「デッドリフトが原因の腰痛を改善したい」
「正しいデッドリフトのフォームを知って腰痛を防止したい」
「腰痛を防止しながらもデッドリフトで全身を鍛えたい」
コロナ禍で筋トレが流行り、健康のために、とデッドリフトをメニューに取り入れている方は多いのではないでしょうか。
しかし、デッドリフトで筋トレをしようと思ったが、やり方を間違えて腰を痛めてしまうケースは非常に多いです。
中にはデッドリフトで腰を痛めることは当たり前だと思っている人もいるようです。
ですが、デッドリフトは正しいフォームと適切な回数、自分に合った重さで行うこととで、腰痛を防止することができます。
さらに、デッドリフトで腰を痛めてしまったという方は今からでも症状を和らげたり改善することが可能です。
この記事を読めば、デッドリフトで腰を痛めない方法や、すでに痛めてしまった腰を改善する方法を紹介しています。
ぜひ最後までご覧ください。
デッドリフトとは
デッドリフトとは、床に置いてあるバーベルを膝の上まで持ち上げるウエイトトレーニングのことです。
BIG3と呼ばれている、「ベンチプレス」「スクワット」「デッドリフト」のうちの一つになります。
BIG3とは大きな筋肉を同時に鍛えることができるトレーニング方法のことです。
この章では、デッドリフトにはどのような目的があってどういった効果があるのか紹介していきます。
デッドリフトの目的
上記でも説明したようにデッドリフトという種目は大きな筋肉を同時に鍛えることを目的にしています。
具体的には、広背筋や僧帽筋、脊柱起立筋といった背中にある筋肉から、ハムストリングス、大臀筋といったお尻についている大きな筋肉をメインで鍛えることができます。
それによって体幹を鍛えることができ、姿勢改善やスポーツでのパフォーマンス向上に繋がります。
デッドリフトの効果
デッドリフトは複数の筋肉を同時に鍛えることができます。
鍛える筋肉の効果を部位別に見ていきましょう。
広背筋
広背筋は背中にある非常に大きな筋肉です。
広背筋を鍛えると、男性は逞しい背中に、女性は引き締まったウエストを作ることが出来ます。
他にも、広背筋を鍛えることで、肩こりや腰痛といった悩みも解決してくれます。
広背筋がうまく機能していないと、肩甲骨や背骨を正常な位置で保持できなくなり、肩こりや腰痛に繋がってしまいます。
つまり、広背筋を鍛えることは身体の骨格を正常に保ち、肩こりや腰痛から守ってくれるメリットがあります。
さらに、広背筋を鍛えると基礎代謝が上昇します。
基礎代謝とは呼吸や体温維持など、人間が生きていくため無意識下で使われるエネルギーになります。
つまり、基礎代謝が上がるということは、無意識の中でも消費されるエネルギーが上昇するということになります。
従って、広背筋を鍛えることで基礎代謝が上昇し太りにくい体を手に入れることができるのです。
僧帽筋
僧帽筋も広背筋と同じく、背中に付着する大きな筋肉になります。
そのため僧帽筋が弱化していると肩甲骨が開いてしまい、猫背や巻き肩のような姿勢になってしまいます。
また、僧帽筋は肩甲骨を覆うように付着しており、この筋肉が弱くなったり緊張したりしていると筋肉の中に疲労物質が溜まりやすくなってしまいます。
僧帽筋の中に疲労物質が蓄積されると、首や肩にこりが生じてしまいます。
このような首や肩のこりを改善するためには僧帽筋を鍛え、適切な筋肉の硬さを保っておくことが大切です。
従って、デッドリフトを行うことは、僧帽筋の強化につながり、首こりや肩こりの改善に効果があります。
脊柱起立筋
脊柱起立筋は、首から骨盤にかけて付着する筋肉になります。
脊柱起立筋の作用としては主に、上半身を起こしたり、体を反らしたりする際に作用します。
また、脊柱起立筋は背骨と同じく縦に長い筋肉になります。
そのため、脊柱起立筋は正しい姿勢の保持にも大いに役立っています。
