「長時間座っていると腰が痛くなる」
「ストレスが溜まると腰が痛くなる」
「寝起きに腰がじんわりと重くて痛い」
「家事やデスクワークの最中に腰に負担がかかりすぎている気がする」
このような悩みから、腰痛のセルフケア方法が知りたい方も多いのではないでしょうか。腰の痛みや疲れをやわらげる手軽なセルフケア方法としてツボ押しは効果的です。
この記事では、腰痛の緩和や予防に役立つ8つのツボをご紹介します。東洋医学療法の中でもセルフケアに取り込みやすいツボ押しを、ぜひ活用しましょう。
ツボを押すときのコツや注意点といった関連情報もご紹介しますので、ぜひ参考にしてくださいね。
目次
腰痛の緩和や予防に役立つ手のツボ8種類の一覧
まずは日々のセルフケアに取り入れやすく、腰痛の緩和や予防に役立つツボとして、以下の8つをご紹介します。
・腰腿点(ようたいてん)
・合谷(ごうこく)
・陽池(ようち)
・少府(しょうふ)
・外関(がいかん)
・労宮(ろうきゅう)
・内関(ないかん)
・後谿(こうけい)
よく知られた定番のツボもあるため、すでにご存知のものもあるかもしれません。また、腰痛の原因のひとつに身体の冷えがありますので、本記事では冷えの予防が期待できるツボも併せてご紹介しています。
それぞれのツボの場所や期待できる効果を簡単にまとめています。ぜひ実際に位置を確認しながら目を通してみてくださいね。
①腰腿点(ようたいてん)
腰腿点(ようたいてん)は、手の甲のやや手首よりの位置にあるツボです。腎臓の機能を調整し、腰の血行を促進する効果があるため、腰痛や坐骨神経痛、便秘などを緩和する効果が期待できます。
腰腿点は片方の手に2箇所ずつあり、左右で合計4箇所あります。具体的には人差し指と中指の骨の付け根が交わるところと、薬指と小指の骨が交わるところです。
腰腿点を押す際には、反対の手の親指や中指などで爪を立てないように気をつけながら、優しく刺激しましょう。
②合谷(ごうこく)
合谷(ごうこく)は、別名「万能ツボ」とも呼ばれるたいへん人気の高いツボです。首のこりや肩こり、頭痛や生理痛などの痛み、冷え性など、さまざまな悩みに効くとされています。場所は、手の甲の親指と人差し指の間です。押してみたときに少し痛いと感じるポイントを目安に探してみてください。
合谷を押すときには、反対の手の親指で5秒ほどかるく圧をかけるように押しましょう。その際に、親指以外の指を手のひらに当てるようにすると、ツボを押しやすくなるためおすすめです。
③陽池(ようち)
陽池(ようち)は血流を良くしてくれる効果が期待できるツボで、全身に熱を循環させて体を温める効果があると言われています。手の甲の手首の付け根にあり、押すとじんわりとした痛みを感じるという特徴のあるツボです。
陽池は、親指の腹でマッサージをするようにじっくりと刺激しましょう。
④少府(しょうふ)
少府(しょうふ)はストレスをやわらげ、メンタルの安定を助けてくれる効果が期待でき、不眠などにも有効とされているツボです。場所は、手のひらの小指と薬指の間あたりの、軽くこぶしを握ったときに小指の指先が当たるところです。
少府を押す際には、爪を立てないように注意しながら親指などで刺激しましょう。
⑤外関(がいかん)
外関(がいかん)は主に頭痛やめまいの緩和、むくみなどに効果があるとされています。手首の外側、手首の関節から指3本分ほど肘の側の位置にあります。
外関を押すときには、親指などの指の腹をツボの位置にあてて、ゆっくり垂直に圧をかけるように刺激しましょう。
⑥労宮(ろうきゅう)
労宮(ろうきゅう)は自律神経を整えて、心を落ち着かせるために使われる有名なツボです。ストレスをやわらげたり、緊張をほぐしたりする効果や、疲労回復効果が期待できます。場所としては手のひらの中央よりやや尺側(小指側)にあるくぼみがこのツボです。
労宮を刺激するときは、手をパーの形に開いて、反対側の手の親指の腹で押しましょう。
⑦内関(ないかん)
内関(ないかん)は手首の内側にあるツボで、冷えの予防に効果が期待できます。腰痛の原因のひとつに体の冷えがあるため、冷えの対策となるツボのケアは、腰痛の予防や対策にもつながります。冷えの改善により、腰だけでなく膝など他の関節の痛みを緩和する可能性もありますよ。
