腰が反っている気がする。周りから反り腰だねと言われたことがある。その症状をそのまま放置するのは大変危険です。整体や整骨院、整形外科でも改善できますが、まずは反り腰の原因や本当に反り腰なのかチェックをすることから始めてみましょう。
この記事では反り腰のセルフケアをご紹介しますので参考にしてみてください。
目次
そもそも反り腰とは?整体で治る?
反り腰とは名前の通り、腰が反った状態のことをいいます。骨盤が前に傾いてしまい、自然と下腹の筋肉が緩んでしまうのです。横から見た立ち姿勢をイメージしてみてください。背中からお尻までのラインがS字カーブを描いていれば反り腰です。
一見すると姿勢がよく見えますが、反り腰は骨盤の位置がズレてしまうため、そのままにしておくのは好ましくありません。生活に支障が出る前に改善するのをおすすめします。改善方法としては、整体や整骨に頼る他、自宅でできるセルフケアもあります。
反り腰の改善方法は?整体に頼んでも大丈夫?
一度反り腰になってしまった場合はどう対処すればいいのでしょうか。ここでは整体に頼むなどの反り腰の改善方法を3つご紹介します。
- 整体院で治してもらう方法
- 整骨院で治してもらう方法
- 整形外科で治してもらう方法
整体院で治してもらう方法
まずは整体院で治してもらう方法です。整体の大きな特徴は、体全体のバランスが整うようにサポートしてくれること。骨盤や背骨などの体を中心を支える部分や骨のズレの矯正を行い、筋肉をほぐして体のバランスを整えます。
整体院は整骨院や整形外科と混同されがちですが、整体院には柔道整復師や医師などが常駐していないのが一般的です。
姿勢矯正や骨盤の歪み調整、マッサージによる血流促進、肩こりや腰痛の解消などを施術しているため、反り腰についても快く対処してくれるでしょう。
整骨院で治してもらう方法
整骨院で治してもらう方法もあります。「ほねつぎ」とも呼ばれており、主に骨折や脱臼などの怪我の治療を行います。
整体院と異なるのは柔道整復師が常駐していること。柔道整復師は国家資格で、日本の伝統医療に加えて、解剖学や生理学についての知見も持ち合わせています。
怪我の施術に特化していますが、整体院と同様に骨盤矯正やマッサージも行っているのが特徴です。そのため、反り腰の相談にも乗ってくれます。柔道整復師の観点から見たアドバイスも受けられるでしょう。
整形外科で治してもらう方法
整形外科で治してもらう方法もあります。整形外科は医師免許を持った専門医が常駐しているため、強い痛みにも早急に対応してくれます。
反り腰による長期間の痛みがある場合、レントゲンやMRIなどの画像診断の他、血液検査なども行ってくれるため、原因が特定できてより迅速な改善が可能です。
強い痛みが続くようなら反り腰ではなく、ヘルニアや膵臓がんといった疾患が潜んでいる恐れも。この場合は整体院や整骨院ではなく、整形外科で診てもらうのが良いでしょう。
整体に行く前に!反り腰の根本的な原因は
反り腰とは先述した通り、腰が沿った状態のことをいいます。反り腰は先天性のものではなく、普段の生活習慣によって引き起こされるのが一般的です。ここでは反り腰の根本的な減について解説します。
骨盤の前傾
反り腰の根本的な原因は「骨盤の前傾」です。24個もある背骨のS字カーブのうち、腰椎にあたる部分の反りが強くなり、反り腰の状態となります。
「猫背」という言葉をよく聞くと思いますが、猫背にならないように腰に意識が集中するあまり、反り腰になってしまうことも。姿勢を正しくしなくてはと、逆に腰を反りすぎてしまうのは好ましくありません。
反り腰を放置すると生活にさまざまな支障をきたすようになってしまいます。
筋力の低下
反り腰は筋力の低下が原因といわれています。筋肉が過剰に働き、腰の反りを強くすることで反り腰となるのです。
また、反対にお腹回りの筋肉が弱くなるのも反り腰の原因に。お腹の筋肉が弱まるのと対照的に、腰の反りが強くなり、反り腰を引き起こしてしまいます。つまり、お腹と腰の筋肉のバランスが崩れることが腰に負担を掛けてしまうのです。
