- 足の付け根が痛くてどうにかしたい!
- なにか自分でできるストレッチ方法はないかしら?
今回はこのような方に向けた記事です。
前回の記事でお話したように、足の付け根が痛いのは変形性股関節症が原因かもしれません。
変形性股関節症とは女性に多い病気で
・ 股関節の変形
・ 股関節と股関節まわりの筋肉が痛くなる
という病気です。
「まさかわたしが変形性股関節症だったなんて!」とショックを受けた方もいらっしゃるかもしれません。
そこで今回の記事では足の付け根が痛い方に向けて、ご自宅でできるストレッチ方法についてご紹介します。
目次
股関節が痛いときのストレッチの考え
股関節が痛いときにやってはいけないことがあります。
- 痛みをガマンして運動をしない
- 痛いところをストレッチをしない
痛みが長引く方によくありがちなのが上記2つです。
改めて聞くと「そりゃそうでしょう!」と思う人は多いかもしれません。
とはいえいざ自分が痛いときには、なぜかやってしまいがちなことです。
たとえば以前にこのような方がいました。
その方は60代の運動好きな女性。ある日気づくと足の付け根が痛かったようです。
身体が硬いから痛むのかな?と思い、脚を大きく広げるストレッチをしたところ、逆に痛みが悪化してしまいました。
好きだった運動が思うようにできなくなり、近くの整体に通ったけれども、元の身体になかなか戻らないと。
さぞ大変だったことだと思います。
だからこそこの記事を読んでくださっているみなさんには、おなじような思いをしてほしくはありません。
筋肉を伸ばしすぎると痛みが増す
変形性股関節症になると
- 股関節
- 股関節まわりの筋肉
実はこのような痛みがあるときに筋肉をムリに伸ばすと、冒頭の女性のように痛みが増すことがあります。
その理由は「筋肉がカラダを守ろうとして硬くなってしまうから」です。
イメージしづらいと思うので、ここでたとえ話をしましょう。
いまあなたはシャープペンシルを使うために芯を出そうとしています。
キャップ部分を押したつもりが、そこは実は芯が出る先端側。
あなたは「イタッ!」と叫び、ペンを放り捨て、痛くなった手を胸元に素早く引きます。
このような経験はきっと誰しもあると思います。痛みに反応して身構えたわけですね。
実はストレッチのし過ぎによる痛みもおなじです。
痛みを伴うストレッチをすると、痛みからカラダを守るために筋肉は硬くなります。
そして不思議なもので、伸びない・硬い筋肉になると人はそれを痛みとして感じるのです。
肩コリはまさにその典型例でしょう。
カラダを柔らかくしようとストレッチをすることは、とても素晴らしいことです。
とはいえ方法をまちがえてしまうと悪手になります。
せっかくの頑張りをムダにしないためにも、どうぞこの記事を参考に正しいストレッチを身につけてください。
ストレッチをまったくしないのはダメ
これまでの話を聞くと、「なんだかむずかしそうだから、ストレッチはやめとこうかな…」と思った方もいるかもしれません。
とはいえそれでは動きづらくなった股関節は、余計に硬くなってしまいます。
もっといえばカラダ全体も硬くなり、股関節はさらに動きづらくなる可能性もあるでしょう。
そこでオススメしたいことは大きく2つです。
・ 胸まわりのストレッチ
・ 股関節を滑らかに動かすための運動
胸であれば股関節に関係ありません。
股関節を滑らかに動かすことを目的にした運動であれば、股関節に負担を強いることもありません。
どちらもお一人で安心してできるものです。
つぎの章から具体例を紹介していきます。
胸まわりのストレッチをする
胸まわりの柔軟性は老若男女みなさんにとって大切な要素です。
それにも関わらず、残念なことに胸まわりはなにもしなければ硬くなりやすい部位です。
というのも肋骨が胸椎から生えており、腰椎からは生えていないから。
もし胸まわりの柔軟性がなければ、腰・股関節の負担が増える原因になります。
胸まわりのストレッチ①
- 四つ這いになる
- 手と膝を肩と股関節の真下に置く
- 視線と尾てい骨をおへそに向けるように、大きく丸まる
- みぞおちを意識して、大きく反る
- 3と4のくり返し
