日本人に多い自覚症状のトップに君臨しているのが「腰痛」です。40代、50代の女性にとって腰痛の原因はさまざまです。
この記事では、40代、50代の更年期女性に多い腰痛の悩みの原因や症状、そして日常生活における予防と対策方法について詳しく解説していきます。日常生活で気をつけるべきポイントや適切なストレッチ方法、予防法なども紹介し、腰痛を軽減させるための情報をお伝えします。健康な生活を送るために、腰痛について正しい知識を身につけましょう。
目次
40~50代女性に多い腰痛の原因とは?
40代、50代の更年期女性に多い腰痛の悩みの原因としては、似ているものもありますが異なる原因の場合もありますので、年代を分けて解説します。
40代女性の腰痛の主な原因とは?
40代女性の腰痛の主な原因は以下の通りです。
1.ホルモンバランスの変化(更年期障害):
40代に入ると女性のホルモンバランスが変化し、更年期障害が起こることがあります。更年期になると女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が低下し、自律神経のバランスが乱れることで腰痛が発生する可能性があります。女性ホルモンの減少による血流の悪化や筋肉のこわばりが腰痛を引きおこします。更年期障害は個人差が大きいですが、専門の医師に相談することで治療可能です。
2.自律神経失調症:
自律神経のバランスが崩れることによって、筋肉の緊張や血行の低下が起こり、腰痛を引き起こす可能性が高まります。ストレスや不規則な生活習慣などが要因となり、腰痛を悪化させることもあります。自分のストレスに気付いて、発散すること、規則正しい生活習慣を送ることが対策になります。
3.骨粗しょう症:
骨密度が低下し、骨がもろくなる骨粗鬆症は、40代以降の女性によく見られます。腰椎の骨が弱くなることで腰痛が発生することがあります。若い頃の過度なダイエットの影響で骨粗しょう症のリスクが高まります。
4.筋力低下:
年齢とともに筋力が低下してくることも腰痛の原因です。腰周りの筋肉の弱化やバランスの崩れによって、腰に負担がかかり痛みが生じることがあります。誰でも老化はしますが、意識的に日常の中に筋力トレーニングを取り入れることで、腰痛の改善や予防効果があります。
5.椎間板ヘルニア:
脊椎の椎間板が突出して圧迫や損傷を受け、内部のゼリー状の組織が飛び出す椎間板ヘルニアも40代女性の腰痛の一因です。椎間板ヘルニアが生じると、腰に痛みやしびれ、筋力低下が生じることがあります。椎間板ヘルニアが坐骨神経痛を引き起こす場合があり、お尻から足にかけて痛みやしびれが生じると生活の質を下げてしまいます。
6.出産経験:
女性が出産を経験すると、骨盤に負担がかかることで腰痛のリスクが高まります。出産後の筋力低下や骨盤の不安定さが、腰部に負担をかける原因です。骨盤底筋を鍛えることで出産経験による腰痛を改善できます。
7.婦人科疾患:
子宮に異常が生じることで腰痛を引き起こす可能性がある疾患として、子宮内膜症、子宮筋腫、子宮体がん、月経困難症などがあります。がんによる転移によって、子宮周囲の器官や組織に影響を及ぼすことがあります。自覚症状を放置せず、医師の診察を受けることは早期発見・早期治療につながります。
50代女性の腰痛の主な原因とは?