手首を内側に曲げると、手首の付け根に横のシワができますが、このシワから指3本分ほど身体側の位置にあるのが内関です。
内関を押すときには親指をツボの位置にあてて、その他の指を手首の外側に添えて優しく圧をかけるように刺激すると良いでしょう。
⑧後谿(こうけい)
後谿(こうけい)も冷えの予防に効果が期待できるツボで、さらにメンタルのバランスを整える効果もあるとされています。場所は手のひらの小指の付け根のあたりにあります。
後谿を押す際には、力を入れすぎないように気をつけながら、親指の腹などで刺激しましょう。
腰痛に有効なツボは、手だけでなく足の裏やくるぶしにも存在しますが、追ってご紹介します。
ツボを押したら腰痛がやわらぐのはなぜ?
ツボを押すことで腰痛がやわらぐ理由として、ツボを刺激することによって血行が促進され、筋肉の緊張や痛みが軽減されるという点が挙げられます。
体の皮膚に近いところにある神経は、体内に巡っている神経につながっているため、手のツボへの刺激によって全身の神経に作用をおよぼすことができます。
特に、手にあるツボを押すことで、体全体の血流がよくなり、腰痛の原因となる筋肉の緊張やコリがやわらぐ効果が期待できます。
セルフケアも可能! 効果的なツボの押し方とは?
ここからは、腰痛に効く手のツボの効果的なセルフケア方法をご紹介します。
・ツボの位置を探すときのコツ
・ツボを押すのにおすすめのタイミング
・指や身近な道具でできるツボの押し方
・ちょっとした動きでも効果が期待できる意外なツボ効果
上記4つのコツやアイデアをご紹介しますので、ぜひセルフケアに取り入れてみてください。
①個人差もある!ツボの位置を探すときのコツ
先ほど8つのツボの場所をご紹介しましたが、実際のツボの位置は個人によって、またその日のコンディションによって差があります。場所についてはおおよその目安と考えてください。ツボの位置周辺を指で軽く触ってみて、気持ちいいと感じる位置や、圧力をかけたときに軽いしこりのようなものを感じたら、そこがあなたのツボです。その位置を刺激してみましょう。
ツボの位置がわかりにくいときは、刺激する範囲を広めにすれば問題ありません。また、位置に厳密にこだわらず、広い範囲を何度かにわけて優しくケアすることによっても、刺激によるツボ効果やリラックス効果が期待できます。
②ツボを押すなら入浴後や寝る前がおすすめ
ツボを押すタイミングとしては、リラックス効果が高まりやすい入浴後や寝る前がおすすめです。
入浴することで血行が促進されて体が温まるため、ツボ押しによるセルフケア効果がより発揮されやすくなります。緊張していた筋肉もほぐれた状態になり、ツボを押した際の緊張緩和効果が高まるのです。
寝る前の時間は家事や仕事のストレスや疲れを解消するのに適しています。さらにセルフケアによってリラックスするため眠りにつきやすくなり、睡眠の質が向上するというメリットも期待できるのです。
ツボ押しのセルフケアをいつ行うか迷ったら、まずは入浴後や寝る前のリラックスタイムに試してみてください。
③指や身近な道具でできるツボの押し方
ツボの押し方について、指や身近な道具を使う方法をご紹介します。
・指を使ったツボの押し方
親指や人差し指、中指など、自分が使いやすい指を使って、ツボの位置とその周辺をゆっくりと押すように刺激しましょう。心地良いと感じるぐらいの強さから、ほんの少しの痛みを感じるぐらいの強さで、垂直に圧力をかけるようにします。5秒間ほど指で押したり、またはトントンと叩くように刺激するだけでも、ツボ押しの効果が期待できます。
・身近な道具を使ったツボの押し方
身近な道具を利用して少し強めにツボを刺激したい場合は、手軽にできるボールペンがおすすめです。
ボールペンの後ろのノックする部分をツボに当てて、痛くない程度に力をセーブして刺激してみましょう。狙った場所をピンポイントに刺激することができますので、指で刺激するのとは違った心地よさが感じられるはずです。
その他に、ペットボトルのフタの部分をツボに軽く当てて刺激するのも良いでしょう。
身近な道具を使えば指の筋肉を使わず強い力で押せるため、指を使ったツボ押しで手が疲れてしまったときにもおすすめです。
またツボ押しグッズも豊富に販売されているので、ホームページ等を検索してみるのも良いでしょう。
④手を思い切り開くだけでもツボ効果!?
