この記事は「日本身体運動科学研究所 代表理事・笹川 大瑛」の監修のもと作成されています。
首のヘルニア(頚椎椎間板ヘルニア)が原因で頭痛が起こることがあります。ヘルニアによって圧迫された神経が首から腕や肩に延びることで、痛みやしびれが生じ、その結果、頭痛につながることがあります。また、自律神経の乱れや、長期間の痛みによる脳の過敏化も頭痛の原因として考えられます。この記事では、ヘルニアによる頭痛の原因、特徴的な症状、効果的な治療法について専門的な知見をもとに詳しく解説します。原因不明の頭痛でお悩みの方に、ヘルニアとの関連性を理解し、適切な対処法を見つける手助けになれば幸いです。
頚椎ヘルニアによる頭痛は、単なる頭痛薬では改善しにくいケースが多く見られます。神経根の圧迫が原因の場合、原因そのものに対するアプローチが必要です。
目次
もしかしてヘルニアが原因?頭痛との明確な関係性
頭痛の原因は様々ですが、首のヘルニア(頚椎椎間板ヘルニア)が頭痛を引き起こすケースは意外と多いことをご存知でしょうか。特に、原因不明の慢性的な頭痛に悩まされている方は、頚椎ヘルニアの可能性を疑ってみる価値があります。
椎間板ヘルニアとは、背骨と背骨の間にあるクッションの役割を果たす椎間板が、何らかの原因で通常の位置から飛び出し、神経を圧迫してしまう状態です。特に頚椎(首の骨)の部分でヘルニアが起こると、首から頭にかけて症状が現れることがあります。
頚椎ヘルニアによる頭痛は、単なる緊張性頭痛や片頭痛とは異なる特徴を持っており、適切な治療法も異なります。頭痛の原因を正しく特定することで、効果的な対処が可能になります。
頚椎椎間板ヘルニアの基本知識
頚椎椎間板ヘルニアは、頚椎(首の骨)の間にあるクッション(椎間板)の内部にあるゼリー状の髄核が外に飛び出し、神経や脊髄を圧迫することで様々な症状を引き起こす疾患です。長期間の姿勢の悪さ、加齢による椎間板の変性、急激な首の動きによる損傷などが主な原因となります。
なぜヘルニアで頭痛が起こるの?考えられる原因とメカニズム
ヘルニア頭痛が起こるメカニズムには、主に以下の3つが考えられます。
神経の圧迫
ヘルニアによって神経が圧迫されると、首や肩、腕、指などに痛みやしびれが起こります。この痛みやしびれが脳に影響を与え、頭痛を発生させることがあります。特に頚椎ヘルニアの場合、首から頭部へ向かう神経が直接的に圧迫されることで、後頭部を中心とした頭痛が生じやすくなります。
自律神経の乱れ
ヘルニアによる痛みやしびれは、自律神経のバランスを崩す原因にもなります。自律神経が乱れると、様々な症状が現れる中で、頭痛もその一つとして挙げられます。長期間の痛みによるストレスや緊張が自律神経に影響を与え、血管の収縮や拡張を引き起こし、結果として頭痛を誘発することがあります。
脳の過敏化
長期間の痛みやしびれは、脳を過敏にさせ、頭痛を引き起こす可能性があります。慢性的な痛みを経験すると、脳の痛みを感じる閾値が下がり、通常なら痛みとして認識しない刺激でも痛みと感じるようになることがあります。この状態を「中枢性感作」と呼び、ヘルニアの直接的な症状とは別に頭痛を引き起こす要因となります。
頭痛の原因 | メカニズム | 特徴的な症状 |
---|---|---|
神経の圧迫 | 椎間板が飛び出して神経根や脊髄を直接圧迫 | 後頭部痛、首の動きで悪化、腕や肩のしびれを伴う |
