坐骨神経痛は、腰からお尻、足の付け根、ふくらはぎ、さらには足のつま先まで痛みやしびれが広がる状態です。
この痛みは、坐骨神経が圧迫されたり炎症を起こしたりすることが原因です。
たとえば、長時間座っているとお尻や太ももの裏が痛むことがありますし、足を動かすとしびれを感じたり、寝ているときに痛みで目が覚めたりすることもあります。
一般的な原因としては、腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症、梨状筋症候群などがあり、これらが坐骨神経を圧迫すると、下肢に痛みやしびれが現れます。
ただし、誤ったマッサージをすると、症状が悪化につながるため、坐骨神経痛を和らげるには正しいマッサージ方法を学ぶことが大切です。
今回の記事では、坐骨神経痛の具体的な症状や原因、どのようなマッサージが症状を悪化させるのかについて注意点も含めて詳しく解説します。
また、記事後半では、当院のおすすめのセルケア動画を紹介していますので、ぜひ一覧ください。
目次
坐骨神経の役割とは?
坐骨神経は、人間の体で最も大きな神経で、お尻から足の指先まで伸びています。
その太さはボールペンほどあり、脚や足の感覚や動きを制御しています。
この神経は、歩行やランニングなどの日常生活の動作において重要な役割を果たしていますが、何らかの原因で圧迫されたり、損傷したりすると、坐骨神経痛が発生します。
具体的には、坐骨神経は脊髄の一番下から始まり、腰やお尻を通って脚に至る長い神経です。
腰の第4椎から仙骨の第3椎までの神経根が合わさってできており、特に腰の下の部分から出発します。
さらにお尻を通り抜け、太ももの裏を経由して足先まで伸びており、脚の感覚や運動をつかさどる非常に重要な役割を果たしています。
この神経が正常に働くことで、歩いたり、走ったり、立ち上がったり、座ったりといった基本的な動作がスムーズに行えます。
例えば、走っているときに足の感覚情報が脳に伝わり、体がしっかりと動くのは、この神経のおかげです。
また、痛みや温度、触覚などの感覚を感じることも、坐骨神経が脳に情報を届けることで可能になります。
坐骨神経痛の症状とは?
坐骨神経痛の症状は多岐にわたり、以下のような具体的な症状が見られることがあります。
まず、長時間立っていると、痛みやしびれが強くなることがよくあります。
例えば、仕事で長時間立ちっぱなしの状態が続くと、足やお尻のあたりに鋭い痛みを感じることがあるかもしれません。
また、腰を反らす動作をすると、足の痛みやしびれが増すことがあります。
具体例として、背中を反って前屈みの姿勢から戻ると、太ももやふくらはぎにしびれを感じることも少なくありません。
逆に、前屈みになって物を拾おうとすると、腰のあたりがズキズキと痛いと感じたり、同時に足にも違和感を感じたりすることがあるでしょう。
坐骨神経痛の痛みやしびれは、腰や足全体に広がる症状がみられます。
具体的には、以下の部位に痛みやしびれが現れることが良くある傾向です。
- ・お尻の中央や側面に鋭い痛みを感じることがある
- ・すねの外側や内側にしびれや痛みが走ることがある
- ・太ももが引きつるような感覚や鈍い痛みが生じることがある
- ・ふくらはぎの筋肉が硬直し、歩行時に痛みを感じることがある
- ・足の指先や裏側にしびれやチクチクする感覚を感じることがある
これらの症状が見られる場合は、坐骨神経痛の可能性があるため、早めに専門家に相談することをおすすめします。
適切な診断や治療を受けることで、痛みを軽減し、日常生活を快適に過ごすことができるでしょう。
坐骨神経痛になりやすい人の特徴
