「お尻から太ももにかけて痺れがあり痛い」
「坐骨神経痛を治したいけど、どうしたらいいか分からない」
「坐骨神経痛に対して注射を打っても良くならない」
坐骨神経痛は、腰や足に痛みやしびれなどの症状をもたらします。
時には歩行障害や日常生活に大きな影響を及ぼすことがあります。
しかし適切な知識と治療によって、その痛みを和らげることが可能です。
この記事では、坐骨神経痛の症状や原因について、専門的な視点から徹底解説します。
日々の痺れや疼痛に悩むあなたに、理解の一助となる情報を提供します。
ぜひ最後までご覧ください。
目次
坐骨神経痛について
坐骨神経痛とは？
坐骨神経痛は、坐骨神経が何らかの原因で圧迫されたり刺激されたりすることによって引き起こされる症状の総称です。
坐骨神経は、脊椎からお尻を通り、足の先まで伸びる人体の中で1番大きな神経です。
この坐骨神経の異常が痛みや痺れといった症状を引き起こします。
それ以外にも坐骨神経痛が重篤化すると、排泄ができなくなる、歩けなくなる、座っていられなくなるといった症状として現れることもあります。
線維筋痛症などの慢性疾患なども可能性として考えられます。
坐骨神経痛の代表的な症状としては、以下の3つが挙げられます。
- 痛み
- 痺れ
- 歩行障害
このような症状が続く場合は、早めに専門家の診断を受けることが重要です。
また、適切な治療法やリハビリテーションプログラムを受けることで、症状の改善が期待できる場合があります。
専門家による適切な診断と治療計画のもとで、痛みやしびれの原因を特定し、それに対応した治療を行うことが、症状の軽減につながります。
痛み
腰からお尻、足にかけての痛みが特徴的です。
痛みは鋭いものから、焼けるような感覚、ほかには電流のような痛みまで痛みの度合いは様々です。
このような痛みは日常生活に支障をきたす可能性があり、痛みの程度や頻度によっても生活の質が大きく影響を受けることがあります。
しびれ
足や足の指にしびれを感じることがあります。
このような症状は神経の圧迫や損傷によって起こり、しびれの感覚は軽いピリピリ感から、電気が走るような強い痺れまで幅広い症状として出ることがあります。
歩行障害
痛みやしびれによって、歩いたり走ったりすることが困難になることがあります。
特に階段の上り下りや長時間立っていることが辛くなり、日常生活に支障をきたすこともあります。
坐骨神経痛の原因
坐骨神経痛は、腰や太もも、さらには足に痛みやしびれを引き起こす症状で、その原因は多岐にわたります。
主な原因としては、腰椎椎間板ヘルニア、腰部の脊柱管狭窄症、そして日常生活における姿勢や重いものの持ち上げ方が挙げられます。
これらの原因によって坐骨神経が圧迫されることで、痛みやしびれといった症状が現れます。
腰椎椎間板ヘルニア
腰椎椎間板ヘルニアは、背骨の腰椎と呼ばれる部分の椎間板が変形し、神経を圧迫することで発生する病気です。
椎間板は背骨と背骨の間にある軟骨組織のことで、衝撃を吸収するクッションのような役割を果たしています。
症状としては、腰痛や下肢の痛み、痺れなどが生じることがあります。
特に、激しい腰の痛みが突然発生した場合は椎間板ヘルニアの可能性があります。
治療法として、神経ブロック注射、薬物療法、他には理学療法などの保存的治療や、それらが効果を示さない場合の外科的介入があります。
主な原因は、椎間板への強い圧力により、線維輪が破綻し、髄核が外に飛び出ることで神経を刺激するためです。
椎間板ヘルニアの診断と治療には、整形外科やクリニックでの専門的な評価が必要です。
症状がある場合は、早めに医師の診察を受けましょう。
腰部脊椎管狭窄症
腰部脊柱管狭窄症は、腰の部分を通っている神経の通り道（脊柱管）が狭くなり、神経や脊髄が圧迫されることで起こる疾患のことを指します。
発症しやすい年齢として50代以上の中高年で男性に骨骨多く見られます。
老化による脊柱管の狭窄は、神経根や馬尾という部分を圧迫し、下半身の痛みやしびれを引き起こします。
また、腰部脊柱管狭窄症の歩行の特徴として、間欠性跛行が挙げられます。
間欠性跛行とは歩行時に痛みや痺れが生じ、休息を取ることで症状が改善するといった特徴があります。
そのため、日常生活で間欠性跛行が認められた場合は、腰部脊柱管狭窄症の疑いがあります。
また、腰を後ろに反ると痛みが強くなり、前かがみだと症状が和らぐのも特徴の1つです。
これは腰を反ることで神経へのストレスがかかるためです。
腰部脊柱管狭窄症は適切な治療と生活習慣の改善により、改善が可能ですが、症状が改善されない場合や、症状が進行する場合は手術が適応されます。
歩行時のつらい痛みやしびれに悩まされている場合は、まずは専門医に相談し、検査を受けることをお勧めします。
長期間の不良姿勢
