「インフルエンザになると腰が痛い」
「インフルエンザでしんどいのに、腰まで痛くなって辛い」
「腰痛や肩こりの症状が出てきたと思ったら、インフルエンザにかかった」
こんなお悩みをお持ちではないでしょうか。
高熱が出て起きているのが辛いのに、同時に腰まで痛くなって辛い思いをしたことはありませんか?
なぜインフルエンザにかかると腰痛が起こるのか?
それは「プロスタグランジン」という物質の働きが関係しています。
プロスタグランジは、体温を上げたり炎症や痛みを強める働きがあります。
この記事では、インフルエンザに感染すると腰痛を引き起こす原因である、プロスタグランジンの働きやインフルエンザについて詳しく解説しています。
ぜひ最後までお読みください。
目次
インフルエンザとは
インフルエンザとは、感染力の高い「インフルエンザウイルス」の呼吸器感染症のこと。
流行シーズンは12月から3月がピークです。
感染経路は咳やくしゃみなどの飛沫感染、ウイルスが付着した手で目や鼻の粘膜、口などを触る接触感染などです。
潜伏期間はおよそ1日から3日で、発症する24時間前から発症後5日間から7日間は感染力を持っていると言われています。
引用:大阪市:インフルエンザの基礎知識 (…>健康・医療>感染症・病気に関すること) (osaka.lg.jp)
インフルエンザとかぜの違い
インフルエンザウイルスの特徴はかぜの細菌よりも小さく、感染力が高いウイルスです。
症状は似ている部分はあるものの、かぜと比べてインフルエンザは症状が重くなる傾向があります。
悪寒や急激に38℃以上の高熱が出ること、筋肉痛や関節痛などの症状が表れることが多いでしょう。
また、重症化してしまうと肺炎や脳症など、合併症が起こりやすくなる感染病です。
潜伏期間などに症状が出ることが少ないのに対し、感染力が高いので、知らずのうちに菌を移してしまっているかもしれません。
インフルエンザかかると腰痛が起こる理由
インフルエンザにかかったことがある人で、腰痛の症状が現れたことがある人も多いでしょう。
また、腰痛や肩こりなどの症状が先に来て、後にインフルエンザにかかる場合も。
実はインフルエンザと腰痛は密接な関係にあります。
この章では、なぜインフルエンザに感染すると腰痛が起こるのか、理由を解説します。
免疫反応や炎症反応によるもの
身体がウイルスなどに感染して炎症を起こすと、白血球から「サイトカイン」という物質が分泌され、インフルエンザウイルスから身体を守ろうとします。
しかし、サイトカインが過剰に分泌されてしまうと、臓器が機能不全を引き起こす可能性があります。
そこで「プロスタグランジン」の登場です。
体内でサイトカインが分泌されると、プロスタグランジンが産生され、プロスタグランジンはサイトカインが過剰に分泌されるのを抑える働きや、体温を上げる働きがあります。
体温を上げるには筋肉や血管を収縮させるため、腰周りの筋肉に酸素や栄養が行き渡らず、不要な老廃物が溜まり、腰に痛みが表れるでしょう。
インフルエンザの症状によるもの
インフルエンザの症状に、筋肉痛や倦怠感があります。
筋肉痛や倦怠感により身体の筋肉や関節が疲労したり緊張したりして、疲労物質が溜まり腰痛や肩こりなどの症状が現れるでしょう。
寝すぎによるもの
ベットや布団で長時間横になることにより、腰痛を引き起こしている可能性があります。
インフルエンザなどで長時間横になっていると、腰回りの筋力が低下したり、筋肉や関節が固まったりします。
また、重心がかかっている腰椎が圧迫されて血流が悪くなることにより、腰痛を引き起こしてしまうでしょう。
「寝起きに腰痛が起こる原因」の記事はこちら⇒腰痛が寝起きに起こる6つの原因と9つの対策を解説します。 (selfcareseitai.com)
インフルエンザの腰痛の対処法
高熱が出て体力的にも辛いインフルエンザ。
それに加えて腰まで痛くなり、精神的にダメージを受けるでしょう。
この章では少しでも腰痛の症状が緩和できる対処法をご紹介します。
患部を冷やす
湿布や保冷剤、アイスパックなどを使用して腰を冷やしてください。
冷やす際は直接患部に当てるのでなく、タオルなどを巻いて使用するようにしましょう。
なお、身体まで冷えてしまうと風邪をぶり返してしまうので、温かくして冷やすようにしてください。
寝姿勢に気をつける
就寝中の姿勢は仰向けで足を真っすぐに伸ばして寝ていませんか?