自律神経の乱れ | 慢性痛によるストレスが自律神経に影響 | 頭痛に加え、めまい、耳鳴り、不眠などの症状 |
脳の過敏化 | 長期間の痛みで中枢神経系が過敏に | 慢性的な頭痛、軽い刺激でも痛みが増強 |
ヘルニアによる頭痛の特徴的な症状と見分け方
ヘルニア頭痛には、いくつかの特徴的な症状があります。以下の症状に心当たりがある場合は、ヘルニアが原因の頭痛を疑ってみる必要があるかもしれません。
頚椎椎間板ヘルニアの初期症状
初期段階では、以下のような症状が現れることがあります:
- 首の痛みや違和感(特に首を動かしたときに悪化)
- 肩こりやコリ感の増加
- 首や肩の動きが制限される感覚
- 時折起こる軽い頭痛(後頭部に多い)
この段階では、単なる疲労や姿勢の悪さによる症状と誤解されることも多く、見過ごされがちです。しかし、これらの症状が継続する場合は注意が必要です。
頚椎椎間板ヘルニアの中期症状
症状が進行すると:
- 頻繁に起こる頭痛(特に後頭部や側頭部)
- 首の痛みが強くなり、頭痛と連動する
- 腕や手にしびれや痛みが放散
- 指の感覚が鈍くなる
- めまいや耳鳴りを伴うことがある
この段階になると、日常生活に支障をきたすことも多くなります。特に、首を動かすと頭痛が悪化する、あるいは腕や手のしびれと頭痛が同時に起こるといった特徴があれば、頚椎ヘルニアの可能性が高いと言えます。
頚椎椎間板ヘルニアの後期症状
重度の場合や適切な治療が行われないと:
- 慢性的で強い頭痛(薬が効きにくい)
- 腕や手の筋力低下
- 歩行障害や足のしびれ(脊髄圧迫の場合)
- 膀胱や腸の機能障害(重度の脊髄圧迫の場合)
この段階では専門医による早急な治療が必要です。特に手足の筋力低下や膀胱・腸の機能に異常を感じる場合は、緊急性が高いと考えられます。
一般的な頭痛との違い
ヘルニアによる頭痛と一般的な頭痛(緊張性頭痛や片頭痛)との主な違いは以下の通りです:
- 首の動きや姿勢の変化で頭痛の強さが変わる
- 首や肩、腕のしびれや痛みを伴うことが多い
- 後頭部に痛みが集中しやすい
- 一般的な頭痛薬で改善しにくい
- 朝起きたときに頭痛がひどい場合がある(寝姿勢による神経圧迫)
要注意!頭痛を引き起こしやすいヘルニアの3種類と特徴
ヘルニアの中でも、特に頭痛と関連性が高いタイプについて解説します。
頚椎椎間板ヘルニア
頚椎椎間板ヘルニアは、頭痛を引き起こす最も一般的なヘルニアのタイプです。頚椎は首の部分の背骨で、C1からC7まで7つの椎骨から構成されています。特にC1-C2(上位頚椎)領域のヘルニアは後頭神経に直接影響を与えるため、後頭部の頭痛と強く関連します。
また、C5-C6、C6-C7領域のヘルニアも頻繁に見られ、これらは腕や肩へのしびれとともに、関連痛として頭痛を引き起こすことがあります。首と頭部の近さから、頚椎ヘルニアは様々なメカニズムで頭痛の原因となりうるのです。
腰椎椎間板ヘルニア
腰椎ヘルニアの場合は、お尻や足に痛みやしびれが出ることが多く、頭痛が直接的な症状として現れることは少ないですが、長期間の痛みや神経刺激が原因で頭痛が起こることがあります。これは主に、慢性的な痛みによるストレスや自律神経の乱れ、また長期間の痛みによる中枢神経系の過敏化が関与していると考えられます。
腰椎ヘルニアによる頭痛は、ヘルニア自体の直接的な影響というよりも、痛みが長期化することで生じる二次的な症状と捉えるべきでしょう。
鼠径ヘルニア
