「坐骨神経痛って飲み薬があるの?」
「お尻や太もも裏の、ピリピリとした痛みを市販薬でなんとかしたい!」
「坐骨神経痛に効く飲み薬は何がある?」
こんなお悩みをお持ちではないでしょうか。お尻や太ももの裏側のピリピリとした痛みは、長時間歩けないことや、身体を動かした拍子に強い痛みが現れて気分が下がってしまいます。そんな坐骨神経痛の症状を少しでも緩和して、ストレスを取り除きたいもの。
坐骨神経痛に効く飲み薬は、鎮痛剤や漢方などさまざまな種類があります。この記事では、坐骨神経痛の症状に効く飲み薬について解説していますが、坐骨神経痛の症状現れた際は、まずは整形外科を受診するようにしてください。放っておくことで重症化してしまう可能性があります。また、薬には副作用があります。服用する際は医師や薬剤師と確認してから使用するようにしてください。これらを踏まえたうえで、ぜひこの記事をお読みいただければ幸いです。
目次
坐骨神経痛とは
坐骨神経とは、腰から足先にかけて伸びている末梢神経で、人体で一番長い神経です。坐骨神経が何らかの影響で刺激されたり圧迫されたりすることで、下肢に痛みや痺れなどの症状が現れることを坐骨神経痛といいます。坐骨神経痛の症状は以下のものがあります。
- ・お尻や太ももの裏側、ふくらはぎや足先に痛みやしびれ
- ・立っていると足が痛くて立っていられない
- ・座るとお尻が痛くて座っていられない
- ・身体を動かすと痛みが生じる
- ・足に力を入れにくい
- ・排尿や排便障害
電気が走ったようなピリピリやズキズキといった痛み方で、両側の足ではなく、右側や左側といった左右どちらかの足に現れることが多いです。排尿や排便障害などが起こっている場合は、手術が必要となるケースがあります。他にも、歩くと痛みが現れ、少し休むと和らいでまた歩き出せるといった「間欠性跛行」の症状もあります。
坐骨神経痛の症状が現れる腰痛
歩行が困難となることや、鋭い痛みが生じることで、日常生活の行動に制限がかかってしまいます。そんな坐骨神経痛を引き起こす腰痛の疾患はさまざまです。この章では、坐骨神経痛の症状が現れる腰痛の疾患をご紹介します。
腰椎椎間板ヘルニア
背骨の腰にある部分の骨を腰椎といいますが、腰椎の骨と骨の間には、衝撃を吸収するクッションのような役割の「椎間板」があります。椎間板は髄核というゼリー状のものと、髄核を取り囲む繊維輪と呼ばれる組織でできています。椎間板の弾力性が無くなることで髄核が飛び出し、神経を圧迫したり刺激したりすることがあります。これを腰椎椎間板ヘルニアといいます。ヘルニアの原因は若い男性に多く、重たい荷物を持ち上げる動作や、腰に負担のかかる姿勢を長時間取り続けることなどで発症します。
腰部脊柱管狭窄症
腰椎の間には神経が通る道の「脊柱管」があります。腰椎や椎間板が変形や変性をし、脊柱管を刺激したり圧迫したりすることを、腰部脊柱管狭窄症といいます。脊柱管狭窄症の症状のひとつに間欠性跛行があります。これは、歩くと痛みが現れて、少し休むと痛みが治まって歩き出せるという、脊柱管狭窄症特有の症状です。原因の多くは加齢によって骨や椎間板が脆くなってしまうことです。
梨状筋症候群
梨状筋とはお尻の深層にある筋肉のことで、股関節を動かす際に使われる筋肉です。梨状筋の近くには坐骨神経が通っています。梨状筋の柔軟性が無くなったり収縮したりすることで、近くを通る坐骨神経に影響を及ぼすことを梨状筋症候群といいます。梨状筋症候群を引き起こす原因は、スポーツなどで股関節を過剰に使用したことや、デスクワークで長時間座り続けていたことで発症します。
仙腸関節障害
骨盤にある仙骨と腸骨の間にある関節を仙腸関節といい、上半身と下半身を繋いでいる重要な関節です。仙腸関節には、地面かの衝撃を吸収する役割があり、緩んだり硬くなったりすることで痛みが現れます。仙腸関節障害が起こる原因は、スポーツなどで腰を捻る動作や、座った時に足を組むなどの骨盤が左右非対称になるような動作をすることで発症します。女性に多く発症する疾患と言われていますが、これは出産や生理周期などに発生するホルモンの関係で、骨盤周りの靱帯が緩むことが要因です。
坐骨神経痛の飲み薬(市販薬)
