「腰痛にエアロバイクが良いって本当?」
「腰痛だけど、エアロバイクをしても良いの?」
「エアロバイクは、腰が痛くなりそうで不安」
こんなお悩みをお持ちではないでしょうか。
エアロバイクは、腰痛持ちの人におすすめの運動のひとつです。
しかし、すべての腰痛の方におすすめできる訳ではありません。
また、腰痛持ちの人がエアロバイクを使用して、痛みが悪化してしまった人も多いのではないでしょうか。
腰を痛めた人は、正しい姿勢で運動が行えていない可能性があります。
この記事では、エアロバイクが腰痛改善に効く理由と、正しいエアロバイクの姿勢や注意点を解説しています。
ぜひ最後までお読みください。
目次
腰痛にエアロバイクは良いのか?悪いのか?
腰痛にエアロバイクが良いのか悪いのか、ネットで検索しても多くの情報が飛び交っていて、いまいち良く分かりませんよね。
腰痛の人にエアロバイクはおすすめできます。
ただし、全ての腰痛の人に適しているとは限りません。
それは、腰痛になる原因が人それぞれ違うからです。
何をして腰痛になったのか、どういう動作をすると痛いのかは人それぞれです。
一般的に「脊柱管狭窄症」の人にはエアロバイクはおすすめされることが多いです。
脊柱管狭窄症の症状が腰を反らせたり捻ったりすると痛みが現れるため、前傾姿勢となるエアロバイクは良いとされているからです。
その他、慢性的な腰痛やストレスからくる腰痛、筋肉が凝り固まって起こった腰痛の人にはおすすめできる運動です。
エアロバイクを始める前に、腰痛の治療をされている患者様は一度医師に相談のうえで運動するようにしてください。
エアロバイクで鍛えられる筋肉
運動を生活習慣に取り入れたいと考えている人に始めやすく、筋肉の強化や健康、ダイエットにも効果があるエアロバイク。
腰痛だけでなく膝に痛みを抱えている人や運動が苦手な人、女性や高齢の方なども安全な運動方法やリハビリとして取り入れやすいと言えます。
エアロバイクは腰痛と深く関わりのある筋肉が効果的に鍛えられます。
しっかりと鍛えたりストレッチをしたりすることで、不調のない身体作りが目指せるでしょう。
- ・大腿四頭筋(太ももの前側)
- ・大殿筋(お尻)
- ・ハムストリングス(太ももの後側)
- ・腹直筋、腹斜筋(お腹)
- ・脊柱起立筋(背中)
これらは腰痛と大きく関連する筋肉ですが、いったいどのような関わりがあるのか、一つずつ解説します。
大腿四頭筋
大腿四頭筋は太ももの前側にある筋肉のことで、大腿直筋・外側広筋・中間広筋・内側広筋の4つの総称を大腿四頭筋といいます。大腿直筋は骨盤から膝関節まで伸びていています。
大腿直筋の筋力が無いと、骨盤が安定せず腰痛の原因になります。
また、大腿直筋を使いすぎなどで筋肉が緊張すると硬くなり、骨盤が引っ張られて前傾した状態になります。
すると腰や膝に痛みが生じてしまうでしょう。
トレーニング後はクールダウンやストレッチを行い、筋肉をほぐすようにしてください。
大殿筋
大殿筋はお尻にある一番大きな筋肉で、骨盤から太ももの横まで伸びており、骨盤周辺にある腸腰筋と拮抗しています。
大殿筋と腸腰筋で上半身と下半身をつなぎ、骨盤を支える役割をしています。
また、歩く動作の足の筋肉の動きなどにも深く関係しています。
大殿筋が弱ってしまうと骨盤を支える土台が弱くなったり、歩くなどの動作がしづらくなってしまう恐れがあります。
また、デスクワークなど座った状態は大殿筋の筋力の低下だけでなく、血流が悪くなってしまっています。
しっかりと鍛えてほぐすようにしましょう。
ハムストリングス
ハムストリングスとは、太もも裏の足の付け根から膝まで伸びており、大腿二頭筋・半腱様筋・半膜様筋の総称です。
ハムストリングスが硬くなると前屈をした際に、通常であれば骨盤から前屈できるはずが、ハムストリングスが硬くなっていることで、骨盤の動きが制限されて腰椎に負担がかかります。
