「腸腰筋」という筋肉をご存知でしょうか。今までに聞いた事が無く、初めて聞く人も多いのではないでしょうか。
よく耳にするシックスパックと呼ばれている筋肉は腹直筋といい、身体の外側(表層)にある筋肉です。腸腰筋は、身体の内側(深層)にある筋肉で、いわゆるインナーマッスルのこと。
インナーマッスルとは、関節や内臓を安定させて、姿勢の保持をする役割があります。インナーマッスルである腸腰筋は、骨盤周辺にある筋肉なので、何らかの影響で腸腰筋がうまく機能していないと、周辺の筋肉や関節に影響を及ぼし、腰痛を引き起こす要因になってしまいます。
今回は、腰痛と腸腰筋の関係について解説します。腰痛持ちでお悩みの人には知っていて欲しい内容となっているので、ぜひ最後までお読みください。
引用:https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/shintai-training/innermuscle.html
目次
腸腰筋とは
腸腰筋とは体の深部にある、大腰筋・小腰筋・腸骨筋の3つの筋肉の総称のことを、腸腰筋といいます。腰椎から股関節(大腿骨)まで伸びており、上半身と下半身を繋ぐ唯一の筋肉と言われている重要な筋肉です。太ももを持ち上げることや、骨盤を前傾にしてS字カーブを維持して姿勢を保つなどの大きな役割があります。
腰痛と腸腰筋の関係について
腸腰筋は腰椎から股関節まであり、骨盤周辺にあることから、腰痛とは非常に関わりのある筋肉です。腸腰筋が硬くなったり、うまく使えていなかったりすることで、腰に痛みが生じてしまうことがあります。また、股関節と繋がっていることから、足が上げにくくなってつまづいたり、歩いているとすぐに疲れてしまったりなどの、歩行にも影響があります。この章では、腸腰筋が身体へ及ぼす影響を紹介します。
反り腰になる
人の背骨は横から見るとS字カーブになっていますが、腸腰筋は骨盤をS字カーブを保つために前傾に維持する働きがあります。腸腰筋に柔軟性が無く硬くなると、骨盤を前傾に強く引っ張り、腰を反らせた「反り腰」の姿勢になります。反り腰になるとバランスを保つ為に背中や腰の筋肉が過剰に働いて緊張してしまい、腰痛の原因になります。また、姿勢が猫背になることや、お腹の筋肉が緩んで下腹部が出てしまい、ぽっこりお腹になってしまうなどの姿勢不良が起こってしまいます。
股関節の柔軟性がなくなる
腸腰筋は腰椎から足の付け根まで伸びているため、腸腰筋が硬くなると股関節の柔軟性が失われて可動域が狭くなります。股関節の動きに関連して骨盤の動きも制限されてしまい、腰に痛みが生じてしまうでしょう。
神経が圧迫
腸腰筋の周辺にはいくつかの神経があります。腸腰筋が硬くなることで近くを通る神経を圧迫してしまう可能性があります。神経が圧迫されると、腰痛以外にも、下肢の痛みやしびれなどの症状が現れます。
血行が悪くなる
筋肉が硬くなると血流が悪くなります。心臓から送り出された血流は、栄養や酸素を全身へと運び、余分な老廃物を回収してくれます。血行が悪くなると、栄養や酸素が行き届かず、老廃物が溜まって腰痛の原因になります。
便秘になる
便を作る腸にとって、腸腰筋は位置関係が近いこともあり、腸腰筋が硬くなると便秘を引き起こしてしまう可能性があります。腸腰筋は腸のすぐ後ろにあり、腸腰筋を柔らかくすることで、腸のぜん動運動が活発になり、便が排出されやすくなります。また、腸腰筋を動かすことで、腸が刺激されてぜん動運動が起こりやすくなることも考えられます。
腸腰筋が硬くなる原因
