腰痛に悩む方の中には、市販の痛み止め(カロナールやロキソニン)を試しても効果を感じないことがあります。
中でも、デスクワークが多く、長時間同じ姿勢でいると腰痛が悪化しやすい傾向です。
特に、長引く痛みや動けないほどの痛みがある場合は、病院やクリニックで診療を受ける必要があります。
この記事では、腰痛の具体的な原因や、病院に行くべき症状について詳しく紹介します。
目次
腰痛に効く!カロナールの効果とロキソニンとの違いを徹底解説
腰痛がひどくなると、多くの人が痛み止めを使います。
その中でもよく使われるのがカロナールとロキソニンです。
今回は、この2つの違いや特徴について説明します。
カロナールの効果と特徴
カロナールの効果と特徴などを下記の表にまとめました。
痛みを和らげることができる状況 | 腰痛
頭痛 月経痛 筋肉痛 歯の痛み 耳の痛み 神経の痛み 打撲の痛み 捻挫の痛み 関節の痛み 出産後の痛み がんによる痛み 歯科治療後の痛み |
副作用 | 発疹
嘔吐 食欲不振など |
摂取量 | 【体重10kg】
200錠:0.5錠 300錠:1~1.5錠 500錠:1.5錠~2錠 【体重20kg】 200錠:0.5錠 300錠:1錠 500錠:1錠 【体重30kg】 200錠:0.5錠 300錠:0.5錠 500錠:0.5錠 (※幼児・小児科の場合:1日の総摂取量は60mgまで) |
服用方法 | 空腹時には避ける
服用間隔は4~6時間以上空ける 成人は1回300~1000mgまで 1日の総摂取量は4000mg以内 |
(引用元:解熱鎮痛剤 アセトアミノフェン錠 CALONALⓇ tablets 200・300・500)
カロナールは、主成分として「アセトアミノフェン」を含む解熱鎮痛剤です。
この成分は、脳の中枢神経や体温調節中枢に作用して、発熱や腰痛などの症状を和らげます。
例えば、カロナールを服用することで、インフルエンザや風邪による発熱や、日常的な腰痛を緩和できます。
また、小さなお子様や妊娠初期の妊婦にも使用が可能です。
カロナールは錠剤の他にも、粉薬、シロップ、座薬などの形態で市販されていますが、カロナールという名前の市販薬はありません。
代わりに、アセトアミノフェンを有効成分とした製品を選ぶことができます。
ロキソニンの効果と特徴
ロキソニンの効果と特徴などを下記の表にまとめました。
痛みを和らげることができる状況 | 歯痛
腰痛症 関節リウマチ 変形性関節症 肩関節周囲炎 頸肩腕症候群 手術後・外傷後並びに抜歯後の消炎・鎮痛 |
副作用 | 腹痛
下痢 嘔吐 吐き気 食欲不振 腹部膨満感 |
摂取量 | 1日2回まで(1日最大180mgを限度) |
服用方法 | 空腹時に飲まない
指示通りの量を守る 他の痛み止めと一緒に飲まない 痛みの原因がある場合は治療が必要 |
ロキソプロフェンは、NSAIDsに分類される解熱鎮痛薬の一種です。
ロキソニンには胃を刺激する成分が含まれており、胃の粘膜を傷つけることがあります。
そのため、胃腸が弱い方や消化器系に問題がある方は、胃痛や消化潰瘍などの副作用が出やすくなるため注意が必要です。
体内で炎症・痛み・発熱を引き起こす物質の生成を阻害することで、病気やケガ、手術による体の炎症や痛み、悪寒を伴う発熱などを緩和する効能があります。
処方薬・市販薬の両方で幅広く使われ、比較的副作用が起こりにくいことで知られていますが、消化器の不調をはじめ副作用が出るリスクはあります。
疑わしい症状が出たら、すぐに医師か薬剤師に相談してください。
カロナールとロキソニンの違い
カロナールとロキソニンはどちらも痛みや熱を暖和する効果がありますが、以下のような違いがあります。
カロナール | ロキソニン | |
薬効成分の作用 | 熱を下げたり、痛みを和らげたりする効果 | 炎症に伴う腫れや痛みを和らげ、熱を下げる効果 |
入手できる場所 | 病院 | 病院
ドラッグストア |
