- 立ったり歩いたりすると、足の付け根が痛む
- 股関節まわりの筋肉が痛いときもあるけど、何が原因なのかしら?
- 足の付け根が痛む原因と対処方法を教えて!・
今回はこのような方に向けた記事です。
「足の付け根の痛み」は変形性股関節症の典型的な症状です。
変形性股関節症とはO脚による膝痛とおなじように関節を使いすぎたり、先天的な病気が原因となって起こる関節の病気のことですね。
特に女性に多く、家事をしている方にとってはとても厄介な病気です。
悩んでいる方はきっと多いことでしょう。
そこで本記事では
- 変形性股関節症について
- 変形性股関節症のセルフケア
の2本立てで、お話ししていきます。
目次
足の付け根が痛む変形性股関節症とは?
歩いたり立ち上がったりすると「足の付け根が痛い」という症状は、もしかしたら変形性股関節症かもしれません。
変形性股関節症は女性に多い
- 長時間歩くと痛い
- 立ち上がるときに痛い
- 足を動かせる範囲が小さくなってきた
このような症状があるなら、それは変形性股関節症かもしれません。
変形性股関節症とは、股関節が変形したり軟骨がすり減ってしまう病気のことです。
男性にも見られますが、女性によく見られることが特徴的です。
「足の付け根の痛み」はこの病気にある典型な訴えで、その影響から
- 靴下を履きづらくなった
- 足の爪を切りづらくなった
- カラダを左右に揺さぶるように歩くようになった
という声をよく聞きます。
痛む場所は股関節だけではありません。股関節を守る筋肉にも疲労が溜まり痛みがでることがあります。
変形性股関節症の原因
変形性股関節症には2種類あります。
- 一次性変形性股関節症 → 原因がはっきりしないもの
- 二次性変形性股関節症 → 原因がはっきりしているもの
二次性変形性股関節症のなかでは「臼蓋(きゅうがい)形成不全症」が原因の8割と、もっとも多いです。
「臼蓋」は骨盤にある穴ぼこで、太ももの骨を覆うような形をしています。体重を支えるためにとても大切な部分ですね。
そして臼蓋形成不全症とよばれる病気は、この臼蓋が太ももの骨を覆うほど十分な大きさになっていない状態のことをさします。
臼蓋形成不全症から変形性股関節症になる流れは以下のとおりです。
- 太ももを支えられる面積が小さい
- 他の人よりも少ない軟骨で太ももを支える
- 軟骨にかかる負担が大きくなる
軟骨がすり減ると炎症が起きたり、剥き出しになった骨に刺激が加わるので足の付け根に痛みが出ます。
肥満や重労働のように積み重なる負担で、症状が進行することもありますね。
そもそも股関節はどんな関節?
ここまで変形性股関節症の症状や原因についてお話してきましたが、「そもそも股関節ってどんな構造なのかイメージしづらいな…」という人も多いと思います。
そこでここからは「股関節の仕組み」について、簡単にお話していきます。
これを知っておくとストレッチや筋力トレーニングなど、セルフケアをするときに頭の中でイメージしやすくなるので知っておいて損はありません。
股関節とは
- 「臼蓋」とよばれる骨盤側のくぼみ
- 「大腿骨頭」とよばれる太ももの骨の先端
という2つのパーツが組み合わさってできたものです。
丸いカタチの大腿骨頭に臼蓋が覆いかぶさっているので、股関節は360度いろんな方向に動きます。
わかりやすくいうと、たこ焼き器とそのなかにあるたこ焼きをイメージしてください。
たこ焼きを万遍なくきれいに焼こうと思うと、串でいろんな方向に転がしますよね。
股関節もおなじです。
- 靴下を履くために股関節を曲げる
- ジョギングするために脚を後ろに蹴る
- あぐらをかくために脚を外に広げる
- 女の子座りをするために脚をたたむ
このような日常生活動作をスムースに行うために、股関節は360度どの方向にも動かせます。
また股関節は下半身と体幹をつなぎ、体重を支える役割もあります。
そうすると体重を支えるだけの頑丈さがいるので、股関節のまわりには靭帯や筋肉がたくさんあるわけです。
たとえばお尻の筋肉や前ももの筋肉の多くは、股関節をまたぐように骨盤から太ももの骨やスネにまで伸びています。
腰・膝も痛くなりやすい
変形性股関節症になると、腰と膝も痛くなりやすいです。
というのも腰・股関節・膝関節はそれぞれが協調してひとつの動作をつくっているからです。
すこしわかりづらいと思うので、具体例をもとに説明していきます。
