脈打つ腰痛は病院・接骨院・整体院のどこに通えばいいのか悩んでいませんか?
脈打つような腰痛は命に関わることがあるので、特に注意が必要です。
改善させるためには、腰痛の原因を把握して院を選ぶ必要があります。
脈打つ腰痛は病気や日常生活に大きく関係しているため、予防や対処法を理解しておくことが大切です。
今回は腰が脈打ち痛む原因や腰痛の改善・予防方法について解説します。
脈打つ腰痛が起きた場合は、自分で判断する前に、他の症状があるかを確認しましょう。
目次
腰痛が脈打つ原因とは?大動脈の危険信号
大動脈は、人間の体で最も大きな動脈であり、心臓から直接血液を受け取る主要な血管です。
大動脈の構造は、大まかに以下の役割があります。
①心臓から出発:酸素豊富な血液が心臓から大動脈に送り出される
②上行大動脈:頭や腕に血液を送る
③大動脈弓:大動脈から分岐して頭や腕に行く血液を送る
④下行大動脈:胸部と腹部を通り、全身に血液を送り届ける
大動脈は心臓から出る主要な動脈であり、全身に酸素や栄養を含んだ血液を供給する重要な役割を担っています。
この血管がなければ、体の各部分に必要な物質が届かず、生命を維持することができません。
万が一、大動脈の内膜に亀裂が入ると、血液が内膜と中膜、または内膜と外膜の間に流れ込むことで「大動脈解離」を引き起こす可能性が高まります。
腰痛の中でも一番、命の危険が高いため、早期の対処が重要です。
急な強い痛みや異常を感じた場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。
大動脈解離の症状①失神するほどの激痛
大動脈解離では、失神するほどの激痛が突然起こると呼ばれる腰痛です。
痛みの場所は解離の部位によって異なり、以下のような症状が起こりやすくなり、他の症状と間違えてしまう可能性があります。
・胸部の解離:胸の痛みがあり、「狭心症」「心筋梗塞」「肺塞栓症」と間違われることもある
・腹部大動脈の解離:腰痛を訴えることが多く、「圧迫骨折」や「腹部の病気」と誤解されやすい
解離が胸部から腹部まで進行すると、背中から腰にかけて激痛が広がりやすくなります。
この痛みは何度も起こり、急を要する場合がある危険な状態です。
痛みを放置しておくと死亡率が高くなるため、速やかに受診してください。
大動脈解離の症状②大量の血液が体内に漏れる
大動脈が解離すると、体内で大出血が起こり「ショック状態」になり、以下の流れで症状が進行します。
・出血のイメージ:水道のホースに亀裂が入り水が漏れる感覚
・頻脈と徐脈:初めは心臓が血液を送ろうと速く動き、血液が減ると心臓が空打ちし始め、ゆっくり動くようになる
動脈瘤を放置すると、大動脈が破れて大量出血を引き起こし、命に関わる「大動脈破裂」が発生することがあります。
これらの状態は非常に危険なので、早期の診断と治療が必要です。
知っておきたい!腰にある大動脈とその影響
大動脈は心臓から全身に血液を送るための幹となる動脈です。
胸部や腹部でいくつかの重要な動脈に分岐し、それぞれが特定の臓器に血液を供給します。
ここからは特に腹部の3つの主要な動脈について詳しく解説します。
腹腔動脈
腹腔動脈は、大動脈が腹部に入って最初に分岐する動脈です。
以下の主要な臓器に血液を送り届ける役割があります。
臓器 | 機能 |
胃 | 食物の消化を行う |
肝臓 | ・解毒
・胆汁の生成 ・栄養素の代謝 ・血液の貯蔵など |
脾臓 | ・新しい赤血球の生成
・古くなった赤血球を破壊 ・免疫細胞を産生して感染と戦う |