ロキソプロフェンに含まれる「ロキソプロフェンナトリウム」は、痛みや熱を引き起こす物質を抑えて、炎症や発熱を和らげます。
一方、カロナールは、発熱や痛みを引き起こす「プロスタグランジン」という物質の生成を抑えて、熱や痛みを和らげるのに効果的です。
カロナールは医師の処方が必要なので、市販薬としては買えませんが、保険が適用されるため、処方薬として手に入れる方が安くなります。
ロキソニンは、登録販売者がいるドラッグストアで購入が可能です。
医師の処方で「ロキソプロフェンナトリウム錠60mg」をもらうと、保険が適用されるのでさらに安く手に入れることができます。
ロキソニンが効かない腰痛の原因とは?考えられる病態を解説
ロキソニンは急な痛みに効く消炎鎮痛剤です。
ロキソニンは炎症による痛みを和らげるのに特に効果的な薬です。
具体的には、以下のような病気に効果を発揮します。
- ・打撲
- ・捻挫
- ・ぎっくり腰
- ・椎間板性
例えば、ぎっくり腰のように突然強い痛みが出たときに役立ちますが、長期にわたる慢性の腰痛にはあまり効果がありません。
そのため、慢性痛の場合はロキソニンの日常的な使用は避けるべきです。
ロキソニンが効かない腰痛の背後に潜む疾患とは?見逃しがちな病気関連をチェック
ロキソニンが効かない腰痛の可能性として考えられるのは、神経が圧迫されて痛みを引き起こす神経痛です。
坐骨神経痛を引き起こす主な疾患には、以下のものがあります。
- ・根性坐骨神経痛:ヘルニアや脊椎狭窄症など
- ・腰椎性坐骨神経痛:椎間板の損傷や変形
- ・梨状筋性坐骨神経痛:梨状筋の緊張・炎症
- ・症候性坐骨神経痛:感染症や腫瘍など
坐骨神経痛とは、神経が圧迫されることで生じる痛みです。
この痛みは、神経自体が直接的に圧迫されたり、周囲の組織や構造物によって圧迫されることで発生します。
非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)は、炎症を抑える働きがありますが、神経の圧迫に対しては直接的な効果を持ちません。
そのため、神経による痛みに対しては効果が限定されるとされています。
急な腰痛にどう対処する?原因と治療法を徹底解説
急な腰痛が起きたとき、どうしたらいいのか不安になることもありますよね。
受診が必要な腰痛の兆候から、自分でできるケアの方法まで、腰痛の原因と治療法について詳しく解説します。
受診が必要な腰痛のサイン
以下のような症状が見られる場合は、深刻な健康問題の兆候かもしれません。
早めに医療専門家に相談しましょう。
- ・強烈な痛みで、安静にしても和らがない場合
- ・痛みが徐々にひどくなる場合
- ・脚のしびれが原因で、長時間歩けない
- ・腰痛と同時に熱が出る場合
- ・腰以外の部位にも痛みがある場合
- ・痛みがある箇所が腫れている場合
- ・腰痛と同時に尿が出なくなる場合
- ・自己ケアしても4~6週間で痛みが収まらない場合
これらの症状は、単なる腰痛以上の可能性があるため、専門医の診断が重要です。
例えば、痛みが座っていても立っていても同じぐらい強く続く場合、日常の動きや姿勢の変化に関係なく、痛みが一定なことがあります。
このような場合、痛みの原因は特定の動作や姿勢によるものではなく、より深刻な問題が隠れている可能性があるため、医師の診断が不可欠です。
セルフケアで対応できる症状
重い症状がなくても、腰痛になりやすい職場や生活環境の方は、一般的な腰痛かもしれませんので、自己ケアが重要です。
具体的には、以下の対策を取り入れることが有効です。
- ・重いものを持ち上げるとき:膝を曲げつつ腰を落とし、脚の力で持ち上げる
- ・中腰での作業:高さ調整ができる作業台や椅子を使用して、作業時の姿勢を改善
- ・長時間座り続ける場合:一時間に一度は立ち上がり、軽くストレッチをする
これらの対策を実践することで、腰にかかる負担を減らし、腰痛の予防や軽減に役立ちます。
まず、重いものを持ち上げるときは、箱や荷物を胸の近くに引き寄せて持ち上げると、腰への負担を軽減できます。