脊柱起立筋が上手く作用していないと猫背になったり、腰痛の原因になったりします。
猫背のような姿勢が続くと、胸郭が本来の可動性を発揮できずに呼吸が浅くなってしまい自律神経の乱れに繋がってしまいます。
脊柱起立筋を鍛えることで姿勢改善につながり、結果として自律神経の乱れを改善してくれます。
大臀筋
大臀筋はお尻に付着している筋肉になります。
デッドリフトを行うことで、大臀筋も鍛えることが可能です。
大臀筋は股関節を跨ぐようにして付着しているため、上半身と下半身の架け橋のような役割をになっています。
大臀筋の筋力が低下することで、歩いたり、立ったりする際に痛みを感じるようになったり、下半身のシルエットが崩れてしまう可能性があります。
しかし、デッドリフトを行うことで大臀筋を鍛えることができ、日常生活での動作を正しく行えたり、ヒップラインの引き締めに効果が期待できます。
ハムストリングス
ハムストリングスは太ももの裏に付着している筋肉になります。
デッドリフトはハムストリングスの強化にも効果的です。
ハムストリングスは骨盤の後ろから始まり、膝関節を跨ぐように付着しています。
ハムストリングスが適切な筋力を発揮できないと膝や腰を痛めたりスポーツをしている方は半月板損傷や肉離れのような怪我に繋がってしまいます。
デッドリフトでハムストリングスを鍛えることで、膝痛や腰痛の改善、さらにはスポーツをする際の怪我を予防することにつながります。
デッドリフトで腰痛になる原因とは
デッドリフトはさまざまな筋肉を同時に鍛えることができ、姿勢改善やスポーツのパフォーマンスレベル向上に効果がある一方で、デッドリフトをしたことで腰を痛めてしまう人も中にはいます。
デッドリフトで腰を痛めてしまう理由は以下の通りです。
- 腰椎の過剰伸展
- 筋線維の損傷
- 筋膜の硬化
- 腰椎椎間板ヘルニア
- 腰椎分離症
腰椎の過剰伸展
デッドリフトで腰を痛めてしまう人の特徴に、腰椎の過剰伸展があります。
腰椎とは腰にある5つの背骨のことを指します。
バーベルを持ち上げた際に腰を過剰に反ることで、筋肉や骨にストレスがかかり、腰を痛めてしまうケースです。
詳しくは後述しますが、腰椎の過剰伸展による腰痛はデッドリフトを正しいフォームで行うことにより防止することができます。
筋線維の損傷
デッドリフトによる筋線維の損傷とはすなわち筋肉痛のことを指します。
正しいフォームでデッドリフトを行っていたとしても、適切な回数を超えたデッドリフトは過剰な負荷となり、筋肉を痛め筋繊維を破壊してしまいます。
破壊された筋繊維は、傷んだ場所を修復しようとします。
その過程で生成されるブラジキニンという発痛物質が筋肉痛の原因だと考えられています。
デッドリフトを行う際には正しいフォームだけでなく、適切な回数も考慮して行うようにしましょう。
筋膜の硬化
デッドリフトによる腰痛の原因は筋肉だけでなく筋膜である可能性も考えられます。
筋膜とは文字通り、筋肉を包んでいる膜のことを指します。
筋膜には筋肉を保護する作用や、筋肉が収縮した際にその動きを手助けする作用などがあります。
しかし、デッドリフトのようにトレーニングを行うことで筋膜が硬く凝り固まってしまい、筋肉の滑らかな動きを阻害してしまうことがあります。
これはトレーニングを過剰に行ったことによる乳酸の蓄積が原因だと言われています。
筋膜の硬化が腰痛の原因になっている場合には、筋膜リリースがおすすめです。
筋膜同士の癒着を解きほぐして、筋肉が本来の動きを取り戻せるようになり、腰痛の改善につながります。
腰椎椎間板ヘルニア
上述で示したように、デッドリフトは正しいフォームで行わないと腰へ過剰な負荷がかかってしまいます。
特に腰椎椎間板ヘルニアを患っている人は注意が必要です。