坐骨神経痛の症状を緩和する飲み薬には、鎮痛剤や漢方薬、ビタミン剤など、さまざまな種類があります。この章では、坐骨神経痛に効く、市販で販売されている飲み薬をご紹介しています。市販薬で検索すると、数多くの商品がさまざまな価格で販売されています。ぜひ参考にしてください。
解熱鎮痛剤
解熱鎮痛剤と一口に言っても、各メーカーから主成分の異なるさまざまな種類が販売されています。解熱鎮痛薬は、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDsといいます)とそうでないものの二つに大きく分けられます。二つの違いは、NSAIDsは即効性がありますが、その分さまざまな副作用があるのに対し、ステロイド性抗炎症薬は、鎮痛効果はあるものの比較的副作用は少ないです。それぞれ特徴が違うので、ご自身の症状や体質にあっているものを選んでください。また、購入の際はかかりつけ医やドラッグストアの薬剤師に相談のうえ、購入するようにしてください。
NSAIDsとは
炎症や痛みが生じると、体内にあるアラキドン酸とシクロオキシゲナーゼという成分から「プロスタグランジン」という成分が生成されます。プロスタグランジンは、炎症や痛みを強くする働きに加え、熱を上げる作用があります。NSAIDsは、シクロオキシゲナーゼの働きを阻害するので、プロスタグランジンが生成されず、痛みの軽減ができるのです。
NSAIDsではないもの
NSAIDsではないものは主にアセトアミノフェンですが、NSAIDsと同様にシクロオキシゲナーゼの働きを阻害しますが、その効果は弱く、抗炎症作用はほとんど無いとされています。アセトアミノフェンは、脳の中枢神経に直接働きかけ、痛みや炎症を抑える働きがあります。
ロキソプロフェン(NSAIDs)
ロキソプロフェンを使用した飲み薬は、第一三共ヘルスケア株式会社の「ロキソニンS」はドラッグストアなどで一度は見た事がある人も多いのではないでしょうか。第一三共ヘルスケアの「ロキソニンS」をご紹介します。
分類 | 第1類医薬品 |
有効成分 | ロキソプロフェンナトリウム中和物 68.1㎎(無水物として60㎎) |
効果・効能 | 頭痛・月経痛(生理痛)・歯痛・抜歯後の疼痛・咽喉痛・腰痛・関節痛・神経痛・筋肉痛・肩こり痛・耳痛・打撲痛・骨折痛・ねんざ痛・外傷痛の鎮痛 |
用法・用量 | 成人(15歳以上)は、1回1錠
1日2回まで使用可能 症状があらわれた時、なるべく空腹時をさけて服用して下さい。ただし、再度症状があらわれた場合には、3回目を服用できます。 服用間隔は4時間以上おいて下さい。 |
15歳未満 | 服用しないでください。 |
引用:https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/products/package_insert/pdf/loxonin-s_1.pdf
イブプロフェン(NSAIDs)
イブプロフェンを使用した飲み薬は、エスエス製薬株式会社の「イブA錠」をご紹介します。イブA錠は、イブプロフェンの他にも成分が含まれています。
分類 | 第2類医薬品 |
有効成分 | イブプロフェン150㎎・アリルイソプロピルアセチル尿素60㎎・無水カフェイン80㎎ |
効果・効能 | 月経痛(生理痛)・頭痛・歯痛・咽喉痛・関節痛・筋肉痛・神経痛・腰痛・肩こり痛・抜歯後の疼痛・打撲痛・耳痛・骨折痛・ねんざ痛・外傷痛の鎮痛 |
用法・用量 | 成人(15歳以上)は、1回2錠
次の1回量を1日3回を制限とし、なるべく空腹時をさけて水又はぬるま湯で服用してください。服用間隔は4時間以上おいてください。 |
15歳未満 | 服用しないこと。 |
引用:https://www.ssp.co.jp/product/all/evea/
アスピリン(NSAIDs)
アスピリンを使用した飲み薬は、ライオン株式会社の「バファリンA」をご紹介します。バファリンAはアスピリンの他にも成分が含まれています
分類 | 第2類医薬品 |
有効成分 | アスピリン(アセチルサリチル酸)660㎎
合成ヒドロタルサイト(ダイバッファーHT)200㎎ |