また、デスクワークの際には、腰用のサポートクッションを椅子に置くと、腰痛の予防に効果的です。
さらに、日常的に適度な運動やストレッチを取り入れることで、腰痛の予防や軽減が期待できます。
市販薬で腰痛を和らげる
腰痛治療に一般的なのが消炎鎮痛薬、通称「痛み止め」です。
市場には多くの種類があり、どの成分を選ぶか迷うこともあるでしょう。
以下は、それぞれの成分の特徴を簡潔にまとめたものです。
消炎鎮痛薬の種類 | 特徴 | 市販薬 | |
飲み薬 | ロキソプロフェン | 即効性があり、最短15分で強い痛みを和らげる成分 | ロキソニンS
バファリンEX ロキソニンSゲル エキセドリンLOX ロキソニンSテープ |
イブプロフェン | 「神経痛」や「月経痛」に効果的 | イブA
エルペイン バファリンプレミアム |
|
アセトアミノフェン | 安全で胃に優しいので、妊娠中や子供にも使用可能 | タイレノールA
バファリンルナ |
|
ビタミン剤 | 神経の修復
血行促進 筋肉の回復 |
アリナミン | |
メトカルバモール | 筋肉の緊張を和らげ、硬くなった筋肉をほぐす | ドキシン | |
クロルゾキサゾン | 神経の働きを抑え、筋肉の緊張やコリをほぐす効果 | コリホグス | |
塗り薬・湿布薬 | インドメタシン | 強い鎮痛、抗炎症効果
貼り薬や塗り薬もあり |
バンテリン液
サロンパスEX バンテリンゲル バンテリンパップ |
フェルビナク | 鎮痛、抗炎症効果 | オムニードフェルビナク
パテックスフェルビナクローション |
消炎鎮痛薬の中でも、ロキソプロフェンは痛みをすぐに和らげる効果があります。
また、神経痛にはイブプロフェンが配合されているものが有効です。
そして、アセトアミノフェンは安全性が高く、妊娠中や子供にも使えます。
これらの種類を考慮して、自分に適した消炎鎮痛薬を選びましょう。
腰痛を防ぐ日常の工夫も大切
以前は、腰痛が起きたときはベッドで安静にするのが良いとされていました。
しかし、最近の研究では、痛みで動けないほどでなければ、普段通りに活動したほうが痛みや運動機能が早く回復することがわかっています。
長期間横になっていると、体力や筋力が衰え、さらに腰痛が悪化することがあります。
その際には消炎鎮痛剤をうまく使いながら、無理のない範囲で体を動かしましょう。
また、生活習慣や職場環境を見直し、サポーターを利用して腰痛の再発を防ぐことも大切です。
これらの対策を実践しながら、腰痛が改善しない場合や症状が悪化する場合は、早めに専門医の診断を受けることをおすすめします。
適切な治療を受けることで、腰痛の悪化を防ぎ、快適な日常生活を取り戻すことができるでしょう。
ロキソニンが効かない腰痛の治療法【効果的な治療法と予防策】
腰痛が神経に関連する痛みの可能性が高い場合、ロキソニンのような一般的な薬では効果が限られます。
ここからは、ロキソニンが効かない場合の薬物療法や、神経ブロックの治療法について紹介します。
腰痛症に対する薬物療法の選択
ロキソニンは炎症を抑える薬ですが、神経痛は神経が圧迫されたり刺激されたりして生じる痛みです。
そのため、神経痛には神経に直接作用する薬や痛みを和らげる特定の薬がより効果的で、ロキソニンのような抗炎症薬では効きにくい場合があります。
医師によって処方される可能性のある神経痛に関連した薬は、以下の通りです。
- ①プレガバリン(リリカ®) :神経の興奮を抑える
- ②ミロガバリン(タリージェ®):神経障害による痛みを和らげる
- ③三環系抗うつ薬(トリプタノール®など): 神経を刺激して、やる気を引き出す
- ④セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(サインバルタ®など):意欲やモチベーションを向上させる
上記の服薬は自己判断せず、必ず医師や薬剤師の指示に従いつつ、服用しましょう。
腰痛に悩む方へ!神経ブロック注射で腰痛を解消!
