果があるとされています。
- 冷却:発症後24〜48時間は氷嚢などで患部を冷やすと、炎症や痛みの軽減につながる可能性があります。
- 市販の鎮痛薬:医師の指示がある場合や、以前から処方されている薬がある場合は服用を検討してもよいでしょう。
やってはいけないこと
ヘルニアの症状を悪化させる可能性がある以下の行動は避けることが望ましいとされています:
- 無理に動き続ける:「痛みに耐えて動けば良くなる」という考えは適切ではないと考えられています。
- 長時間の同じ姿勢:長時間の座位や立位は腰への負担を増やす可能性があります。
- 重い物を持ち上げる:腰部への負担が増し、症状を悪化させるリスクがあります。
- ストレッチや運動の無理な継続:急性期には安静が基本とされています。
- 医師の診断なしでの自己判断による治療:専門家の診断と指導を受けることをお勧めします。
特に足のしびれや力が入らない、排尿・排便障害などの症状がある場合は、応急処置に頼らず速やかに医療機関を受診することが推奨されています。これらは緊急性の高い症状である可能性があります。
ヘルニアの激痛を繰り返さないために日常生活でできる予防策
ヘルニアは一度発症すると再発リスクが高まるとされています。日常生活での予防策を実践することで、再発リスクを減らせる可能性があります。
正しい姿勢と動作
日常生活での姿勢や動作を見直すことが予防の基本と考えられています:
- 立位姿勢:背筋をまっすぐに伸ばし、骨盤を適切な位置に保つことが推奨されています。
- 座位姿勢:腰の支えのある椅子を選び、長時間の座位は避けることが望ましいでしょう。
- 物の持ち上げ方:膝を曲げて腰ではなく脚の力で持ち上げる「スクワット姿勢」が基本とされています。
- 寝姿勢:仰向けに寝て膝の下に枕を置く、または横向きに寝て膝の間に枕を挟む姿勢が脊椎への負担を軽減すると考えられています。
腰部の筋力強化とストレッチ
腰部周囲の筋肉を強化することで、椎間板への負担を減らし、ヘルニアの予防につながる可能性があります。
- コアマッスルの強化:腹筋、背筋、臀筋などのトレーニングが効果的とされています。
- ストレッチ:腰部や脚の柔軟性を保つためのストレッチを定期的に行うことが推奨されています。
- ウォーキングや水泳:腰に負担の少ない有酸素運動を取り入れることが良いとされています。
生活習慣の改善
全体的な健康管理もヘルニア予防に重要と考えられています:
- 適正体重の維持:肥満は腰への負担を増加させるため、適正体重を維持することが推奨されています。
- 禁煙:喫煙は椎間板への血流を減少させ、変性を促進する可能性があります。
- 適度な水分摂取:椎間板の水分保持に役立つとされています。
- ストレス管理:過度のストレスは筋緊張を高め、腰痛を悪化させる一因となる可能性があります。
「しっかり体を動かしてもらえばいいですね。セキュリティ後かですねぎっくり腰っていうのにならなくなりますのでぜひ参考にしていただければなと思います。」
専門家の見解:椎間板ヘルニアの正しい理解と対処法
椎間板ヘルニアは「腰が痛くなるだけ」と思われがちですが、実際にはより複雑で多様な症状を引き起こす疾患であると専門家は指摘しています。専門医の解説によると、ヘルニアによって神経が圧迫されることで、足首が上がらなくなったり(下垂足)、感覚がなくなったりするなど、驚くような症状が現れることがあるようです。
特に注意すべきは、膀胱直腸障害と呼ばれる排尿・排便に関する症状です。おしっこをしても出た感じがしない「残尿感」などの症状が現れた場合は危険な状態である可能性があり、早急な医療機関への相談が推奨されています。
ヘルニアの根本原因として、腰の筋肉が不安定であることが考えられています。筋肉による保護が不十分だと、椎間板に過度の圧力がかかり、ヘルニアが発生しやすくなる可能性があります。そのため、治療においては痛みの緩和だけでなく、「再発しない体づくり」が最も重要とされています。
専門家は、適切なリハビリテーションと日常的な体の動かし方の改善によって、多くのヘルニア患者が症状の改善を実感し、再発予防にも効果がある可能性を指摘しています。個々の状態に合わせた適切なアプローチについては、専門医との相談が重要です。