身体の上半身と下半身を繋ぐ唯一の筋肉である腸腰筋。腸腰筋は身体のバランスをとって姿勢を維持するのに必要な筋肉です。これまで解説してきたように、腸腰筋が硬くなることで腰痛を引き起こすだけでなく、歩行への影響があることが分かりました。では、いったいどういった行動が腸腰筋を硬くさせてしまうのか、この章では原因を解説します。
長時間のデスクワーク
長時間のデスクワークや車の運転などは、腸腰筋が常に収縮してこわばっている状態です。つい仕事に集中して、時間が経ってしまっていたなんてこともあるのではないでしょうか。腸腰筋がこわばると腰痛の原因になるので、小まめに休憩を挟み、身体をほぐすことを意識してください。席を立ったり車から降りたりして、少し歩いて伸びをすると良いでしょう。長時間同じ姿勢を取り続けることは、背中痛や肩こりの原因にもなります。
過度な運動
腸腰筋は太ももをあげたり、地面を蹴ったりと股関節の動きに関わる筋肉です。腸腰筋に過度な負担のかかるスポーツはサッカーやランニング、ロードバイクなどです。これらは下半身をよく動かすので、腸腰筋を過度に使いすぎてしまい、負担がかかって硬くなる可能性があります。逆に、運動不足の人で腸腰筋を使えていないと硬くなって腰痛を引き起こしてしまいます。
高齢によるもの
高齢者は上半身が前方へ傾いている人が多く、腸腰筋がうまく使われていない傾向にあります。腸腰筋が使えておらず、筋力が低下して動きが制限されてしまうことから腰痛を発症してしまいます。高齢者の人でも、無理のない範囲で行える体操などトレーニングを取り入れると腰痛の予防や強い身体作りに効果があるでしょう。
腰痛予防に腸腰筋の運動方法
腸腰筋が原因で腰痛が起こる場合は、腸腰筋が硬くなってしまっていることが多いです。この章では、腸腰筋の鍛え方やストレッチ方法、マッサージ方法などを一つずつ解説しています。また、肥満は腰痛の原因になります。運動を取り入れ、体重管理を行ってください。腰痛でお困りの人は、下記の運動方法などをぜひ参考にしてみてください。ただし、整骨院や整形外科などで腰痛の治療を行っている場合は、医師に相談してから行うようにしてください。
腸腰筋の鍛え方
まずは、腸腰筋の鍛え方をご紹介します。腸腰筋がうまく使えていないと筋肉のバランスが崩れてしまうことや、骨盤が後継になることで腰痛を引き起こしてしまいます。腸腰筋をうまく使えるようにして、痛みの無い身体作りを目指しましょう。
- 1.椅子に深く座って骨盤を立てて座り、姿勢を正す
- 2.右足を床から10㎝ほど持ち上げ5秒キープ
- 3.右足をおろす
- 4.2~3を繰り返す
- 5.左足を床から10㎝ほど持ち上げ5秒キープ
- 6.左足をおろす
余裕があれば、足を上げる高さを20㎝や30㎝ほどに上げると良いです。足を上げる時は、太ももで上げるのではなく、お腹や股関節に力を入れるイメージで行ってください。また、お尻をずらして背もたれにもたれて運動を行っても、腸腰筋にしっかりアプローチができないため、骨盤を立てて姿勢を正して座るようにしてください。
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腸腰筋のストレッチ方法
腸腰筋は硬くなることで痛みを発症してしまいます。しっかりとストレッチを行ってほぐすことで腰痛の予防となるでしょう。この章では、腸腰筋のストレッチをご紹介しています。ストレッチを行う際は、無理に行うのではなく、伸びている感覚があるところでOKです。また、力をできるだけ抜くように、しっかりと呼吸を行いましょう。
- 1.両膝立ちになる
- 2.右足を立て膝にして、膝の角度は90℃ぐらいにする
- 3.左膝は床に置き、すねや甲は床に付ける
- 4.ゆっくりと身体の重心を前へずらして、左側の股関節を伸ばす
- 5.ゆっくりと上体を戻す