神経ブロック注射は、痛みの原因となる神経に注射を行い、神経の興奮を抑えて痛みを和らげる治療法です。
神経ブロック注射は、痛みを和らげるだけでなく、痛みが慢性化する悪循環を断ち切る効果もあります。
そして、麻酔薬が神経や患部の近くに直接注入されるため、正確な場所に効果的に作用します。
ただし、神経ブロックは神経に注射するため、痛みを伴います。
そのため、治療を受ける際には医師との相談が必要です。
腰痛と一緒に現れる関連症状とは?
肩こり
肩こりは腰痛と密接に関連しており、以下の症状や疾患を引き起こす可能性があります。
肩こりによる腰の痛み | 頸部脊椎症 |
肩こりが原因で起こる病気 | 狭心症や心筋梗塞、胃潰瘍 |
肩こりと腰痛を引きこさないためにも以下の対策方法を取り入れることが大切です。
肩こりの予防・対策
- ・適切な体の姿勢を保つこと
- ・日常生活の習慣を改善する
- ・運動や筋トレで筋力を向上させる
紹介した対策に加えて、ストレスを減らすことで精神的な緊張がほぐれ、肩こりの解消に役立ちます。
ぜひ、これらの対策を日常生活に取り入れてみてください。
関節痛
関節痛は、年をとると共に骨と骨の間のクッションとなる軟骨が摩耗し、痛みが生じます。
関節痛が腰の痛みや疾患を引き起こすことがあります。
関節痛による腰の痛み | 更年期・生活環境・ケガ等による腰痛 |
肩こりが原因で起こる病気 | 狭心症や心筋梗塞、胃潰瘍 |
腰の痛みを関節痛から予防・対策する方法は、次の通りです。
関節痛の予防・対策
- ・日常的に適度な運動する
- ・関節に負担をかける動作を避ける
- ・関節を支えるサポーターを付ける
変形性膝関節症は年齢と共に進行するので、痛みがなくても予防が大切です。
痛みがある人も、紹介した対策で改善が期待できるので、ぜひ試してみてください。
神経痛
坐骨神経痛の主な原因である腰椎椎間板ヘルニアは、悪い姿勢や動作、喫煙などによって引き起こされやすくなります。
神経痛による腰の痛み | 腰椎椎間板ヘルニア
腰部脊柱管狭窄症 |
神経痛が原因で起こる病気 | 帯状疱疹
手根管症候群 糖尿病性神経障害 |
神経痛から腰の痛みを予防・対策する方法は、次の通りです。
神経痛の予防・対策
- ・からだの歪みを整える
- ・ストレスをためない生活を心がける
- ・腰への負担を減らすためにストレッチや運動する
神経痛の原因は日常生活にもあり、治療には時間がかかります。
悪化を防ぐためには、日常的にセルフケアすることが大切です。
まとめ:神経痛の自己判断は危険!専門医の診断で適切な治療を
今回は、カロナールやロキソニンが効かない原因やクリニック・病院の治療を解説しました。
カロナールは「プロスタグランジン」という物質の生成を抑え、発熱や痛みを緩和します。
ただし、処方箋が必要なので市販はできませんが、保険が適用されるので処方薬として入手するのが経済的です。
一方、ロキソニンに含まれる成分「ロキソプロフェンナトリウム」は、痛みや熱を引き起こす物質の働きを抑え、炎症や発熱を軽減します。
ロキソニンは登録販売者がいるドラッグストアで手に入れることが可能です。
ただし、ロキソニンは炎症に特化しているため、他の痛みには効果が薄いことがあります。
そのため、慢性痛には日常的に使用しない方が良いでしょう。
また、神経痛の場合は、自己判断だけでは改善が難しいことが多い傾向です。
医師の診断を受けて治療を進めることで、早期に痛みを軽減できます。
腰痛のタイプや体の症状等をもとに、当院では腰痛の対策方法をお伝えすることも可能です。
当院のウェブサイトでは、アクセス情報や案内情報が掲載されており、電話やLINEから予約相談が可能です。
腰痛でお悩みの方は、ぜひご利用ください。