効果・効能 | 頭痛・月経痛(生理痛)・関節痛・神経痛・腰痛・筋肉痛・肩こり痛・咽喉痛・歯痛・抜歯後の疼痛・打撲痛・ねんざ痛・骨折痛・外傷痛・耳痛の鎮痛
悪寒・発熱時の解熱 |
用法・用量 | 成人(15歳以上)は、1回2錠
1日2回を制限とする なるべく空腹時をさけて服用してください。服用間隔は6時間以上おいてください。 次の量を水又はぬるま湯にて服用してください。 |
15歳未満 | 服用しないこと |
引用:https://www.bufferin.net/products/a.htm#anchor-overview
アセトアミノフェン(そうでないもの)
アセトアミノフェンを使用した飲み薬は、Johnson&Johnsonの「タイレノールA」をご紹介します
分類 | 第2類医薬品 |
有効成分 | アセトアミノフェン300㎎ |
効果・効能 | 頭痛・月経痛(生理痛)・歯痛・抜歯後の疼痛・咽喉痛・耳痛・関節痛・神経痛・腰痛・筋肉痛・肩こり痛・打撲痛・骨折痛・ねんざ痛・外傷痛の鎮痛
悪寒・発熱時の解熱 |
用法・用量 | 成人(15歳以上)は、1回1錠
1日3回まで。服用間隔は4時間以上おいてください。 |
15歳未満 | 服用しないでください。 |
引用:https://www.tylenol.jp/products-tylenol#%E7%89%B9%E5%BE%B4
漢方
鎮痛剤ほどの即効性はありませんが、漢方薬も坐骨神経痛や腰痛の緩和に効果があります。鎮痛剤の副作用を避けたい人や抵抗がある人、神経痛が起こりやすい体質を改善したい人などは、漢方を使用するのも良いでしょう。
疎経活血湯エキス錠(クラシエ株式会社)
分類 | 第2類医薬品 |
成分 | ジオウ・トウキ・トウニン・センキュウ・ブクリョウ・ビャクジュツ各1.0ℊ、ゴシツ・リュウタン・チンピ・キョウカツ・イレイセン・ボウイ・ボウフウ各0.75ℊ、ビャクシ・カンゾウ各0.5ℊ、シャクヤク1.25ℊ、キョウショウ0.25ℊより抽出 |
効能・効果 | 体力中等度で、痛みがあり、ときにしびれがあるものの次の諸症:
関節痛・神経痛・腰痛・筋肉痛 |
用法・用量 | 成人(15歳以上)は1回4錠
15歳未満7歳以上は1回3錠 7歳未満5歳以上は1回2錠 1日3回まで。 |
5歳未満 | 服用しないこと |
引用:https://www.kracie.co.jp/products/ph/10111391_2220.html
ツムラ漢方桂枝加朮附湯エキス顆粒(株式会社ツムラ)
手足が冷えてこわばり、関節が痛む人におすすめです。
分類 | 第2類医薬品 |
成分 | 日局ケイヒ・日局シャクヤク・日局ソウジュツ・日局タイソウ各2.0ℊ、日局カンゾウ1.0ℊ、日局ショウキョウ0.5ℊ、日局ブシ末0.25ℊ |
効能・効果 | 体力虚弱で、汗が出、手足が冷えてこわばり、ときに尿量が少ないものの次の諸症:
関節痛・神経痛 |
用法・用量 | 成人(15歳以上)は1回1包
7歳以上15歳未満は1回2/3包 4歳以上7歳未満は1回1/2包 2歳以上4歳未満1回1/3包 1日2回まで。小児に服用させる場合には、保護者の指導監督のもとに服用させてください。 |
2歳未満 | 服用しないでください |
引用:https://www.tsumura.co.jp/brand/products/kampo/018.html#
心龍
分類 | 第2類医薬品 |
有効成分 | シャクヤク・タクシャ・トウキ・ボウイ・トウニン・ソウジュツ・オウバク・ジオウ・ヨクイニン・イレイセン各1.34ℊ、ニンジン・リュウタン・カンゾウ・ケイヒ・ショウキョウ・ブクリュウ・チンピ・ビャクシ各0.34ℊ |
効果・効能 | 坐骨神経痛・神経痛・関節炎・リューマチ |
用法・用量 | 成人(15歳以上)は、1回1包
1日3回まで。 食後2~3時間の間に水又はお湯にて服用する。 |
15歳未満 | 服用しないこと |
引用:https://www.pipjapan.co.jp/products/medicine/672580/
ビタミン配合の薬