「Cat&Dog」とよばれるもので、ヨガでもよく取り入れられているポーズです。
注意してほしいことは2つ。
- 腰で反りすぎない
- 手首が痛いときは手根と床の間にクッションを挟む
胸まわりが硬い方は、その代償として腰で反りすぎるという特徴があります。
でも上記のやり方だと腰痛の原因になるので、なるべくみぞおちを意識するようにしましょう。
また手首が硬く、体重を支えるときに手首が痛むときは、手根と床の間にクッションを挟むといいですね。
手首の可動域の範囲内で体重を受けられるので、負担がだいぶ減ります。
胸まわりのストレッチ②
- バスタオルを丸める
- 肩甲骨の下あたりにバスタオルをあてる
- バスタオルがズレないようにしながら、あお向けになる
- 3の状態から両膝を立てる
- 腰を床に押し当てるようにお腹に力をいれる
変形性股関節症になると腰が反りやすく、丸めることが苦手になるという方がたくさんいます。
そこで上記の「胸を反る+腰を丸める」ストレッチが有効です。
ポイントは1のバスタオルを丸めることです。
丸くすることで、それはストレッチポールの代わりとなり、カラダを反らしやすくなります。
もちろんある程度柔軟性がある方はストレッチポールを使っても問題ありません。しかし
- カラダが硬い
- ご自宅にストレッチポールがない
という方はバスタオルでいいでしょう。
もしバスタオルの高さが高く頭が床につかないときは、手を頭の後ろにまわして重さを支えます。
反対にバスタオルの高さが低く、胸にストレッチ感がないときは、丸めたバスタオルの下にほかのタオルを置くといいでしょう。
腰と骨盤のストレッチをする
股関節は
・ 臼蓋(きゅうがい)とよばれる骨盤側の穴ぼこ
・ 大腿骨頭とよばれる太ももの骨の先端部
があわさった関節です。
変形性股関節症の人のなかには骨盤の動かし方がわからなくなってしまうことも多いので、本章でそれを実践していきましょう。
それは結果として股関節を滑らかに動かすための運動になります。
腰と骨盤のストレッチ①
- 足が床につく高さのイスに座る
- 骨盤を後ろに倒すように、カラダを丸める
- 腰を反るようなイメージで骨盤を反る
「骨盤ティルト」とよばれるエクササイズです。
このエクササイズをするときには「カラダが天井から糸で釣られている」ようなイメージを持つようにすることです。
股関節が痛いときの筋力トレーニング
ストレッチから脱線してしまいますが、筋力トレーニングもカラダを柔らかくするために大切なことです。
不思議に思う方も多いと思います。
これはどういうことかというと、普段つかわないようなカラダの使い方をすることで
- 筋力アップ
- 柔軟性の改善
を同時にしてしまおう!というものです。
たとえば運動をやめたり、お仕事を退職した途端にカラダが硬くなったという人は多いことでしょう。
考え方的には上記のトレーニングとおなじです。
- 普段してる運動
- 現場で働いてるなどカラダを使うお仕事
をしていると、カラダはその環境に適応して必要な可動域を保ちます。
ところがそのような運動習慣がなくなれば、当然カラダの運動機能は落ちてしまいますね。
ヒップリフト
- あお向けになる
- 両膝を肩幅に広げて立てる
- お尻をあげる
ポイントはお尻にギュッと力をいれてから、お尻を浮かせることです。
それをせずいきなりお尻あげをしようとすると、変に腰が反った体勢になり、腰痛の原因になります。
ヒップリフトをすることで変形性股関節の方がなりやすい
- 股関節の可動域低下
- 股関節まわりの筋力低下
の予防・改善が期待できます。
まとめ
今回の記事では足の付け根が痛い方に向けて、ご自宅でできるストレッチ方法についてご紹介しました。
とはいえ今回の記事でご紹介したものは胸まわりや骨盤を動かしたりするもので、痛みの原因に直接アプローチできるものではありません。
なぜなら痛い場所を自己流にしてしまうと、痛みが悪化する可能性があるからです。
これはどこの部位でもおなじで、まずは専門家に相談し、指導してもらうことが大切でしょう。
もしもっとセルフケア方法を知りたい方がいらっしゃれば、経験豊富な当店をぜひお頼りください。