この記事は「日本身体運動科学研究所 代表理事・笹川 大瑛」の監修のもと作成されています。
「前かがみになると腰が痛い」「靴下を履くときに腰に激痛が走る」このような症状でお悩みではありませんか?
実は腰痛には「前屈型」と「後屈型」の2つのタイプがあり、それぞれ原因と対処法が異なります。間違った対処法を行うと、かえって症状を悪化させる可能性があるため、まずは自分の腰痛タイプを正しく理解することが大切です。
この記事では、前屈型腰痛の原因と具体的な対処法、さらに今すぐ実践できるストレッチ方法を動画付きで詳しく解説します。
目次
前屈型腰痛と後屈型腰痛の違い
腰痛は大きく分けて2つのタイプに分類されます。
前屈型腰痛の特徴
項目 | 詳細 |
---|---|
痛みが出る動作 | ・前かがみになったとき ・床の物を拾うとき ・靴下を履くとき ・中腰での作業時 |
なりやすい人 | ・デスクワークが多い人 ・長時間運転する人 ・重い物を持ち上げる仕事の人 ・猫背の人 |
主な原因 | ・腰椎椎間板ヘルニア ・筋筋膜性腰痛 ・仙腸関節の問題 |
後屈型腰痛の特徴
項目 | 詳細 |
---|---|
痛みが出る動作 | ・腰を反らしたとき ・長時間立っているとき ・上を向いたとき |
なりやすい人 | ・高齢者 ・反り腰の人 ・腰を捻る動作が多い人 |
主な原因 | ・腰部脊柱管狭窄症 ・腰椎分離症・すべり症 ・椎間関節の問題 |
前屈型腰痛の5つの原因
1. 椎間板への過度な負荷
前かがみの姿勢では、腰椎の椎間板に通常の1.5〜2倍の圧力がかかります。特にデスクワークでは1.8倍もの負荷がかかるため、椎間板が損傷しやすくなります。
2. ハムストリングス(もも裏)の硬さ
太ももの裏側の筋肉が硬いと、前屈時に骨盤の動きが制限され、腰椎に過度な負担がかかります。これが腰痛の大きな原因となります。
3. 体幹筋力の低下
腹筋や背筋などの体幹筋力が低下すると、腰椎を支える力が弱まり、前屈時に腰への負担が増加します。
4. 不良姿勢の継続
猫背やスマートフォンの使い過ぎによる前傾姿勢は、腰椎に持続的な負荷をかけ、筋肉の緊張を引き起こします。
5. 股関節の可動域制限
股関節が硬いと、前屈動作の際に腰椎が過度に動かざるを得なくなり、腰痛の原因となります。
今すぐできる!前屈型腰痛の対処法
急性期(痛みが強い時期)の対処法
- 安静にする:無理に動かさず、楽な姿勢で休む
- 冷やす:炎症がある場合は、15〜20分程度アイシング
- 楽な姿勢を見つける:膝を軽く曲げて横向きに寝る
慢性期(痛みが落ち着いた時期)の対処法
痛みが落ち着いてきたら、以下のストレッチを行いましょう。
前屈型腰痛改善ストレッチ【動画解説付き】
1. ハムストリングスストレッチ(もも裏のストレッチ)
前屈型腰痛の改善に最も効果的なストレッチです。以下の動画で詳しい方法を確認できます。
【ストレッチのポイント】
- 痛みのない範囲で行う
- 呼吸を止めずにリラックス
- 15〜30秒キープ
- 左右それぞれ2〜3セット
2. 股関節のストレッチ
【方法】
- 四つん這いになる
- 片膝を前に出し、90度に曲げる
- 反対の脚を後ろに伸ばす
- ゆっくりと体重を前にかける
- 15〜30秒キープ
3. 腰部のストレッチ(膝抱えストレッチ)
【方法】
- 仰向けに寝る
- 両膝を胸に向かって引き寄せる
- 両手で膝を抱える
- 腰が丸くなるのを感じる
- 15〜30秒キープ
こんな症状があればすぐに病院へ
以下の症状がある場合は、重大な疾患の可能性があるため、すぐに整形外科を受診してください。
- しびれや脱力感で歩行が困難
- 排尿・排便障害がある
- 安静時にも激痛が続く
- 発熱を伴う腰痛
- 痛みが日に日に悪化している
前屈型腰痛を予防する日常生活のポイント
正しい姿勢を心がける
- デスクワーク時は1時間に1回立ち上がる
- 椅子の高さを調整し、足裏全体が床につくようにする
- パソコン画面は目線の高さに設定
物を持ち上げる時の注意点
- 膝を曲げてしゃがむ
- 物を体に近づける
- 腰ではなく脚の力で持ち上げる
- 体をひねらない
運動習慣をつける
- ウォーキング:1日20〜30分
- 水泳:腰への負担が少ない全身運動
- ヨガ・ピラティス:体幹強化と柔軟性向上
まとめ
前屈型腰痛は、主に椎間板への負荷や筋肉の硬さが原因で起こります。まずは自分の腰痛タイプを正しく理解し、適切な対処法を実践することが大切です。
【改善のポイント】
- 急性期は安静に、慢性期はストレッチを開始
- ハムストリングスと股関節の柔軟性を高める
- 日常生活での姿勢に注意する
- 症状が改善しない場合は早めに受診
腰痛でお悩みの方は、無理をせず、自分のペースで改善に取り組んでください。症状が長引く場合は、必ず医療機関を受診し、専門的な診断を受けることをおすすめします。
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