たとえば靴下を履く動作をイメージしてみてください。当たり前ですが、靴下を履くには手が届くところに足がないといけません。
股関節と膝関節を曲げて足をカラダに近づけることもそうですし、手を足に近づけるために腕を伸ばし背中を丸めることも必要でしょう。
- もし膝が曲がらなければ、手が足に届きません
- もし背中が丸まらなかったら、手が足に届きません
このようにどこか一つの関節だけでできる動作は日常生活では少なく、全身の関節をつかって動作をこなしていることがわかります。
では股関節が動かなければどうでしょう。
そのようなときは股関節以外の関節が、その役割をカバーしないといけませんね。
しゃがんだり、歩いたり、重いものを持ち上げたりなど、普段の何気ない動作であっても股関節をカバーする関節には大きな負担がかかります。
これが変形性股関節症になると、膝や腰も痛くなる原因です。
変形性股関節症の人向けのセルフケア
前章では「足の付け根が痛い」という症状の原因として、変形性股関節症についてお話してきました。
本章からは変形性股関節症になったときのセルフケア方法についてお伝えしていきます。
筋肉を温める
変形性股関節症になると腰から膝にかけての筋肉がこわばり、痛みを感じやすいということはすでにお話しました。
この痛みを和らげる方法は「筋肉を温める」です。
温熱療法には筋肉のこわばりを和らげ、痛みをおさえてくれる効果があるからですね。
たとえば「ストレッチはお風呂上がりにすると効果的」と聞いた人は多いと思います。これはまさに温熱療法を利用して、筋肉をより伸ばしやすくする工夫です。
とはいえ
- 忙しいからゆっくり浸かれない
- 夏は暑いから、シャワーのほうがいい!
というように「お風呂はシャワーでサッと済ませたい!」という人も多いですね。
そのようなときは温湿布などで局所的に筋肉を温めてもいいでしょう。
貧乏ゆすりをする
変形性股関節症のセルフケアとして、「貧乏ゆすり」もオススメです。
- 関節に負担をかけずに動かすことができる
- 関節の中にある液体が循環しやすくなる
貧乏ゆすりには上記のメリットがあり、結果として股関節の動きをよりスムースにしてくれるといわれてます。
また、座ったままふくらはぎの筋肉をつかう運動でもあるので、冷え症やむくみ予防といった二次的な効果も期待できますね。
具体的な方法は以下のとおりです。
- 足が床につく高さの椅子に座る
- 膝関節が90度になるようにする
- つま先が床についたまま、踵を小刻みに上下させる
高速で動かす必要はないので、まずはリズミカルに動かしてみましょう。
とはいえセルフケアのためだけに貴重な時間をモッタイナイ気もします。
こういったセルフケアはなんでもそうですが、継続することが大切です。
なにも貧乏ゆすりのためだけの時間をとる必要はありません。
- 電話中
- テレビのCM中
- 本を読んでいるとき
などのように日常生活にうまく組み込んで、「ながら」でできるように工夫してみましょう。
背骨を柔らかくする
股関節の可動域が小さくなると、日常生活動作が制限されるだけでなく、腰や膝にも影響が出てしまうことは既にお話ししました。
そこで股関節の動きをカバーできるように、背骨の可動域を広げておかないといけません。
靴下を履く動作を思い出してみてください。
たとえ股関節を深く曲げられなくても、そのぶん背骨を丸め腕を伸ばせば靴下は履けます。
背骨はカラダの幹なので、しなやかに動かせるようにしましょうね。
とはいえ特別な運動をする必要はありません。
たとえば「ラジオ体操」なんてどうでしょう。ラジオ体操は
- 小さな頃から慣れ親しんできた運動
- 座ったままでも立ったままでもできる
- 誰かに無理矢理動かされないから安全
- 日常生活で必要な動きに近い動作がある
- 軽いストレッチや柔軟性のある動作を含んでる
など、たくさんのメリットがあります。
まとめ
ということで本記事では「変形性股関節症についてと、そのセルフケア方法」についてお伝えしました。
変形性股関節症になると変形した関節はもとに戻せませんが、正しいセルフケアをすることで「痛み」や「可動域」を良くすることはできます。
本記事でお伝えしたようにお一人でできるものはありますが、とはいえ専門家にみてもらって
あなただけのオリジナルの運動やケア方法を教えてもらうことに越したことはありません。
そのようなときはぜひ当店をお頼りくださいませ。