盲腸の痛みの特徴は、みぞおち辺りから痛みが現れ、時間が経つと右下腹部に痛みが移動し、微熱や吐き気などの症状が現れます。
盲腸は安静にしていても治らないので、みぞおちに違和感を感じて、痛みが増していく場合は、医療機関を受診するようにしてください。
放っておくことで腹膜炎となって、命の危険がある病気です。
また、腰痛との関係は、盲腸の術後に腰痛の症状が現れることがあります。
これは、盲腸の近くの筋肉が関係していると考えられます。
腰痛や盲腸などのキーワードを聞くと大腸がんについても、気になる人も多いのではないでしょうか。
大腸がんと腰痛の関係は、大腸がんが背骨にまで転移してしまい、腰に痛みを引き起こしていることが考えられます。
この記事では、腰痛や盲腸について、盲腸になると腰に痛みが引き起こされる原因や大腸がんについても解説しています。
ぜひ最後までお読みください。
目次
腰痛とは?
厚生労働省の2010年の国民の健康状況の調査によると、男性の第1位、女性の第2位に腰痛が入っており、多くの人が腰痛に悩まされていることがわかりました。
腰痛には「特異的腰痛」と「非特異的腰痛」があり、腰痛全体の15%が原因の分かる特異的腰痛で、残りの85%が原因不明の非特異的腰痛です。
特異的腰痛には、腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症、脊椎すべり症などがあります。
非特異的腰痛は、画像検査などを行っても明確に原因が分からない腰痛で、いわゆるぎっくり腰なども非特異的腰痛に分類されます。
引用:https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa10/3-1.html
腰痛の症状
腰痛の症状は腰や背中の痛みだけでなく、座骨神経にまで影響を及ぼしている場合は、お尻や下肢の痛みやしびれ、排尿障害といった症状が現れます。
また、腰を反ると痛む人や、前かがみになると痛む人など、人によって症状は様々です。
腰痛になる主な原因
主に腰に負担のかかる姿勢や動作が原因で腰痛の症状が現れることが多いです。
他にも、加齢による椎間板のすり減りや骨粗鬆症などが原因で、腰痛を引き起こしている事があります。
また、腰痛は腰周りの骨や神経、筋肉だけが原因で起こるとは限りません。
腰痛だと思っていても、稀に内臓の疾患が原因で腰痛の症状を引き起こしていることがあります。
「腰痛の原因に内臓の疾患が関係している」記事はこちら⇒https://selfcareseitai.com/blog/youutsuu-naizou/
腰痛にならないための対策
腰に負担のかかる姿勢や動作を避けることや、日常から運動やストレッチなどを行うと良いでしょう。
また、高齢者の方でも運動を取り入れるだけで腰痛対策となります。
運動やストレッチのメリットは多岐にわたりますが、血行促進や筋肉の強化、ストレス発散などがあります。
これらは腰痛と深く関わりがあり、運動やストレッチを行うことで不調のない身体作りが期待できるでしょう。
腰痛にならないための対策をぜひ試してみてください。
- ・適度な運動を取り入れる(ウォーキング、水中ウォーキング、エアロバイクなど)
- ・筋トレやストレッチ
- ・長時間同じ姿勢でいることを避ける
- ・中腰で重い物を持ち上げない
- ・暴飲暴食を避ける
- ・食生活の見直し
- ・寝姿勢や寝具の見直し
- ・ストレス発散
- ・健康診断を定期的に受ける(内臓の疾患の可能性があるため)
運動は酸素を取り入れながら行う有酸素運動がおすすめです。
腰痛対策だけでなく、生活習慣病の予防にもなります。また、運動を行う際は決して無理のない範囲で行ってください。無理に行うと腰痛を悪化させてしまう可能性があります。
かかりつけの医師などに相談するようにしましょう。
盲腸とは?