さらに変形性股関節症を患わっている人は注意が必要です。硬くなった股関節は、やがて股関節前面の筋肉も硬くなります。それにより骨盤が前に傾いてしまい、自然と腰が反った姿勢となるのです。
ヒールの高い靴
反り腰は男女に見られる症状ですが、女性が履く「ヒールの高い靴」も反り腰の原因となります。
ヒールが高いと、どうしてもつま先や足の前方に体重がかかってしまいます。常に坂道を下っているとイメージすれば分かりやすいかもしれません。その前に傾いた姿勢を直そうと腰に意識が集中し、反り腰になってしまうのです。
普段の座り方
デスクワークが多い方は注意が必要です。日常的の座り方が反り腰の原因となっているかもしれません。パソコン作業や事務作業、座ったままでのライン作業などは、無意識のうちに前傾姿勢になりがちです。
長時間前傾姿勢でいることで腰に大きな負担がかかります。日中作業をしていて、夕方になるにつれて腰に痛みを感じた経験は誰しもあるはずです。これは前傾姿勢で腰に負担がかかっているから。その負担を少しでも楽にしようと、腰を自然に反ってしまい、これにより反り腰を引き起こしてしまいます。
体型の乱れ
体型が乱れたことで反り腰になる場合もあります。暴飲暴食が重なり短期間で体重が増加した、妊娠でお腹が出てきたなど、明らかに体型が変化した場合は注意が必要です。
とくにお腹が出てくると、自然と重心が前に傾き、お腹の重みを支えて腰を反る姿勢となってしまいます。これが反り腰の原因です。
とはいえ、妊娠のような短期間の体型変化は産後に改善が可能です。妊娠したからといって過剰に恐れる必要はありません。
整体に行く前に!まずは反り腰のセルフチェックを
整体などに頼る前にまずは反り腰のセルフチェックを行いましょう。
- 壁に沿って真っすぐ立つ
- 両足は揃えて、つま先は正面を向くようにする
- あごを引く
- 後頭部とお尻、かかとを壁に付ける
- 体の力を抜く
- 腰から少し上のスペースに手を入れる
壁と腰のスペースが大きく空いてしまう方は要注意。両手が入るくらいのスペースがある場合は反り腰の可能性が高いです。
また、仰向きで寝てチェックする方法もあります。仰向けで寝た際、足を伸ばしてみてください。腰に負担を感じ、膝を立てると和らぐ感じがあれば反り腰の症状が疑われます。
反り腰を放置するとどうなる?
反り腰は病気や怪我ではありませんが、放置しておくと他の部位に影響を及ぼすことがあります。ここでは反り腰を放置した場合、どんな影響があるのか解説します。
腰痛の悪化
まず考えられるのは腰痛の悪化です。反り腰であることがそもそも腰に負担をかけています。そのため、反り腰を改善しないと腰痛はどんどん悪化してしまうでしょう。
デスクワークなど長時間同じ姿勢でいると、腰を反らした部分の筋肉が過剰に働きます。これにより筋肉が硬くなりやすく、血流が低下するため、腰痛を起こしくやすくなるのです。
腰部脊柱管狭窄症
腰部脊柱管狭窄症とは、脊髄を圧迫する疾患をいいます。脊椎は神経をまとめている脊髄を保護する役割があり、この脊椎が変形してしまうと、さまざまな症状が現れるようになるのです。
腰部脊柱管狭窄症の症状は足のしびれ、腰部下肢の痛み、歩きにくさなどがあります。これを発症してしまうと長時間の歩行も困難に。反り腰を放置していると発症することがあるため注意が必要です。
坐骨神経痛
坐骨神経痛とは、お尻から足の広範囲に渡って痛みや痺れのことをいいます。反り腰で骨盤が前に傾くことで、「梨状筋」と呼ばれる筋肉が引き伸ばされます。この梨状筋の下にあるのが「坐骨神経」です。
梨状筋が伸びることで、下に走る坐骨神経が圧迫されてしまい、坐骨神経痛の症状となって現れます。
疲労の増加
反り腰の姿勢は骨盤に大きな負担がかかっています。無意識のつもりでも、正しい姿勢で歩くときと比べて、余計な力が加わっているのは間違いありません。そのせいで人より疲れやすいと感じることがあります。
体型の乱れ
反り腰は体型の乱れの原因になります。腰を反ったままでいると、下腹部やお尻が前に出て大きく見えてしまうのです。筋力が弱い女性ほど、その傾向が高いと言われています。肥満でもないのにお腹やお尻が大きく見えてしまうのは反り腰が原因でしょう。
反り腰は保険対象?整体や接骨院の場合は?
