日本人の約8割が生涯のうちに一度は経験するともいわれているのが腰痛です。
女性の腰痛の原因は、ホルモンバランスの乱れや妊娠・出産によるものなどがあります。腰痛が続くと日常生活に支障をきたすだけでなく、ストレスなど精神面にも大きな影響をおよぼしかねません。
この記事では、女性特有の腰痛の原因や対処法、年代別の症状などについても解説します。腰痛にお悩みの方はぜひ参考にしてください。
目次
女性特有の腰痛の原因とは?
つらい腰痛は、男性女性問わず多くの方がもつ悩みのひとつです。腰痛の一般的な原因としては、筋肉や靭帯の緊張、腰椎椎間板ヘルニア、坐骨神経痛・脊柱管狭窄症などがさまざまな原因が考えられます。また、ストレスや不安、不眠などの心理的要因も挙げられるでしょう。
この章では、女性に多く見られる女性特有の腰痛の原因について解説します。
- ・生理によるホルモンバランスの乱れや体の不調
- ・妊娠や出産による腰への負担
- ・デスクワークによる腰への負担
- ・筋力不足や姿勢の悪さ
生理前後によるホルモンバランスの乱れ
生理前後や生理中は、ホルモンバランスが大きく変化するため、体の不調を感じたり、腹痛や腰痛に悩まされたりすることがあるでしょう。
その原因は、子宮の収縮を促す「プロスタグランジン」という物質が深く関係しており、血管を収縮させる作用もあります。そのため、強い腰痛やだるさ、冷え症などがひどくなってしまうのです。
また、女性はストレスを感じることで自律神経にも影響を与えてしまい、生理不順や生理痛にも悩まされることも少なくありません。生理中の腰痛を和らげるためには、下腹部や腰回りを温めたり、ストレッチや入浴で全身の血行を良くしたりする方法が有効です。日頃から日常生活でできる冷え対策やストレス解消を心がけましょう。
妊娠や出産による腰への負担
女性にとって妊娠や出産による腰への負担は大きな問題です。妊娠中は、胎児の成長に伴いお腹が大きくなるにつれて重心が前に移動し、腹筋の筋力が低下してしまいます。そのため反り腰になりやすくなり、腰痛の要因になってしまうのです。
出産後は、腰の筋力や柔軟性を回復させることが重要だといえます。理学療法や産後のエクササイズプログラムなどを腰痛の解消に実践することが大切です。
適切な運動やストレッチは腰痛の予防や緩和に効果的ですが、妊娠中の腰痛にお悩みの場合には、まずはクリニックや整形外科などの医師に相談しましょう。
反り腰について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
脊椎疾患や内臓疾患の可能性もある
腰痛の原因には、筋肉や関節などの原因だけでなく、神経の問題や脊椎疾患、内臓疾患などの可能性も考えられます。
たとえば、椎間板ヘルニアや腰椎すべり症などが腰痛の原因となるケースや、治らない腰痛の裏に脊椎腫瘍や骨に癌が転移したことなどによる腰痛のパターンもないわけではありません。
また、女性の場合では、子宮筋腫や子宮内膜症など婦人科系の病気でも腰痛の症状が起こります。そのため、腰痛が長く続くようであれば早めに専門医で受診しましょう。
デスクワークによる腰への負担
長時間のデスクワークでは、座った姿勢が続くと背中が丸まって猫背になり、同じ姿勢が続くと筋肉が凝り固まってしまい、腰に負担をかけてしまいます。
特に、デスクや椅子の高さや位置が合ってなかったり、キーボードやマウスの位置が適切でなかったりするなどの理由で悪い姿勢が続いてしまうと、腰だけでなく肩にも負担がかかり肩こりも現れるでしょう。
デスクワーク環境を調整したうえで、腰痛の原因となるような姿勢や長時間同じ姿勢で座り続けないようにします。そのため、適切な時間での休憩や軽い体操で筋肉を和らげることをを意識して、定期的に姿勢をリセットするよう心がけましょう。
筋力不足や姿勢の悪さ
女性の体は、男性と比べて筋肉が付きにくくなっているため、腰回りの筋力が不足すると腰椎に負担がかかり、腰痛を引き起こしやすくなります。
また、女性の場合には、仕事や外出などでハイヒールを履く機会も多いので、背中を反らせる体勢になることも多いです。背中を反らせるような無理な体勢が続くと、腰や背中に不自然な力が加わり、腰椎や周辺の筋肉に負担がかかる可能性があります。
腰痛を予防するには、日頃から正しい姿勢を保ち、定期的で適切な運動や筋力トレーニングを行なうよう心がけましょう。
年代別における女性の腰痛の原因とは?