盲腸とは、正式病名で「急性虫垂炎」といいます。
大腸の始まりの部分(右側の下腹部)を盲腸といい、盲腸の先端ににょろりと細長い臓器を「虫垂」といいます。
虫垂に細菌が感染して炎症を起こすことを、急性虫垂炎(通称:盲腸)といいます。
発症年齢は幅広く、男女共に子供から高齢者までですが、10代から20代が最も多いと言われています。
盲腸の症状
盲腸の初期症状は、みぞおち(上腹部)やおへそ辺りの痛みや不快感、胃のムカムカや気持ち悪さなどがあります。
炎症が進むと激しい痛みが右下腹部に移り、微熱に加えて吐き気や嘔吐などの症状が現れます。さらに進むと、虫垂が壊死して破れ、溜まっていた膿が腹腔内に溢れ出て「腹膜炎」となります。
腹膜炎となった場合は、腹部全体に激しい痛みが現れ、腹腔内の洗浄が必要となり命の危険があります。
痛みが激しい時はできるだけ楽な姿勢をとるようにしてください。
ベルトを緩めてお腹周りの圧迫感を取り除いたり、横になった状態で両膝を曲げたりなど、痛くない姿勢をとるようにしてください。
※ 腹膜炎とは、腸や胃、肝臓などを覆っている腹膜にこれらの臓器の炎症が及ぶこと。
盲腸の手術方法や手術後
虫垂炎はまずは触診をして、その後血液検査やCTなどの画像検査で診断してもらいます。
軽傷の場合は抗生物質などを使用しての保存的治療となりますが、再発する可能性があるので注意が必要です。
中等症や重症になると虫垂を切除する手術が必要となり、腹腔鏡手術か開腹手術が行われます。
腹腔鏡手術は、腹部に数カ所に穴を開けて行うため、患者の負担が少なく術後3日から4日ほどで退院が可能となります。
開腹手術は腹部を切るため、腹腔鏡に比べて患者の負担が大きく、入院日数もかかってしまうでしょう。
盲腸になる原因
大腸から盲腸、盲腸から虫垂へと繋がっていますが、虫垂の先端は行き止まりになっています。
虫垂と盲腸の境目部分に、便の塊(糞石)や異物などが詰まることで道が塞がれてしまい、虫垂に炎症を引き起こしてしまいます。
虫垂の道が塞がれてしまう要因としては、以下のものが考えられます。
- ・便秘(食物繊維の不足)
- ・暴飲暴食
- ・運動不足
- ・過労
- ・ストレス
盲腸にならないための対策
盲腸の原因のひとつに食物繊維の不足があります。
日ごろから食物繊維を多く含んだ食事を積極的に取り、暴飲暴食を避けて腸内環境を整える意識を心がけると、盲腸のリスクが下がるでしょう。
また、運動不足やストレスなども関係しており、盲腸だけでなく腰痛対策にもなるので、日常生活に運動を取り入れ、できるだけストレスを溜め込まないように過ごしましょう。
食物繊維を多く含んだ食品
- ・ごぼう
- ・ブロッコリー
- ・だいこん
- ・かぼちゃ
- ・ほうれん草
- ・ライ麦パン
- ・蒸し中華麺
- ・マカロニ
- ・あずき
- ・おから
- ・大豆
- ・しいたけ
- ・えのき
- ・ぶなしめじ
- ・こんちゃく
- ・さつまいも
- ・ばなな
- ・みかん
- ・グレープフルーツ
腰痛と盲腸の関係
盲腸の術後に腰痛や肩こりに加えて、背中に痛みが生じるケースがあります。
これは「腸腰筋」の影響によるものと考えられます。
腸腰筋とは骨盤周辺にある大腰筋・小腰筋・腸骨筋の総称のことで重要な筋肉です。
腸腰筋は、腰椎から足の付け根まで伸びており、上半身と下半身を繋いでくれる筋肉です。
腸腰筋が硬くなって伸びにくくなってしまうと、関連して骨盤の動きが悪くなります。
また、腸腰筋は股関節の動きにも大きく関係しており、右の股関節が動かしにくくなってしまうでしょう。
これらが原因で、骨盤が前へ引っ張られて、腰椎に負担がかかり腰に痛みが生じます。
腰痛の原因は盲腸ではなくがん?
虫垂炎(盲腸)とよく似た症状で「虫垂がん」があります。
手術前に虫垂炎と診断されて、虫垂炎切除手術を行い、組織を病理検査に出したところ「虫垂がん」と診断されて、虫垂がんの切除手術が追加で行われたケースがあります。
虫垂がんは大腸がんの進行がんで、大腸がんの0.2%とごく稀な疾患です。
引用:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjcs/43/6/43_1010/_pdf
大腸がんとは?