鼠径ヘルニアは、腹部の臓器が鼠径部(足の付け根)の腹壁の穴から突出することで起こります。鼠径ヘルニアが直接的に頭痛を引き起こすことは少ないですが、手術や術後の体調変化によって間接的に頭痛が起こることがあります。
特に、鼠径ヘルニアの手術後に使用される薬の副作用や、術後のストレス、体調の変化などが頭痛の原因となる可能性があります。また、慢性的な痛みがある場合は、それが自律神経に影響を与え、結果として頭痛を引き起こすことも考えられます。
ヘルニアが疑われる頭痛の検査・診断方法
ヘルニアによる頭痛が疑われる場合、どのような検査や診断が行われるのでしょうか。正確な診断のためには、以下のようなプロセスが一般的です。
症状の評価
医師は最初に、頭痛の特徴(場所、頻度、痛みの質、悪化する状況など)や、首や腕、肩などの症状について詳しく問診します。特に首の動きと頭痛の関連性は重要な判断材料となります。
身体検査
医師は首の動きや姿勢、神経学的な検査(反射、感覚、筋力など)を行います。スパーリングテスト(首を後ろに傾け、同時に患者の頭部を同側に回旋させた状態で軽く頭部を押す)など、頚椎ヘルニアの有無を確認する特殊な検査も実施されることがあります。
画像検査
ヘルニアの診断には以下のような画像検査が用いられます:
- レントゲン検査:骨の異常や変形を確認しますが、椎間板そのものは写りません
- MRI検査:椎間板や神経、脊髄の状態を詳細に評価できる最も有効な検査です
- CT検査:骨や椎間板の詳細な構造を確認できます
- 神経伝導検査:神経の機能を評価します
特にMRI検査は、ヘルニアの正確な位置や大きさ、神経への圧迫の程度を確認できる重要な検査です。ヘルニアが疑われる頭痛では、頚椎のMRI検査が推奨されます。
ヘルニアによる頭痛の治療法とセルフケア
ヘルニアによる頭痛の治療には、保存的治療から手術まで様々なアプローチがあります。症状の程度や神経障害の状態により適切な治療法が選択されます。
保存的治療
多くの場合、まずは以下のような保存的治療が試みられます:
安静
症状の急性期には、首に負担をかけないよう一定期間の安静が勧められます。特に痛みが強い場合は、首の動きを制限するカラーの着用が推奨されることもあります。ただし、長期間の安静は筋力低下を招く可能性があるため、医師の指導に従うことが重要です。
薬物療法
疼痛管理のために以下のような薬が処方されることがあります:
- 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs):炎症と痛みを軽減
- 筋弛緩剤:筋肉の緊張を和らげる
- 神経障害性疼痛治療薬:神経の痛みを緩和
物理療法
症状の改善に役立つ物理療法には以下のようなものがあります:
- 牽引療法:首の骨の間隔を広げ、神経への圧迫を軽減
- 温熱療法・冷却療法:痛みや炎症の緩和
- マッサージ:筋肉の緊張緩和
- 理学療法:首と肩の筋力強化、姿勢改善
注射療法
保存的治療で十分な効果が得られない場合、神経ブロック注射やステロイド注射などが検討されます。これらは神経根の炎症を抑え、痛みを緩和する効果があります。頚椎の場合、神経根ブロック注射は特に効果的なケースが多いとされています。
手術療法
以下のような状況では手術が検討されることがあります:
- 保存的治療や注射療法で症状が改善しない場合
- 筋力低下や感覚障害が進行する場合
- 膀胱や腸の機能に問題が生じる場合(緊急性が高い)
