残尿感や腰の痛みに悩んでいませんか?
腰痛の原因はさまざまですが、中には残尿感に関連した膀胱炎が引き起こすケースもあります。
この記事では、その治療法や身近な症状を踏まえた予防法について考えてみます。
目次
残尿感が伴う膀胱炎とは?
一般的に膀胱炎とは、細菌が尿道から膀胱に入って炎症を起こす病気で、この細菌の大半は大腸菌です。
特に女性は尿道が短いため、感染しやすいのが特徴です。
例えば、性行為や夏の脱水状態、閉経後の常在菌の現象などが原因で発症することが多く、冬に比べて夏にかかりやすくなります。
また、膀胱炎が放置されると、腎盂腎炎に進行することがあり、その場合、高熱や背部痛などの症状が出て、入院が必要になることもあります。
残尿感による膀胱炎の種類や症状・原因
以下では、残尿感による膀胱炎の種類、症状、原因について詳しく説明します。
膀胱炎の種類は2つ
膀胱炎は、「急性膀胱炎」と「慢性膀胱炎」に分かれており、以下の原因や症状があります。
急性膀胱炎の症状・原因
- ・高熱
- ・頻尿
- ・残尿感
- ・膀胱の痛み
- ・背中の痛み
- ・膀胱への細菌が侵入する
急性膀胱炎は女性に多い病気で、細菌が膀胱に入ることが原因です。
この病気では、頻繁にトイレに行きたくなる、残尿感、膀胱の痛みなどの症状が現れます。
急性膀胱炎は早めに治療を始めると、症状はすぐに改善されます。
治療には抗生物質を使い、多くの水を飲むことが助けになります。
予防には、定期的に水分を取り、こまめにトイレに行くことが大切です。
慢性膀胱炎の症状・原因
- ・前立腺肥大症
- ・尿路結石
- ・糖尿病
慢性膀胱炎は、男性によく見られる病気で、完全に治らず再発しやすいです。
再発の原因は、適切な治療が行われないこと、免疫力の低下、生活習慣や食生活の影響などがあります。
予防法は、適切な水分摂取や健康的な生活習慣、バランスの取れた食事を心がけることです。
「単純性膀胱炎」以外の膀胱炎
単純性膀胱炎以外には、「複雑性膀胱炎」「出血性膀胱炎」と「間質性膀胱炎」に分かれており、以下の原因や症状があります。
複雑性膀胱炎の原因・症状
- ・尿路結石
- ・前立腺肥大症
- ・神経因性膀胱
- ・尿路の腫瘍
複雑性膀胱炎は、他の病気がある場合に発症しやすいです。
症状には、排尿時の痛みや下腹部の痛み、頻尿、残尿感、尿の濁り、血尿などがありますが、軽度な場合もあります。
出血性膀胱炎の原因や症状
- ・ウィルス感染
- ・薬の副作用
出血性膀胱炎は、膀胱の内壁が炎症を起こして傷つき、血管が損傷されて尿に血液が混じる状態です。
これは、細菌感染や薬物の副作用などが原因となることがありますが、具体的な原因は個々の症例によって異なります。
間質性膀胱炎の原因・症状
-
- ・ウィルス感染
- ・放射線の影響
間質性膀胱炎は、膀胱が満たされると痛みが起こり、排尿すると痛みが和らぐ状態です。
痛みを引き起こす主な理由は、膀胱の壁に炎症が生じ、その結果、膀胱がいっぱいになると圧力が増し、痛みが生じます。
また、排尿すると、膀胱が空になり、圧力が減少し、痛みが軽減されることがあります。
残尿感が伴う膀胱炎と腰痛の関係
膀胱炎が進行すると、腰や下腹部にも痛みが現れやすいのが特徴です。
腰痛は膀胱炎の典型的な症状であり、後ろから鈍い痛みを感じやすくなります。
しかし、腰痛だけで膀胱炎かどうかをこれらで判断するのはむずかしいため、他の症状と照らし合わせることが大切です。
また、膀胱炎を放置すると腎盂腎炎を引き起こし、腰痛が出る可能性も考えられます。
【女性に多い悩み】残尿感による膀胱炎で腰痛が出やすい症状や原因
女性が残尿感による膀胱炎で腰痛を引き起こす原因は、以下の病気が原因の可能性があります。
尿路結石症の原因や特徴
- ・体質
- ・食生活
- ・生活習慣
尿路結石症は、腎臓から尿道までの尿路に石ができる病気です。
