「膝が痛くて、テニスを思うように楽しめない」
「前は痛くなってもすぐ治っていたのに最近はプレー後痛みが長引く」
テニスを楽しむ多くの方々に共通する悩みとして「膝痛」があります。特に、試合中や練習中に突然膝に違和感を感じ、痛みが走るとプレーに支障をきたすだけでなく、長期間のトラブルに発展することもあります。
本記事では、テニスと膝痛の関係、膝痛の原因や症状、そして効果的な対策やセルフケア整体による治療法について解説します。
目次
テニスにおける膝への負担と膝痛の原因
テニスは、急激な方向転換や急停止、側方へのステップなど、膝に大きな負担がかかるスポーツです。特に、ラケットを振る動作やコート内での急なストップ&スタートは、膝の内側や外側に負荷が集中しやすく、慢性的な膝痛の原因となることがあります。
1-1. テニスでの膝痛の主な原因
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急激な衝撃
コート上での素早い動きは、関節や筋肉に過度のストレスを与え、膝の軟骨や靭帯に負担がかかります。これにより、炎症や腫れが起こり、膝痛が発生します。テニスは、短いダッシュや急激な方向転換、ジャンプ後の着地など、瞬間的な衝撃が頻繁に生じるスポーツです。こうした動作では、膝関節に短時間で非常に大きな力が集中し、内側・外側の靭帯、半月板、軟骨などに過剰な負荷がかかります。特に、急停止や斜めへの急激な体重移動は、膝の安定性を保つ筋肉や腱が十分に働かない場合、微細な損傷を引き起こしやすく、結果として炎症や痛み、場合によっては慢性化するリスクを伴います。また、硬いコート面でのプレーは、着地時の衝撃を直接膝に伝え、自然なクッション機能が十分に発揮されないため、衝撃吸収能力が低下します。さらに、筋力や柔軟性の不足、十分なウォーミングアップの欠如があると、急激な衝撃に対する耐性が落ち、膝に対するダメージが蓄積しやすくなります。 -
反復運動による疲労
長時間にわたるラリーや連続した試合は、膝周りの筋肉が疲労し、十分なサポートができなくなるため、膝の痛みが悪化します。テニスにおける膝痛の一因として、反復運動による疲労が挙げられます。試合や練習中、短時間に何度も膝に大きな負荷がかかる動作―急な方向転換、急停止、ジャンプと着地など―が繰り返されるため、膝周辺の筋肉や靭帯、軟骨に微細な損傷が生じます。これらの組織は休息により修復される必要がありますが、連続的な負荷により疲労が蓄積すると、修復が追いつかなくなります。その結果、局所的な炎症が発生し、腫れや痛み、可動域の制限などの症状を引き起こします。また、繰り返される小さな衝撃が長期間にわたって積み重なることで、パテラ周囲の腱炎や変形性膝関節症など、より深刻な障害に進展する可能性もあります。こうした問題を防ぐためには、適切なウォームアップやクールダウン、十分な休息、栄養補給が不可欠です。さらに、膝を支える筋力を強化するトレーニングや柔軟性を高めるストレッチを取り入れることで、負荷分散を図り、膝への衝撃を軽減することが重要です。テニス愛好者は、これらの対策を継続的に実施することで、膝の負担を減らし、快適なプレー環境を維持することが期待されます。
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フォームの問題
テニスで正しいフォームを維持できない場合、膝への衝撃が増し、内側や外側の靭帯に過剰な負担がかかります。フォームの改善は、膝痛予防に非常に重要です。テニスにおける膝痛の主要な原因の一つは、フォームの不備に起因する動作の乱れです。テニスは素早い体重移動や急激な方向転換が求められる競技ですが、正しいタイミングでの着地や体重配分ができないと、膝に過度な衝撃やねじれが生じ、関節や軟骨、靭帯に負担がかかります。例えば、ボールを打つ瞬間に体重が一方に偏る、または着地時の足運びが不安定な場合、膝関節周囲の筋肉が十分にサポートできず、繰り返しのストレスにより微小な損傷が蓄積される恐れがあります。さらに、急なストップや方向転換、連続するランジ動作などが頻発すると、膝に瞬間的な圧力がかかり、炎症や痛みが慢性化する可能性が高まります。こうした問題は、体幹や下肢の筋力不足、柔軟性の低下とも密接に関連しており、フォーム改善のためには基本動作の反復練習と、正しいウォームアップ・ストレッチ、そして筋力トレーニングの併用が不可欠です。プロの指導を受け、正確なテクニックを習得することで、膝への負担を軽減し、長期的な怪我予防につなげることが可能となります。