時間がないときや道具を準備できないときには「手を思い切り開く」という簡単な動きをするだけでもツボを刺激する効果が期待できます。
手のひらや指、手首には、腰痛に効果が期待できるツボがたくさん集まっています。手を大きく開くことでストレッチになり、同時に手のひらや指のツボが自然に刺激され、血行が促進されるのです。そのため疲労回復効果やリラックス効果が期待できます。
つまり、「ちょっとした空き時間に手を思い切り開く」という簡単な動作だけで、ある程度のツボ効果が期待できるのです。
ツボ押しセルフケアのための時間をとるのが大変だと感じたら、まずは家事や仕事の合間に、両手を思い切り開くということからはじめてみましょう。
ツボを押すときに気を付けて! 5つの注意点
ここからは、ツボを押すときに気を付けておきたい以下の5つの注意点について解説します。
・力を入れ過ぎないようにする
・長時間やり過ぎない
・打撲や炎症があるときには刺激しない
・体調不良のときのケアは避ける
・爪が伸びすぎていないかチェックする
これらのポイントについて順番に解説しますので、セルフケアを行うときの参考にしてください。
①力を入れ過ぎないようにする
自分でツボ押しをするときは、刺激の力加減も重要です。力を入れすぎず、心地良いと感じるぐらいの強さで刺激することが大切です。
ツボを刺激する力が強すぎると、皮膚や筋肉を傷つけてしまうリスクがあります。また、力を入れすぎると筋肉が緊張してしまい、逆にリラックスできなくなってしまいます。ツボを押してみて痛いと感じたら力が強すぎる可能性がありますので、心地良いと感じる程度に留めておきましょう。
力を入れ過ぎないように気をつけながら適度な力で行うケアが、リラックスにつながり、腰痛の改善が期待できるものになります。
②長時間やり過ぎないよう気を付ける
ツボを刺激する際には、長時間のやり過ぎにも注意が必要です。
ツボ押しは適度に行えばリラックスにつながり腰痛改善効果も期待できるものですが、長時間刺激しすぎると筋肉や神経に負担がかかり、かえって痛みが強くなってしまう可能性があります。
また、同じツボを長時間刺激し続けることで、その場所の皮膚に負担がかかりすぎ、あざになったり、炎症を起こしたりする場合があります。
いろいろなツボを少しずつ押してみるなど工夫をしながら、長時間のやり過ぎに気を付けて、適度なセルフケアを心がけましょう。
③打撲や炎症があるときには刺激しない
打撲や炎症があるときには刺激しないよう心掛けましょう。
打撲した部分を外部から刺激すると腫れや痛みがひどくなり、治るまでの時間が長くなる場合があります。炎症がある場合も同様です。その部分をさらに刺激することで炎症が強くなったり、範囲が広がってしまったりする場合があります。
腰痛ケアに適したツボは手や手首にあるため、気づかないうちに軽い打撲や炎症が生じている可能性もあります。ツボ押しは気軽にできるセルフケアですが、打撲や炎症がないことを確認してからおこなうようにしましょう。
④体調不良のときには施術を避ける
体調不良のときには、ツボ押しやマッサージといったケアは避けましょう。体が弱くなっているときに神経に刺激を与えると、さらに体調が悪くなる可能性があります。
たとえば、頭痛がするときや疲れがたまっているときには、ツボ押しによる血行改善でかえって体に負担がかかり、症状が悪化してしまうこともあります。
