この記事は「セルフケア整体 院長・森下 信英(NOBU先生)」の監修のもと作成されています。
五十肩(肩関節周囲炎)で病院に行く場合、まず整形外科を受診することが推奨されます。整形外科では、肩関節の状態や痛みの程度、動きの制限などを専門的にチェックし、適切な診断と治療法を提案してくれます。この記事では、五十肩治療に精通した専門家が、病院選びのポイントから具体的な治療法、期間、費用まで網羅的に解説いたします。
五十肩の治療では、早期の診断と適切な治療開始が最も重要です。放置すると症状が長期化する可能性があります。
目次
五十肩の症状が出たら、まず何科を受診すべき?
五十肩の症状が現れた際には、整形外科が第一選択となります。整形外科専門家は、肩関節周囲炎の診断と治療において豊富な経験と専門知識を有しています。
整形外科を選ぶ理由
- 肩関節の構造や疾患に関する専門知識が豊富
- レントゲン、超音波、MRI検査などの診断設備が充実
- 注射治療や手術まで幅広い治療選択肢を提供
- 理学療法士との連携でリハビリテーションも可能
ただし、症状の程度や患者様の状態によっては、ペインクリニックや整骨院も治療選択肢として検討できます。
失敗しない!五十肩治療でおすすめの病院を選ぶ7つのポイント
良い病院選びは、五十肩の早期回復に直結します。以下のポイントを確認して、最適な医療機関を見つけましょう。
チェックポイント | 重要度 | 詳細 |
---|---|---|
整形外科専門医の在籍 | ★★★ | 日本整形外科学会認定医の有無を確認 |
肩関節専門外来の設置 | ★★★ | 肩疾患の治療実績と経験が豊富 |
検査設備の充実度 | ★★☆ | レントゲン、超音波、MRI検査が可能 |
リハビリ施設の併設 | ★★☆ | 理学療法士による専門的な運動療法 |
アクセスの良さ | ★★☆ | 通院の継続しやすさを考慮 |
診療時間と予約の取りやすさ | ★★☆ | 土曜診療や夜間診療の有無 |
患者の口コミや評判 | ★☆☆ | 実際の治療体験者の声を参考 |
病院ではどんな治療をするの?五十肩の主な治療法と流れ
整形外科での五十肩治療は、症状の進行段階に応じて段階的にアプローチします。
保存療法(非手術治療)
薬物療法
- 消炎鎮痛剤:痛みと炎症を抑制する薬剤
- 筋弛緩剤:筋肉の緊張を和らげる効果
- 湿布薬:局所的な痛み止め効果を期待
注射治療
- ステロイド注射:強力な抗炎症作用で急性期の痛みを軽減
- ヒアルロン酸注射:関節の潤滑性を改善
- トリガーポイント注射:筋肉の緊張部位へのピンポイント治療
物理療法・運動療法
- 温熱療法(ホットパック、超音波治療)
- 電気治療(低周波、干渉波治療)
- 理学療法士による個別リハビリテーション
手術療法
保存療法で改善が見られない場合、関節鏡手術や授動術を検討します。これらの手術は最小侵襲的で、回復期間も短縮される傾向があります。
五十肩の検査と診断:病院で実施されること
問診と身体診察
専門家は、症状の発症時期、痛みの性質、日常生活への影響などを詳しく聞き取ります。また、肩関節の可動域測定や圧痛点の確認も実施します。
画像検査の詳細
レントゲン検査
五十肩自体にはレントゲンで異常所見は見られないことが多いとされています。しかし、他の疾患(石灰沈着性腱板炎、変形性関節症など)との鑑別診断に重要な役割を果たします。
超音波検査
筋肉や腱などの軟部組織を詳しく観察でき、腱板損傷の有無を確認できます。リアルタイムでの動的評価も可能です。
MRI検査
肩関節周囲の詳細な画像診断が可能で、腱板断裂や関節包の肥厚などを評価します。治療方針決定に重要な情報を提供します。
五十肩治療の期間と費用:保険適用と目安について
治療期間の目安
五十肩の治療期間は個人差がありますが、一般的に3か月から2年程度とされています。病期により治療アプローチが異なります。
- 急性期(炎症期):2~9か月程度 – 強い痛みが特徴的
- 慢性期(拘縮期):4~12か月程度 – 肩の動きが制限される時期
- 回復期(解氷期):5~26か月程度 – 徐々に可動域が改善
治療費用の詳細
五十肩治療は健康保険が適用され、患者負担が軽減されます。
治療内容 | 3割負担での目安 | 備考 |
---|---|---|
初診料(診察・レントゲン) | 2,000~3,000円 | 初回受診時 |
再診料(診察・処方) | 1,000~1,500円 | 定期通院時 |
