本記事では、ヘルニアに関する基本的な知識から整体の治療の視点まで、特に椎間板ヘルニアの原因や症状、症状の重症度、回復にかかる期間、整体にできるアプローチなどについて、具体的にお伝えします。また医療機関での治療法を比較し、患者が治療の選択や整体を受ける際に知っておくべきポイントを紹介します。
ヘルニアに悩む人々にとって医療・整体の専門家の視点の情報はきっと役立つことでしょう。
目次
ヘルニアとは何か?
ヘルニアと臓器の一部、または全部が、本来の位置から体壁(胸腔、腹腔などの体内に存在する空間を取り囲む骨、筋、中軸の骨格のこと)や体内の隙間に飛び出た状態をいい、ヘルニアが発生した場所によって病名が変わります。
様々なヘルニア
脳ヘルニア・・・頭部外傷や脳腫瘍、水頭症、脳出血、脳梗塞などによって脳が圧迫され、あるべき位置からずれて飛び出た状態をいいます。
頸椎椎間板ヘルニア・・・背骨は医学的には脊椎と呼ばれ、首の部分(頸椎)、背中の部分(胸椎)、腰の部分(腰椎)、仙骨、尾骨にわたって骨が連結したものです。頸椎の骨と骨の間にあり、クッションの役目をしている椎間板が飛び出て脊髄や神経を圧迫し、首や肩甲骨、腕の痛みを引き起こします。
胸椎椎間板ヘルニア・・・胸椎の椎間板の外側の部分である繊維輪(せんいりん)が、年齢を重ねていくうちに変性や外傷などの衝撃によってつぶれたりすることで、内部のゼリー状の髄核(ずいかく)が飛び出した状態です。椎間板ヘルニアの中でも胸椎椎間板ヘルニアは起きにくいといわれています。
腰椎椎間板ヘルニア・・・腰椎の椎間板の中の髄核が飛び出た状態をいいます。
鼠径(鼡径)ヘルニア・・・太ももの付け根部分(鼠径部)にあるトンネル(鼠径管)から腹部の臓器(小腸など)が飛び出てきます。乳幼児期や50〜60代男性に多くみられます。
臍(へそ)ヘルニア・・・赤ちゃんは生まれた後、へその緒は乾燥して取れ、へその緒がついていた(腹筋に穴が空いていた)部分は穴がふさがり、おへそが凹んだ状態になります。この穴がうまくふさがらず、おへそが突き出ている状態(いわゆるでべそ)になります。突き出た部分は穴から腸などの内臓が出ている状態ですが、元に戻らなくなるケースはほとんどなく、放置していても1歳までに8割の子が自然に治るといわれています。
椎間板ヘルニアの症状
椎間板ヘルニアの中でも頸椎椎間板ヘルニアと腰椎椎間板ヘルニアの症状について説明します。
【頸椎椎間板ヘルニア】
初めは肩こりや首の痛み、背中の痛みを感じます。症状は軽く、安静にすると消える程度の症状です。
次第に両腕の痛みやだるさ、手のしびれ、手のむくみ、後頭部痛、頭痛、目の奥の痛み、耳鳴り、めまいなどの症状がみられるようになり、重症になると足の突っ張りや痛みやしびれで長い距離を歩けない、またはまったく歩けなくなるといった歩行障害、おしっこが出にくい等の排尿障害の症状が出現します。
【腰椎椎間板ヘルニア】
初めは腰痛だけで、進行するとお尻、足へと痛みが広がっていきます。重症化するにつれてしびれや痛みが強くなり、足の力が入らなくなったり、動かしにくい、歩行障害、排尿障害などが出現します。
お尻から太ももの後ろ、すね、足先などに痛みやしびれるような痛み(坐骨神経痛)が特徴的ですが、坐骨神経痛は腰部脊柱管狭窄症などでもみられます。
ヘルニアの原因
椎間板ヘルニアの原因は加齢といわれていますが、頸椎、腰椎で異なる部分もあり、発症する年齢層にも違いがあります。
ヘルニアの原因とは
頸椎、腰椎ともに椎間板ヘルニアの原因は年齢を重ねたことで椎間板がヒビが入ったり、つぶれてきたりして変形し、髄核が後方に飛び出て脊髄や神経根を圧迫するためです。頸椎椎間板ヘルニアは、30〜50代男性に多く、20代以下の発症は少ないとされています。悪い姿勢やスポーツなどが誘因になることもあります。