坐骨神経痛になりやすい人には、特定の生活習慣や活動が影響しています。
以下に、いくつかの具体例を挙げて説明します。
激しいトレーニングを過度に続ける人
ウエイトリフティングやマラソンのトレーニングを頻繁に行うアスリートは、筋肉や関節に大きな負担がかかります。
特に、腰や臀部を強化するトレーニングを行っている場合、過度な負荷が坐骨神経を圧迫し、痛みを引き起こすことがあります。
そのため、トレーニングの合間に十分な休息を取り、筋肉の疲労を回復させることが大切です。
長時間のデスクワークをしている人
IT業界や事務職に従事する人は、長時間同じ姿勢で座り続けることが多い職業です。
このような姿勢は、腰に負担をかけ、筋肉の緊張を引き起こすことがあります。
これを防ぐために、1時間ごとに立ち上がって軽く体を動かしたり、ストレッチをしたりすることが重要です。
また、椅子の高さやデスクの位置を見直し、正しい姿勢を保つようにしましょう。
立ち仕事が多い人
販売業や医療業界で働く人々は、長時間立ちっぱなしでいることが多い職業です。
長時間立つことで、腰や下肢に過剰な負担がかかり、坐骨神経痛を引き起こす原因となります。
これを軽減するためには、クッション性のある靴を選ぶことや、定期的に足を動かしたり、座る時間を増やしたりする工夫が必要です。
姿勢が悪い人
スマートフォンを長時間使ったり、悪い姿勢で座ったりすることが習慣になっている人は、腰や背中に不必要な負担をかけることがあります。
姿勢を改善するためには、意識して背筋を伸ばし、肩をリラックスさせることが大切です。
さらに、ストレッチや筋力トレーニングを取り入れることで、姿勢を維持するための筋力を強化することができます。
坐骨神経痛はいつまで続くの?
坐骨神経痛の痛みのピークは、一般的には3日から1週間程度とされています。
ただし、個人差があり、3週間前後で症状が治まることが多い傾向です。
しかし、3週間以上坐骨神経痛が続く場合は、専門家に相談することを強くおすすめします。
坐骨神経痛は再発することがあるため、痛みが和らいだからといって足腰に負担をかける生活に戻すと再び痛みが出現することがあります。
たとえ痛みが和らいだ後も、腰への負担を避ける生活を続けることが大切です。
坐骨神経痛の痛みが出た時にやってはいけない行動とは?
正しいと思ってやっていることが実は、逆に症状を悪化させてしまう可能性があります。
そこでここからは、坐骨神経痛がを悪化させない行動について紹介します。
正しいマッサージを学ぼう
痛みが強い時の自己流のマッサージは、坐骨神経痛を悪化させる恐れがあります。
自己流のマッサージは、一時的に痛みを軽減するように感じるかもしれませんが、実際には組織の変形を引き起こし、温度が低下すると痛みがさらに強くなることがあります。
特に痛みが強い時は、自己流のマッサージは控え、専門家の指導を受けることが重要です。
安静にしすぎると逆効果
長期間にわたって安静にしすぎると、腰椎が変形し、坐骨神経痛の悪化につながる可能性があります。
坐骨神経痛の痛みを感じてから1〜3日目までは安静が大切ですが、それ以降は少しずつ体を動かすことが重要です。
そのため、適度なストレッチを取り入れながら、少しずつ動かすことが推奨されます。
自転車が坐骨神経痛に与える影響
坐骨神経痛の症状が出ている時、自転車に乗ることは腰椎に負担がかかるため控える必要があります。
ただし、腰への負担を最小限にすることで、痛みの悪化を防ぐことができます。
どうしても自転車に乗る必要がある場合は、クッション入りのサドルを使用して腰椎の負担を軽減しましょう。
坐骨神経痛のときのマッサージや鍼の刺激は?