日常生活で無意識にとっている姿勢が、実は坐骨神経を圧迫し、痛みやしびれを引き起こしている可能性があります。
例えば横向きで寝ている時は、下部背中のサポートが不足し、正常な脊椎の位置を維持することが難しくなります。
これにより、不安定な姿勢が生じ、背中に負担がかかるため痛みや痺れに繋がることがあります。
また、デスクワークや事務仕事をしている方は座っている時の姿勢も注意が必要です。
無意識のうちに足を組んだり、左右どちらかに体重がかかり過ぎていたりすると坐骨神経への負担が大きくなってしまいます。
椅子に座るときは、骨盤を立てて、両足のお尻に均等に体重がかかるように、上半身をまっすぐに保つことが重要です。
梨状筋症候群
梨状筋症候群は、坐骨神経が骨盤出口部で梨状筋という股関節を支える筋肉によって圧迫や刺激を受けることで、疼痛が起きる状態を指します。
この症状は、お尻の外側に痛みが現れ、場合によっては太ももの裏側にかけてしびれが広がることもあります。
長時間座っていると症状が悪化し、歩くことで改善することが多いです。
また、草むしりなどの日常生活の動作が関連していることもあります。
坐骨神経痛の症状を和らげる対処法
坐骨神経痛の症状を和らげるためには、適切な対処法を知ることが重要です。
日常生活の中でこれらの対処法を取り入れ、痛みの軽減を目指しましょう。
また、症状が改善しない場合は、専門の医療機関を受診することをお勧めします。
以下に、坐骨神経痛の症状を和らげるための方法を5つ紹介します。
- ストレッチと体操
- 生活習慣の改善
- 薬物療法
- 温熱療法
- コルセットを着用する
ストレッチと体操
坐骨神経痛を和らげるためのストレッチには、横になりながら行うものや座りながら行うものがあります。
急な腰痛に対しては安静にしておくことが大切ですが、慢性的な腰痛へはストレッチを続けることで、疼痛軽減や症状の再発防止に効果があります。
また、日常的に行う軽い体操も、坐骨神経痛の症状を和らげるのに役立ちます。
特に、背中や腰を伸ばす動作は、圧迫された神経を解放し、痛みを軽減するのに有効です。
具体的な方法については次の章で詳しく解説します。
生活習慣の改善
長時間同じ姿勢でいることは、坐骨神経痛の原因となり得ます。
特に、デスクワークなどで長時間座っている場合は、定期的に立ち上がって伸びをすることがおすすめです。
また適切な体重を維持することも重要になります。
肥満体型は腰への負担を増やし、坐骨神経痛のリスクを高めます。
バランスの取れた食事と適度な運動により、健康的な体重を維持することが重要です。
薬物療法
坐骨神経痛の治療には、痛みを和らげるための薬物療法が一般的に用いられます。
薬物療法には様々な種類があり、症状や個人の状態に応じて選択されます。
また、坐骨神経痛の薬物療法は、症状の緩和に有効ですが、薬の選択や使用には医師の指導が必要です。
特に、症状が改善しない場合や副作用が心配な場合は、病院へ行き医師に相談してから使うようにしましょう。
温熱療法
痛みの原因や症状は人によって異なりますが、坐骨神経痛は慢性的な疼痛であることがほとんどであり、一般的に慢性疼痛に対しては、温熱療法が推奨されています。
体が冷えていると血管が収縮され、血流が悪くなります。
血流が悪くなると、体全体への酸素や栄養が不足し、痛みを感じやすくなってしまいます。
そのため、体を温めることで血行を改善し、筋肉の緊張を和らげることにより患部の鎮痛効果が期待できます。
手軽にできる温熱療法としては、ホットパックを利用したりや入浴をして体を温めることがおすすめです。
患部を温め、筋肉をリラックスさせることができます。
専門的な温熱療法としては超短波や赤外線療法があります。
深層の筋肉まで温めることができ、血行改善、疼痛緩和に効果が期待できます。
コルセットを着用する
坐骨神経痛の症状緩和にコルセットを使用することは、一つの有効な手段です。
コルセットを着用することで坐骨神経への圧迫を軽減し、痛みを和らげることができます。
また、腰回りの不安定な部位を補填し安定した姿勢で動作が行えるようになるため、坐骨神経へのストレス軽減に繋がります。
このようにコルセットや腰部サポートベルトの使用は、坐骨神経への圧迫を軽減し、痛みを和らげる助けになるため、坐骨神経痛の改善に期待できます。
坐骨神経痛に効く体操
坐骨神経由来の激しい痛みを取り除くためには、体を動かし、トレーニングすることで筋肉の適切な柔軟性を獲得する必要があります。
そこで、今回は坐骨神経痛に効果のある体操を3つ紹介します。
毎日継続して行ってみましょう！
ただし、体操の最中に腰が痛くなったり、痺れが強くなった場合はすぐに中止するようにしましょう。
- 腸腰筋へのアプローチ
- 足の指へのアプローチ