頚椎ヘルニアの手術には、前方からアプローチする方法(前方除圧固定術)と後方からアプローチする方法(後方椎間孔拡大術など)があります。手術方法は、ヘルニアの位置や状態によって適切なものが選択されます。
セルフケア
日常生活で実践できるセルフケアの方法には以下のようなものがあります
- 姿勢の改善:特にデスクワークや長時間のスマートフォン使用時は、首に負担がかからないよう姿勢に注意
- エルゴノミクスの工夫:作業環境を整え、首や肩への負担を軽減(モニターの高さ調整、適切な椅子の選択など)
- ストレッチと軽い運動:首や肩の筋肉の柔軟性を保つために、医師や理学療法士の指導のもとで適切なストレッチを行う
- 適度な休息:同じ姿勢を長時間続けず、定期的に休憩をとる
- 温湿布の活用:首や肩の緊張を和らげるために温湿布を使用(急性期の炎症がある場合は冷湿布の方が適切なこともある)
専門医に相談すべきタイミングと診療科の選び方
ヘルニアによる頭痛は、放置すると症状が悪化することがあります。頭痛が続く場合は、医療機関を受診して適切な治療を受けることが大切です。どのようなタイミングでどの診療科を受診すべきかを解説します。
受診を検討すべきタイミング
以下のような症状がある場合は、医療機関への受診を検討しましょう:
- 3週間以上続く頭痛がある
- 首の動きで頭痛が悪化する
- 首や肩、腕にしびれや痛みを伴う
- いつもと異なるタイプの頭痛がある
- 通常の頭痛薬で症状が改善しない
- 日常生活や睡眠に支障をきたすほどの頭痛がある
特に以下のような症状がある場合は、早急な受診が必要です:
- 手足の筋力低下や感覚障害が進行している
- 歩行が不安定になる
- 膀胱や腸の機能に異常を感じる
- 急激に起こった激しい頭痛(「今までで最悪の頭痛」と感じるもの)
適切な診療科の選び方
ヘルニアによる頭痛の治療に関わる主な診療科は以下の通りです:
整形外科
椎間板ヘルニア全般の診断と治療を行います。特に運動器(骨、関節、筋肉など)に関する専門知識があり、保存的治療から手術まで幅広く対応します。首の痛みを伴う頭痛では、まず整形外科を受診するのが一般的です。
脳神経外科
頚椎ヘルニアの手術も行う医療機関が多く、特に神経症状を伴う場合に適しています。頭痛の原因が脳疾患である可能性も併せて評価できます。
神経内科
神経系の疾患全般を扱い、頭痛の原因を総合的に評価します。ヘルニア以外の可能性も含めた鑑別診断に強みがあります。
ペインクリニック
痛みの管理に特化した診療科で、神経ブロック注射などの専門的な疼痛治療を提供します。慢性的なヘルニアによる頭痛の管理に役立ちます。
初診では、まず整形外科か脳神経外科を受診し、必要に応じて他の専門科への紹介を受けるのが良いでしょう。また、頚椎ヘルニアを専門とする医師がいる医療機関を選ぶことも大切です。
まとめ:ヘルニアによる頭痛、早期対処が鍵
ヘルニア、特に頚椎椎間板ヘルニアは、さまざまなメカニズムで頭痛を引き起こす可能性があります。神経の圧迫、自律神経の乱れ、脳の過敏化などが主な原因となり、後頭部を中心とした頭痛や、首の動きによって悪化する頭痛として現れることが多いです。
ヘルニアによる頭痛の特徴を理解し、早期に適切な治療を受けることが症状改善の鍵となります。首や肩のしびれを伴う頭痛、首の動きで悪化する頭痛、通常の頭痛薬で改善しない頭痛がある場合は、整形外科や脳神経外科などの専門医を受診しましょう。