50代の女性の腰痛の主な原因は、以下の要因が考えられます:
1.更年期によるホルモンバランスの変化:
更年期では女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が減少し、自律神経のバランスが乱れることで腰痛が発生する可能性があります。女性ホルモン(エストロゲン)の減少による血流の悪化や筋肉のこわばりが腰痛を引きおこします。40代の女性と同様に、更年期障害の専門の医師に相談するとよいでしょう。
2.筋力の低下:
50代になると、骨盤周囲の筋肉や靭帯が緩む傾向があります。特に腰周りの筋肉の弱化やバランスの崩れが腰痛を引き起こすことがあります。適度な運動や筋力トレーニング、ストレッチを日常生活に取り入れることで、腰痛の予防や改善に効果が得られます。
3.過度な身体的負荷:
長時間の立ち仕事や重い物の持ち運びなど、腰に負担のかかる身体的な活動が続くことも腰痛の原因となります。子育て世代でもある50代はフルタイム、パートタイム労働が多くなる年代であり、過度な身体的負荷がかかりやすいと言えます。長時間のデスクワークやハイヒールを日常的に使用する女性は、特に腰痛を訴えることが多いです。腰への負担を軽減するクッションの使用や、足を休める時間を作るなど、意識的に腰痛の原因となる身体的負荷を減らしましょう。
4.生活習慣の影響:
長時間の座り仕事やスマートフォンの使用による前かがみの姿勢にともなう不適切な姿勢、ストレスなどの生活習慣や運動不足が、腰痛を引き起こす要因となります。自分の姿勢を意識して、正すことで筋力トレーニングをかねることができます。
5.加齢による変化:
加齢とともに椎間板や関節の変化が起こり、腰痛が発生することがあります。加齢を止めることは難しいですが、日々の意識的な運動やストレッチが重要な腰痛対策になります。
40代と50代の女性の腰痛の原因には年齢や生活環境などによる違いがあります。適切な予防策や治療を行うためには、個々の状況に合わせたアプローチが大切です。症状が慢性化している場合や痛みがひどい場合は、専門家や医師に相談しましょう。
女性に多い冷え性による腰痛
男性と女性で比べると、筋肉量が少ないために冷えやすい特徴をもちます。筋肉には熱を作り出して、熱を運ぶ働きがあります。筋肉量が少ないと、熱を生み出しにくく、運びにくいことから冷え性になりやすいです。女性の体は冷えると温まりにくい脂肪が多いため、冷えやすいと言えます。
また、更年期に入ると女性ホルモンの変動によって血行が悪化し、冷え性の症状が悪化することがあります。そのため、40代、50代の女性は特に冷え性と腰痛の関連が深い年齢層といえます。
体が冷えることで、血流が乱れ栄養素や酸素の供給が鈍くなり、疲労物質がたまることで腰痛を引き起こします。
女性であること自体が冷えやすい背景を理解して、日頃からの冷え対策を取り入れることは腰痛の予防・改善につながります。
冷え性による腰痛を予防するためには以下の対策が有効ですので、参考にしてみてください。
身体をあたためる:
いわゆる「温活」です。手首、足首、首を冷やさないことを意識して、服装を調節しましょう。特に足首を冷やすことで身体は冷えてしまうので、1年中気候に合わせたレッグウォーマーの使用をおすすめします。筆者は冷え対策として、通気性のよいレッグウォーマーを一年中使用したり、足湯を取り入れたり、常温の水やお茶を飲む、身体を温める力をもつ根菜を食べることを意識的に行っています。小さなことからでも一つ始めると、セルフケアできることの楽しさを実感できますので、お試しください。
食事に注意する:
地面の下で育つ野菜、黒・赤・オレンジ色の野菜が身体を温めてくれます。一般的には生姜が思い浮かぶでしょう。しかし、生姜の生食は身体を冷やす一面をもっているので食べすぎないようにしましょう。かぼちゃ、人参、ネギ、たまねぎ、ごぼう、れんこん、にら、にんにく、ふき、赤唐辛子も身体を温めてくれる食材なので、意識して毎日の食事に取り入れてみてください。