ヘルニアの激痛に関するよくある質問
Q. ヘルニアが激痛を引き起こす原因は、飛び出した椎間板の内容物が神経を圧迫するためですか?
A. はい、ヘルニアによる激痛の主な原因は、飛び出した椎間板の内容物(髄核)が神経を圧迫することと考えられています。特に発症初期の急性期は、激しい痛みが特徴で、腰痛から始まり、足への放散痛やしびれとして現れることが多いようです。神経圧迫に加えて、漏れ出した髄核の成分が炎症を引き起こし、これも痛みの原因となる可能性があります。
Q. ヘルニアによる症状は腰痛だけですか?
A. いいえ、ヘルニアの症状は腰痛だけではありません。腰痛に加えて、足へのしびれや放散痛(坐骨神経痛)、筋力低下、足首が上がらなくなる(下垂足)などの運動障害、さらに重症化すると排尿・排便障害(膀胱直腸障害)が現れることもあります。特に足の筋力低下や排尿障害は危険なサインとされており、早急な医療機関の受診が推奨されています。
Q. ヘルニアの激痛はすべて手術が必要ですか?
A. いいえ、ヘルニアの激痛のすべてのケースで手術が必要というわけではありません。実際、多くの椎間板ヘルニアは保存的治療(安静、薬物療法、理学療法、リハビリテーションなど)で改善する可能性があります。手術が検討されるのは、保存的治療で3ヶ月以上改善が見られない場合や、足の筋力低下、膀胱直腸障害など重篤な神経症状がある場合に限られることが多いようです。まずは専門医の診断を受け、適切な治療法を相談することが重要です。
Q. ヘルニアの痛みが悪化したとき、すぐにできる応急処置はありますか?
A. ヘルニアの痛みが突然悪化した場合の応急処置としては、まず安静にすることが最も重要と考えられています。仰向けに寝て、膝の下に枕やクッションを置く姿勢(セミファウラー位)をとると痛みが和らぐ場合があるようです。発症後24〜48時間は氷嚢などで冷却すると炎症を抑える効果が期待できます。ただし、足のしびれや力が入らない、排尿・排便に異常がある場合は緊急性が高いとされているため、応急処置に頼らず速やかに医療機関を受診することが推奨されています。
Q. ヘルニアが再発しないためにはどうすればよいですか?
A. ヘルニアの再発予防には、日常生活での姿勢や動作の改善が非常に重要と考えられています。具体的には、正しい姿勢を保つこと、重い物を持ち上げる際は膝を曲げて脚の力を使うこと、腰部の筋力(特にコアマッスル)を強化するエクササイズを定期的に行うこと、適正体重の維持、禁煙などが効果的である可能性があります。また、長時間同じ姿勢を続けることを避け、適度に休憩や姿勢変換を取り入れることも大切です。リハビリテーションで習得した体の使い方を継続することで、再発リスクを低減できる可能性があると専門家は指摘しています。
Q. 発症初期の急性期には、痛みが最も強く、歩行困難や睡眠障害を引き起こす場合がありますか?
A. はい、ヘルニアの発症初期の急性期には、非常に強い痛みが特徴的とされています。この激しい痛みのために歩行が困難になったり、夜間の痛みで睡眠が妨げられたりすることがあるようです。特に咳やくしゃみなど腹圧がかかる動作で痛みが増強することが多く、日常生活に大きな支障をきたすことがあります。急性期の痛みに対しては、適切な安静と医師の指導による薬物療法が重要と考えられています。多くの場合、適切な治療により数日〜数週間で急性期の激しい痛みは徐々に軽減していく可能性があるとされています。
Q. 放置すると、痛みが慢性化し、日常生活に支障をきたす可能性がありますか?
A. はい、ヘルニアを放置すると、痛みが慢性化して日常生活に長期的な支障をきたす可能性があると考えられています。初期の適切な治療を受けずに放置すると、神経への圧迫が続くことで神経の不可逆的な損傷を引き起こすリスクも高まる恐れがあります。特に足の筋力低下や膀胱直腸障害などの症状が現れた場合は、重篤な状態に陥る可能性があるため、早期に専門医を受診して適切な治療を受けることが非常に重要と考えられています。多くのヘルニアは早期に適切な治療を受けることで、良好な回復が期待できるという報告もあります。