「生理の時に腰じゃなくてお尻や足が痛い!」
「妊娠中に坐骨神経痛の症状が現れて辛い」
「女性ホルモンと坐骨神経痛って関係があるのかな?」
こんなお悩みをお持ちではないでしょうか。女性ホルモンは、坐骨神経痛の症状を悪化させてしまうことがあります。女性ホルモンは卵巣から分泌されますが、女性ホルモンの働きによって骨盤内の血液循環を低下させることや、妊娠や出産などの影響で坐骨神経痛の症状が出やすい体となってしまいます。この記事では、女性ホルモンが坐骨神経痛を悪化させてしまう原因や対処法を解説します。ぜひ最後までお読みください。
目次
女性ホルモンとは?
女性ホルモンには、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の2種類があり、一か月の周期で卵巣から分泌されます。年齢や生理周期などによって、女性ホルモンの分泌量に変動があります。一般的に、女性ホルモンは8~9歳頃から分泌され始め、10~13歳に初めての生理を経験します。30代に女性ホルモンの分泌のピークを迎えて、40歳を過ぎる頃から分泌量が減って生理周期が不規則となり、やがて50歳前後で閉経を迎えます。
また、エストロゲンとプロゲステロンの分泌量には違いがあります。エストロゲンは、生理期間中に増加し始めて、排卵日を前にピークを迎えて排卵後、分泌量が減少します。対してプロゲステロンは、排卵日が近づくに従って徐々に増えていき、排卵後、急激に分泌量が増え、その後すぐに減少します。
なお、男性は、精巣から分泌される男性ホルモンの一部がエストロゲンになります。
女性ホルモンが及ぼす坐骨神経痛への影響
女性は、月経や妊娠・出産、閉経などのライフステージによって、ホルモンバランスが変化したり乱れたりして、さまざまな不調が起こります。頭痛や疲労、イライラなどは経験されたことがある人も多いのではないでしょうか。なぜこのような症状が起こるのか、この章では、女性ホルモンが及ぼす坐骨神経痛への影響について解説します。
月経
月経時には、プロスタグランジンという物質が生成されます。プロスタグランジンは、子宮内を収縮させて、経血の排出をスムーズにさせる働きがあります。女性にとって必要な物質ですが、問題は、同時に周辺の筋肉も収縮させてしまうことです。周辺の筋肉を収縮させてしまうため、骨盤内の血流が悪くなってしまいます。血液は、栄養や酸素を運び、不要な老廃物を回収してくれます。骨盤内の血流が悪くなることにより、腰回りや坐骨神経周辺に栄養や酸素が行き届かず、老廃物が蓄積して痛みやしびれを悪化させてしまうでしょう。
妊娠や出産
妊娠中はお腹の中の赤ちゃんの重みで自然と反り腰になり、腰痛を引き起こしてしまう人がいます。腰部脊柱管狭窄症の人は、腰を反ると痛みが現れるため、症状が悪化して坐骨神経痛を引き起こす可能性があります。
また、妊娠中はリラキシンという成分が分泌され、体に大きな負担がかかります。リラキシンは、体の筋肉や関節、靱帯や健などを緩める働きがあり、これは赤ちゃんが骨盤内の産道を通りやすくするための準備です。リラキシンは出産に向けて必要不可欠ですが、リラキシンの働きにより骨盤が開いている状態となり、周辺の坐骨神経が刺激されて痛み起きるでしょう。
更年期障害
閉経は人によって個人差がありますが、一般的に50歳前後で閉経し、閉経前後の5年間は更年期障害の対象年齢となっています。更年期障害の症状は、主に以下のものがあります。
- ・ほてりや発汗
- ・めまい
- ・肩こり
- ・腰痛
- ・背中の痛み
- ・不眠
- ・イライラ
- ・疲労感
- ・動悸
- ・うつ状態
- ・五十肩