年齢とともに、女性の体にはさまざまな変化が起きてきます。ここからは、年代別における腰痛の原因について解説します。それぞれの年代に応じた適切な予防策や対処法を選択することが重要でしょう。
10代~
10代の腰痛の主な原因は、姿勢の悪さや運動不足に筋力低下や腰の筋肉の固さです。特に、スマートフォンたタブレットなどの長時間の使用が挙げられます。正しい姿勢の習慣化と適切な運動を取り入れることが重要です。
また、部活での激しいトレーニングや運動による疲労の蓄積や腰椎の疲労骨折による腰痛も考えられるでしょう。腰痛を予防するためにも、激しいトレーニングや運動のあとは、疲労をためないように栄養補給や筋肉を十分に休ませることも大切です。
20~30代
働き盛りの20~30代での腰痛の主な原因は、オフィスワークでの長時間の座りすぎや運動不足が挙げられます。特に30代になると妊娠・出産する方も多いため、家事や育児にも時間を取られてしまい、忙しさのあまりに運動する機会がさらに減ってしまうのです。
また、通勤・通学や休日などでの長時間のスマートフォンの使用やパソコンを使用する際、前かがみの姿勢になりやすく猫背になりがちなため、腰に大きな負担がかかってしまいます。そのため、生活習慣や過労により、腰痛を引き起こす原因となるため注意しましょう。
40~50代
40~50代を迎えると、急激な女性ホルモンの低下により、体の不調を来たすことが多くなります。そのため、40~50代の女性の腰痛は、更年期による代表的な症状の一つといえるでしょう。
また、腰痛と思いながらもその裏には、40代から増加する乳癌や子宮癌などの病気が隠れている場合も否定できません。そのため、腰痛が長く続くようであれば、病院や婦人科などの医師にご相談ください。さらに、40代以降では年齢による筋力の低下により、筋肉や関節の衰えによる腰痛も増えてきます。これまでのオフィスでの仕事で偏った姿勢を長年続けてきたことや家事・育児の負担の蓄積が腰痛となって表れることも多いようです。
40〜50代の更年期女性に多い腰痛の原因について、詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
60代以上
60代以上になると、加齢による筋力の低下や、ゆがみによる老化現象として、腰痛が増えてきます。
たとえば、60代以上で多く発症する病気として「変形性腰椎症」があり、腰椎の変性によって慢性的な腰痛が生じるのです。腰椎の変形が進行すると、脊柱管が狭くなり、脊髄が圧迫されることで、腰や脚に痛みやしびれなどの症状を引き起こす「腰部脊柱管狭窄症」に移行する可能性もあります。単なる老化現象として腰痛を放置せず、病院や整形外科などでご相談ください。
一方、逆に安静にし過ぎてしまうと、さらに筋力が低下し、骨粗鬆症が悪化したりする恐れがあります。適切な治療を受けながら、なるべく自力で日常生活を送ったり、生活習慣の見直しを行なったりするよう心がけましょう。
腰痛を和らげる対処法とは?