ビタミンの中でもビタミンB12は、末梢神経を修復し、痛みやしびれなどの神経痛の症状を改善するのに良いとされています。ビタミンB12が多く含まれる食材は、しじみやあさりなどの貝類、サンマやイワシなどの青魚に多いと言われています。飲み薬だと、以下のものがビタミンB12が多く配合されている飲み薬です。
アリナミンEX PLUS(アリナミン製薬株式会社)
分類 | 第3類医薬品 |
成分 | フルスルチアミン(ビタミンB1誘導体)として【フルスルチアミン塩酸塩】100㎎【109.16㎎】
ピリドキシン塩酸塩(ビタミンB6)100㎎ シアノコバラミン(ビタミンB12)1,500㎍ トコフェロールコハク酸エステルカルシウム(ビタミンEコハク酸エステルカルシウム)【dlーaートコフェロールコハク酸エステルとして】103.58㎎【100㎎】 パントテン酸カルシウム30㎎ ガンマーオリザノール10㎎ |
効果・効能 | 次の諸症状の緩和:眼精疲労・筋肉痛・関節痛(肩こり、腰痛、五十肩など)、神経痛、手足のしびれ
次の場合のビタミンB1、B6、B12の補給:肉体疲労時、病中病後の体力低下時、妊娠・授乳期 |
用法・用量 | 成人(15歳以上)は、1回2~3錠
1日1回まで。 食後すぐに水またはお湯で、かまずに服用すること。 |
15歳未満 | 服用しないこと |
引用:https://alinamin.jp/lineup/alinaminexplus.html
ナボリンS(エーザイ株式会社)
分類 | 第3類医薬品 |
成分 | メコバラミン(活性化ビタミンB12)1,500㎍・葉酸5㎎・酢酸ⅾーa ートコフェロール(天然型ビタミンE)100㎎・フルスルチアミン塩酸塩(ビタミンB1誘導体)109.16㎎・ピリドキシン塩酸塩(ビタミンB6)100㎎ |
効果・効能 | 筋肉痛・関節痛(肩・腰・肘・膝痛・肩こり・五十肩など)、神経痛、手足のしびれ、眼精疲労(慢性的な目の疲れ及びそれに伴う目のかすみ・目の奥の痛み)
ただし、これらの症状について、1ヵ月ほど使用しても改善がみられない場合は、医師又は薬剤師に相談すること。 |
用法・用量 | 成人(15歳以上)は、1回1錠
1日3回まで 食後に水またはお湯にて服用してください。 |
15歳未満 | 服用しないこと |
引用:https://www.eisai.jp/products/nabolin/nabolin_s
ユンケルB12アクティブα(佐藤製薬株式会社)
分類 | 第3類医薬品 |
成分 | メコバラミン(活性型ビタミンB12)1.5㎎・コンドロイチン硫酸エステルナトリウム900㎎・Lーアスパラギン酸マグネシウム・カリウム200㎎・酢酸ⅾーa ートコフェロール(天然型ビタミンE)10㎎・ |
効果・効能 | 次の症状の緩和:腰痛・手足のしびれ(しびれ感)・神経痛・肩・首すじのこり
ただし、これらの症状について、1ヵ月ほど使用しても改善がみられない場合は、医師又は薬剤師に相談すること。 |
用法・用量 | 成人(15歳以上)は、1回2錠
1日3回まで。食後に服用。 |
15歳未満 | 服用しないこと |
引用:https://www.yunker.jp/lineup/p30/
坐骨神経痛の飲み薬(処方薬)
坐骨神経痛のような、抹消神経の病気や損傷などで引き起こる痛みやしびれには「神経障害性疼痛治療薬」である、リリカやタリージェなどが処方されるケースがあります。リリカやタリージェなどの市販薬は無く、処方薬として医師から処方されます。どちらも副作用のリスクがあるため、薬剤師からの説明をしっかりと聞くようにしましょう。
リリカ
リリカは痛い時に飲むのではなく、一定期間飲み続けることで効果が発揮されます。また、効果を感じるまでに、ある程度の時間が必要です。効果が現れて痛みが軽減したり、痛みが消失したりした場合には、医師と相談しながら薬の量を減らすことや、使用を停止します。
なお、リリカの副作用はめまいや眠気、意識消失などがあります。車や自転車の運転、機械の操作をされる人は、控えるようにしないといけません。また、高齢者の方は転倒のリスクがあるため注意が必要です。
タリージェ