温かい飲みものを摂る:
冷たい飲み物は内臓を冷やします。内臓が冷えると消化機能が低下したり、代謝が落ちたり、免疫力が下がるので、冷たい飲み物は嗜好の範囲内として、飲みすぎないように意識をしてましょう。そして、温かい飲み物を飲むことを心がけましょう。
運動をする:
筋肉量を増やすことで、熱産生しやすくなります。そして、冷えを予防・改善できるだけではなく、腰痛の原因になる運動不足の解消にもなるので、意識的に日常の中にウォーキングやストレッチ、ヨガなどを取り入れましょう。特に大きな筋肉に動かして、熱産生を促すことが効果的です。腰痛を予防するために腹筋、背筋、お尻周りの筋肉の3つを意識的に動かすことが冷え対策にも直結しますので、日常生活に取り入れてみてください。
栄養バランスの乱れによる腰痛
飽食の時代と言われている現代において、実は栄養バランスの乱れが原因で腰を引き起こしている場合があります。栄養バランスが乱れるといろんな不具合が起きますが、腰痛もその一つです。
特に糖質を摂り過ぎると腰痛を引き起こすリスクが高まります。
糖質の摂りすぎが腰痛の原因になる理由は、AGE(糖化最終生成物)という物質が骨や軟骨・筋肉・じん帯を劣化させるためです。糖質を摂取すると、体内で最終的にブドウ糖に変化しますが、多量にブドウ糖が体の中で存在するとAGEという物質を作り出します。
栄養バランスの乱れによる腰痛の対策は以下の通りです。意識的に日常に取り入れることで、腰痛の予防や改善を期待できますのでお試しください。
砂糖をひかえる、糖質はご飯で摂る:
人間が生きていくうえで大切な糖質ですが、糖質の摂りすぎはさまざまな健康を阻害するリスクを引き起こします。一時的な糖質制限はダイエット効果が期待されますが、糖質を完全にオフにすると脳はエネルギー不足となり集中力が低下し、判断力が鈍くなることがあります。また、糖質が不足することでタンパク質をエネルギー源に利用するため、筋肉量が減少し、腰痛のリスクを高めることになります。何事もほどほどに行うとよいでしょう。
砂糖と糖質は同じ「糖」を使用する言葉ですが、似て非なるものです。砂糖をゼロに近づけると冷え性の改善を認め、痛みの閾値を高めます。つまり、痛みの閾値が高いということは「痛い」と感じることが減ります。「腰が痛い」という悩みをなくす、改善できる対処方法として、砂糖を摂らない、減らすことを意識する食生活を提案します。
食後の甘いものを食べるために、ご飯を減らす発想はデザートが大好きな女性に多いですが、実はしっかりとご飯を食べると砂糖たっぷりのデザートを身体は欲しなくなる経験を筆者はしております。炭水化物として、ご飯をしっかり食べるとつい習慣で食べていたスイーツ量が減り、、身体は軽くなり、イライラから解放されて健康になります。砂糖には確かにリラックス効果はあるとされていますが、デメリットも多いので気をつけて摂りましょう。
バランスの取れた食事を心がける:
小学校のころから、「バランスよく食べる」ことは耳に入ってくることですが、腰痛対策であるとともに、健康維持のために必要なことです。ビタミンやミネラルをしっかり意識的に接種すると同時に、過剰な糖分を摂りすぎないようにしましょう。1日に必要な野菜の量として、両手いっぱいの野菜350gがよく目安としてあげられます。外食するとしても、単品ではなく副菜や汁物がついたメニューを選ぶことで、必然的にバランスの取れた食事を摂ることになりますので、心がけてみてください。
適切な栄養素を摂取する。:
空腹になれば、コンビニエンスストアや冷凍食品を電子レンジで温めるなど、手軽に食べることが可能な現代において、簡単に食生活は乱れがちです。便利な時代だからこそ、「食べるもので心身は作られる」ことを意識して、体が喜ぶ食事を心がけることは生活習慣予防にもつながります。
食生活の乱れの影響