また、膝関節の動きを悪くさせてしまうので、膝痛の原因にもなります。しっかりと鍛えて柔軟も同時に行うようにしてください。
腹直筋・腹斜筋
腹直筋はお腹の筋肉で、いわゆるシックスパックのことです。腹斜筋はお腹の両側にある筋肉のこと。
腹直筋や腹斜筋は姿勢を正しく保つことや、腰を捻る動作などを行ってくれたり、内臓を守ってくれたりする役割があります。
腰回りの筋肉は腰椎を支える「筋肉のコルセット」のような役割を果たしています。
筋肉のコルセットの機能が低下することにより、姿勢が保てず腰椎への負担がかかってしまいます。
腰痛の改善には、腹直筋や腹斜筋を鍛えることも大切です。
脊柱起立筋
脊柱起立筋は、背中の首から骨盤にある筋肉のことで、腸肋筋・最長筋・棘筋の総称です。
脊柱起立筋はとても重要で、私たちが立って姿勢を保つことができるのは、脊柱起立筋のおかげです。
脊柱起立筋の筋力が低下してしまうと、正常な姿勢が保てません。
長時間のデスクワークや、長時間同じ姿勢でいたことにより腰が痛くなった経験はありませんか?
これは、脊柱起立筋を使い続けることにより、筋肉が緊張して硬くなってしまっている状態です。
放置すると腰や背中、首や肩などの不調が現れてくるでしょう。
トレーニング後は、ストレッチをして使った筋肉をほぐすようにしてください。
腰痛にエアロバイクが良い5つの理由
運動をするのに様々なメリットがあるエアロバイクですが、この章では腰痛にエアロバイクが良い理由を5つ解説しています。
腰に負担をかけずに有酸素運動ができる
有酸素運動とは、酸素を取り入れながら体内の糖質や脂質をエネルギー源とした運動のことです。
逆に無酸素運動とは、酸素を使わずにグリコーゲン(筋肉に蓄えられている糖の一種)をエネルギー源とした運動のこと。
エアロバイクは有酸素運動のひとつです。
正しい姿勢で継続することで、脂肪を減らし筋力の強化が期待できるでしょう。
また、腰椎だけでなく足首関節や膝関節などの負担も少なく、様々な身体の不調の人におすすめの運動方法です。
柔軟性や筋肉の強化ができる
エアロバイクで有酸素運動を続けることで、全身の血行が促進されて柔軟性があがります。
エアロバイクでペダルを漕ぎ続けることにより、股関節・膝関節・足首関節などを使い続けるので、関節の柔軟性があがります。
エアロバイクで鍛えられる主な筋肉は、腰痛に深く関わりのある筋肉です。
それらの筋肉を鍛えたり、柔軟性を高めることにより腰痛改善に効果があると言えるでしょう。
血行が良くなる
有酸素運動で無理なく身体を動かすことにより、血流が良くなります。
腰痛は、長時間同じ姿勢を取り続けることにより、腰や背中の筋肉が緊張状態となって血行が悪くなり、痛みが生じるケースがあります。
有酸素運動であるエアロバイクをすることで、全身の血行が良くなるので、腰痛や背中痛の改善が期待できるでしょう。
また、基礎代謝が上がるのでダイエットにも有効です。
腰回りの脂肪が多いと腰痛の原因になってしまいます。
エアロバイクで運動を行うことで、ダイエット効果があり体重の増加にストップかかかるでしょう。
ストレス解消ができる
そもそも運動はストレス解消になります。人は心理的ストレスを受けると、交感神経と副交感神経の2つのバランスが乱れて、交感神経が優位となります。
交感神経が優位になると、血管を収縮させることや腸の活動が低下すること、筋肉を緊張させてしまうなどの働きが現れてしまいます。
これらは腰痛の原因となる要素なので、痛みを引き起こしてしまうでしょう。
そこでエアロバイクなどの運動をすることで、ストレス発散となり、腰痛の改善が期待できます。
天候に左右されない
エアロバイクの特徴でもありますが、天候に左右されず、室内で運動が行えるのは大きなメリットではないでしょうか。