腹腔動脈の血液を供給する胃は、パンや野菜は胃酸と消化酵素で分解され、体が栄養を取り込みやすくなります。
対して肝臓はアルコールや薬物を解毒する役割も持ち、飲酒後にアルコールを分解して体から排出することが可能です。
最後に脾臓は免疫機能を持つ臓器で、細菌やウイルスが体内に入った時に免疫反応を活性化して防御する働があります。
上腸間膜動脈
上腸間膜動脈は、腹腔動脈よりも少し下で大動脈から分岐します。
この動脈は以下の臓器に血液を供給する働きがあります。
機能 | |
小腸 | 食物から栄養を吸収する |
結腸 | ・水分の吸収や便の形成を行う
・横行結腸や上行結腸に血液を供給する |
上腸間膜動脈の血液を供給する小腸は、食物から栄養を吸収する主な場所です。
長さは約6メートルもあり、吸収面積を広げるために内壁がひだ状になっているのが特徴です。
例えば、朝食で食べたパンやフルーツは、小腸で消化され、糖分やビタミンなどの栄養素が吸収されます。
また、結腸は大腸の一部で、水分の吸収や便の形成を行います。
上腸間膜動脈は結腸の上部(横行結腸や上行結腸)に血液を供給するのが特徴です。
例えば、消化された食物から水分を吸収し、便を固めて次の段階へ送ります。
下腸間膜動脈
下腸間膜動脈は大動脈のさらに下部で分岐しています。
以下の臓器に血液を送る働きがあります。
臓器 | 機能 |
直腸 | 便を一時的に貯蔵し、排出を調整する |
結腸の残りの部分 | さらなる水分の吸収や便の貯蔵が行われる |
下腸間膜動脈の血液を供給する直腸は、排便の際に直腸の筋肉が収縮して便を肛門へ送り出す役割があります。
対して結腸の残りの部分は、食物繊維が豊富な食事を摂ると、大腸が効率よく便を形成し、排便を助ける働きがあります。
腰痛の原因を特定しよう:種類別の特徴と改善法
腰痛の原因は、慢性のものと急性のものに分けられ、それぞれ異なる特徴があります。
以下に分類して説明します。
- ・腰椎椎間関節症
- ・腰部脊柱管狭窄症
- ・腰椎椎間板ヘルニア
- ・脊椎分離症・すべり症
腰椎椎間関節症
腰椎椎間関節症は、腰椎に起こる「捻挫」のようなものです。
通常は片側にだけ腰痛が見られ、特定の動作で痛みが出やすくなります。
腰椎同士は靭帯でつながっていますが、過度な負荷がかかると捻挫が起こり、腰痛が生じるのが特徴です。
腰椎椎間関節症の保存療法は、主に以下の4つがあります。
- ①安静と休息: 痛みが強い時には休むことが重要です。
- ②薬物療法:鎮痛剤や抗炎症薬の投与
- ③理学療法: ストレッチや筋力強化運動を行う
- ④生活習慣の改善: 姿勢の改善や適度な運動を取り入れる
上記の保存治療法で解決できない場合は、局所麻酔薬やステロイド注射で痛みを軽減するために使用される注射治療を受けることがあります。
腰部脊柱管狭窄症
腰部脊柱管狭窄症は、主に高齢者に見られる腰痛の症状です。
脳から出た神経が背骨のどこかで圧迫されることで、痛みやしびれが生じます。
また、10分ほど歩くと痛みやしびれで歩けなくなりますが、少し休むとまた歩けるようになるのが特徴です。
腰部脊柱管狭窄症の保存療法には、3つの治療法があります。
- ①薬物療法:鎮痛剤や抗炎症薬が処方される
- ②理学療法:筋力強化やストレッチを行う
- ③生活習慣の改善:姿勢の改善や運動習慣の見直し
上記の保存療法で効果がない場合や、日常生活に支障がある場合には、脊柱管拡大術を検討する場合があります。
腰椎椎間板ヘルニア
腰椎椎間板ヘルニアは背骨のどこにでも起こる可能性がありますが、特に腰の部分に多く見られます。