- 6.左足を立て膝にして、膝の角度は90℃ぐらいにする
- 7.右膝は床に置き、すねや甲は床に付ける
- 8.ゆっくりと身体の重心を前へずらして、右側の股関節を伸ばす
- 9.ゆっくりと上体を戻す
4や8のポーズの時は股関節が伸びているところでOKです。また、伸びが足りない人は、両足の前後の幅を広げることで、より伸びを感じるでしょう。
腸腰筋のマッサージ方法
これまで、腸腰筋の鍛え方やストレッチを解説しましたが、この章では腸腰筋をゆるめるのに有効な簡単なマッサージ方法をご紹介します。うつ伏せになって行う方法なので、筋トレやストレッチをする時間が無い人でも、お風呂上りなどにマッサージだけでも行ってください。また、握りこぶしを使ってマッサージをしますが、テニスボールなどがある人は、手の変わりに使用するとやりやすいでしょう。
- 1.うつ伏せになり、握りこぶし(テニスボール)を股関節に当てる
- 2.お尻を左右に振って股関節に刺激を加える
- 3.握りこぶし(テニスボール)の位置を少しずらして、お尻を左右に振る
お尻を振ることで股関節に刺激が加わり、股関節がほぐれていきます。痛すぎる人は動かずに、自分の身体の重みを使って刺激するだけでOKです。痛いからと言って、呼吸を止めてしまうと筋肉に力が入ってしまいます。ゆっくりと呼吸をしながら行うのがポイントです。
腸腰筋の運動方法が難しいなら「セルフケア整体」へ
腸腰筋は身体の深層にある筋肉なのでイメージがしづらく、鍛えることもストレッチすることも難しいかもしれません。一般的に行う腹筋で、仰向けになって上体を起こす方法はアウターマッスルを使っているので腸腰筋にはアプローチできません。この記事で紹介した腸腰筋の鍛え方を実践してみても、正しく行えているかわかりずらい人もいるでしょう。
当院の整体では患者様一人ひとりの身体の使い方や癖を見抜いて、使えていない筋肉を使えるようにセルフケアをご説明しています。
当院の料金プランには特徴があり、通常施術9,000円(1回)とオーダーメイドセルフケアマスタープログラム18,000円(1回)の2つのメニューのみです。軽傷の方は1回の施術で症状が改善されたというお声をいただいております。重症の方でも6回コースを受けていただければ、完了後は格段に身体が変わっているのを実感いただけるでしょう。
当院では、優秀なスタッフが患者様一人ひとりを丁寧に対応させていただいております。お身体のどこかに痛みや違和感があって困り、ストレスになっている方は是非ご来院ください。ご予約お待ちしております。
当院の店舗一覧やアクセス方法はこちら⇒予約・店舗検索 | セルフケア整体 – 身体や関節の痛み・症状改善 (selfcareseitai.com)
まとめ
腸腰筋は腰椎から足の付け根まで伸びている深層筋のことです。腸腰筋の働きは足を持ち上げたり蹴ったりなどの動作や、腰のS字カーブを維持するために、骨盤を前傾に引っ張るなどの役割があります。腸腰筋が硬くなると骨盤を前へ引っ張る力が強くなって反り腰になったり、股関節の柔軟性が下がって可動域が狭まったりなどの影響があります。また、腸の働きが悪くなって便秘が起こることや、周辺の神経を圧迫してしびれなどの症状が起こるなどの、身体に及ぼす影響は多大です。
腸腰筋は使いすぎて硬くなることで腰痛の症状を引き起こしています。しかし、腸腰筋がうまく機能していないことから、身体のバランスが崩れてしまう場合もあります。腸腰筋は、鍛えて使えるようにすることや、硬くなってしまった腸腰筋をストレッチして伸ばすことが重要です。
日常から腸腰筋を鍛える運動やストレッチなどを取り入れることで、腰に痛みのない、健康的な身体作りが可能となるでしょう。