腰椎椎間板ヘルニアは喫煙によって起こりやすくなるともいわれており、20〜40代に多く、男女比は約2〜3:1です。
ヘルニアに関する誤解
椎間板ヘルニアは必ず手術が必要というわけではなく、症状の重症度によります。軽症であれば保存療法が行われます。
ヘルニアの症状を知ろう
頸椎椎間板ヘルニア、腰椎椎間板ヘルニアの症状を解説します。
ヘルニアの症状とは
脊髄とは脳から連続してつながっている部分で中枢神経と呼ばれています。脊髄は背骨の中の脊柱管というトンネルの中を通っており、硬膜、クモ膜という袋に包まれ、脳脊髄液で満たされています。神経根は脊髄がそれぞれの脊椎で左右1対ずつ枝分かれして出ている部分を指します。
頸椎椎間板ヘルニアは飛び出した髄核が脊髄を圧迫した場合は脊髄症、神経根を圧迫した場合は神経症といい、症状が異なります。
脊髄症の場合、歩行障害(特に階段昇降や坂道を歩行するのに支障が出る)や巧緻運動障害(ボタンかけや箸を使うなど細かい手作業)ができなくなります。排尿・排便にも支障をきたします。神経症の場合は、片方の首〜肩、腕、手にかけての痛みやしびれ、筋力低下(力が入りにくい)などの症状がみられます。
腰椎椎間板ヘルニアでは腰やお尻に痛みやしびれ、足に放散する痛み(放散痛)が出ます。症状が進行すると足に力が入らなくなることがあり、重いものを持ったりすると痛みが強くなることがあります。
ヘルニアの重症度
腰椎椎間板ヘルニアの症状のうち、軽症だと腰痛程度か、普段は足の痛みは自覚せず、前屈みになると痛みを感じる程度です。症状が進行すると腰痛を感じるものの、歩行はできる状態から、腰や足の痛みで歩けなくなります。さらに悪化すると痛みがひどく、立ったり歩行することが困難になります。足やお尻にしびれを感じ、感覚マヒや排尿や排便障害が出現している状態になると最も重度な状態です。
整体と医療の比較
整体と病院での治療を比べてみましょう。
整体とヘルニア治療の比較
【頸椎椎間板ヘルニア】
病院ではレントゲンやMRIで頸椎椎間板ヘルニアだと診断できます。多くの場合は保存療法という手術を行わない療法であり、首を安静にし(必要に応じて頸椎カラーを使用)、痛み止めなどの薬を使った薬物療法、温熱療法などを行います。保存療法でよくなることが多くあります。排尿障害や排便障害などが出現するような重症例では手術を行います。
ただし、保存療法で改善がみられないケースでは手術が検討されます。脊髄症だと保存療法でも良くならないため、手術が必要になります。
軽症であれば、整体で体のバランスを整え、筋の緊張をほぐすことで症状が軽快する可能性があります。
腰椎椎間板ヘルニアは、診察時に下肢伸展挙上試験(ひざを伸ばしたまま足を持ち上げ、痛みが出るかどうかなどのチェックする)で診断できます。レントゲンやMRIでヘルニアの診断が確定します。症状がなければ問題ありませんが、症状に応じて、まずは保存療法が行われます。痛み止め薬の内服やコルセット装着、リハビリで症状が軽くなることが多いです。痛みが悪化したり、足に力が入らない、排尿・排便障害が出るようであれば手術が行われます。
整体vs手術
病院では頸椎椎間板ヘルニアの脊髄症以外は、基本的に手術以外の保存療法が選択されます。整体でなければ治らない、とホームページに表記している整体院もありますが、症状が軽減するのであれば病院、整体の両方を選択肢に入れてよいでしょう。悪い姿勢によって首や腰に負担がかかるのも悪化させてしまうので、整体の施術で全身のバランスを整えることで症状の軽減が期待できます。
整体とヘルニア
整体でヘルニアは治るのか、気になる人も多いのではないでしょうか。
整体でヘルニアは治る?
