ばね指の治療方法のひとつとしての注射治療は効果が高いとされていますが、その分「コストが高いのでは」と不安に感じる方もいらっしゃるでしょう。
本記事では、ばね指に対する注射治療の効果と費用についてくわしく解説します。
くり返すばね指に悩む方が適切な治療法を選ぶための手助けとなれたら幸いです。
あなたの治療選びに役立ててください。
目次
ばね指とは
ばね指は指の腱が炎症を起こし、指を動かす際に引っかかるような症状が現れる病気です。
腱がなめらかに動かないため、指に痛みや違和感を感じることが特徴です。
早期発見と適切な治療が重要であり、進行すると症状が悪化する可能性があります。
今回は以下についてくわしく解説します。
- ばね指の症状と原因
- 発症しやすい人や生活習慣の特徴
それぞれ見ていきましょう。
ばね指の症状と原因
ばね指のおもな症状は、指を動かすときに引っかかる感覚や痛みがともなうことです。
これが続くと指を動かすのが難しくなり、日常生活に支障をきたすことがあります。
原因としては、指の腱が炎症を起こし、腱鞘という部分が狭くなることで発症します。
症状が進行するとあらわれるのが「ばね現象」という症状です。
ばね現象は以下の動画のとおり、ばねのように指がいきなり伸びる現象です。
この症状があらわれているときは、すでに病状が進行している可能性があります。
医療機関や整体院などの専門医を受診しましょう。
ばね指を発症しやすい人や生活習慣の特徴
ばね指は、以下の特徴をもつ方が発症しやすいといわれています。
- ・加齢
- ・栄養不足
- ・外傷やけが
- ・指の使いすぎ
- ・ホルモンバランスの変化
- ・力仕事やスポーツなどの大きな負荷
- ・糖尿病や甲状腺機能低下症などの病気
心当たりのある方は、これらの因子を排除したりコントロールしたりすることが治療の第一歩です。
ばね指の原因については、以下の記事も参考にしてください。
ばね指の治療法の選択肢
ばね指の治療にはいくつかの選択肢があり、保存療法と手術療法に大別されます。
症状の重さや進行度に応じて、治療法が選択されますが、一般的にすぐに手術療法になることはありません。
保存的治療で効果がなかった場合に、手術療法が検討されます。
- ・保存的治療
- ・薬物治療や手術治療
- ・注射治療の適応
これらの項目にわけて解説します。
保存的治療(アイシング、ストレッチ、テーピングなど)
保存的治療には、以下の方法があります。
- ・アイスパックを用いた冷却
- ・指のストレッチやマッサージ
- ・テーピングやサポーターによる固定(安静の保持)
これらの方法は炎症を抑え、指の動きを改善するのに役立ち、とくに軽度のばね指に対しては効果的です。
症状が重い場合には十分な効果が期待できないこともあります。
薬物治療(内服)や手術治療
薬物治療は保存療法の一環です。
痛みをともなう場合、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)で痛みのコントロールを図ることがあります。
手術治療は、保存的治療や薬物治療が効果を示さない場合に選択されます。
手術では腱鞘を切開して腱のすべりを改善する術式が一般的です。
注射治療の適応
注射治療は、ばね指の炎症を抑えるために使用される治療法のひとつです。
とくに症状が強い場合や他の治療法が効果を示さない場合に適応となります。
ステロイド注射が用いられることが一般的で、比較的短時間で受けられ、早期に効果があらわれることが特徴です。
ばね指の注射治療を徹底解説
ばね指の注射治療を、以下の項目に沿って解説します。
- ・注射治療で使用する薬剤の種類
- ・注射の施術方法と所要時間
- ・注射治療が効果的なケースと効果が出にくいケース
- ・注射治療の効果と副作用
ひとつずつ見ていきましょう。
注射治療で使用する薬剤の種類(ステロイド注射など)
注射治療には、ステロイド注射が一般的に用いられます。
ステロイドは炎症を強力に抑える効果があり、迅速に症状をやわらげることが特徴です。
また、ヒアルロン酸注射も一部で使用されることがありますが、効果は個人差があり、事前の説明を十分に受けることが大切です。
注射の施術方法と所要時間
注射治療は通常、数分で完了します。
施術前に局所麻酔をおこなうことがあり、炎症部位に薬剤を直接注入します。
治療後は日常生活にすぐ戻れることが多いですが、施術後数時間は注射部位を安静にしましょう。
また、治療後は一定期間指の動きに注意が必要です。
注射治療が効果的なケースと効果が出にくいケース