石が動くときには激しい腰や腹部の痛みが起こります。
大きな石ができたり、尿路をふさぐときは医療の手助けが必要です。
腰椎椎間板ヘルニアの原因や特徴
- ・前かがみの姿勢が多い
- ・中腰の姿勢を長時間続ける
- ・重たいものを急に持ち上げる
腰椎椎間板ヘルニアでは、歩き始めると腰や足に痛みやしびれが出て、歩行が困難になります。
これは、椎間板が脊椎から突出し、神経を圧迫するためです。
圧迫された神経によって、腰や足に痛みやしびれが生じます。
この状態では、早めの治療と適切なリハビリテーションが重要です。
解離性大動脈瘤の原因や特徴
- ・喫煙
- ・遺伝
- ・糖尿病
- ・高血圧
- ・ストレス
- ・動脈硬化
- ・高脂血症
- ・睡眠時無呼吸症候群
解離性大動脈瘤は、突然、胸や背中で激しい痛みが始まる危険な状態です。
この痛みは、大動脈の壁が内側から裂けることによって引き起こされます。
内出血や血管の急激な拡張が起こり、命にかかわる状況があるため、直ちに医療機関を受診する必要があります。
膀胱がんの原因や特徴
- ・喫煙
- ・化学物質
膀胱がんは、50歳以上の人に多く、喫煙やカフェインなどの有害物質が原因とされる病気です。
これらの物質は膀胱に悪影響を及ぼし、がんのリスクを高めます。
したがって、健康な生活習慣と定期的な健康診断が大切です。
月経困難症の原因や特徴
- ・機能性月経困難症:子宮を収縮させる「プロスタグランジン」が激しい生理痛を引き起こす
- ・器質性月経困難症:子宮内膜症や子宮筋腫などの病気
月経困難症は、生理痛が激しく、普段の生活に影響を与える状態です。
この状態では、激しい腹痛や吐き気、頭痛などの症状がしばしば現れ、日常活動が困難になることがあります。
そのため、適切な治療やケアが必要です。
【男性に多い悩み】残尿感による膀胱炎で腰痛が出やすい症状や原因
残尿感による膀胱炎が男性に腰痛を引き起こす原因は、以下の病気が原因の可能性があります。
水腎症の原因や特徴
- ・炎症
- ・結石
- ・尿管内の腫瘍
水腎症は、尿管や腹部の血管が圧迫され、狭くなる状態です。
これにより、尿の排出が妨げられ、腎臓にたまった尿が腫れることがあります。
水腎症は、腎機能の障害や慢性的な腎臓疾患を引き起こす可能性があるため、早期の治療や適切な管理が重要です。
尿管結石の原因や特徴
- ・体質
- ・遺伝
- ・水分不足
- ・生活習慣
- ・シュウ酸の摂り過ぎ
- ・動物性たんぱく質の過剰摂取
尿管結石の原因は、結石や尿道の閉塞により、排尿時に痛みが生じることです。
これらの結石が尿管を通過する際に、尿管の壁に損傷を与えることがあり、それが排尿時の痛みを引き起こします。
この痛みはしばしば腰や腹部に広がり、激しい痛みや吐き気を伴うこともあります。適切な治療が必要です。
前立腺炎の原因や特徴
- ・乗り物での長時間移動
- ・デスクワークの長時間作業
前立腺炎は、前立腺が長期間にわたって炎症を起こす状態です。
この炎症により、前立腺が腫れや痛みを引き起こし、排尿時に困難を伴うことがあります。
また、排尿回数の増加や残尿感などの症状も現れるのが特徴です。
膀胱がんの原因や特徴
- ・喫煙
- ・化学物質
膀胱がんは、化学物質を扱う仕事や男性によく見られます。
これらの化学物質は、膀胱内壁に影響を与え、がんのリスクを高める可能性があります。
特に、工業用の染料や塗料、石油製品に接触する職業や、喫煙者はリスクが高まります。
定期的な健康診断とリスクのある環境での注意が大切です。
前立腺肥大の原因や特徴
- ・肥満
- ・食生活・高血圧
- ・高血糖
- ・脂質異常
- ・遺伝的要因
前立腺肥大は、膀胱の容量が減少し、尿道が狭くなる状態です。
この状態では、排尿が困難になり、頻尿や残尿感などの症状が現れることがあります。