腰痛の症状を和らげる場合、自分でもある程度は痛みを和らげることができます。ここでは、自宅で簡単にできる3つの方法をご紹介します。自分でもある程度は痛みを和らげることが可能です。ここでは、自宅で簡単にできる方法をご紹介します。
- ・ストレッチ
- ・背筋・腹筋を鍛える筋トレ
- ・マッサージやツボを押す
- ・市販の湿布や消炎剤を使用する
ストレッチ
凝り固まった筋肉をストレッチを行なってほぐすことで、血行を促進したり柔軟性を改善したりできます。
腰痛対策には、以下のストレッチが効果的です。
- ・腸腰筋のストレッチ
- ・腰方形筋のストレッチ
- ・脊柱起立筋のストレッチ
- ・太ももの前面や裏面を伸ばすストレッチ
椅子に座った状態で行なえる脊柱起立筋のストレッチは、デスクワーク中にも取り入れやすいので、仕事の合間で必要な場合取り入れてみましょう。
ストレッチをする際には、体に負担をかけないよう適度な強さで行ない定期的に続けることを心がけてください。
自宅でもできる骨盤ストレッチについて詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
背筋・腹筋を鍛える筋トレ
筋トレで気をつけたいのが、痛みが出ない範囲で行うようにしましょう。
背筋・腹筋を鍛える筋トレは、以下の通りです。
- ・前屈腰痛:背筋を鍛える筋トレ
- ・のけぞり腰痛:腹筋を鍛える筋トレ
よくあるケースでは、腹筋運動のつもりが背筋を使っている筋トレをしていることもあります。間違った筋トレをすると休めなければならない筋肉を酷使してしまい。逆に症状が悪くなる恐れがあるでしょう。
筋トレで違和感を感じたら、自己流で判断せず専門医に相談して対処してください。
腰痛対策にはスクワットもおすすめです。詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
腰痛改善に効果的なツボを押す
体には腰痛改善に効果的なツボがあるので、覚えておくとよいでしょう。
- ・腰腿点(ようたいてん)
- ・委中(いちゅう)
- ・太衝(たいしょう)
腰腿点は、手の甲に2ヶ所あるツボで、人差し指と中指の間と、中指と薬指の間に位置しています。ツボを押す場合は、反対側の手の親指で強めに押してみましょう。
委中は、膝裏の中央にあるツボ。ツボを押す場合は、両手の中指を使うと効果的に押せます。
太衝は、足の甲の親指と人差し指の間にあるツボ。ツボを押す場合は、親指で強めに押したり、専用棒などを使用して部分的に押したりするとより効果的です。
市販の湿布や消炎剤を使用する
腰痛の症状が出た場合には、市販の湿布や外用の鎮痛消炎剤を使用することも効果的です。
炎症や痛みを抑える成分としては、以下のようなものが挙げられます。
- ・ロキソプロフェン
- ・ジクロフェナク
- ・フェルビナク
- ・インドメタシン
使用方法を守り、肌に合わず刺激が強いと感じた場合、使用を控えましょう。短期間で痛みが改善しない場合や鎮痛消炎剤を使用しても痛みが悪化する場合には、病院の受診をおすすめします。
腰痛で注意する症状とは?
腰痛の裏には大きな疾患が潜んでいる可能性があります。全ての腰痛が危険のサインである
という訳ではありませんが、以下のような症状がある場合は早めに医師に相談しましょう。
- ・体を動かすときに腰が痛む症状
- ・常に腰が痛く痛みが増してくる症状
- ・発熱、体重の減少がみられる症状
- ・手足のしびれが続く症状
身体を動かすときに腰が痛む症状
基本的に、身体を動かすときに腰が痛む場合は、腰の筋肉や椎間関節が原因の腰痛である可能性が高いです。
そのため、1ヶ月ほど様子を伺うながら痛みの経過を観察するとよいでしょう。痛みが引いて治ることも多いです。
ただし、腰痛の状態が悪化したり長引いたりする場合は整形外科や専門医を受診しましょう。
常に腰が痛く痛みが増してくる症状
体を動かさずじっとしていても姿勢を変えても常に腰が痛む場合や数ヶ月の範囲で徐々に痛みが増していく場合は注意しましょう。
このような症状の場合は、脊椎の問題や内臓疾患が原因の可能性があるので、病院やクリニックでの受診をおおすすめします。
発熱や体重の減少がみられる症状
微熱や上で述べたような他の症状がある、体重の減少がみられるといった場合も、早めに病院を受診しましょう。
特に、50歳以上で慢性的な腰痛を抱えている方や癌の既往歴がある方で気になる症状があれば、外科やかかりつけ医に相談するようにしてください。