タリージェの服用は、年齢や症状に依って異なります。通常、初期用量1回5㎎を1日2回服用し、その後一回用量として5㎎ずつ1週間以上の間隔をあけて徐々に増量し、1回15㎎を1日2回服用します。タリージェの副作用は、めまいや傾寝(軽い意識障害のこと)、意識消失などが発生することがあります。リリカ同様、車や自転車の運転、機械の操作をされる人は、控えるようにしてください。また、高齢者の方は転倒のリスクがあるため注意が必要です。
飲み薬以外の治療法
坐骨神経痛には飲み薬以外の治療法があります。副作用が不安な人や、他の薬を飲んでいるから、飲み薬を避けたい人などは、それ以外の方法を試すと良いでしょう。また、坐骨神経痛で飲み薬を飲んでいるけど、症状が改善されなくて他の方法に何があるのか気になっている方は、ぜひ参考にしてください。ただし、飲み薬で症状が改善されない人は、必ず医師に相談するようにしてください。
貼り薬
貼り薬でも、内服薬に使用されている「ロキソプロフェンナトリウム中和物」が成分のものがあります。痛みのある場所に直接貼り、皮膚から直接成分を吸収することにより効果があります。飲み薬と比べて副作用がすくないため、不安な人には安心して使用できるでしょう。
貼り薬は薬局などでテープ剤とパップ剤のものが販売されています。テープ剤は肌色で伸縮性があり、粘着力が高いので腰やお尻はもちろんのこと、肘や膝などの動きのある関節部分の使用も可能です。商品によってことなりますが、1日1回の使用のものが多いでしょう。
パップ剤は、白い水分量の多いぷにぷにとした素材のもので、湿布と聞くと一番始めに頭に浮かぶのではないでしょうか。テープ剤と比べて粘着力はありませんが、肌のかぶれなどが気になる人にはおすすめです。見た目が白いので、見える部位の使用には抵抗があるかもしれません。腰や背中などの、動きがあまりなく、見えない部位の使用に適しているでしょう。
また、湿布には温湿布があることをご存知でしょうか。急激に痛みが現れて炎症を起こしてる腰痛には、通常のテープ剤やパップ剤の湿布がおすすめですが、慢性的な痛みの場合は冷やすより温める効果がある、温湿布がおすすめです。慢性的な痛みは筋肉などが硬くなって血流が悪くなっているため、温めることで痛みが緩和されるでしょう。
塗り薬
塗り薬には、ローションタイプやゲルタイプなどがあります。皮膚が敏感な人は、貼り薬でかぶれることがあるかもしれません。その場合、ローションタイプやゲルタイプの塗り薬を使用すると良いでしょう。ゲルタイプは指の関節などの、小さい部位の使用に適しており、ローションタイプは肩や腰などの広範囲の使用も可能です。直接痛みの部位に使用することで、皮膚から成分を吸収してくれます。
座薬(ボルタレンサポ)
坐骨神経痛の症状を抑える薬として、ジクロフェナクナトリウムの成分が配合されているボルタレンサポという座薬があります。ボルタレンサポは非ステロイド性抗炎症薬であるNSAIDsに分類されます。変形性関節症や腰痛症、関節リウマチの消炎や鎮痛に処方されることがあります。通常1日1~2回使用しますが、年齢や症状によって低用量の投与が良いです。副作用は腹痛や下痢、便秘などです。
神経ブロック注射
神経ブロック注射とは、痛みの原因となる神経の周辺にステロイド剤や薬剤などを注入して痛みを軽減することや、感覚を一時的に麻痺させることが目的の注射です。即効性があるため、薬剤投与後すぐに痛みが緩和されるでしょう。ブロック注射の目的は神経を落ち着かせることです。痛みがある周辺の部位の神経は、痛みで興奮して周辺の筋肉や血管を緊張させ、血流が悪くなるといった悪循環が生じています。この悪循環を断ち切るために、一時的に痛みを緩和させることが目的です。ブロック注射はさまざまな種類があり、神経周辺に投与するため、麻酔科医などが施術を行ってくれます。そのため、ブロック注射を希望する人は、麻酔科の医師が在籍している整形外科か、ペインクリニックなどの、環境が整った病院を受診するのが必要です。
コルセットの使用
腰痛持ちの人はコルセットの使用を、一度は経験されたことがある方も多いのではないでしょうか。コルセットは医療用の、プラスチックや金属を使用した硬性コルセットや、金属製の支柱やステンレスのバネを使用した軟性コルセットなど、さまざまな種類があります。また、ドラッグストアなどで販売されている、コルセットやサポーターなどを合わせると数えきれないほどの商品があるでしょう。