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既存の関節疾患
過去のケガや変形性膝関節症など、膝に関する既往症がある場合、テニス中の動作が症状を誘発しやすくなります。テニスにおける膝痛は、急激な方向転換やジャンプといった激しい動作が頻繁に繰り返されるため、膝関節に大きな負荷がかかることが背景にあります。特に既存の関節疾患がある場合、普段は軽微な負担で済む部分にも、テニス中の衝撃が重なり症状が悪化しやすくなります。例えば、変形性膝関節症は、軟骨が年齢や過度の使用によりすり減ることで、骨と骨が直接接触し、痛みや炎症を引き起こす疾患です。急な動きやストップ、方向転換により摩耗部分に過剰な圧力がかかり、症状の進行が早まる恐れがあります。また、半月板損傷は、関節内でクッションの役割を果たす組織が傷つくことで、膝の安定性が低下し、負荷が局所に集中して痛みが発生します。さらに、関節リウマチなどの炎症性疾患では、持続的な炎症反応により関節組織が破壊され、テニスの激しい動作で症状が一層悪化する可能性が高いです。これら既存の疾患を抱える場合、十分なウォームアップやストレッチ、適切な治療・リハビリテーション、そして負荷管理が不可欠であり、無理なプレーはさらなる障害を招くため注意が必要です。
膝痛の症状と診断のポイント
膝痛は、痛みの部位や痛みの感じ方によって、その原因が大きく異なるため、正確な診断が必要です。以下の症状に注意し、早期に専門医や整体院での診断を受けることをおすすめします。
1. 膝の内側の痛みとその特徴
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内側の痛み
テニスでの急な停止や方向転換によって、膝の内側に激しい痛みを感じる場合、内側側副靭帯の損傷や鵞足炎の可能性があります。特に、動作中や膝を曲げたときに痛みが増す場合は要注意です。 -
変形性膝関節症の兆候
中高年のスポーツ愛好家に多い症状として、膝の内側に鈍い痛みや違和感が現れることがあります。これらは、長期間の負荷蓄積により関節の軟骨が摩耗し、変形性膝関節症へと進行しているサインかもしれません。
2. 一般的な診断方法とセルフチェック
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専門医による診察
膝痛の原因を明確にするためには、整形外科やスポーツクリニックでの診察が必要です。X線検査やMRIなどを利用して、膝関節や靭帯の状態を確認することが一般的です。 -
セルフチェックのポイント
自宅で行える簡単なチェックとして、膝を曲げ伸ばししてみて痛みの出る角度や、歩行時の違和感を記録することが効果的です。また、痛みの強さや頻度、発症時の状況をメモしておくと、診断の際に役立ちます。
膝痛予防とテニスプレーのコツ
膝痛を未然に防ぐためには、テニスの基本フォームや適切なトレーニング、そしてストレッチが欠かせません。ここでは、実践しやすい対策をご紹介します。
1. 正しいフォームとウォームアップの重要性
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フォームの改善
テニスでは、体全体のバランスが重要です。特に膝への負担を減らすためには、足元の安定性を意識し、無理のないスムーズな動きを心がける必要があります。専門家の指導を受け、動画で自身のフォームを確認することが有効です。 -
十分なウォームアップ
試合前のウォームアップは、膝痛予防の基本です。軽いジョギングやダイナミックストレッチで全身を温め、膝周りの筋肉をしっかりほぐすことで、急激な動作に備えます。
2. 効果的なストレッチと筋力トレーニング
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膝周りのストレッチ
特に、太ももの前面やハムストリング、ふくらはぎのストレッチは、膝への衝撃を和らげるために有効です。ストレッチは、運動前後にしっかりと行い、柔軟性を保つことが大切です。 -
筋力トレーニングの取り入れ方
膝を支える大腿四頭筋や内転筋、股関節周りの筋力を強化することで、膝痛のリスクを軽減できます。自宅でできるスクワットやランジ、さらにはジムでのレッグプレスなど、定期的なトレーニングを実践しましょう。
セルフケア整体とは?