「今日は運動をするぞ!」と決めていても急な雨が降ってきて運動ができないと、モチベーションが下がってしまいますよね。
エアロバイクは室内で行えるので、雨や雪などの天候の対策や、寒波や猛暑日などの季節を問わずに行えます。
また、ジムに通わなくても、エアロバイクを購入して自宅での運動も可能。
忙しい人も、自宅にエアロバイクがあると、運動の時間を確保しやすいのではないでしょうか。
エアロバイクの正しい姿勢での乗り方
この章では腰痛が起こらないエアロバイクの乗り方を解説しています。
スポーツジムなどでエアロバイクを利用する場合は、さまざまな種類があるので、スタッフの方に使い方を詳しく説明をしてもらったりアドバイスをもたったりして、エアロバイクの調整をしてもらうようにしてください。
また、運動をして腰に違和感や痛みが生じた場合は、すぐに運動を中止し安静にするようにしましょう。
サドルの高さ
サドルは高めでもなく低めでもなく、ペダルを漕いだ時に膝が伸びきらない位置に調整します。
この位置はお尻や太ももの筋肉が使えて、股関節の可動域が広がるポジションです。
また、ペダルを漕ぐ際に骨盤が安定しているので、腰への負担が軽減できるでしょう。
サドルが高すぎたり低すぎたりすると、腰椎や膝関節の負担となるので注意が必要です。
引用:https://www.store-online.proavance.co.jp/post/20230602-1
足をペダルに乗せる位置
ペダルは指の付け根や土踏まずではなく、かかと寄りの位置に置くと良いです。
かかと寄りでペダルを漕ぐことにより、お尻や太もも裏の筋肉が使われて負荷が分散されます。
エアロバイクに乗った姿勢
サドルに座った姿勢は腰を反ったり前傾になりすぎないポジションを取るのが望ましいです。
人の身体は横から見るとゆるやかなS字カーブになっていることをご存知の人も多いでしょう。
サドルに座った姿勢もS字カーブを崩さないようにイメージして、正しい姿勢で乗るのがポイントです。
腰痛に効くエアロバイクの4つのポイント
エアロバイクの正しい姿勢での乗り方ができたら、この章でご紹介するポイントを参考にして運動を行うようにしてください。
また、エアロバイクの運動時間はおよそ30分程度が望ましいですが、ご自身の体調などに合わせて増減するようにしてください。
心拍数を把握しておく
エアロバイクを行っている際は適切な心拍数を保つのがポイントです。
適切な心拍数とは、最大心拍数の60~80%と言われています。
人によって適切な心拍数は違うので、運動の前に以下の計式でチェックしてください。
適切な心拍の求め方(50歳の場合)
最大心拍数→220ー50=170
目安の心拍数→170×60~80%
始めは負荷をかけない
エアロバイクの乗り方や体力が慣れるまでは負荷の少ない、楽なペースで乗るようにしてください。
何日か経過すると少しずつ身体の様子や心拍数を見ながら、負荷をかけていくと良いでしょう。
また、ペダルの回転数は1分間に60~75回転が良いとされています。
回転数と同様に目安の心拍数を保ちつつ、1分間に60~75回転が維持できる負荷が良いでしょう。
決して無理のない範囲で、自分の心拍数が目安の心拍数以上にならないようにしてください。
ウォームアップやクールダウンを必ず行う
エアロバイクに限らず言えることですが、トレーニングの前後は必ずストレッチや柔軟などを行うようにしてください。
いきなり筋肉や関節に負荷のかかるような動作を行うと、怪我をしてしまう恐れがあります。
しっかりと筋肉や関節をほぐし、身体を温めてから運動するようにしてください
また、運動後もいきなりストップするのではなく、徐々にペースを落としていき、下半身だけでなく上半身のストレッチや柔軟をして、使った筋肉をほぐすようにしてください。