コルセットは、腰部や骨盤を安定させることや痛みの誘発を防ぐこと、腹圧を高めることなどが目的です。市販のコルセットはサポート力が弱いため、坐骨神経痛でお悩みの人は医師に相談し、オーダーメイドのコルセットを使用すると良いでしょう。
理学療法やリハビリテーション
理学療法とは、低周波の電気を使用する電気療法や、赤外線などで身体を温める温熱療法などの他に、筋肉や関節の運動や訓練などを行うことです。電気を使って刺激を加えることや、身体を温めることで血流を良くすること、身体をバランス良く使えるようにするためのトレーニングなどが目的です。坐骨神経痛になる人は、それぞれの日常生活の動作が原因で発症しています。これらの治療やトレーニングで、日常では使わない身体に刺激が加わり、痛みの改善に効果があります。
手術療法
症状が非常に悪く、尿や便にまで影響がある場合は手術が必要なケースがあります。レントゲン検査に加えて、MRI検査やCT検査などの詳しい検査をして手術が必要だと判断されます。手術方法は傷口が小さい内視鏡を用いた手術や、背部を切って行う手術などさまざまです。坐骨神経痛の原因となる病気(腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症など)や年齢などを考えて手術方法が決められます。
飲み薬の注意点
市販薬や処方薬など、坐骨神経痛に効く飲み薬はさまざまです。市販薬の場合は、病院に行かなくてもドラッグストアなどで、気軽に購入できます。しかし、飲み薬を服用するさいにはいくつかの注意点があります。一番大切なことは、坐骨神経痛の症状が現れてた場合は、すぐに整形外科を受診することです。腰痛持ちで、坐骨神経痛だろうと思っていても、実は別の病気の可能性があります。また、坐骨神経痛は放っておくことで、症状を悪化させてしまいます。飲み薬は、あくまでも痛みや炎症が緩和されているだけで、治った訳ではないことをしっかりと把握しておきましょう。それを踏まえたうえで、飲み薬の注意点について解説します。
副作用がある
基本的なことですが、どんな薬にも副作用があります。他の病気で薬を服用している人や、薬のアレルギー持ちの人、高齢者や内臓の疾患がある人などは特に注意が必要です。ドラッグストアなどで購入する際は、しっかりと薬剤師の説明を受けて用法容量を守って使用するようにしてください。また、使用して少しでも体に異変を感じた場合は、すぐに使用を中止し、医師に相談するようにしてください。
他の薬と併用しない
坐骨神経痛に効く薬を飲んでいるけど、その薬が効かないからと言って別の薬を飲むのは控えてください。薬が効かないと感じる人は、症状が悪化しているか、自分にあった薬では無い可能性があります。また、しっかりと服用間隔を空けていなかった場合、別の薬を併用することになってしまい、副作用を引き起こすリスクがあります。薬が効かないと感じ、他の薬を飲みたい場合は、自分で判断せずに医師に相談するようにしてください。
薬を飲み過ぎない
薬を飲んでも効かないからと、追加で飲むことは控えてください。薬は多く服用することで、副作用などのリスクが上がるだけで、効き目が倍になる訳ではありません。用法用量を守って使用してください。また、薬を服用しても症状が改善されない場合や、悪化している場合は、すぐに医師に相談するようにしてください。薬があっておらず、症状が悪化していたり、他の病気の症状が現れていたりする可能性があります
坐骨神経痛の予防法
立ち上がる動作や座る動作、お尻が痛くて座っていられないなど、生活に支障をきたしてしまう坐骨神経痛。気分転換に外に出て、買い物や散歩などに行きたくても、痛みが生じて歩けずに、外出を避けてしまいがちになってしまうでしょう。しかし、坐骨神経痛は日常生活を変えるだけで予防ができます。この章では、坐骨神経痛の予防法をご紹介します。ぜひ参考にしてください。
腰に負荷のかかる動作を控える
