「腰痛の注射って何があるんだろう?」
「ブロック注射って腰痛に効くの?」
「ブロック注射を打ってみたいけど痛そうで怖い」
こんなお悩みをお持ちではないでしょうか。
痛み止めの注射は、ブロック注射やトリガーポイント注射、ヒアルロン酸注射など他にも様々な種類があります。
ブロック注射とは痛みの神経を麻痺させる、ペインクリニックの代表的な施術です。
即効性があり、注射後すぐに腰の痛みが改善できるでしょう。
この記事では、主に腰痛で使用されることが多い「ブロック注射」をメインに「トリガーポイント注射」についても解説します。
ぜひ最後までお読みください。
目次
ブロック注射とは?
ブロック注射とは、神経周辺に麻酔薬やステロイド剤などを注入して痛みを軽減したり感覚を一時的に麻痺させたりする施術のことで、手術や治療の際にも使用されることがあります。
また、腰だけでなく、背中や足などの全身に効果的で、帯状疱疹や突発性難聴にも効果があります。
ブロック注射の大きな目的は「神経を落ち着かせること」。
痛みが生じている部位周辺の神経は、痛みで興奮状態となり、筋肉や血管が緊張して血流が悪くなるという悪循環が生じています。
ブロック注射をすることで悪循環にストップをかけ、痛みの連鎖を阻止することが重要です。
この章では、腰痛に使用する主なブロック注射を紹介します。
硬膜外ブロック注射
背骨は頭の付け根から頸椎7個、胸椎12個、腰椎5個、仙骨で構成されています。
背骨の間には、脳から腰椎の一つ目あたりまで「脊髄神経」が通っています。
腰椎の一つ目から下は神経が細かく束になった「馬尾神経」になります。脊髄神経や馬尾神経は「硬膜」という膜に覆われています。
硬膜外ブロック注射は、神経に直接注射をするのではなく、硬膜の外側に注射をします。
神経根ブロック注射
神経根とは、腰の馬尾神経から左右に細く神経が別れる部分のことで、神経根に麻酔薬やステロイド薬などを注入することを神経根ブロック注射といいます。
施術は、医師がレントゲン透視を行いながら、正確な位置に注入します。
その他のブロック注射
仙腸関節ブロック注射や星状神経節ブロック注射、股関節注射などがあります。
それぞれの病状や疾患などの目的にあったブロック注射が選択できます。
仙腸関節ブロック注射
腸関節とは、お尻の骨(仙骨)と左右の腰骨(腸骨)の間にある関節のことです。
仙腸関節に痛みが生じている人に対し、仙腸関節に麻酔薬やステロイド剤などを注入する施術のことです。
硬膜外ブロックよりも少し深めの5㎝ほどのところに注射を打ちますが、痛みはそれほど感じません。
また、仙骨周辺に注射を打つ仙骨硬膜外ブロック注射もあります。
星状神経節ブロック注射
星状神経節とは、首にある交感神経のことで、頸椎ヘルニアや変形性頸椎症、帯状疱疹などに利用することが多い施術です。
深さは2㎝ほどで痛い感じる人は少ないでしょう。
股関節注射
変形した股関節にレントゲン透視を行いながら、正確な位置に注入します。
変形性股関節症や股関節炎など、股関節に痛みが生じている人に多く施術されます。
針を刺す深さは4㎝ほどで、痛い感じる人は少ないでしょう。
ブロック注射の適応疾患
ブロック注射の適応疾患について紹介します。
以下の疾患に当たる人はブロック注射が可能です。
自分にあったブロック注射の種類や費用など、アクセスしやすいクリニックを予約することをおすすめします。
痛い部位を説明して施術の方法や麻酔薬、検査の流れなどを案内してもらいましょう。
- 坐骨神経痛
- 椎間板ヘルニア
- 脊柱管狭窄症
腰痛以外にも肩や首の痛み、頭痛など多くの疾患に使用されています。
ブロック注射は痛い?