坐骨神経痛の治療として、マッサージや鍼治療を考える人も多いでしょう。
しかし、坐骨神経痛の症状の重さによって、逆に悪化する可能性があり、症状や痛みの度合いに合わせて治療を受けることが大切です。
坐骨神経痛のときのマッサージや鍼治療は効果的なのかについて紹介します。
強いマッサージは坐骨神経痛を悪化させる
坐骨神経痛の際に強い刺激を与えることは、症状を悪化させる可能性があります。
ただし、一般的な腰痛(ぎっくり腰を除く)では、多少の痛みを伴うマッサージや鍼治療を行っても症状が悪化することは少ない傾向です。
しかし、坐骨神経痛においては、お尻や太ももの痛みを同じように扱って強い刺激を与えると、施術直後から症状が悪化することが多いです。
ですから、基本的には痛みがある部分への直接的な強い刺激は避けるべきです。
特に痛みが強い時は、強い刺激を避け、適切な治療を受ける必要があります。
したがって、強い刺激を避けることで、症状の悪化を防ぎ、回復を促進することができます。
神経の炎症を伴う坐骨神経痛
坐骨神経痛の原因の一つに、神経の炎症があります。
これは、坐骨神経が圧迫されることで起こることが多く、炎症が原因で痛みやしびれが発生します。
神経が炎症を起こしている場合は、適切な治療で炎症を抑えることが重要です。
炎症を抑えることで、痛みを軽減し、症状の改善を図ることができます。
炎症を抑えるための治療法としては、次のような方法があります。
治療方法 | 効果 | |
冷却療法 | アイスパックで痛みの箇所を冷やす | 炎症を抑える |
抗炎症薬 | 抗炎症薬(NSAIDsなど)を使用する | ・痛みや炎症を抑える
・発熱などを抑える |
物理療法 | ・超音波療法
・電気刺激療法 |
・炎症の軽減
・血流の改善 ・筋肉の緩和 |
これらの治療法は、炎症を抑えるだけでなく、血流を改善し、筋肉の緊張を緩和する効果的です。
冷却療法は痛みが強い部位を冷やすことで、炎症を抑える効果があります。
例えば、アイスパックを使って10〜15分程度冷やすと、炎症が軽減され、痛みが和らげることができます。
次に抗炎症薬は医師の指導のもとで、抗炎症薬(NSAIDsなど)を使用することで、炎症を抑えることが可能です。
これにより、痛みが軽減され、症状が改善することが期待できるでしょう。
最後に物理療法は物理療法士による指導のもと、超音波療法や電気刺激療法などの物理療法もあります。
温冷交互療法のすすめ
温冷交代浴とは、温かいお湯と冷たい水に交互に入る、または温かいシャワーと冷たいシャワーを交互に浴びる入浴法のことです。
坐骨神経痛の痛みが強い時には、強い刺激を避けるためにも温冷交代浴が効果的です。
この入浴法は、温かいと冷たいを交互に適用することで血流を改善し、痛みを軽減できます。
温冷交代浴は、温度差を利用して血管の収縮を促し、自律神経に刺激を与えるので、交感神経と副交感神経がスムーズに働く効果があります。
以下の記事では坐骨神経痛の解消におすすめなストレッチ方法を詳しく紹介しています。⇩
坐骨神経痛が治らない時は?
坐骨神経痛が長期間続く場合や、痛みが治らない場合は、専門の治療を受けることが重要です。
坐骨神経痛は、急に始まることが多く、最初の数日は特に強い痛みを感じることがあります。
この痛みのピークは通常3日から1週間程度続きます。
例えば、重い物を持ち上げた後や、長時間同じ姿勢で過ごした後に突然腰や脚に激しい痛みが走ることがあります。
このような場合、最初の数日間は安静にして痛みを和らげることが重要です。
その後、多くの人は3週間ほどで症状が徐々に改善していきます。
例えば、痛みが軽減し、普段の生活が少しずつ楽になっていくのを感じるでしょう。
また、この期間中には、軽いストレッチやウォーキングを取り入れることが推奨されています。
ただし、無理をせずに体の状態に合わせて行うことが大切です。
しかし、3週間以上経っても痛みが引かない場合は、専門家の助けを求めるべきです。
整形外科医や理学療法士に相談することで、適切な治療法やリハビリテーションプランを提案してもらえます。
また、痛みが続く原因を詳しく調べてもらうことも重要です。
具体的には、MRIやレントゲンなどの検査を受けることで、痛みの原因を特定し、より効果的な治療を受けることができます。
このように、坐骨神経痛の痛みが長引く場合には、早めに専門家に相談し、適切な対応を取ることが、症状の改善と再発防止につながるでしょう。
【当院おすすめ】坐骨神経痛の予防・改善につながるストレッチ
坐骨神経痛の予防や改善には、日々のストレッチが大切です。
そこで当院の院長がおすすめするセルケア動画を3つ紹介します。
当院の院長「NOBU先生」とは?