坐骨神経痛は、日常生活の姿勢や動作などが原因で発症することがあります。中腰で重い物を持ち上げる動作を行う人は、腰椎に過度な負荷がかかって腰を痛めてしまいます。長時間のデスクワークを行う人は、背中や腰の筋肉が緊張して血流が悪くなっています。また、座った姿勢は立っている時よりも腰の負担が多くなっています。これらが原因で、椎間板ヘルニアなどを発症してしまい、坐骨神経痛の症状が現れることがあります。
予防法としては、腰に負荷のかかる動作を避けることです。重い物を持ち上げる際は、しっかりとしゃがんでから持ち上げることや、コルセットやサポーターなどを使用すると良いでしょう。長時間のデスクワークの人は、小まめに休憩をして体をほぐすように意識してください。これらを日常の動作で気を付けることで腰痛対策となるでしょう。
姿勢を正す
姿勢不要は腰痛だけでなく、肩こりや首こりなどの原因になります。いつも同じ方の肩で鞄を持ったり、座ったときに足を組んだりと、人は無意識の内に身体を歪めてしまう動作を行っています。
立っている時の正しい姿勢とは、壁に踵をつけて立ったときに、ふくらはぎ、お尻、肩甲骨、後頭部が壁に付いている姿勢です。腰は手のひら一枚分が入る隙間があるとOKです。
座ったときの姿勢にも注意が必要です。座ったときの正しい姿勢は両足はしっかりと床につけて、膝の角度は90℃になるようにし、机と椅子の距離は肘を90℃に曲げて机に届く位置にします。パソコンのモニターは、目の高さの少し下ぐらいが良いでしょう。パソコンの画面との距離は40㎝以上空けるのがベストです。お仕事などでパソコン作業をする人は、参考にしてみてください。
正しい姿勢を維持しようと思うと筋力が必要になってくるので、筋力トレーニングやストレッチを行うと良いでしょう。また、正しい姿勢で座っていても、小まめに休憩を取りながら、身体をほぐすようにしてください。
身体を冷やさない
身体が冷えると血行が悪くなります。心臓から送り出された血液は、栄養や酸素を身体の隅々にまで運び、不要な老廃物を回収してまた心臓に戻っていきます。血行が悪くなるとこのサイクルが悪くなり、筋肉に栄養や酸素が行き届かずに、不要な老廃物が回収できず、腰痛を引き起こしてしまうでしょう。このことから、身体を冷やさないことは坐骨神経痛の予防になると言えるでしょう。
冬は防寒対策をしている人も多いことと思います。しかし、夏はどうでしょう。災害級の暑さが続く現在の日本の夏は、エアコンがないと生活ができません。ついつい冷たい食べ物や飲み物を飲んで内臓が冷えてしまっているかもしれません。また、オフィスや自宅のエアコンが寒いと感じたことはありませんか?暑い外出先から帰ってきたときは涼しくても、その状態が続くと身体が冷えてしまう可能性があります。身体が冷えすぎないように、温度設定に注意しましょう。
運動やストレッチをする
長時間のデスクワークなどで腰痛を引き起こしている人は、腰や背中の筋肉が緊張して硬くなっていることが原因で、腰痛を引き起こしている可能性があります。小まめに休憩をとって身体をほぐすことが重要ですが、日常に運動やストレッチを取り入れることも大切です。また、正しい姿勢を維持するためにもある程度の筋力が必要です。腰回りの筋肉は腰椎を支えるコルセットのような役割をしています。腰回りの筋肉を鍛えることで、腰痛対策となるでしょう。また、腰回りだけでなく、背筋を伸ばすための背筋や、骨盤を安定させるためのお尻の筋肉なども鍛えると良いです。
また、筋肉は使い過ぎると硬くなって痛みが生じてしまうため、ストレッチなどをして柔軟性を高めることも大切です。運動前には怪我の予防として、運動後には使った筋肉をほぐすためにストレッチを行うと良いでしょう。
ストレス発散
ストレスが原因で腰痛を発症することをご存知でしょうか。ストレスからくる腰痛を「心因性腰痛症」といいますが、人はストレスを受けると交感神経が優位になります。交感神経が優位になると、身体が緊張状態になったり血流が悪くなったりします。
ストレス発散方法は、読書や趣味の時間を作ったり、運動するのが良いでしょう。運動が苦手な人はウォーキングだと取り組みやすいのではないでしょうか。ウォーキングはストレス発散にもなり、運動習慣が身につくことで生活習慣病の予防にもなるでしょう。