ステロイド注射 | 1,500~2,500円 | 症状に応じて |
理学療法(1回) | 500~800円 | 週2-3回推奨 |
MRI検査 | 5,000~8,000円 | 精密検査時 |
整形外科・整骨院・ペインクリニックの違いと使い分け
五十肩治療には複数の選択肢があります。それぞれの特徴を理解し、適切な医療機関を選択することが重要です。
整形外科の特徴
特徴:医師による診断・治療、画像検査、処方薬、注射治療が可能です。
メリット:根本的な診断と治療、重症例への対応が可能です。
適用:初回診断、重度の症状、薬物治療が必要な場合に最適です。
整骨院の特徴
特徴:柔道整復師による手技療法、物理療法を中心とします。
メリット:アクセスの良さ、手技によるケアが受けられます。
適用:軽度の症状、日常的なケアに適しています。
ペインクリニックの特徴
特徴:痛み専門の医師による神経ブロック治療を専門とします。
メリット:強い痛みに対する効果的な治療が期待できます。
適用:保存療法で改善しない強い痛みに有効です。
専門家が教える五十肩予防と日常生活での注意点
五十肩の予防と症状悪化を防ぐため、日常生活で気をつけるべきポイントをご紹介します。
日常生活での工夫
- 肩を冷やさないよう保温に気をつける
- 同じ姿勢を長時間続けない
- 無理な動作は避け、痛みの範囲内で動かす
- ストレス管理と十分な睡眠を心がける
- 適度な運動習慣を維持する
効果的なセルフケアの方法
- 温熱療法(入浴、温湿布)で血行を改善
- 軽度の関節可動域運動(ペンデュラム運動)
- 肩甲骨周りのストレッチを継続
- 正しい姿勢の維持を心がける
五十肩の病院選びに関するよくある質問
Q. 五十肩で病院に行く場合、何科を受診すればいいですか?
A. 五十肩(肩関節周囲炎)の場合、まず整形外科を受診することをおすすめします。整形外科専門家は肩関節の構造や疾患に精通しており、適切な診断と治療を受けることができます。必要に応じて、ペインクリニックや理学療法科への紹介も可能です。
Q. 五十肩の診断にはどのような検査が実施されますか?
A. 五十肩の診断では、まず問診と身体診察(肩関節の可動域測定)を実施します。画像検査としては、他の疾患との鑑別のためにレントゲン検査、軟部組織の評価のために超音波検査、詳細な診断が必要な場合はMRI検査を実施します。
Q. 五十肩の治療期間はどのくらいかかりますか?
A. 五十肩の治療期間は個人差がありますが、一般的に3か月から2年程度とされています。急性期(2~9か月)、慢性期(4~12か月)、回復期(5~26か月)の3段階に分かれ、適切な治療により症状の改善が期待されます。
Q. 整形外科以外にも治療選択肢はありますか?
A. はい、整形外科での診断後、症状や患者様の状態に応じて整骨院、ペインクリニック、理学療法科などでの治療も選択肢となります。ただし、まずは整形外科で正確な診断を受けることが重要です。
Q. 五十肩を放置するとどうなりますか?
A. 五十肩は自然に治る可能性もありますが、放置すると症状が長引いたり、肩の可動域制限が残る場合があります。早期に適切な治療を受けることで、症状の軽減と機能回復を促進できるため、専門医への相談をおすすめします。
Q. 五十肩の治療費はどのくらいかかりますか?
A. 五十肩の治療は健康保険が適用されます。初診料(診察・レントゲン)で3割負担2,000~3,000円、再診料1,000~1,500円、注射治療1,500~2,500円程度が目安です。理学療法は1回500~800円程度です。
Q. 病院選びで最も重要なポイントは何ですか?
A. 最も重要なのは整形外科専門家、特に肩関節専門外来を設置している医療機関を選ぶことです。専門的な知識と豊富な治療経験により、適切な診断と効果的な治療を受けることができます。また、リハビリ施設の併設やアクセスの良さも重要な検討要素です。
まとめ:五十肩の早期改善には適切な病院選びが重要
五十肩の治療成功の鍵は、適切な医療機関での早期診断と治療開始にあります。整形外科専門家による正確な診断のもと、患者様一人ひとりの症状に合わせた治療計画を立てることで、効果的な症状改善が期待できます。
症状が気になる場合は、自己判断せずに専門家への相談をお勧めします。適切な治療により、五十肩による日常生活への影響を最小限に抑え、健康な肩の機能回復を目指しましょう。