ほかにも風邪気味なときや熱があるとき、怪我をしてしまったときなど健康上の問題がある際には、体調を回復させることを優先して、ツボ押しは控えておくのが無難です。
また、手のツボを刺激すると、そこからつながりのある内臓の神経にも作用する場合があるため、極端に満腹になったときや、お酒を飲みすぎたときなども、念のため控えておいた方が良いでしょう。問題がない場合でも、終わったら水やお茶で水分補給をするのがおすすめです。
⑤爪が伸びすぎていないかチェックする
ツボ押しを行う前には、爪が伸びすぎていないかをチェックしましょう。
指でツボを押すときに爪が長いと、肌に爪を立ててしまったり、引っ掻いてしまう可能性があります。爪が伸びたまま施術をすると、力加減が難しくなり、上手にツボ押しができなくなるおそれもあります。
ツボ押しをはじめる前に爪の長さをチェックして、できれば適度な長さにカットしてからセルフケアをするようにしましょう。爪を切りたくないときや切れない状況である場合には、親指の腹を使ってツボを押すようにすれば比較的安全です。
ツボを押しても軽減されないつらい腰痛には整体院がおすすめ
もしツボ押し等のセルフケアを行っても腰痛が改善しない場合には、お近くの整体院に来院し、専門的な治療や施術を受けるのもおすすめです。専門家に判断をしてもらうことで、腰痛が続く根本的な原因を特定する助けになります。
「地域+整体院」で検索すれば、近所の整体院のWebサイトが出てくるはずです。院長やスタッフに関する口コミもチェックしてから予約してみてくださいね。
腰痛は自分では気づいていない姿勢のクセや身体の歪み、背骨や足の骨格のアンバランスさなどが原因となっていることもよくあります。そのため、ツボ押し等のセルフケアで一時的に痛みが軽減されても、また痛みが強くなってしまうということが考えられるのです。
また、痛みがあまりに激しい場合はぎっくり腰などの疾患の可能性も考えられます。動かすのも辛いほどの痛みであれば、整形外科など適切な病院に行って診察を受けましょう。
腰痛の根本原因は一人ひとり異なります。腰痛に長期的に悩まされている場合には、整体院で専門知識のあるスタッフからアドバイスを受けてみましょう。
まとめ:セルフケアも可能! 手のツボを活用して腰痛の予防と対策を
今回は、腰痛の緩和や予防に役立つ8つのツボや、効果的なツボの押し方、セルフケアを行うときの注意点について解説しました。
ツボ押しが腰痛の緩和や予防に役立つのは、ツボを刺激することで血行が促進され、リラックスすることで筋肉の緊張が緩和され、腰の痛みや筋肉のこわばりの軽減が期待できるからです。
ただし、ツボ押し前に爪が伸びすぎていないかチェックし、長時間のやりすぎや、力の入れ過ぎは避けるようにしてください。また、体調不良のときや、ツボがある位置に打撲や炎症があるときは、念のためセルフケアを控えておくようにしましょう。
そして自分で行うツボ押しだけでは腰の痛みが改善されないときや、動かすのもつらいほどの痛みが続く場合には、専門的な診断や施術が可能な整体院に来院することも検討してみてください。
家事や仕事、運動の後に背中から腰にかけての痛みが気になる方は、ぜひこの記事でご紹介した8つのツボをセルフケアに取り入れて、快適な毎日を送りましょう。