- 内側ハムストリングスへのアプローチ
1.腸腰筋へのアプローチ
坐骨神経痛で悩まれている方は、腸腰筋へアプローチした運動がおすすめです。
坐骨神経痛の主な原因として、お尻の深層にある梨状筋の硬さが挙げられます。
「梨状筋が硬くなっているなら梨状筋をマッサージすればいいんじゃないの？」と皆さん思ったのではないでしょうか。
しかし、腸腰筋が上手に使えていないと過剰に梨状筋へ負荷がかかってしまいます。
そして結果的に梨状筋が硬くなり、坐骨神経へストレスがかかるため、痛みを発生させてしまいます
つまり腸腰筋へのアプローチは結果として坐骨神経痛へのストレス軽減につながります。
具体的なやり方としては
- 椅子に座った状態で足の指を前に向ける
- 前に向けた足の裏を、反対側の足のふくらはぎに付ける
- ふくらはぎに付けた足を上下に動かす
たったこの3ステップで腸腰筋を賦活させることができます。
詳しい内容に関しては下の動画の方で解説しています。
ぜひご覧ください。
2.足指の内側に付く筋肉へのアプローチ
2つ目に紹介する体操は、足の指へアプローチする運動になります。
足指の内側あたりにある筋肉が上手く使えていないと、内股のような姿勢になってしまいます。
そのような姿勢で日常生活を続けていると、梨状筋が癒着して硬くなり、坐骨神経痛の原因になってしまいます。
そのため、足の内側にある筋肉へのアプローチが坐骨神経痛の解消につながります。
後脛骨筋へのアプローチ
- 坐骨神経痛の症状を認めている足を片方の足の甲に乗せる
- 踵は床から離さず足の裏を押さえつける
- 10秒×3セット行う
母趾内在筋へのアプローチ
- 上記に示した体勢から足の裏を離す
- そのまま足の指を握る
以上が、足指の筋肉に対するアプローチになります。
こちらも動画で詳しく解説しているのでぜひご覧ください。
【坐骨神経痛の解消法】9割の坐骨神経痛は足指はがしで解消！
3.内側ハムストリングスへのアプローチ
最後に紹介する体操は太ももの裏に付着している内側ハムストリングスへアプローチする運動になります。
腸腰筋や足指の筋肉と同じく、内側ハムストリングスが上手く働いていないと梨状筋が硬くなってしまい、坐骨神経痛を助長してしまいます。
具体的なやり方は以下の通りです。
- 椅子に腰掛け、ガニ股のような姿勢をとる
- 上記のような姿勢をキープしたまま反対の足の踵に当てる
- そのまま踵が近づくように膝を動かす
- 10秒×3セット行う
以上が内側ハムストリングスへのアプローチ方法になります。
こちらも動画で詳しく解説していますのでぜひご覧ください。
坐骨神経痛の予防法
坐骨神経痛は、適切な予防策を講じることで、その発症リスクを減らすことが可能です。
日常生活での注意点に加え、適切な運動や姿勢の維持が重要となります。
以下に、坐骨神経痛を予防するための具体的な方法を紹介します。
- 適切な姿勢を保つ
- 適度な運動を行い筋肉の柔軟性を保つ
- 重いものの持ち方に注意
適切な姿勢を保つ
長時間にわたって座ったり立ったりすることは、腰部への過度なストレスとなり、坐骨神経痛のリスクを高めてしまいます。
このような状況を避けるためには、適切な姿勢を維持することが極めて重要です。
長時間同じ姿勢でいることによる腰への負担を軽減するためには、定期的に体勢を変え、ストレッチを行うことがおすすめです。
これにより、腰部への圧力を分散させ、坐骨神経痛のリスクを低下させることができます。
さらに、長時間座っている場合には、適切な椅子を選び、足が床にしっかりとつくようにし、背もたれを使用して背中を支えることが重要です。
立っている場合には、体重を均等に両足に分散させ、時々足の位置を変えることで、腰への負担を軽減できます。
このように、適切な姿勢を保ち、定期的に体勢を変えることで、坐骨神経痛のリスクを低減することが可能です。
適度な運動を行い筋肉の柔軟性を保つ
上記でも紹介したような適度な運動は、坐骨神経痛の改善だけでなく予防にも繋がります。
適度な運動は、筋肉を強化し、柔軟性を保つのに役立ちます。
特に、腰や足の筋肉を強化する運動が坐骨神経痛には有効です。
重いものの持ち方に注意
重いものを持つ際には、腰に不必要な負担がかからないように、特に注意が必要です。
このためには、膝を曲げてから物を持ち上げることが重要になります。
この方法で物を持ち上げることによって、腰部への圧力を大幅に軽減し、坐骨神経痛を予防することができます。
腰への負担を最小限に抑えるためには、膝を曲げて体の重心を下げることで腰へのストレスを減らすことを意識しましょう。
さらに、正しい姿勢を保ちつつ、ゆっくりと物を持ち上げましょう。
このような注意点を守ることにより、日常生活における腰への負担を軽減し、健康的な生活を維持することができます。