NOBU先生は、学生時代に相撲をしており、肩の手術を経験したことがきっかけで、膝の靭帯を損傷しました。
その後、リハビリを経て競技に復帰しましたが、腰痛やスポーツ障害に悩まされる日々が続きます。
このような改善が見られない治療を続ける中で、NOBU先生は国家資格を持つ鍼灸師・柔道整復師になる決意を固めたのです。
さらに、腰痛に関するYouTube動画も投稿しており、145万人の登録者を誇るユーチューバーでもあります。
これらの活動を通じて、NOBU先生は多くの人々の健康と快適な生活をサポートしています。
NOBU先生の詳しい情報はこちら⇩
坐骨神経痛に効くセルケア動画3選
当院の院長直伝、スキマ時間にできる坐骨神経痛の動画を3つ紹介します。
①【騙されたと思って】股関節が硬い人はやってください!【腰、股関節、膝痛&お腹痩せ&脚痩せ&パンチ・キック力アップまで対応】
猫背や坐骨神経痛の症状に効果的な動画です。
この動画では、股関節をほぐすことで姿勢の改善や脂肪燃焼を促進します。
寝ながらできる2つの動作を数分間行うだけなので、無理なく続けられます。
②【騙されたと思って】以外な原因の隠れ反り腰を座禅足で解消し坐骨神経痛 ・膝痛・反り腰も解消!
腰痛と深く関係している膝の痛みを解消する動画もあります。
反り腰を改善することで、坐骨神経痛の予防に効果的です。
たった1分の座禅ポーズをするだけで、坐骨神経痛の原因となる膝の痛みや反り腰を和らげることができます。
③【骨盤リセット】2分で骨盤矯正!老廃物むくみ流して・ぽっこり下腹部・坐骨神経痛・反り腰まで消えた方法!
坐骨神経痛に関連する骨盤矯正が叶う動画です。
骨盤を整えることで、ポッコリお腹を解消し、ダイエット効果も高まります。
立ったまま2分でできるので、ぜひ休憩時間や家事の合間に試してみてください。
もし症状がひどい場合は、無理をせずに病院や整体院で相談することをおすすめします。
セルフケア整体院では、坐骨神経痛を改善するための効果的な治療メニューをオーダーメイドプランにして患者様に提供しています。
また、料金や施術内容など詳しい案内が必要な方も、スタッフが電話やLINEで対応いたします。
なお、当院は新宿駅から徒歩7分の場所にあるため、仕事帰りや買い物の合間にも通いやすいです。
肩こりや冷え性、頭痛など全身の疾患の発症に関する悩み相談も、いつでも受け付けています。
初めての方は、無料カウンセリングの予約を受付けていますので、お気軽にお問い合わせください。
当院では坐骨神経の悩みはもちろん、その他の疾患の悩みがある人の来院をお待ちしております。
マッサージのやりすぎはNG!坐骨神経痛は専門家に相談しよう
この記事では、坐骨神経痛の基本情報、原因、症状が出ているときに避けるべき行動、予防のポイント、そして改善に役立つストレッチを紹介しました。
適度なストレッチやマッサージ、運動は症状の改善に役立つことがありますが、やりすぎると逆に痛みやしびれが悪化することがあります。
例えば、無理に体を伸ばしたり、強い力でマッサージをしたりすると、神経に負担がかかり、かえって症状がひどくなることがあります。
そのため、専門家に相談してから、適切なケアを行うことが大切です。
また、痛みを感じるからといって、体を過度にかばいすぎると、筋力が低下してしまい、症状がさらに悪化する恐れがあります。
坐骨神経痛の痛みを避けて動かなくなってしまうと、筋肉が衰えてしまい、逆に腰や脚にかかる負担が増えるため日常生活で注意が必要です。
無理をするのは良くありませんが、自分の体が許す範囲で、普段通りの生活を心がけることが大切です。
日常生活ではストレッチを取り入れ、筋力を保ちつつ、坐骨神経痛の改善を目指しましょう。