運動する時間が無い人には半身浴がおすすめです。半身浴は、胸の高さまでのお湯を張り、お湯の温度は38℃~40℃のぬるめに設定して、15~20分程度入浴することです。半身浴の効果はさまざまで、リンパの流れや血行が良くなるので腰痛対策になること、むくみの解消や美肌効果なども得られます。好きなアロマや入浴剤などを使用して、リラックスした時間を取ることでストレス発散になるでしょう。なお、入浴は睡眠の1~2時間前に入ると良いです。お風呂上がりの体温が下がり始めるタイミングで就寝することで、上質な睡眠がとれるでしょう。
体重管理をする
日常生活の暴飲暴食で、腰痛を引き起こしている可能性があります。暴飲暴食は内臓に過度な負荷がかかり、臓器の筋肉が緊張してしまいます。臓器の筋肉が緊張することで、周辺の関連する組織まで影響を及ぼして腰に痛みが生じてしまうでしょう。
腰椎は身体の上半身を支える役割がありますが、上半身に脂肪が着き過ぎることで腰椎に負荷がかかり、腰痛を引き起こす原因になります。また、肥満は生活習慣病のリスクを上げてしまいます。生活習慣病が原因で腰痛を引き起こす可能性もあるので、暴飲暴食を避けて体重管理をすることで、坐骨神経痛の予防ができるでしょう。
坐骨神経痛でお悩みの人はセルフケア整体へ
当院では、これまで多くの腰痛や坐骨神経痛でお悩みの患者様にご来店いただき、痛みの改善のお手伝いをさせていただいた実績があります。何年もの間、腰部脊柱管狭窄症でお悩みだった患者様が、当院のオーダーメイドセルフケアマスタープログラムを6回受けていただいて、症状が改善されたケースがあります。他にも、手術を検討されていた変形性膝関節症の患者様が、手術のことを忘れるぐらい、普通に歩けるまでに改善されたケースがあります。
このように、当院へご来院いただいた患者様には、痛みの改善はもちろんのこと、日常生活を快適に過ごせるぐらいに回復させることが可能です。
料金プランはシンプルで、通常施術の9,000円(1回)とオーダーメイドセルフケアマスタープログラム18,000円(1回)の2種類のシンプルな価格です。症状が軽い方は1回の施術が改善されますが、重症の方は6回のオーダーメイドセルフケアマスタープログラムをおすすめします。
当院では、施術を行いながらお身体の状態を診させていただき、使えていない筋肉の「ズボラ筋」と、使いすぎている筋肉の「ガンバリ筋」をバランスよく使えるセルフケアをお伝えしています。お伝えしたセルフケアを継続して行っていただくことで、今後は整体いらずのお身体へと変わっていくでしょう。お身体のどこかに違和感や痛みが生じている人は、ぜひ一度、セルフケア整体へお越しください。
▼患者様アンケート▼
▼患者様アンケート▼
nobu先生の坐骨神経痛のセルフケア整体
nobu先生の坐骨神経痛①のセルフケア⇩
nobu先生の坐骨神経痛②のセルフケア⇩
nobu先生の腰部脊柱管狭窄症のセルフケア⇩
まとめ
ピリピリやチクチクとした痛みがあり、日常生活に支障がでる坐骨神経痛は不快なもの。痛みを和らげるために、すぐに痛み止めを服用したいところですが、まずは痛みが出る原因を知るために整形外科を受診して検査をするようにしてください。坐骨神経痛の原因となる病気を知り、今後の治療法や対策を医師と相談しましょう。
坐骨神経痛の飲み薬は市販薬と処方薬があります。薬の種類は豊富で、自分の症状にあった飲み薬が選択できます。飲み薬以外の痛みを和らげる方法としては、ロキソニンテープやパップ剤、座薬やブロック注射等、さまざまな治療法があります。しかし、これらの薬は副作用があることを忘れないでください。薬を服用する際は、必ず薬剤師の説明を聞いてから使用するようにしましょう。
坐骨神経痛の飲み薬や治療方法は多岐にわたりますが、坐骨神経痛にならないためや、進行を抑えるための行動が重要です。それは、日常生活の姿勢や冷え対策、ストレスを発散することや、体重管理を行うと良いです。また、坐骨神経痛や腰痛対策に運動やストレッチは効果があります。運動習慣が無い人でも、歩いたりストレッチをしたりなどの運動を行うだけで、腰痛体躯となります。腰の様子をみながら、無理の無い範囲で運動を行ってみてはいかがでしょう。