S字カーブになっている腰椎に負担かかっている状態です。
仰向けで寝る場合は両足を軽く曲げ、両足とマットレスの間にクッションなどを挟んでください。
足を曲げることで、腰椎の負担が軽減でき、腰痛の対処となるでしょう。
また、横向きの場合は両足を軽く曲げて、足と足の間にクッションを挟むと骨盤が安定します。
筋肉をほぐす
微熱ぐらいまで下がってくると、身体や腰を徐々に動かすようにしてください。
長時間横になっていることで腰回りの筋肉が硬くなっている可能性があります。
始めは着替えやトイレに行くときなど、身体を動かすついでに少し腰回りを伸ばす意識をしてみてください。
熱が下がり、体調が良くなってくると、腰や背中などのストレッチをすると良いでしょう。
また、入浴などで身体を温めるのもおすすめ。
血流が良くなり、腰の痛みが軽減できるでしょう。
インフルエンザの腰痛以外の症状
症状には個人差がありますが、インフルエンザの腰痛以外の特徴的な症状としては、
- 鼻水や咳
- 喉の痛み
- 腹痛
- 悪寒
- 38℃以上の高熱
- 頭痛
- 筋肉痛や関節痛
- 全身倦怠感
などがあげられます。
また、まれに下痢や嘔吐などの症状が現れることがあります。
なお、高齢者や妊婦は肺炎、幼児は急性脳炎や脳症など重症化する恐れがあります。
その場合は早急に対処しなければなりません。
高熱に加えて、関節痛や筋肉痛などの症状がある場合は内科などをすぐに受診し診断してもらいましょう。
ワクチンの副反応で腰痛は起こるか?
インフルエンザワクチンの副反応に腰痛の症状はありません。
主に以下の副反応が挙げられますが、通常3日から5日ほどで消失します。
また、ワクチンの持続期間は5か月ほどです。
- 接種した部位が赤く腫れる
- 接種した部位が痛む、又はかゆみ
- 発熱や頭痛
- 全身の倦怠感
引用:新型インフルエンザ予防接種後の症状について|厚生労働省 (mhlw.go.jp)
インフルエンザに感染しない予防法
高熱に伴い腰痛や頭痛、関節痛や筋肉痛など様々な症状が出てしまうインフルエンザ。
流行シーズンは12月から3月とイベント事が多い時期に、できるだけ感染するのを避けたいはず。
また、高齢や小さいお子様は、重症化してしまうリスクもあります。
この章では、基本的な感染しない方法をご紹介します。
インフルエンザウイルスの流行シーズンだけでなく、日常から感染対策すると良いでしょう。
ワクチンを打つ
流行シーズンに入る前に内科などでワクチンを打つと、感染のリスクが下がります。
費用は3,000円から5,000円程度。
少し高く感じますが体調を崩して病院へ行くことや、大切なイベントやお出かけなどが中止になることを考えると、安いのではないでしょうか。
また、ワクチンの効果は5か月ほど持続すると言われています。流行シーズンに合わせて接種すると良いでしょう。
手洗いうがい
基本中の基本ですが、帰宅後に手洗いやうがいを意識して行っていますか?
帰宅後のルーティンのように、流れ作業のひとつになって適当に行っている人も多いのではないでしょうか。
手洗いは石鹸を使って爪や指の間、手首などしっかりと洗うようにします。
うがいは、最低でも3回行うことをおすすめします。
上を向いて「あー」などと言いながら、喉をガラガラとすすぐようにしましょう。
人の多い場所を避ける
人の多い場所は感染のリスクが上がるので、避けるようにしましょう。
通勤などで、どうしても難しい場合は、必ずマスクを使用するようにしてください。
また、症状が出ていないだけで、自分が感染してしまっている可能性があります。
咳やくしゃみなどをする際には、必ず咳エチケットとしてマスクやハンカチで抑えるようにしましょう。
規則正しい生活を心がける
食事のバランスを整え、睡眠時間を確保し、日常から運動などを行うようにしてください。
規則正しい生活は免疫力が高まります。
免疫力が上がることによりインフルエンザ以外の感染症も防ぎ、生活習慣病のリスクも抑えられるでしょう。
まとめ
インフルエンザと腰痛は密接な関係にあります。
体内にウイルスなどが侵入すると、身体の免疫機能が発動します。
体温を上げたり血流を良くしたりなど、身体がウイルスと戦ってくれています。
その働きにより、関節痛や筋肉痛などの症状が現れ、腰に痛みが生じてしまいます。
対処としては、まずはインフルエンザなどのウイルスに感染しないこと!
そのためには、ワクチンの接種や手洗いうがいをこまめに行い、規則正しい生活をするように心がけましょう。
感染した場合は、まずは内科などを受診して薬を処方してもらい、腰に負担のない寝姿勢で安静にするようにしてください。
熱が下がり体力が少しずつ回復してくると、腰や背中を伸ばして固まった筋肉をほぐすと良いでしょう。