手足のしびれが続く症状
腰痛と手足のしびれが続く場合、脳や脊椎の病気なども考えるとよいでしょう。
脳の病気として考えられるのは、脳梗塞や脳出血、脳腫瘍などがあり、脳梗塞や脳出血はしびれが急に起こる事態もあります。脳腫瘍は良性でも悪性でも大きくなると、体の片側のまひやしびれなどの症状が見受けられるでしょう。
一方、脊椎の病気として考えられるのは、腰部脊柱管狭窄症や腰椎変性すべり症、椎間板ヘルニア、頚椎症神経根症、頚椎症脊髄症、頸椎後縦靭帯骨化症があります。
腰痛の痛みで手足のしびれがある場合もありますが、腰痛の痛みもなくしびれが続くなら、早めにせんもんいで検査し医師に相談しましょう。
急性腰痛と慢性腰痛の違い
腰痛は、特に女性にとっても日常的な問題であり、その原因や種類はさまざまです。腰痛は大きく分けて、急性と慢性の2つに分類されます。
急性腰痛は、突然発症し、通常は数週間程度で改善。原因は、筋肉の緊張や過度のトレーニング、軽度の筋肉や靭帯の損傷などが考えられます。
一方、慢性腰痛は3ヶ月以上痛みが続く腰痛です。考えられる原因は多岐にわたり、椎間板の問題や関節炎、骨粗鬆症、神経圧迫などがあります。
これらの違いを十分理解し、適切な治療法を選択しましょう。腰痛が続く場合は、医療機関に相談することをおすすめします。
突然の腰痛は、日常生活を支障をきたすことがあります。特に女性は、生理周期や妊娠、更年期など、特有の体の変化により腰痛を発症するでしょう。
急に腰痛が発症したときの対処法は以下のとおりです。
【安静にする】
まずは無理をせず、身体を休め状態を確認することが重要です。長時間ベッドなどで横になると逆に腰痛を悪化させることがあるため、適度な休息を心がけましょう。
【冷やす】
腰痛の直後は、腰を冷やすことで痛みを緩和できます。アイシングは15分程度を目安として様子をみましょう。
【薬の使用】
市販の鎮痛薬や非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)を使用することで、一時的に痛みを軽減することが可能です。ただし、長期間の使用は医師の指導が必要となるので、必ず医師に操舵してください。
【医療機関を受診】
腰痛が数日間続いたり、痛みがひどかったりする場合は、医療機関を受診しましょう。原因を特定し、適切な治療を受けることが重要となります。
長期間続く腰痛に対する治療法
長期間続く慢性腰痛は、女性にとって日常生活にも支障をきたすため、大きな問題となります。
慢性腰痛に対する一般的な治療法をまとめましたので参考にしてください。
【物理療法】
物理療法士による指導のもと、特定のストレッチングや筋力トレーニングを行うことで、腰痛を軽減することが可能です。
【薬物療法】
非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)や筋弛緩剤、鎮痛剤や抗うつ薬が処方され痛みを緩和します。
【注射療法】
ステロイド注射や神経ブロック注射などが、直接的に痛みの源を緩和するために用いられる療法です。
【手術】
保存的治療が効果を示さない場合、または椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症に対しては、医師の判断により手術が選択されることもあります。
これらの治療法は医師の診断と指導のもと行われるため、自己判断での治療は避け、専門的な医療機関を受診することをおすめします。
まとめ
腰痛の原因は、さまざまな要因がありますが、女性に関しては女性特有の要因があります。
- ・生理によるホルモンバランスの乱れや体の不調
- ・妊娠や出産による腰への負担
- ・デスクワークによる腰への負担
- ・筋力不足や姿勢の悪さ
女性の腰痛は年代別でみても、症状が異なります。腰痛を和らげるには、自分で対応できる
対処法もあるので、腰痛でお悩みの方は実践してみてください。
- ・ストレッチ
- ・背筋・腹筋を鍛える筋トレ
- ・マッサージやツボを押す
- ・市販の湿布や消炎剤を使用する
腰痛の痛みは場合によっては、腰痛以外の病気が原因で引き起こす場合もあるので、腰痛が続くようであれば、専門医で診断し医師に相談することをおすすめします。
また、腰痛で身体の痛みに悩んでいる方は、単に体の痛みをとるだけの従来の整体とは異なるセルフケア整体もおすすめです。
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