また、尿路感染症や尿路結石のリスクも増加するため、適切な治療や管理が必要です。
残尿感による膀胱炎を早期発見!腰痛以外に現れる症状リスト
膀胱炎の早期発見のためのサインには、腰痛以外にもさまざまな症状があります。
もしサインに当てはまった場合は、膀胱炎が疑われる可能性あるため、早めに医師の診断を受けることが重要です。
ここからは、腰痛以外に現れる症状について紹介します。
急な頻尿
膀胱炎になると、トイレに行っても尿が残っている感じが続くのが特徴です。
そのため、トイレに行く回数が増え、排尿したい欲求が強くなりやすくなります。
残尿感や頻尿が起こると、イライラしたり集中力が低下したりする症状がみられます。
排尿時の痛み
排尿時に痛みを引き起こす最も一般的な病気は急性膀胱炎です。
女性に多く見られ、頻尿や血尿、排尿時の痛みが特徴的です。
また、尿を出し終える直前に尿道で不快な痛みを感じることもあります。
尿の白濁
尿が白濁するのは、膀胱粘膜が炎症を起こした状態のことです。
腎盂腎炎と同じく、白血球が尿中に多く排出されます。
そして、尿の量が少なかったり、トイレに行く頻度が増えたり、発熱や腰痛の症状が出やすくなるのが特徴です。
血尿
膀胱の内壁が炎症を起こし、出血する膀胱炎のことです。
主な症状は血尿で、進行すると血のかたまりが出ることもあります。
この炎症による刺激が、排尿時の痛みを引き起こす原因になりやすいのが特徴です。
下腹部痛
膀胱に炎症が起こると、排尿時に痛みや不快感が生じるだけでなく、下腹部に圧迫感を感じることもあります。
そのため、鈍い痛みや違和感だけでなく、下腹部が張っているような感じがする人も多い傾向です。
特に排尿中や後に、女性の月経痛のような下腹部の痛みを感じやすくなります。
尿失禁
尿失禁とは、意図しない状況で尿が漏れ出す症状です。
予期せぬ場面で起こることが多く、外出が難しくなるなど、日常生活に大きな影響を与えることもあります。
膀胱の筋肉が弱くなったり、神経の異常があったりすることが原因の一つです。
性行時痛
性行為が原因で膀胱炎を発症することがあるとも考えられます。
なぜなら、肛門から尿道へ細菌が移行することで尿感染が起こる可能性があるからです。
そのため、性行為後には排尿を心がけることや健康的な生活習慣を守ることが重要です。
残尿感による膀胱炎を調べる検査はどんなことをするの?
残尿感がある場合、頻尿器科を受診すると、それは膀胱炎の可能性も考えられます。
ここからは、膀胱炎の検査方法を5つに分けて、詳しく解説していきます。
膀胱炎の検査①尿検査
尿検査では、尿を検尿コップに採取し、白血球反応や潜血反応、タンパク、糖などをチェックします。
膀胱炎の場合、白血球反応や潜血反応が陽性として現れることがあります。
膀胱炎の検査②尿培養検査
尿培養検査は、膀胱炎の原因となる細菌を特定し、適切な抗生物質を見つけるための検査です。
膀胱炎の治療を始める前に、この検査で尿を採取して行います。
膀胱炎の検査③超音波検査
超音波検査では、膀胱内に残尿がないか、異物(膀胱結石)や腫瘍がないかなどをチェックします。
これにより、残尿や膀胱結石、腫瘍などの問題が早期に発見され、適切な治療が行われる可能性が高まります。
膀胱炎の検査④尿細胞診
尿細胞診検査は、尿の中にがん細胞が存在するかを調べる検査です。
がん細胞が検出されると、がんの早期発見や治療のための重要な情報源となります。
膀胱炎の検査⑤内視鏡検査
膀胱炎が頻繁に繰り返す場合、膀胱内を内視鏡で確認する検査が必要になることがあります。
そのような場合、泌尿器科の専門医の紹介を受けるケースもあるでしょう。
残尿感による膀胱炎の腰痛を改善する治療法
残尿感による膀胱炎の腰痛を改善する治療法には、以下のようなものがあります。
- ・内服治療
- ・レーザー治療
- ・膀胱の排尿訓練
- ・生活習慣の改善