腰椎椎間板ヘルニアとは、腰椎と腰椎の間にある軟骨が外に飛び出した状態のことを指します。
軟骨が外へ飛び出すと神経を圧迫して、痺れや疼痛といった症状として現れます。
デッドリフトを正しいフォームで行わないと腰椎へ過剰な負荷がかかってしまい、ヘルニアを助長してしまいます。
腰椎分離症
腰椎分離症も腰椎椎間板ヘルニアと同様、デッドリフトの影響で腰を痛めてしまう可能性があります。
腰椎分離症とは、腰椎の後方部分にある椎弓と呼ばれる部分が分離した状態のことを指します。
症状としては腰痛や下肢痛が挙げられます。
腰椎分離症の状態でデッドリフトを行うと、腰痛を助長してしまう危険性があるため、まずは整形外科などの専門家に診察してもらうことをおすすめします。
デッドリフトで腰痛にならないためには
デッドリフトは複数の筋肉を鍛えられるトレーニングである一方、間違ったやり方をしていると腰を痛めてしまうということが分かりました。
では、腰を痛めずにデッドリフトをするためにはどうすれば良いのでしょうか。
今回はデッドリフトを行う際に、腰痛にならないための方法を伝授します。
デッドリフトの負荷を調整する
デッドリフトを行う際はまず自分に合った負荷を見つけましょう。
デッドリフトは、バーベルを持ち上げるだけで多くの筋肉を賦活させることができるため特に初めての方は負荷を限界まで上げがちです。
しかし、自分の限界を超えた負荷は体への負担が大きく腰を痛めるリスクも上がってしまいます。
目安としてはバーベルをギリギリ10回上られるくらいの負荷に設定しましょう。
10回以上挙げられる、もしくは10回上げられないといったような負荷は見直すことをおすすめします。
特に、10回上げられない負荷は体にとって高負荷になりすぎてしまうため、改善するようにしましょう。
正しいフォームで行う
自分に合った負荷量を見つけたら、デッドリフトを行う際のフォームを見直してみましょう。
フォームが崩れていると腰への負担が大きくなってしまい、デッドリフトの効果も軽減してしまいます。
正しいデッドリフトのやり方については次の章で詳しく解説します。
ストレッチをして筋肉の柔軟性を確保しておく
正しいフォームでデッドリフトを行うためには、まず筋肉の柔軟性を獲得しておく必要があります。
デッドリフトを行う際、自分に合った重量や正しいフォームで行うことは非常に重要です。
しかし、筋肉の柔軟性がないと、正しいフォームでのデッドリフトは難しくなってしまいます。
特に股関節や、胸椎と呼ばれる胸の後ろ側にある背骨の柔軟性を獲得しておくことはとても重要です。
まずはストレッチをして、筋肉を動かしやすくした状態でデッドリフトを行うようにしましょう。
腰痛防止!デッドリフトの正しいやり方
デッドリフトはバーベルを持ち上げて複数の筋肉へアプローチするトレーニングです。
一見簡単そうに見えるトレーニングですが、正しいフォームで行えている方は意外と少ないです。
対象の筋肉への効果を最大限に発揮し、腰への負担を少なく行うことが最も理想的な形となります。
この章では正しいデッドリフトのやり方について紹介します。
立ち位置
デッドリフトで腰を痛めてしまう原因として、バーベルと体の位置が遠すぎることが挙げられます。
最低でも、バーベルがすねや太ももをかすめるくらいの距離を保つようにしましょう。
両足は腰幅くらいまで開きましょう。
開きすぎると体に力を入れることができず、バーベルを上手く持ち上げることができません。
そして最後に目線を真っ直ぐに保ちバーベルを持ち上げます。
バーベルを握る
正しい姿勢で立ち位置を決めたら、次にバーベルを握ります。
バーベルを持つ手を肩幅くらいまで開き、しっかりと握ります。
手の位置が狭すぎると肩甲骨が開いてしまい、猫背のような姿勢になってしまうため、効率的にバーベルを持ち上げることができなくなってしまいます。