・炭水化物と脂質の大量摂取
・ビタミン、ミネラル、食物繊維の不足
・たんぱく質不足
・塩分の過剰摂取
ここからは、腰痛予防に効果的な栄養素について詳しく解説しましょう。
◯カルシウム
骨を強くすることが大切です。
カルシウムは、牛乳や乳製品、煮干し、小魚、干しエビ、ごまなどに多く含まれています。
また、カルシウムの吸収を助ける働きのあるビタミンDや骨を作るのに欠かせないマグネシウムも大切です。
◯ビタミンD
ビタミンDは1日20分程度日光をあびることで体内で作られるので、散歩やウォーキングをしていると腰痛予防の運動と栄養の相乗効果を得られることになります。ビタミンDは、天日干しのしいたけやきくらげ、鮭やいわしなどの魚類、卵黄などに多く含まれています。
◯マグネシウム
マグネシウムは、カルシウム同様に骨の成長と強化に必須であり、骨の健康を保つミネラル(微量元素)です。マグネシウムは、1位あおさ、2位あおのり、3位天草に多く含まれており、他にはひじき、干しエビ、アーモンド、きなこにも多く含まれています。
◯たんぱく質
筋肉を強くすることも大切なポイントです。
たんぱく質は、肉、魚、大豆製品に多く含まれています。
また、たんぱく質が筋肉に変化するのをサポートするビタミンB6も大切です。
ビタミンB6は、赤身の魚、レバー、バナナなどに多く含まれています。
◯ビタミンB12
腰痛を和らげる栄養素です。
末梢神経の傷を修復する作用があり、肩こりや神経痛の改善にも良いと言われています。
ビタミンB12はイワシやさんまなどの青魚、しじみやあさりなどの貝類に多く含まれています。
◯ビタミンB1
疲労回復にはビタミンB1が有名です。
また、血液の循環を改善し、精神を安定させるDHAやEPAも疲労回復に良いと言われています。
ビタミンB1は、豚肉、うなぎ、海藻類に多く含まれています。
腰痛とストレスの関係性とは?
腰痛と密接に関わる要素として、ストレスがあります。ストレス社会と言われる現代において、ストレスは万病のもとであると言われ、様々な心身への負担が体の不調につながるので、自分のストレスに気づき、発散することが健康維持につながり、セルフケアをしていることになります。
また、ストレスによって自律神経のバランスが乱れて、痛みを感じやすくなることも影響します。痛みの閾値があがることで、腰痛以外にも肩こり、膝の痛み、頭痛などの痛みの部位が増えることがあります。そもそも、姿勢の悪さや筋肉不足などの腰痛の原因がある方には肩こりや頭痛、膝の痛みなどの他の部位の痛みを併せ持つことが多いです。ストレスがあることで運動意欲の低下や不規則な生活習慣を引き起こして、腰痛を悪化させる悪循環に陥ることもあります。
ストレスと腰痛の関係性は、以下のような要素が関与しています。
1.筋肉の緊張:
ストレスや不安などの心理的な負担は、筋肉の不必要な緊張を引き起こすことがあります。特に腰部の筋肉が緊張しやすくなり、腰痛を引き起こす可能性があります。
2.炎症の増加:
ストレスは体内の炎症反応を増加させることがあります。炎症が腰部の組織に広がると、腰痛を引き起こすことがあります。
3.血流の悪化:
ストレスによって血管が収縮するため、血流が悪くなってしまうことがあります。腰部の筋肉や椎間板に十分な酸素や栄養が供給されない場合、腰痛が発生する場合があります。
50代の女性におすすめするストレス発散方法を紹介
ストレス発散が健康のためには重要です。ストレスがたまっていることに気づいていないこともありますが、ストレスの蓄積の先には心身の不調をきたして、健康障害が生まれるので、意識的に自分のストレスサインに気づいて、発散することをおすすめします。
日光をあびる
1日15〜30分の日光を浴びることで、脳内に「セロトニン」という神経伝達物質が分泌されます。セロトニンは「幸せホルモン」とも呼ばれており、精神の安定をもたらしてくれる作用をもっており、幸せホルモンであるセロトニンの増加でストレスを減らしましょう。