保存的治療から手術まで、症状の程度に応じた様々な治療オプションがあります。また、日常生活での姿勢の改善や適切な運動なども重要です。
ヘルニアによる頭痛は、適切な対処で多くの場合改善が期待できます。症状が続く場合は、自己判断せず専門医に相談することをお勧めします。
ヘルニアと頭痛に関するよくある質問
Q. 頚椎ヘルニアによる頭痛と片頭痛はどう見分けるべきですか?
A. 頚椎ヘルニアによる頭痛は、首を動かすと悪化することが多く、後頭部に痛みを感じやすいという特徴があります。また、首や肩、腕のしびれや痛みを伴うことが一般的です。一方、片頭痛は拍動性の痛みで、光や音に敏感になったり、吐き気を伴ったりすることが特徴です。また、片頭痛は前兆(閃輝暗点など)がある場合もあります。首の症状がなく、家族歴がある場合は片頭痛の可能性が高いでしょう。確実な診断には専門医の診察が必要です。
Q. ヘルニアによる頭痛は完治するのでしょうか?
A. 頚椎ヘルニアによる頭痛の完治可能性は、症状の重症度や原因となるヘルニアの状態によって異なります。軽度から中等度のケースであれば、適切な保存的治療(安静、薬物療法、理学療法など)によって症状の改善が期待できます。多くの患者さんは3〜6ヶ月の治療で症状が軽減し、頭痛も改善します。しかし、重度の神経圧迫がある場合や、保存的治療で効果が見られない場合は手術が必要になることもあります。手術を受けた患者さんの約70〜90%で症状の改善が報告されています。定期的な姿勢のチェックや適切な運動習慣によって再発予防も可能です。
Q. ヘルニアによる頭痛にはどのような薬が効果的ですか?
A. ヘルニアによる頭痛の薬物療法には、主に以下のようなものがあります。①非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs):ロキソニンやボルタレンなどが炎症と痛みを軽減します。②筋弛緩剤:筋肉の緊張を和らげ、関連する頭痛を改善します。③神経障害性疼痛治療薬:神経の痛みに直接作用します。④ステロイド薬:強い炎症がある場合に短期間使用されることがあります。しかし、薬物療法はあくまで対症療法であり、根本的な原因(神経圧迫など)に対しては、物理療法や場合によっては手術などの治療も検討する必要があります。薬の使用は必ず医師の指導のもとで行いましょう。
Q. ヘルニアによる頭痛を自宅でケアする方法はありますか?
A. ヘルニアによる頭痛のセルフケア方法としては、①姿勢の改善:特にデスクワークやスマホ使用時の「ストレートネック」を防ぐ、②定期的なストレッチ:首や肩の筋肉をやさしく伸ばす(急激な動きは避ける)、③温湿布の活用:筋肉の緊張を和らげる、④エルゴノミクスの工夫:モニターの高さ調整や適切な枕の使用、⑤休息と睡眠:適切な休憩と質の良い睡眠を心がける、などが挙げられます。ただし、これらはあくまで補助的な対処法であり、症状が継続する場合は専門医の診察を受けることが重要です。特に、しびれや筋力低下が進行する場合は早急に医療機関を受診しましょう。
Q. 頚椎ヘルニアの手術後も頭痛が続くことはありますか?
A. 頚椎ヘルニアの手術後も頭痛が続くケースは確かに存在します。考えられる理由としては、①手術によって神経の圧迫は解消されても、長期間の痛みによって既に中枢神経系が過敏化している場合、②別の頚椎レベルにもヘルニアや問題がある場合、③術後の筋肉や組織の修復過程で一時的に痛みが生じる場合、④頭痛の原因が頚椎ヘルニア以外にもあった場合、などが挙げられます。手術後の頭痛が続く場合は、担当医に相談し、原因を再評価することが重要です。多くの場合、時間の経過とリハビリテーションによって症状は改善していきますが、継続的なフォローアップが必要です。
Q. 子供もヘルニアによる頭痛になることはありますか?
A. 子供の頚椎椎間板ヘルニアは成人に比べて非常にまれです。子供の椎間板は水分含有量が多く、弾力性に富んでいるため、成人よりもヘルニアを起こしにくい傾向があります。しかし、先天的な要因やスポーツによる外傷、不適切な姿勢の長期継続などによって、稀に小児でも頚椎ヘルニアと関連する頭痛が起こる可能性はあります。子供に持続する頭痛がある場合は、小児科医や小児神経科医の診察を受け、適切な評価と診断を受けることが重要です。診断には画像検査が必要になることもありますが、子供の場合は放射線被曝を最小限に抑えるよう配慮されます。