女性ホルモンは、脳から卵巣へ指令が伝えられて分泌されますが、この時に自律神経もコントロールします。女性ホルモンの分泌が減ることにより、同時に自律神経も乱れてしまいます。自律神経の乱れにより、肩こりや腰痛、背中の痛みなどの症状が現れます。
また、女性ホルモンが減少すると骨密度も減少し、骨粗鬆症のリスクが高まります。腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症などの人は、骨の密度が減少することで、ぎっくり腰や背骨が曲がって姿勢が悪くなることなどで、坐骨神経痛の症状を悪化させてしまうでしょう。
坐骨神経痛の症状が現れるその他の原因
坐骨神経痛は椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症、梨状筋症候群などの腰痛の疾患だけでなく、女性ホルモンのバランスが乱れることで体にさまざまな影響を及ぼします。この章では、坐骨神経痛の症状が現れる、別の原因について解説します。症状がある人は、婦人科で検査をするようにしてください。
子宮筋腫
子宮筋腫とは、子宮内にできる筋腫のことでがんではありません。卵巣から分泌される女性ホルモンによって大きくなりますが、閉経すると筋腫は小さくなっていきます。子宮筋腫の症状は、月経時以外の出血、腰痛や頻尿などです。また、妊娠がしづらいや、流産しやすいなどの症状が起こることがあります。子宮筋腫ができる部位や大きさによっては、周辺の組織を圧迫して坐骨神経に圧迫し、坐骨神経痛の症状が現れることがあります。子宮筋腫が発見された場合、緊急で治療が必要という訳ではなく、経過観察を定期的に行うのが一般的です。
卵巣腫瘍
卵巣は左右に一つずつありますが、卵巣内にできる腫瘍のことを卵巣腫瘍といいます。卵巣腫瘍の多くは良性と言われていますが、稀に悪性の場合があり、悪性腫瘍は、お腹の中の臓器に転移しやすいのが特徴です。下腹部の痛みや張り、腰痛などがあります。卵巣腫瘍は大きいもので30㎝を超える場合があり、腫瘍が大きくなると他の臓器や坐骨神経を圧迫することで坐骨神経痛の症状が現れる可能性があります。
女性ホルモンの影響で坐骨神経痛が悪化したときの対処法
女性ホルモンのバランスが崩れると、体にさまざまな影響を及ぼします。不安になったりイライラしたり、辛い思いをしている中で、坐骨神経痛の症状まで現れてしまうと更に気分が下がってしまうでしょう。この章では、坐骨神経痛が悪化したときの対処法を解説します。ぜひお試しください。
身体を温める
身体が冷えていると、腰痛や坐骨神経痛の痛みが強くなります。身体が冷えると、体温を下げないために血管が収縮して血液の流れが悪くなります。血液は栄養や酸素を運び、不要な老廃物を回収してくれる役割があります。血管が収縮すると、腰回りの栄養や酸素が行き届かずに不要な老廃物が溜まり、痛みの原因になります。月経時などは特に、プロスタグランジンの影響で骨盤内の血行が悪くなっているので、下腹部や腰周りを温めるようにしてください。
リラックスをする
自律神経には、交感神経と副交感神経があり、内臓の働きにも影響があります。交感神経は、日中などの活動が活発なときに優位となり、副交感神経はリラックスしているときに優位となります。イライラや不安感などがあるときは、交感神経が優位になって身体が緊張しているので、できるだけストレスを溜めないように、リラックスするようにしてください。
リラックス方法はさまざまですが、時間をかけて入る半身浴がおすすめです。半身浴は身体が温まる上に、リラックス効果があります。また、入浴の際は睡眠時間の2~3時間前が良いでしょう。入浴で一時的に体温が上がり、下がってきたタイミングで就寝することで、質の高い睡眠がとれます。
ただし、炎症が起こっている人は、身体を温めることで痛みを強くしてしまう可能性があります。炎症がある場合は、患部を冷やすようにしてください。