それぞれについて詳しく解説していきます。
内服薬治療
膀胱炎の原因となる細菌を排除するために、抗生物質が処方されることがあります。
通常の膀胱炎は飲み薬の抗生物質で治しますが、症状がひどい場合や、珍しい細菌が原因の場合は、点滴で抗生物質を使うこともあります。
レーザー治療
レーザー治療は2~3回の照射で、体の負担が少なく、泌尿器科のクリニックで行える治療です。
女性の場合は、腹圧性尿失禁や切迫性尿失禁、またはその両方の混合性尿失禁に対してレーザー治療が行われます。
一方、男性の場合は前立腺全摘出術後の尿失禁を治療することが可能です。
膀胱の排尿訓練
膀胱訓練は、まず短時間から始めて、徐々に我慢する時間を延ばしていく方法です。
最初は1回だけトイレに行くのを我慢し、その後は10分、15分と少しずつ時間を延ばしていきます。
残尿感による膀胱炎で腰痛を引き起こさないための予防法
膀胱炎は再発しやすいですが、適切な予防策を実践することで、頻繁な発症を防げます。
ここからは、残尿感による膀胱炎で腰痛を防ぐ方法を紹介します。
定期的に水を飲む
水を定期的に飲むと、尿の量を増やすことで、膀胱内の細菌が排出されやすくなります。
また、尿が薄まることで、膀胱内の細菌が増殖しにくくなるため、水分摂取は膀胱炎の予防に効果的です。
尿意は早めに解消する
日常的にトイレに行く習慣を身につけることで、膀胱に尿が長時間たまることを防ぎ、膀胱炎のリスクを軽減できます。
特に寝る前や長時間座っているときなど、早めに尿意を解消することが大切です。
常に身体を清潔に保つこと
身体を不潔にしていると細菌が繁殖しやすく、それが膀胱炎の原因となることがあります。
そのため、尿道口や性器を清潔に保つことで、細菌の侵入を防ぎ、膀胱炎のリスクを低減することができます。
以下の方法を試すことで身体の清潔を保ちつつ、膀胱炎のリスクを低減できるので、試してみましょう。
- ・毎日シャワーやお風呂に入る
- ・トイレ後や性行為後に、性器を清潔な状態に保つ
- ・下着を清潔に保ち、通気性の良いものを選ぶ
- ・適切な方法で生理用品を交換する(女性の場合)
睡眠不足や疲労のストレスを溜めないようにする
身体や精神の健康に異常があると、腰痛による膀胱炎という疾患が発症することがあります。
ストレスが増えると、体内のストレスホルモンが増加し、免疫機能が低下します。
その結果、細菌やウイルスに対する防御力が弱まり、病気にかかりやすくなるため、日頃からストレスを貯めないことが大切です。
【残尿感による腰痛改善へ】当院のおすすめセルフケア動画&当院の案内情報
当院のおすすめの動画や当院の情報を紹介します。
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- ・福岡店:福岡県福岡市中央区大名二丁目9番29号 508号室
電話からのお問い合わせ:03-6825-0540
ネットからのお問い合わせ:店舗検索・予約
まとめ:残尿感による腰痛!健康診断や症状に異常を感じたら病院へ
今回は、「膀胱炎と腰痛の関係や治療、予防法」について紹介しました。
膀胱炎が進行すると、腰や下腹部にも痛みが出やすくなります。
また、腰痛だけでは膀胱炎かどうかはわかりにくいため、他の症状と一緒に見ることが大切です。
膀胱炎を放置すると、腎盂腎炎を引き起こす可能性もあるため、早めの対処が必要です。
日常的なセルフケアや治療法を取り入れることで、膀胱炎による腰痛を改善し、生活習慣病のリスクを減らすことができます。
症状が出ていなくても、放置すると問題が生じる可能性があるため、早めに医師に相談しましょう。
腰痛の相談や治療が必要な場合は、当院での治療をおすすめします。
体の不調が続く場合やどこに相談すれば良いかわからない場合でも、スタッフが全力でサポートしますので、お気軽にご相談ください。