腰椎と腰椎の間には「椎間板」というクッションのようなものがあります。
これに偏った負荷がかかると、中の髄核(ゼリー状の物質)が飛び出し、神経を圧迫してしまい腰椎椎間板ヘルニアを引き起こしてしまうのです。
主な症状は腰痛や足のしびれが見られますが、検査の時に画像検査でヘルニアが見つかっても、必ずしも腰痛があるわけではありません。
また、手術が必要な場合は腰痛よりも、歩行障害、排尿障害、排便障害がある場合に手術が必要になる可能性があります。
腰椎椎間板ヘルニアの保存治療法には、以下の4つがあります。
- ①休息と安静:痛みがひどい時にはベッドで休む
- ②薬物療法:鎮痛剤や抗炎症薬が処方される
- ③理学療法:専門家の指導のもと、ストレッチやエクササイズを行いう
- ④生活習慣の改善: 姿勢を正し、重い物を持ち上げる時の正しい持ち方の改善
上記の保存治療で改善されない場合は、飛び出した髄核を取り除く「椎間板摘出術」や、レーザーで椎間板を縮小させる「レーザー治療」を行うケースもあります。
脊椎分離症・すべり症
脊椎分離症やすべり症は、繰り返す動作が多い人に起こりやすい傾向です。
例えば、バレーボール選手がジャンプを繰り返すことで腰に負担がかかり、腰痛や足のしびれを感じる場合、脊椎分離症やすべり症が疑われます。
脊椎分離症やすべり症の保存療法には、4つの治療法があります。
- ①休息と安静:痛みが強い時には休むことが重要です。
- ②薬物療法:鎮痛剤や抗炎症薬が用いる
- ③理学療法:専門家の指導のもと、ストレッチやエクササイズを行う
- ④コルセット:腰の安定性を保つために使用される
上記の保存療法で改善しない場合は、神経症状が重い場合は脊椎固定術が検討されます。
原因不明の腰痛に悩むあなたへ:その理由と対策ポイント
日常生活の中で原因がわからない腰痛に悩む人も多いです。
ここでは、その理由と対策方法について説明します。
悪い姿勢や座り方
腰が痛いという症状は、悪い姿勢や座り方が原因で起こりやすくなります。
仕事で長時間座っているときに骨盤が後ろに傾くと、腰の筋肉や筋膜に余分な負担がかかることで腰痛のリスクが高くなるのです。
座り姿勢を改善するためには、椅子の深くに腰掛け、背もたれを利用することが大切です。
背筋を伸ばし、骨盤を立てて座るようにすること姿勢を正すことができます。
また、長時間同じ姿勢で座らず、定期的に立ち上がってストレッチをすることで、腰の負担を軽減できるでしょう。
筋肉のこわばりや張り
腰痛で悩む多くの人には、腰やその周囲の筋肉や筋膜が緊張している状態が見られます。
腰や臀部(お尻の部分)の筋肉が長時間緊張していると、柔軟性が失われ硬くなりがちです。
これにより、腰に負担がかかり腰痛が引き起こされやすくなります。
筋肉の緊張や圧迫により、血管が圧迫されて血液の流れが悪くなることがあります。
特に腰周囲の筋肉が硬くなると、その周辺の血行が悪化しやすく、足に一時的なしびれを感じることがあるでしょう。
筋肉を緩めるために、定期的にストレッチや軽い有酸素運動が効果的です。
特に腰周囲の筋肉の柔軟性を上げることで、筋肉の緊張を緩和し、腰痛や足のしびれを軽減することができます。
心の負担や精神的な疲れ
心因性の腰痛は、ストレスが原因で発生することがあります。
心のストレスが溜まると、体の筋肉が過度に緊張し、特に腰の筋肉が硬直して腰痛を引き起こす原因につながるのです。
そのため、整形外科の医師は、精神的なストレスが腰痛の原因であると判断する場合、時に精神安定剤を処方することがあります。