まずは整形外科を受診し、診断してもらいましょう。整体でヘルニア自体は治りませんが、症状がラクになる可能性があります。飛び出ていた部分が自然に小さくなることもありますが、整体をしたからというわけではないので、そういう意味では整体では治らない、という結論になります。
整体でヘルニアを発症した例も
整体に行って腰を強く押され、翌日足のしびれが出て病院を受診し、椎間板ヘルニアと診断されたというようなケースもあります。整体は国家資格がなく、施術も整体院によって違うこともあります。整体には法的資格制度がなく、自由診療であり自由度が高い反面、技術の差もあることから整体院選びは慎重に行いましょう。
ヘルニアから回復する期間と注意点
回復するのにかかる期間や注意することを解説していきます。
ヘルニアからの回復期間
病院で保存療法を受けた場合、1週間〜2か月、整体院の場合は個人の症状や施設にもよりますが、早ければ施術を受けて2週間、2か月程度で症状が改善するといわれています。あくまでおおよその目安であり、個人の症状の程度や整体師の技術力などで変わってくる可能性があります。
ヘルニア患者が知っておくべきこと
腰椎椎間板ヘルニアの患者は腰に負担をかけないようにしましょう。立った状態で前かがみになると立っている状態よりも1.5倍、中腰で20kgnの荷物を持つと2倍の負荷がかかることがわかっています。
重いものを持ち上げる際、中腰やおじぎをするような姿勢で行うと腰の負担が大きく、症状を悪化させてしまいます。お相撲さんの四股と同じように足を開いて膝を曲げ、背筋を伸ばした状態で腰を落とし、荷物を持ったら膝を伸ばして立ち上がるというやり方をすると腰に負担が少なくすみます。荷物を持たない時でも良い姿勢でいるよう心がけましょう。
タバコを吸う人は、椎間板ヘルニアと診断されたら禁煙することをおすすめします。というのもタバコを吸わない人に比べ、痛みが強い傾向にあり、痛み止めの効果が弱まる、痛み止めの内服量が多くなる傾向があるためです。
ヘルニア回復中に避けるべきよくある間違い
安静は必要ですが、痛い時に安静が必要なのであって、過度な安静は不要です。安易な自己判断はかえって悪化させてしまうおそれがあり、安静の程度は専門医に助言をもらいましょう。
まとめ
ヘルニアと聞くと肩こりや腰痛、しびれなど、多くの人が経験する辛い症状がありますが、整体はその辛さを解消する新たな選択肢として有効といえるでしょう。整体で椎間板ヘルニアを完治させるのは難しいですが、症状を緩和させることはできます。整体の施術を受けることで痛みの軽減だけでなく、日常生活においても前向きな変化を実感できるでしょう。整体が提供する新しい可能性の扉を開いて、希望に満ちた未来への一歩を踏み出してみませんか?
セルフケア整体では、常時しびれがあるような方やリウマチによる痛みがあるなどのケース以外は関節の痛みをとり、動ける身体を取り戻す施術・助言を行っています。常時しびれがあるということは神経が傷ついており、病院での検査が必要となるため施術は行なっておりません。施術で痛みの改善は可能ですが、筋力低下により治るのに1〜2か月の時間が必要となります。ご自分が施術の対応になるかどうかはなどの疑問点や不安な点がありましたら、最寄りの店舗(新宿、博多)のLINEやお電話にてご相談ください。
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