また、手の位置が広すぎるのもNGです。
手の位置が広すぎると背中に過剰な負荷がかかってしまいます。
そのような姿勢でのデッドリフトは、腰痛を招く原因になってしまいます。
バーベルを持ち上げる際は、手の位置は肩幅で行いましょう。
そして、背中を真っ直ぐに保ち、お尻を後ろへ突き出すような姿勢をとります。
自分の姿勢が合っているか分からない人は、鏡などで確認しながら行ってみましょう。
バーベルを持ち上げる
正しい姿勢で立ち位置を決め、バーベルを握ったらいよいよバーベルを持ち上げます。
バーベルを持ち上げる時のポイントはバーベルを握った時の姿勢のまま持ち上げるということです。
人間は重たいものを持ち上げようとする時、無意識で腰を反ってしまいます。
しかし、それでは腰へ過剰なストレスがかかってしまうため、大変危険です。
バーベルを持ち上げる際は握った姿勢のまま腰は反らずに持ち上げましょう。
もし、腰を反らないとバーベルが挙がらないという方はバーベルの重量を見直しましょう。
さらにバーベルを持ち上げる際はフォームだけでなく持ち上げる速さにも注意が必要です。
バーベルを一気に持ち上げようとすると、腰や背中の筋肉へ負荷が集中し腰を痛めてしまう危険性があります。
従って、バーベルを持ち上げる際は腰を反ったり丸めたりせず、ゆっくりと時間をかけて持ち上げましょう。
バーバルを置く
バーベルを置く際も、最後まで姿勢を保ったまま行うようにしましょう。
特に注意する点は、背中を丸めないようにすることです。
背中を丸めた状態でバーベルを置こうとすると、トレーニングの効果を減少させてしまいます。
また、バーベルを下ろす時も挙げる時と同様、ゆっくり下ろすようにしましょう。
一気にバーベルを下ろすことは腰痛のリスクを高めてしまいます。
バーベルを下ろす際にはフォームを崩さずにゆっくりと少しずつ下ろすことが大切です。
デッドリフトで腰を痛めた時の対処法
前の章で、デッドリフトの正しいやり方を紹介しましたが、万が一腰を痛めてしまったらどうしたらいいのか、その対処法も紹介します。
安静にする
デッドリフトで腰を痛めてしまった際は、直ちに運動を中止しましょう。
腰の痛みに耐えながら運動を続けることは、腰痛を悪化させてしまうリスクがあります。
もし横になれる場合は体を横にしてリラックスしましょう。
デッドリフトで腰を痛めた時はまずは安静にすることが大切です。
患部を冷やす
デッドリフトでズキっとするような腰の痛みを感じた場合は患部を冷やしましょう。
デッドリフトによる腰痛は急性腰痛である可能性が高いです。
急性腰痛とは俗に言う「ぎっくり腰」のことで、急な動作などで、筋肉が損傷した状態のことを指します。
急性腰痛は慢性腰痛のようなズーンとする重だるいような痛みとは違い、ズキっとするような鋭い痛みが特徴です。
腰にそのような痛みを感じた時は、筋肉が炎症を起こしていると考えられます。
筋肉が炎症を起こし痛みを発生させている場合は患部を冷やして様子をみましょう。
整形外科への受診とリハビリ治療
デッドリフトによる腰痛が何日も続く場合は整形外科のような専門の医療機関を受診しましょう。
専門家から正しい診察を受け、適切な治療を受けることが望ましいです。
また、理学療法士などにリハビリテーションプログラムを組んでもらうことも大切です。
デッドリフトの正しいフォームの習得や、腰痛再発予防エクササイズなど多方面からアプローチしてくれます。
整体を受診する
デッドリフトによる激しい腰の痛みに悩まされている方は、整体への受診もおすすめです。
整体へ行くことで腰痛の根本的な原因を探り、改善治療を受けることができます。
デッドリフトでの腰痛に悩まされている方は当院での施術がおすすめです。
「セルフケア整体」では腰痛の原因を根本から治療し、症状を改善します。