心因性の腰痛は、身体的な問題と同様に深刻であり、心と体の健康のバランスを整えるために治療が行うことが大切です。
腰痛にさよなら!簡単にできる腰痛対処法と予防法を紹介
腰痛を予防するためには、日常生活での対策が重要です。
以下では、腰痛の対処法と予防法について詳しく紹介します。
炎症を抑える
腰痛の炎症に対処することは可能です。
腰痛の炎症を和らげて回復を促進するには、以下の方法が役立ちます。
- ・冷却療法:アイスパックや冷却ジェルを数回に分けて20分間適用する
- ・非ステロイド性抗炎症薬:ブプロフェンやナプロキセンなどの薬物を服用する
薬物治療に加えて、腰を安静に保ち負担を軽減すると炎症の進行を防ぐことが可能です。
また、軽いストレッチや有酸素運動をすると筋肉を強化し、炎症を抑える手助けになるでしょう。
無理せず体を動かす
昔は腰痛、特にぎっくり腰の場合は、安静が最善とされていました。
しかし最近の研究では、安静が必ずしも回復を早めるわけではないことがわかっています。
腰痛がある場合でも、できるだけ動いて血行を良く保つことが重要です。
例えば、軽い散歩やストレッチなど、体を動かすことで筋肉の柔軟性が保たれ、回復が促進されるでしょう。
腰を温めて血行を良くする
冷えは万病のもとと言われるように、腰にとっても大きな問題です。
冷えが体にこもると、腰の血流が悪くなり、筋肉が緊張してしまうことがあります。
腰を温めるためには、湯船に浸かることが効果的です。
温かいお風呂にゆっくりと浸かることで、腰の筋肉がリラックスし、血流が良くなります。
日常生活でもできるだけ腰を温かく保つ工夫を心がけましょう。
病院・接骨院・整体院:脈打つ腰痛にはどちらが効果的?
腰痛でお困りの方は、まず整形外科を受診し、専門医による診断を受けることがおすすめです。
整形外科では、骨や関節、筋肉、神経に関連する問題を診断し、適切な治療法を提案してくれます。
接骨院は柔道整復師が資格を持ち、手技療法で外傷性の症状を治療します。
ぎっくり腰や姿勢の問題による腰部の筋肉緊張や関節の歪みに対して効果があります。
対して整体院は手技を使い、身体の歪みを調整し、腰痛や足の不調、首コリなどを改善することを目的とする施設です。
施術の際にはマッサージやストレッチ、骨盤矯正などが行われます。
当院のWebサイトでは、アクセス情報や2024年の施術内容まで一覧で確認できますので、ぜひご覧ください。
各施設にはそれぞれ治療や特徴がありますので、痛みの症状に合わせて選びましょう。
まとめ:脈打つ腰痛を予防するためには生活習慣を改善しよう!
今回は、腰が脈打ち痛む原因や腰痛の改善・予防方法について紹介しました。
大動脈は体内で最も大きな動脈であり、心臓から直接血液を受け取る主要な血管です。
大動脈が破裂すると、大動脈解離という非常に危険な状態になります。
急激な失神や強い痛みがあれば、すぐに救急医療を受けるようにしてください。
放置すると48時間以内には半数の患者が亡くなる可能性がある病気ですので、症状を見逃さず軽視しないことが重要です。
また、生活習慣を見直すことで、脈打つ腰痛を改善・予防することができます。
まず、日常生活では適度な運動を取り入れることが重要です。
筋力を増やすことで筋力の低下を防ぎ、腰周りの筋肉を支えて負担を軽減します。
普段から姿勢を意識して正しい座り方や立ち方に心がけることも腰痛予防に効果的です。
長時間同じ姿勢でいると筋肉が緊張し、腰痛の原因となることがあります。
予防と合わせてバランスの取れた食事やストレス管理も忘れずに行った上で、健康的な生活習慣を心がけましょう。