大腸の働きは、小腸から流れてきた食べ物のカスから水分を吸収して形成してくれます。
食べ物が消化と吸収が行われて、体外へと排出される時間は24時間から72時間といわれています。
大腸がんとは、大腸にできるがんのことで「直腸がん」と「結腸がん」に分けられ、日本人はS状結腸と直腸に発生することが多いと言われています。
また、がんは良性のポリープががん化したものと、直接がんが発生するものに分けられます。
大腸がんの症状
初期の段階では自覚症状がなく、進行してから症状が現れることが多いです。
また、がんが発生した場所によっては、腰痛を引き起こしてしまうことがあります。
がんの症状として現れるものは以下のものがあります。
- ・血便や下血
- ・便秘や下痢
- ・便が細くなる
- ・貧血
- ・お腹にしこりがある
- ・腹痛
- ・嘔吐
がんが大きくなると、リンパ節を通って他の臓器に転移したり、周辺の骨に転移したりします。
背骨に転移すると、腰痛に加えて背中痛などの症状が現れるでしょう。
また、がん細胞が腹腔内に散らばってしまう「腹膜播種」や、腸ががんによって塞がれてしまう「腸閉塞」などを引き起こしてしまいます。
大腸がんの原因
大腸がんの原因には以下のものが考えられます。
- ・喫煙
- ・飲酒
- ・肥満
- ・加工肉の接種
- ・食生活の欧米化
- ・運動不足
- ・果物や野菜の摂取不足
他にも、家族に大腸がんを経験されたことがある方はリスクが上がります。
大腸がんリスクを下げる5つの方法
大腸がんの早期発見やリスクを下げる方法を解説しています。
この章でご紹介している方法は、大腸がんに限らず、その他の病気や生活習慣病などの予防にもなります。
ぜひ参考にしてみてください。
健康診断を受ける
大腸がんは初期症状がなく、静かに進行していきます。
痛みなどの目立った症状がなくても、便に血液が混じっていたり、体重が減少していたりなどの症状があった場合は、医療機関を受診するようにしてください。
大腸がんに限らず身体に何かが起こり、サインを出してくれている可能性があります。
また、病気の早期発見のためには、1年に1回の健康診断やがん検診は、必ず受けるようにしましょう。
健康診断は受けて終わりでなく、再検査などがある場合は必ず再検査を受けて、治療をすることを優先してください。
食生活の見直し
現代の日本人は昔と比べて、食生活が欧米化したことにより大腸がんを発症する人が増えていると言われています。
脂質の多いジャンクフ-ド(肉やフライドポテト、バーガーなど)を頻繁に摂取することがあるという人も多いのではないでしょうか。
これらは、大腸がんのリスクを上げてしまいます。
食事のバランスを整え、食生活を改善すると大腸がんのリスクを下げられるでしょう。
禁煙
タバコは大腸がんだけでなく、肺がんや食堂がんなどのさまざまながんのリスクを高めてしまいます。
他にも、心筋梗塞や狭心症、脳卒中などの原因となります。
愛煙家の人には厳しい決断ですが、病気になってしまうともっと大変な治療が必要となってしまうでしょう。
少しずつ本数を減らしながら、徐々に喫煙してみてはいかがでしょう。
アルコール量を減らす
過度なアルコール摂取は肝臓を始めとする、さまざまな臓器に悪影響を及ぼし、高血圧や糖尿病、痛風などのリスクが上がります。
飲酒の際は、適量を摂取するように心がけましょう。
1日あたりの純アルコール摂取量は男性で40g、女性で20gが適量とされています。
純アルコール20gとは、500mlの中瓶1本や350mlの酎ハイ1缶、日本酒1合程度です。
また、飲酒が日課になっている人は、一週間に1日だけでも「休肝日」を作るなどをして、臓器を休ませてあげることも重要でしょう。
日常から運動を行う
大腸がんの原因に運動不足や肥満があります。
運動を日課にすることで、ストレス発散や血流や脂肪燃焼効果が上がり、ダイエットが可能となるでしょう。
また、運動は腰痛予防や生活習慣病のリスクを下げます。
日頃から、積極的に身体を動かすようにしましょう。
まとめ
腰痛と盲腸の関係は、虫垂の切除手術の後に腰に痛みが生じるケースがあります。
虫垂は右下腹部にあり、その周辺には腸腰筋があります。
腸腰筋は腰椎から足の付け根まであり、手術で虫垂を切除することにより腸腰筋が動かしづらくなり、腰や股関節の動きを制限してしまうことにより痛みが現れます。
また、大腸がんが進行して骨にまで転移した場合、腰や背中に痛みが生じます。
このように腰痛の症状は様々で、内臓の疾患の可能性があるため、ただの腰痛だと判断せずに、内科や整形外科などを訪問すると良いでしょう。
なお、内臓の疾患が原因ではない場合は当院「セルフケア整体」へ起こしください。
当院では、優秀なスタッフが、一人ひとりの患者様にあった施術を行います。