こちらの記事をお読みの方は「ばね指と診断されたけど、そもそもばね指ってなに?」と不安に思っていませんか?
仕事や育児、家事などで忙しい毎日を、痛みや不快感を抱えて過ごすのはとても大変ですよね。
そこで本記事では、ばね指の基本的な知識から日常生活での注意点までを解説します。
これからの生活を、少しでも快適にできるお手伝いができたら幸いです。
目次
ばね指とは
ばね指とは、手の指を動かすのに必要な腱鞘(けんしょう)と腱(けん)の間で炎症が起き、指の動きがスムーズでなくなる状態です。
手指を曲げたり伸ばしたりする際に違和感を感じるようになります。
指の動きに違和感を感じる理由は、炎症で腱鞘が太くなり、腱に引っかかるからです。
この引っかかりが強くなると、手の指を自由に曲げたり伸ばしたりするのが難しくなります。
ばね指の特徴は、急に指が伸びる現象が起こることです。
これを、ばね現象と呼びます。
ばね現象は、太くなった腱が突然引っかかりからはずれることで起こります。
ばね現象が出始めると、症状はある程度進行しています。
さらに進行すると、自分の力で手指を曲げ伸ばしすることができなくなり、日常生活に支障をきたすようになります。
ばね指は何科?
「ばね指かも」と思ったら、整形外科を受診しましょう。
先述したとおり、ばね指が進行すると日常生活に支障をきたします。
疑わしい症状がでているときは、早めに整形外科で診察を受けてください。
ばね指の原因
ばね指の原因は以下のとおりです。
- ・手指の使いすぎ
- ・加齢
- ・外傷やけがによる腱鞘の損傷
- ・糖尿病や甲状腺機能低下症などの代謝性疾患
- ・妊娠・出産や更年期による女性ホルモンのバランス変化
- ・仕事やスポーツによる過剰な負荷
- ・ビタミン不足
ばね指の原因の多くは、指の使いすぎです。
指をたくさん動かすと、そのたびに腱鞘と腱の摩擦がくり返され、炎症が進みやすくなります。
その結果、腱鞘が厚くなったり腱が太くなったりすることで通過障害を起こし、手指の動きがスムーズでなくなるのです。
指の使いすぎ以外にも、加齢にともなう腱鞘や腱の変性やホルモンバランスの変化なども原因となります。
とくに、女性は妊娠・出産や更年期の時期にホルモンバランスが変わりやすく、それがばね指の原因になることがあります。
ばね指の原因を詳しく知りたい方は、以下の記事を参照してください。
ばね指は女性に多い!|ばね指になりやすい方
ばね指は、家事や育児などで指先を多く使う女性に多いとされています。
一般的に、ばね指になりやすい方は以下のとおりです。
- ・指を使う機会が多い方
- ・妊娠中・産後・更年期の女性
- ・関節リウマチや糖尿病の既往のある方
それぞれの理由をくわしく解説します。
指を使う機会が多い方
指先を使うスポーツをする方や家事をすることの多い主婦など、手指を使う機会が多い方はばね指になりやすいです。
これは、指の使いすぎによって指の腱鞘や腱が変性し、動きのスムーズさがなくなるためです。
妊娠中・産後・更年期の女性
妊娠中・産後・更年期の女性は、女性ホルモンの変化により、ばね指を発症しやすくなります。
女性ホルモンの一種であるエストロゲンが低下することで、腱や腱鞘が弱くなり、傷つきやすくなるためです。
エストロゲンは、腱や靭帯などのコラーゲン代謝を調節します。
そのエストロゲンの分泌が低下してしまうと、腱の代謝が悪くなり、腱の弾力性がなくなります。
さらに、妊娠中や産後、更年期の女性は血行不良になりやすく、それがばね指を発症するリスクを高めているといえるでしょう。
このように女性ホルモンの分泌低下による腱の弾力性の低下と血行不良が、妊娠中や産後、更年期の女性のばね指を発症しやすくするのです。
関節リウマチや糖尿病の既往がある、人工透析をしている方
関節リウマチや糖尿病などの既往がある方や人工透析をしている方は、指先の循環が悪くなりやすいため、ばね指を発症しやすいです。
また、これらの病気は一度炎症が起きると循環が悪いために治りにくく、重症化するケースもあります。
重症化を防ぐために、これらの病気をしっかりとコントロールすることが大切です。
ばね指の症状
ばね指の主な症状は以下のとおりです。
- ・指の付け根の痛みや腫れ、熱感がある
- ・指の曲げ伸ばしがうまくいかない
- ・指を曲げ伸ばしで引っかかる感じがある
- ・指が動かしにくい、こわばっている
- ・指が曲がったままで伸ばしにくい
- ・指をまっすぐにしようとすると、ばねのように跳ねる(ばね現象)
ばね指では、これらの症状が朝に強く出やすいのが特徴です。
日中は使っているうちに指の動きがスムーズになり、痛みや腫れなどの症状が軽くなることもあります。
ばね指がある程度進行すると、ばね現象が起きます。
ばね指の症状が朝だけつらいのは、なぜ?