紫外線=日焼けしてしまうと避けてしまいがちな日光ですが、人には日光はとても大切です。閉経を迎える女性に起こりやすい「骨粗しょう症」の予防や改善に日光を浴びることは重要な役割を果たします。
日光を浴びると、身体はビタミンDを生成してくれ、ビタミンDはカルシウムの吸収を促進し、骨の健康をサポートしてくれます。腰痛の予防にも骨の健康は重要です。
もちろん、長時間の日光を浴びることでの肌への負担は大きいので、適度な時間として15分~30分程度の時間を目安に日光をあびたり、日焼け止めを使用しましょう。
身体を動かす
身体を動かすことは、ストレス発散に有効的ですが、腰痛が強い場合は様子をみながら行いましょう。強い痛みのある場合は、疾患がある場合があるため、整形外科や専門の医師の診察を受けて、安静に過ごすかの指示を仰ぐとよいでしょう。ただし、痛みがあるから動かないことはそもそも筋力や体力低下をもたらして、身体機能の低下をもたらします。医師と相談の上、痛みと相談しながら行いましょう。どこまで身体を動かしていいのか分からない方は、医師やリハビリのスタッフなどに今の状態を確認してもらい、アドバイスをもらって、運動をしてください。
ストレッチも筋肉の緊張をゆるめ、心身をリラックスさせる効果があります。
特にウォーキングはリズム運動といって、セロトニンを増やす運動の代表例です。ストレスを減少させることが可能ですので、まずは自宅の周りを散歩する時間をとる、階段を使う意識をしてみる、駐車するときにいつもより遠い場所に止めて歩くなど、「歩く」ことを意識して取り入れることから始めてみてください。
湯船にゆっくりつかる
湯船にゆっくりつかることで、冷えによる腰痛を和らげる効果とストレス発散効果をもたらします。身体が温まることでリラックスできるからです。温かいお湯につかることで、筋肉の緊張がゆるむことで、心身の疲れやストレスが解消されるので、お風呂はシャワーだけで済ませず、熱すぎないお湯にゆっくりつかることを心がけましょう。入浴することで、リラックスするので、自律神経の働きを高めてくれる効果もあります。
しっかりと休息・睡眠をとる
しっかりと休息や睡眠をとることは、ストレス発散や腰痛の改善に重要です。
休息や睡眠を十分にとることで、心身の疲れを回復させることができます。特に腰痛に悩んでいる場合、十分な休息と睡眠はとても大切です。寝るときには、自分の身体にあう適切なマットや腰や背骨、腹筋をほぐすストレッチや軽い運動を行うこともおすすめです。
腰痛の予防・改善に適したマットレスを選ぶポイントとして、
・身体の自然な曲線をサポートし、適切な姿勢を保てる
・適度な硬さを柔らかさのバランスがよい
・体重を均等に分散させることができる(体圧分散)
・腰部のサポート機能がある
腰痛の予防・改善に適した枕を選ぶポイントとして、
・適度な高さがあり、頭と首の間に隙間がない
・体圧分散できる
・通気性の良い
・自分の寝姿や体型にあるものを選ぶ
マットレスや枕は、個人の好みや身体の状態で選ぶ必要があります。自分に合った適切なタイプのマットレスや枕を選ぶことで、腰痛予防や改善に役立ち、睡眠の質の向上を得られます。
専門家のアドバイスを受けることも腰痛予防やストレス発散への近道になるでしょう。
好きなものを食べる
疲れていると甘いものが欲しくなることがありますが、砂糖は体のエネルギー源になるだけではなく、脳内の神経物質に働きかけることでリラックス効果を得ることができます。食べすぎないように食事の中に好きなものを取り入れるようにしましょう。
タンパク質に含まれるトリプトファンは、幸せホルモンのセロトニンの材料になるので、積極的に摂りたいものです。ストレスで食欲がない場合でも、できるだけ消化の良いものを選んで摂取するようにしましょう。