注射治療は、早期の症状改善に効果的ですが、すべての患者に同じ効果があるわけではありません。
症状が慢性化(長くつづいている、くり返している)している場合や、腱に強い損傷がある場合は、効果が乏しいことがあります。
こうした場合には、ほかの治療法への変更や併用が必要です。
医師としっかり相談して適切な治療を受けましょう。
注射治療の効果と副作用
注射治療は、痛みの軽減や指の動きの改善が期待できますが、副作用のリスクも存在します。
たとえば、注射部位の感染や一時的な痛み、またはステロイドによる血糖値の変動などが副作用としてあらわれます。
とくに糖尿病を持つ方は、血糖値の管理に注意しなければなりません。
ばね指の注射治療にかかる費用
ばね指の注射治療は、一般的に1回6000円程度(3割負担の場合)かかるといわれています。
ばね指の治療費用は治療内容や保険適用の有無によって異なりますが、あらかじめ理解しておくことで費用負担を軽減できます。
ばね指の注射治療にかかる費用についてくわしく見ていきましょう。
注射治療の費用の内訳
注射治療の費用には、診察料や薬剤費、施術料が含まれます。
一般的には、6000円程度かかるといわれています。
治療の種類やクリニックによって費用に差があるため、事前に医療機関に確認しましょう。
いくつかの医療機関を比較して受診することが、費用を抑えるために大切です。
健康保険と注射治療
ばね指の注射治療の多くは、健康保険の適応です。
保険が適用される場合、自己負担額は1~3割となり、治療のコスト負担が軽減されます。
ただし、保険適用外の治療や追加の診察が必要な場合には、別途費用が発生することがあるため注意しましょう。
事前に医師と治療内容や費用について相談しておくことがポイントです。
ばね指の注射費用を抑えるためのポイント
注射治療の費用を抑えるためには、保険適用の範囲を確認し、複数の医療機関で費用を比較しましょう。
予防的なケアや生活習慣の改善によって、治療回数を減らすことも費用抑制につながります。
そのため、ばね指改善または再発予防のためのセルフケアが重要となります。
治療前にしっかりと情報を収集し、再発予防もしながら、納得のいく選択しましょう。
ばね指の注射治療を受ける際の注意点
注射治療を受ける際には、いくつかの注意点があります。
施術前には適切な準備をおこない、施術後は適切なケアをすることで、治療の効果を最大限に引き出せます。
注射後の腫れや痛み、または体調の変化に注意し、異常を感じた場合はすぐに医師に相談しましょう。
くわしく解説します。
施術前の準備
注射治療を受ける前には、事前の診察や検査が必要です。
アレルギー歴や既往歴の確認が重要で、これにもとづいた治療がおこなわれます。
とくに、ステロイド注射を受ける場合は、過去のステロイド使用歴や現在の健康状態を正確に医師に伝えなければなりません。
また、治療前に使用している薬やサプリメントも医師に伝え、安全に治療を受けられるようにしましょう。
治療後のケアとリハビリ
注射治療後は、注射部位のケアやリハビリが重要です。
注射直後は、穿刺部位を清潔に保ち、強い摩擦や負荷をかけないように注意しましょう。
また、再発防止のために指のストレッチや筋力トレーニングを定期的におこなうことが推奨されます。
適切なケアやリハビリをおこなっても症状が悪化したり、効果が出なかったりする場合や症状が再発した場合は、再診察や別の治療法の検討が必要です。
ばね指の注射治療や費用に関するQ&A
ばね指の注射治療や費用に関するよくある質問にお答えします。
ばね指の注射の費用は保険適用ですか?
ばね指の注射治療は、健康保険が適用されるのが一般的です。
ただし、保険適用の有無や自己負担額は、医療機関や治療内容によって異なるため、治療を受ける前に医療機関に確認しましょう。
ばね指の注射はどれくらい痛いですか?
注射の痛みには個人差がありますが、通常は局所麻酔が施されるため、施術中の痛みは少ないとされています。
施術後に軽い痛みや不快感を感じることがあるかもしれませんが、これらは比較的短時間でおさまります。
痛みに敏感な方は、事前に医師に相談しておくと安心です。
ばね指の注射治療の費用相場を知って自分に合った医療機関の選択を
ばね指の注射治療の効果や費用を理解できると、適切な治療法を選択できます。
この記事を参考に、治療の費用を抑えるためのポイントや、治療前後の注意点を考慮し、自分に合った医療機関を選びましょう。
早期の治療で症状の改善を目指し、日常生活を快適に過ごすための一助となれば幸いです。