当院【セルフケア整体】(https://selfcareseitai.com/)では膝痛に悩まれている方も多く来られています。当院ではどのようなことをするのかを詳しく説明します。
1. セルフケア整体とは?ガンバリ筋とズボラ筋
セルフケア整体は、当院で行う全身施術と、ご自宅で行っていただくセルフケアをお伝えしていくことが特徴の整体院です。
身体には、主要な関節を支える筋肉(ズボラ筋=インナーマッスル)と動くための筋肉(アウターマッスル)があり、この二つの筋肉のバランスが崩れることで痛みや張りなどの症状が起きると考えています。症状を起こす筋肉をガンバリ筋といいますが、固くなったガンバリ筋の負担を減らすには、弱くなっているズボラ筋を鍛えていく必要があります。ズボラ筋の筋力アップのためには、3~4か月以上はかかりますが、自宅で短時間、かつ簡単にできますので、お仕事で頻繁な来院が難しいという方にもおすすめです。お伝えするセルフケアは、膝痛改善はもちろん、関節の可動域が広がり、パワーが出せるようになるのでテニスのパフォーマンスアップも叶います。また、練習後のリカバリーや痛みの予防にも効果的です。
2. ご来院時の流れ
1.問診票ご記入とヒアリング
2.歩行と体幹を大きく動かし、身体の動きをチェック
3.各関節可動域の検査と全身施術
4.セルフケアをお伝えし、ご自身のスマートフォンに動画を撮影して残す
膝痛で悩んでいても膝が直接の原因であることは少ない
当院で膝痛の方を検査し施術していると、膝が直接の原因ではないことはあります。いくつかの事例の詳細をお伝えします。
➀足首が固いことで膝に負担
外反母趾があったり、偏平足の方は足の縦と横のアーチが充分に機能していません。歩行時に地面につき身体を支えているのは二本の足しかありませんので、足のアーチが崩れることによって体全体のバランスが不安定になっていきます。実際、膝外側の筋肉に負担がかかり続けて固くなっていることで、つま先の向きに対して膝が内側に向くようになってしまい、それが不要な膝の捻じれを起こします。歩くたびに、膝に負担がかかり続けることで頻繁に周辺の組織が炎症を起こし、時間の経過とともに変形を進行させます。
②股関節の可動域が狭いことで膝に負担
デスクワークなど、座る時間が長い職種の方などは、もともと股関節の筋肉がガチガチに固くなっていることが多いです。そうすると、座っていていざ立ち上がる時に腰が伸びなかったり、腰痛持ちであったりします。股関節が固いこともまた、隣接する膝に負担がかかる原因となります。この場合、太もも裏の筋肉がガンバリ筋(使いすぎてガチガチになっている筋肉)に、内転筋が筋力低下を起こしています。内転筋を鍛えることも大切ですが、股関節が固いままでは、骨盤が後傾位になっていてガニ股になっているため、内転筋が使いずらい状態といえます。アプローチとしては股関節の固さをまず取ってあげることが、膝の負担を軽減させるために重要です。
③左右の脚長差から膝に負担
左右の脚の長さが数センチ違うことで片方の脚に負担がかかりすぎていると、片側の膝や股関節に症状が出ます。これも脚長差が起こる原因を追究しないと改善しません。脚長差の起こる原因としては、
・左右で進行度合いの違う変形性股関節症
・背骨のゆがみ、側弯症
・足の機能の左右差
・骨盤のゆがみ
など、あります。それぞれアプローチするところは変わっていきますし、いくつかの原因が影響していることもあります。骨の変形が進んでいる場合は、整形外科を受診する方が先になります。骨盤のゆがみや、足の機能の左右差は、筋肉バランスを整えることで脚長差が縮まるので、膝の負担も緩和されます。
まとめ~テニスと膝痛への向き合い方
テニスは楽しいスポーツですが、膝にかかる負担は無視できません。急激な動作や反復運動が原因で、膝痛や内側の違和感が生じることは多いです。正しいフォーム、十分なウォームアップ、そして効果的なストレッチや筋力トレーニングは、膝痛の予防に欠かせません。自宅でも日常的なケアを行い、膝の状態を維持することが可能です。慢性的な痛みを感じている場合は、すぐに専門の整形外科や整体院での診断を受けることが大切です。
今後、テニスを楽しむ際には、これらのポイントを意識し、体のメンテナンスに努めることで、より快適なプレー環境が得られるでしょう。また、【セルフケア整体】(https://selfcareseitai.com/)にご来院いただき、最新のセルフケア方法を取り入れていただくこともおすすめです!当院では一人一人の身体の個性をみながら、その方の関節可動域や筋肉バランスを考慮したオーダーメイドのセルフケアを提供しています。今ある痛みだけではなく、いつまでも健康な身体でいられるためのお手伝いをさせていただきます。
最後に、テニスを続けながらも健康な膝を保つためには、日々のケアや専門家のアドバイスを取り入れることが必要不可欠です。この記事が、膝痛に悩むテニス愛好者の皆さまの一助となり、より充実したスポーツライフを送るための参考になれば幸いです。