セロトニンは脳内での痛みの感じ方を調節する役割をもっています。セロトニンが不足すると、痛みの感じ方が増すことがあり、腰痛の症状を悪化させる可能性があります。好きなものを食べることによって、ストレス発散効果に加えてセロトニンが増えるため、腰痛の緩和や予防につながるメリットがあります。
セロトニンを増やす食材はたんぱく質を多く含むものになるため、腰痛予防にも効果的です。食事の中に、バナナ、赤身肉、赤身魚、ナッツ類、鶏肉、卵などを取り入れてみてください。
50代女性の腰痛を改善するストレッチ方法
40代、50代女性の腰痛を改善するためのストレッチ方法をいくつかご紹介します。毎日一つでもやってみましょう。寝る前に取り入れることで、全身をほぐすことができ、ストレス発散にもなります。また緊張した筋肉をほぐしてくれるので、睡眠の質の向上にも効果的です。
- 膝胸ストレッチ:
腰と背中のストレッチに効果的です。お母さんのお腹の中にいたとき、丸くなっていたので身体を小さく丸めるストレッチはリラックス効果をもたらします。
・床に仰向けに寝て、両膝を曲げます。
・ 両手で膝を抱え込み、背中を床に密着させるようにします。
・この姿勢を数秒間キープし、ゆっくりと元の姿勢に戻します。
・これを数回繰り返します。
2. ペルビックティルト(お尻周りの筋肉を鍛えて、骨盤の安定性を高める):
・床に仰向けに寝転び、膝を曲げます。
・腰とおしりを浮かせます。
・おしりを締める意識をしつつ、数秒間キープします。
- 腰部と背中のストレッチ:
・椅子に座り、背中をまっすぐに伸ばします。
・右手を左膝にかけ、左手を椅子の背もたれにつけます。
・腰部と背中にストレッチがかかるように保持し、数秒間キープします。
・ゆっくりと元の姿勢に戻し、反対側も同様に行います。
4.カットウエスト:
・立ち上がって足を肩幅に開きます。片手を゙腰に手を当てます。
・ゆっくりと腰を横に倒し、数秒間キープします。
・反対側も同様に行いましょう。
5.スーパーマンポーズ(背筋を鍛えることで、姿勢を改善する):
・四つん這いの状態で、右手と左足を同時に伸ばします。
・数秒間キープし、元の姿勢に戻します。左手と右足も同様に行いましょう。
6,軽いツイストストレッチ:
・仰向けに寝て、両膝を曲げたまま、ゆっくり左右に膝を倒します。
・腰部の筋肉をほぐし、柔軟性を向上させてくれるストレッチ。
7.カットストレッチ:
・仰向けに寝て、片方の足を伸ばし、もう一方の足を曲げます。
・曲げた足を手で抱え、ゆっくりと胸に引き寄せます。
・腰部とハムストリングを伸ばす効果があります。
ストレッチを行うことで、腰の筋肉を伸ばし、柔軟性を向上させる効果をもちます。何事も習慣として続けることで、腰痛の改善や予防の効果を得られます。ただし、痛みがひどい場合や症状が慢性化している場合は、ストレッチそのものが悪影響を与えることがあるので、専門の病院の医師や整形外科を受診して診てもらいましょう。
継続的にウォーキングをしよう
ウォーキングの効能は以下のとおりです。身体面、精神面に大きな効果をもたらします。
ウォーキングの効果
・体質改善や体脂肪の燃焼効果のある有酸素運動である
・血圧や血糖値の改善
・心肺機能の向上や持久力のアップ
・気分を爽快にし、ストレス解消
・自然や季節の変化を感じ、リラックスできる
歩きやすい運動靴を履いて、まずは自宅の周りを歩いてみましょう。最初は短時間から始めて自分の体と相談しながら、徐々に距離や時間を伸ばしていくことをおすすめします。最初は、15~20運程度から始めてください。
まとめ
腰痛があるとそれだけで生活の質がさがります。病気に起因する腰痛もありますので、ストレッチや筋トレをしても改善しない場合、日増しに増強する腰痛は受診して、医師の診察を受けて原因を調べてましょう。「食べたもので心身はつくられる」ことを意識して、腰痛に効果的な栄養素を日頃の食事にバランスよく取り入れて、ストレス発散を意識しつつ、手軽な運動やストレッチを行い、腰痛予防をしていきましょう。