特に運動後にストレッチなどを怠ってしまうと、運動で使った筋肉が疲労し、固くなって腰痛を悪化させてしまう可能性があります。
トレーニングとストレッチはセットで行うようにしましょう。
継続すること
エアロバイクの1回の継続時間は30分を目安に行ってください。
しかし、人によって筋肉量が少ない人や体力などが違うので、難しい人は10分や15分でも行うようにしてください。
慣れてくると30分ほどは継続できるようになってくるでしょう。
また、できることなら毎日行うと良いです。
毎日継続して行うことで基礎代謝や脂肪燃焼効果が上がり、ダイエットや生活習慣病の予防にもなるでしょう。
自宅にエアロバイクを置く場所が無い方や、スポーツジムに行くのは料金が気になるが方などは、自転車を意識して乗るようにしてください。
エアロバイクで腰痛が起こる4つの原因
腰痛持ちの人におすすめのエアロバイクですが、間違った方法で乗ってしまうと腰痛を悪化させてしまう可能性があります。
エアロバイクで腰痛が起こる原因を解説しているので、注意して運動を行うようにしてください。
悪い姿勢で行っている
エアロバイクは腰を曲げて前傾姿勢になってしまいがちですが、腰を曲げている状態は腰椎に負担がかかった状態です。
その姿勢で長時間運動を行うことで腰や背中に痛みが生じてしまうでしょう。
また、サドルが高すぎると骨盤が安定せず、腰椎に負担がかかってしまいます。
正しい姿勢でエアロバイクに乗るようにしてください。
長時間継続して運動している
長時間漕いでいることにより大腿四頭筋(太もも前側)や大殿筋(お尻)が疲労して固まってしまいます。
大腿四頭筋が固まってしまうと、骨盤が前に引っ張られて腰痛の原因となってしまいます。
大殿筋が固まってしまうと、腰回りの筋肉や関節まで影響を及ぼし、腰痛を引き起こしてしまう可能性があります。
長時間行うよりも、毎日30分などと続けて運動すると良いでしょう。
運動の前後のストレッチを怠っている
運動前や筋トレ前にストレッチや柔軟をして身体をほぐしてから、エアロバイクに乗るようにしてください。
急に運動をすると怪我をする可能性があります。
また、負荷を上げるのも注意が必要です。無理のない範囲で、自分にあった負荷で行うようにしましょう。
なお、運動後や筋トレ後は使った筋肉が疲労して固まっている状態です。
ストレッチや柔軟をして筋肉や関節をほぐしてあげるようにしましょう。
自分の筋力に適した負荷で行っていない
始めからいきなり負荷をかけて頑張るのではなく、徐々に身体が慣れてから負荷をかけていくようにしてください。
頑張ってしまうと筋肉や関節に緊張が走り、痛みが生じてしまいます。
自分の筋力に適した負荷は「適切な心拍数」を意識してください。
適切な心拍数は人によって違い、最大心拍数の60~80%です。(最大心拍数=220ー年齢)また、ペダルの回転数は1分間に60~75回転が良いとされています。
心拍数やペダルの回転数が、無理なく維持できる程度の負荷が良いでしょう。
まとめ
腰痛にエアロバイクはおすすめできる運動です。
しかし全ての腰痛持ちの人におすすめできる訳ではありません。
運動を始める前に医師に相談をしてから始めるようにしてください。
エアロバイクは天候に左右されずに建物の中で行えて、比較的身体に負担のない運動法です。
腰痛だけでなく膝痛の人にもおすすめ。
有酸素運動で腰痛で鍛えたい部位の筋肉が鍛えられ、初心者でも始めやすい安全な運動です。
また、運動の前後には必ずストレッチを行うようにしてください。
運動前は怪我の予防のために行い、運動後は使った筋肉の緊張をほぐしてあげるようにしましょう。
運動後のストレッチを怠ってしまうと、腰痛などの痛みの原因となってしまいます。
なお、負荷をかける際などは、決して無理のない範囲で、徐々にあげていくようにしてください。