ブロック注射の種類によって痛みが異なりますが、硬膜外ブロック注射の痛みはそこまで強くないのに対し、神経根ブロック注射は腰の深い部分に注入するため、激しい痛みが伴うでしょう。
針を刺す深さは、硬膜外ブロック注射はおよそ4㎝ほどのところに注入し、神経根ブロック注射はおよそ8㎝の深さに注入します。
また、場合によってはブロック注射の前に、皮膚麻酔を行ってくれるクリニックがあるので、受診して相談してみましょう。
なお、施術後のお風呂について、基本的に入浴OKとされる患者様と当日の入浴は禁止とされる患者様に分かれるので、医師にしっかりと確認してください。
ブロック注射の持続時間や頻度
ブロック注射は痛みの患部に直接注入するため、即効性があります。
持続時間は病気の原因や病状、体質などの患者の個人差が大きく関係しており、およそ数時間から数日間と言えます。
ブロック注射の目的は「神経を落ち着かせること」です。
注射を打ち、神経が落ち着き、痛みの悪循環がうまく立ち切れている場合は、数日痛みが現れない人もいます。
逆に、痛みの悪循環がうまく断ち切れない場合は、数時間でまた痛みが現れるでしょう。
その場合は医師と相談し、ブロック注射の種類の変更や、リハビリテーションなどを並行して行うなどの改善が必要です。
なお、注射の施術頻度は、一週間に1回程度です。
ブロック注射の副作用
ブロック注射はペインクリニックなどで麻酔科医が行う医療行為です。
比較的副作用や合併症の頻度が少ない医療行為ですが、全く副作用がないわけではありません。
まれに起こる以下の症状に注意が必要です。
また、施術を受けた後は、30分ほど安静にしてから帰宅できます。
副作用
- 筋力の低下
- 手足がしびれる
- 気分が悪くなる
- 薬剤などのアレルギー反応
合併症
- 血圧低下
- 硬膜外出血
- 細菌の感染
以下の疾患をお持ちの方は、副作用や合併症のリスクが上がります。
施術前にしっかりと担当の医師に相談のうえ、注射を打つようにしてください。
また、高齢者もリスクが上がることを把握しておきましょう。
- 高血圧
- 心臓病
- 糖尿病
ブロック注射の費用
即効性があり、種類豊富なブロック注射はすべて「保険適用」です。
受診する際は必ず保険証をお持ちください。
また、費用はブロック注射の種類によって異なりますが、レントゲン透視を行いながら注射を打つ場合はブロック注射の費用に加えて、レントゲン費用も発生します。
ブロック注射の金額は初診料や再診料、レントゲン費用を含め、おおよそ5,000円前後で考えておくと良いでしょう。
なお、処方箋がある場合は費用が変更になるため、目安としてお考えください。
トリガーポイント注射とは?
トリガーポイントとは、トリガー(引き金、引き起こす)という意味で、痛みを引き起こす部位の事で、押すと痛みを感じ、周辺部位にも痛みが広がるポイントのことです。
押すと痛みを感じるトリガーポイントに、局所麻酔薬や薬剤などを注入することをトリガーポイント注射といいます。
筋膜性腰痛、腰椎椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症などに有効です。
トリガーポイント注射の適応疾患
筋膜性腰痛、腰椎椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症などに有効です。
しかし、皮膚の浅い部分に注入するため、神経痛などの疾患には効かないでしょう。
※ 筋膜性腰痛とは、腰回りの筋肉や筋膜に負荷がかかって起こる腰痛のこと。
トリガーポイント注射の痛みは?
トリガーポイント注射は特殊な細い針を使用し、刺す深さは1㎝ほどのところに注入するため、痛みはほとんど感じられないので、痛みが苦手な人での安心して利用できます。
また、施術後のお風呂については、基本的に入浴可能です。
しかし、患者様のよっては入浴を避けないといけない場合があるため、事前に医師に確認しておきましょう。
トリガーポイント注射の持続時間や頻度
トリガーポイント注射は即効性があり、局所麻酔が効いている時間は、個人差にもよりますが1時間から2時間程度です。
一回の施術で2箇所から5箇所ほど打つことがあります。
また、施術頻度は一週間に1回程度です。
トリガーポイント注射の副作用
薬の量が少なく、筋肉にのみ薬剤を注入するので、副作用は少ない施術です。
しかし、まれにいかの副作用が考えられます。
- 薬剤や消毒によるアレルギー反応
- 注射部分の皮下出血やあざ
- 注射部分からの感染症
ペインクリニックについて
ペインクリニックとは、痛みを緩和する専門の診療所のことです。
腰痛や背中の痛みだけでなく膝痛や肩こり、帯状疱疹などにも対応しています。
また、激しい痛みが伴うがんの診療なども行います。
ペインクリニックは麻酔科医又は、麻酔科出身の医師が施術を行います。
代表的な施術は神経根ブロック療法や薬物療法。
神経ブロック注射はペインクリニック以外でも、麻酔科の医師が在籍している場合は、ペインクリニック以外の医院や整形外科などでも施術を行ってくれます。
まとめ
ブロック注射の種類は豊富で、それぞれの病状や疾患などに合わせた注射を打ってもらえます。
注射の痛みは種類によって異なります。
硬膜外ブロック注射に対し、神経根ブロック注射は、深い部分の神経周辺に麻酔薬や薬剤などを注入することにより、激しい痛みが伴うでしょう。
日常生活に支障をきたす腰痛。効く効かないは個人差があるので人によっては違いますが、ブロック注射が気になる方は、かかりつけの医師に相談すると良いでしょう。
また、ブロック注射に抵抗がある人は当院「セルフケア整体」へ起こしください。
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腰痛だけでなく肩や首、膝の痛みなど、お身体のどこかが痛いと感じている人は、当院で一緒に解決させてください。