反り腰で整体院や整骨院に通った場合、保険は適用されるのでしょうか。結論から申し上げますと、保険適用される可能性は低いです。
整体院での場合、そもそも整体の施術は「医療行為にあたらない」ため、通った費用は全額自費となります。
整骨院の場合は症状によって保険が適用されます。骨折や脱臼、ねんざといった怪我を治すための治療は保険適用が可能です。ただし、反り腰に関しては原因が曖昧だと保険適用外となるため、しっかりと相談して原因を突き止めてもらうのがポイントとなります。
整形外科の場合も必ずしも保険が適用されるとは限りません。病院の一種であるため、行けば保険が効くと思いがちですが、整骨院のパターンと同様です。「慢性的な腰痛」のような、原因が定かではない腰の痛みとなると保険適用は難しいでしょう。
まとめると、整体院は保険適用外で、整骨院や整形外科は原因が分かっているものや怪我の治療を目的としていれば保険適用される確率が高いです。
整体に行かなくても大丈夫!反り腰のセルフケアをご紹介
整体院は保険がそもそも利かず、整骨院や整形外科も必ず保険が適用されるとは限りません。反り腰を治そうとしても、全額自費となれば通うのをためらってしまいます。そこで自宅でも簡単にできる反り腰のセルフケアをご紹介します。
1分でできる反り腰解消法
- 膝を軽く曲げて座る
- 足のつま先を内側に向ける
- かかとを真下に押し付ける
- 裏ももに力が入るのを確認する
- そのまま10秒待機する
- これを3セット繰り返す
詳しくはこちらの動画にて
太もも前部分も細くできる反り腰解消法
- かかとを脛の横に置く
- つま先を上に向ける
- 足の指を軽く握る
- 足を上下に擦る
- 股関節の前側に力が入る確認する
- これを両方20回繰り返す
- 椅子に膝を乗せる
- お腹をぐっと前に出す
- 太ももがストレッチされる
- この状態で30秒待機する
詳しくはこちらの動画にて
インナー腹筋トレーニングで反り腰解消法
- まずは仰向けの状態になる
- 両足を上げる
- 膝を90度に曲げてその状態をキープ
- 30秒~1分待機する
- これを3~5セット繰り返す
90度の状態を保つのが難しい場合は、足にボールやタオルを挟んでみてください。
猫と牛のポーズで反り腰解消法
- 四つん這いになる
- 息を吐きながら両手で床を押す
- 背骨を丸めて目線はお腹を見る(猫のポーズ)
- 息を吸いながら両手で床を押す
- 背中を反らせて視線は上を見る(牛のポーズ)
- ゆっくり3~5回の呼吸を繰り返す
普段の生活改善で反り腰解消法
セルフケアを積極的に行うことはもちろんですが、普段からも反り腰に注意して生活するのが大切です。
まずは座るときの姿勢を意識すること。椅子に座るときは、骨盤と座面が垂直になるように座ります。お尻の下にある坐骨が座面に付いていればOKです。お腹に力を入れたり、胸を張りすぎたりすると反り腰になるので気を付けましょう。
また、寝るときの姿勢も注意が必要です。横向きで寝るのがポイントとなります。背中と膝が近付くように丸まった姿勢をキープすると腰に負担がかかりにくいです。一方で、うつぶせ寝は反り腰になりやすいので避けた方がいいでしょう。
整体に行く前にまずはセルフケアで反り腰を改善しよう!
反り腰は骨盤が前に傾いてしまう症状のことで、放置しておくと日常生活にさまざまな影響を及ぼすようになります。
反り腰は整体院や整骨院、整形外科でも対応してくれますが、保険適用外になる場合があるため注意が必要です。
そのため、治療費にお金をかけたくない、整体に通っている時間がない方は、自宅でできるセルフケアがおすすめです。
反り腰改善方法の動画をぜひご活用ください。簡単な方法ばかりなので、お金や時間をかけずに反り腰を改善できます。