適度な運動
日常に運動を取り入れることで、ストレス発散や睡眠の質が向上します。運動は、体重管理にも適しているので、生活習慣病の予防にもなります。腰回りや上半身に脂肪が多いと、上半身を支える腰椎に過度な負荷がかかって痛みを発症してしまうでしょう。また、肥満は糖尿病や高血圧といった生活習慣のリスクがあがります。運動を行い、体重管理に気を使うことで、生活習慣の予防になるでしょう。
特に更年期障害などで坐骨神経痛の症状がある人は、運動をするようにしてください。運動は比較的、体に負荷がかからない有酸素運動である、ウォーキングがおすすめです。ウォーキングは、免疫力や骨密度の向上に効果があり、血行が良くなることで健康に良く、腰痛予防にもなります。
引用:更年期の運動の効果
食事の改善
女性ホルモンに良い食事は以下のものがあります。
- ・大豆食品
- ・肉、魚、卵、乳製品
- ・ツナ缶、青魚、レバー、ナッツ類
これらを積極的に摂取し、バランスのとれた食事を摂るようにしてください。他にも、キノコ類や海藻類など、栄養をまんべんなく摂取すると良いでしょう。
暴飲暴食や、自分の好きな物だけを食べるといった偏食は、ホルモンバランスが崩れるだけでなく、病気の原因にもなります。また、朝食を抜いたり過度なダイエットをしたりすることは、自律神経が乱れる原因になります。1日3食、バランスの良い食事をするように心掛けてください。
産後は骨盤矯正をする
出産のために開いた骨盤は、数か月かけて徐々に元の位置に戻っていきますが、産後も腰痛や坐骨神経痛が続きます。また、骨盤が開いた状態で赤ちゃんを抱っこすると、骨盤が左右どちらかに傾いたり歪んだりする可能性があります。片側に歪んだり開いた骨盤を放置すると、骨盤内の臓器が下垂してしまうことや、骨盤底筋の筋力がなく、尿漏れの原因になってしまいます。
最近ではネットで気軽に購入できる、骨盤ベルトやコルセットなどを使用することも良いですが、産後の骨盤矯正を施術してくれる整体院や整骨院などを受診することを強くおすすめします。グッズなどは補助的なイメージで使用し、定期的に整体院や整骨院に通って骨盤の歪みを調節をしてもらうようにしてください。人によって骨盤の状態が違うので、体の仕組みに詳しいプロが、患者様別の施術を行ってくれるでしょう。
まとめ
女性ホルモンは、エストロゲンとプロゲステロンの2種類があります。脳からの指令で卵巣から分泌される女性ホルモンは、人生のライフステージによって分泌量に変動があり、分泌量の変動によって体にさまざまな影響を及ぼします。坐骨神経は骨盤周辺を通っているため、月経や閉経、妊娠や出産などに大きく影響します。
女性ホルモンは必要不可欠なので、ホルモンバランスを整えて上手く付き合っていく必要があります。それは体を温めることやリラックスすること、適度な運動やバランスの摂れた食事を意識することです。特に、半身浴やウォーキングを日常生活に取り入れると良いでしょう。半身浴はウォーキングは、ストレス発散やリラックス効果、血行が促進されて痛みやしぶれを緩和してくれる効果があります。
また、産後の腰痛や坐骨神経痛でお困りの人は「セルフケア整体」へ起こしください。当院は西武新宿駅から徒歩7分とアクセスしやすい場所にあり、院長をはじめとする優秀なスタッフが多数在籍しているため、安心して施術を受けることができます。患者様一人ひとりの症状を詳しく診て、全体のバランスを整えて痛みや不調のない体作りを目指せます。詳しい施術の詳細や料金など、ご不明な点がございましたら、お電話でも受付ております。坐骨神経痛だけでなく、首や肩、膝などのお体にお悩みの人は、ぜひ一度、ご予約お待ちしております。