朝起きたときにばね指の症状が強いのは、指を曲げるための筋肉(屈筋腱:くっきんけん)がむくむためといわれています。
夜間寝ている間に指を動かさないと、屈筋腱がむくみやすくなります。
日中に症状が軽快するのも、指を動かすことで屈筋腱のむくみが軽減するためです。
この屈筋腱のむくみが、朝のばね指の症状を悪化させている可能性があります。
そのため、朝に指のストレッチを軽く行うと血行が改善され、早期の症状軽快が期待できるでしょう。
ばね指(バネ指)でやってはいけないこと
ばね指と診断されたりその疑いが強い場合は、以下の3つは避けてください。
- 1.放っておく
- 2.指を無理に伸ばす
- 3.痛いところをマッサージする
それぞれの理由をくわしく解説します。
1.放っておく
ばね指の症状が軽いからと放置するのは避けましょう。
なぜなら、ばね指を放っておくことで指の腱や腱鞘への負荷がかかりつづけ、症状が強くなる可能性があるためです。
ばね指の初期症状のひとつである指の引っかかり程度であれば、自然治癒も期待できます。
ただし、そのためには手指を安静にして負荷を取り除く必要があります。
こうしたことから、ばね指の疑いがある場合は早めに整形外科での診断を受けましょう。
正しい対処法をとることで症状の悪化を防ぎ、自然治癒を促すことにもつながります。
2.指を無理にのばす
指を無理に伸ばすことは炎症を強くさせる可能性があるため、やめましょう。
ばね指を改善するための軽いストレッチは確かに有効です。
しかし、指の腱と腱鞘に強い炎症が起きている状態のまま無理に行うと、さらに負荷がかかって炎症を強くしてしまいます。
そのため、痛みや腫れなどの炎症症状がある場合は、ストレッチよりも安静を優先させましょう。
3.痛いところをマッサージする
痛い部位をマッサージすることも炎症を強くさせる可能性が高いため、避けてください。
炎症が起きている部位をマッサージすると、炎症の範囲を広げてむしろ痛みが悪化するリスクがあります。
先述したように、痛みや腫れ、熱感などの炎症症状がある間は、余計な負荷はかけずに安静を保ちましょう。
ばね指の治療方法|保存療法と手術療法
医療機関で行うばね指の治療方法は、保存療法と手術療法にわけられます。
ばね指の場合、手術療法が第一選択になることはほとんどありません。
保存療法で症状の改善を認めない場合にはじめて検討される傾向です。
それぞれの治療内容をくわしく解説します。
ばね指の治療①保存療法(安静、薬物療法、注射など)
保存療法として以下の治療がおこなわれます。
- ・患部の安静(シーネ固定も含む)
- ・薬物療法
- ・ステロイド注射(特にトリアムシノロンは有効)
- ・リハビリテーション
ばね指の治療は、まず保存療法を症状にあわせて行います。
ばね指の主な原因は指の使いすぎであるため、まずは安静を保つことが大切です。
それから、痛みや炎症が強ければ薬物療法やステロイド注射などを使用します。
リハビリテーションもばね指の治療には有効です。
リハビリテーションを行うことで腱と腱鞘がくっつかないようにしたり、安静によって固まりやすい関節や筋肉の動きを保つようにしたりします。
これによりばね指の症状緩和はもちろん、再発予防にも大きく貢献します。
このように、ばね指は侵襲の少ない保存療法をはじめに行うことが一般的です。
ばね指の治療②手術療法(腱鞘の切り離し)
ばね指の手術療法は、腱鞘切開手術(けんしょうせいっかいしゅじゅつ)です。
ばね指の手術は、腱鞘を切開してその一部を切り離すことで、つらい症状を改善させます。
手術自体は15分程度で1㎝程度の切開で済みます。
手術時間の短さから、日帰りで行うことが可能です。
ただし、最低術後1週間は、手を濡らさないようにしなければなりません。
手術療法のメリットは、再発リスクが大幅に下がることです。
ただし、手術後に安静にしすぎると屈筋腱の動きが悪くなり、ばね指様の症状があらわれてしまうことがあります。
そのため、手術後もリハビリテーションを通して屈筋の動きをなめらかにしておくことが大切です。
ばね指を自分で治す(痛みをやわらげる)方法
ばね指の症状が軽い場合、自分で痛みをやわらげられます。
その方法は以下のとおりです。
- ・ばね指のストレッチ
- ・ばね指を治す(やわらげる)ツボ
- ・温罨法(あたためる)
ばね指のストレッチは、症状緩和だけでなく再発予防にも有効です。
正しい方法を学んでストレッチを行うようにしましょう。
また、ばね指の症状に効くとされるツボを押したり、痛みのある部位を温めたりすることも痛みをやわらげるのに有効です。
それぞれのくわしい方法は以下の記事で解説しています。
痛みを自分で治したい方はぜひ参考にしてください。
ばね指の予防方法
ばね指は症状が改善したあとも、再発を予防することがとても重要です。
以下にその方法をご紹介します。
- 軽い運動をする
- 指に負担をかけすぎない
- バランスのよい食事をとる
- 指のこわばりがある場合は温める
- 痛みと熱をもっている場合は指を冷やす
ばね指は、保存療法で改善されても腱と腱鞘の柔軟性を保てていなければ再発するリスクがあります。
また、ばね指が親指や中指に発症しやすいとはいえ、すべての指にばね指発症の可能性はあります。
再発を予防するためにも発症していない指を守るためにも、正しい予防方法を知り実践しましょう。
ばね指を知って悪化を防ごう!
ばね指は、指の腱と腱鞘の間に炎症が起きることで指の動きにスムーズさがなくなり、痛みや腫れなどの症状があらわれる病気です。
ばね指の多くの原因は指の使いすぎであるため、まず安静にすることが大切です。
ストレッチやリハビリテーションなどがばね指の症状緩和や再発予防に有効ですが、炎症を悪化させないためにも痛みがなくなったら行いましょう。
ただし、ストレッチやリハビリテーションは正しい方法でなければ、逆にばね指の症状を悪化させてしまうこともあります。
そのため、からだのプロに正しい方法を教わることが、安全といえるでしょう。
セルフケア整体では、ばね指でお困りの方の相談を受けつけています。
「正しいストレッチの方法を知りたい」
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ばね指に関するよくある質問
ばね指に関する質問にお答えします。
ばね指は自然に(ほっといても)治りますか?
ばね指は、放っておくことで自然治癒することはほとんどありません。
ただし、安静や正しいストレッチなどをおこなえば、症状の軽減が期待できます。
ばね指の症状が日常生活に支障がないからと普段通りの生活をつづけてしまうと、炎症が強くなり症状が悪化するリスクが高まります。
そのため、違和感を感じたら放置せずに整形外科で診断を受け、安静やストレッチなどの正しい対処法をとることが重要です。
指がカクカクするけど痛くないです。ばね指でしょうか?
指がカクカクする場合、痛みがなくてもばね指の可能性があります。
というのも、ばね指の初期段階では痛みを感じないこともめずらしいことではないためです。
ばね指は、指の曲げ伸ばしがスムーズにいかなくなることが特徴です。
ばね指の初期段階では指の曲げ伸ばしに違和感がある程度で、ばね指と気づかない方もいらっしゃいます。
こうしたことから、痛みがなくても指がカクカクする場合はばね指の可能性があるといえます。
早めに整形外科を受診し、早期治療に取り組むことで症状の悪化を防げるでしょう。